2025年2月11日火曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Soul To Soul


 1985年リリースの3作目で、ジャケ写ではストラトを持たずにセミアコ。腰にぶらさげているのは、おそらく日本のお守り。そうなると後ろの小屋はもしかして日本家屋に見えなくも無いが、テキサスの田舎の掘っ立て小屋か?と先に余計なところに目が行きます。
 さて本作は、とにかくどれもこれもパンチが効いていて、エネルギー満タンSRV作品の中でも、もっとも派手な仕上がりで気持ちが良い一枚という印象。サックスとキーボードまで加入して、サウンドを完成させていて、この時期ではギター・エフェクター・アンプなど多様に使いこなしていたようです。
 何より捨て曲が相変わらず無いのも、SRV作品のすごいとこで、ライブ映像ではあまり見られない曲もあったりするマイナー感も、このアルバムの良いとこでもあります。


 それではこのド派手なアルバムを再度聴きながらレビューします。Say What! インスト・ロックですが、テンポ緩めでワウワウを使用した粘るようなギター、キーボードソロなどもあり、バンド感が増しています。弾きまくってもいますが、フィードバックを使ったロングトーンでワウで変化させてくれるところが、また良い。Lookin' Out The Window
テキサス出身の Doyle Bramhall の作品です。本業はドラマーであり、SRVよりも5歳ほど年上でセッションもよくやっていたそうです。息子はギタリストでエリック・クラプトンの作品にも参加しています。曲はシャッフルでホーンを多重録音してバックに厚みを持たせていること、ジャズで言えば4ツを刻むようなギターも印象的です。Look At Little Sister
テンポは、ほぼ Lookin' Out The Window と同じのミドルテンポ。この曲ではピアノが強調されていてロックンロール・ピアノがこれまた効果的にブラスのバッキングとともにマッチ。Ain't Gone Give Up On Love スローなブルースロックで、キーボードがバッキングでギターはエフェクト少な目でオブリーガード。曲が進むにつれて歪みを入れてったり、チャッチャッと刻んで見たりと今聴いてみると細かいところに細工が施してあるのがわかります。Gone Home ジャズサックス奏者の Eddie Harris の楽曲で、SRVもジャズ・ブルースで演奏しています。こうした幅広い素養が他の曲にも実は活きているんでしょう。Change It 再度テキサス出身の Doyle Bramhall 作品で、いかにもテキサスが舞台で打ち合いで始まりそうハードボイルドな感じがカッコ良い。You'll Be Mine 1950年代のシカゴ・ブル―ズ黄金期の巨匠 Willie Dixon の作品で、明るく踊れる感じの跳ねる感じのハッピーな楽曲です。Empty Arms イントロはフランジャーを使っていて、アルバムの中では最も軽めのナンバーです。裏打ちがモロに意識されたバッキングが日本人ではないセンスですね。Come On (Part III)ニューオリンズの巨匠 Earl King の楽曲で、ジミヘンコードを多用したカバー。原曲はジミヘンぽくは無いファンク系ソウルですが、なるほど、これを現代アレンジすればこうなるのはそうですと納得。Life Without You スローなバラードナンバーでバンド演奏ではあるものの弾き語りのような、しみじみとさせてくれる楽曲です。ボーナストラックは Little Wing~Third Stone From The Sun ジミ・ヘンドリックスのインストカバーで、長くても楽しいです。続く Third Stone From The Sun も激しいアーミングとボリュームコントロールで、アーシーなギターがカッコ良すぎです。Slip Slidin' Slim まさにボーナスの短いインストナンバーで、スライド名手ではないけど、やっぱりカッコ良く弾けるんだと脱帽です。
 久しぶりのSRVでしたが、あと100年後も全てのギタリストのヒーローでいられる人なんだろうと思える演奏は、やっぱり楽しい🎶

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
keyboards : Reese Wynans
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
sax : Joe Sublett

executive-producer : John Hammond
producer (produced by) : Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan/Double Trouble
recorded at Dallas Sound Labs, Dallas, Texas and Riverside Sound, Austin, Texas

Tracks 1 to 10
rec: 1985

1. Say What! / S.R. Vaughan
2. Lookin' Out The Window / D. Bramhall
3. Look At Little Sister / H. Ballard
4. Ain't Gone 'n' Give Up On Love / S.R. Vaughan
5. Gone Home / E. Harris
6. Change It / D. Bramhall
7. You'll Be Mine / W. Dixon
8. Empty Arms /S.R. Vaughan
9. Come On (Part III) / E. King
10. Life Without You / S.R. Vaughan
【Bonus Tracks】
11. SRV Speaks
12. Little Wing/Third Stone From The Sun
13. Slip Slidin' Slim





  

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