2021年9月2日木曜日

本日のCD Kenny Dorham ♪ 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia

 

 ハード・バッパーの Kenny Dorham の安定のライブ収録盤。聴く前に予想していたレベルと雰囲気はやはり同じ期待を裏切らない安定の演奏はホッとします。ドーハムの参加していた The Jazz Messengers の At the Cafe BohemiaVol 1 2が録音されたのは、このライブの前年の1955年、この演奏が録音された1956年にはドーハム は Messengers を脱退しフロントの相棒にJ.Rモンテローズを迎え、自身のグループの Jazz Prophets を組んだとライナーノーツに書いてあります。💡 ドーハム のソロアルバムかと思っていたんですがジャケットとかにもどこにも書いてありませんが、どうやらこれはドーハムのリーダーセッションではなく Jazz Prophets のアルバムです。しかしこの Jazz Prophets もこのライブ後に解散して、ドーハムは急死したクリフォード・ブラウンの後任としてマックス・ローチのクインテットに移籍するとのことで、この時代のミュージシャンは忙しい。
 このアルバムは、リラックスした脱力加減が絶妙な気軽さでジャズとなっていて、実に楽しく聴ける。そして私的にはなんといっても名前も同じ Kenny Burrell のホーンに負けてられるかの高速バップギターが嬉しい。
 アルバム自体は哀愁度の高いメロディーの短調の曲が多い。Monaco はスローテンポのラテンから始まり倍テンポになってからは軽快に流れるような自然な展開でケニーバレルのソロは短めですが見事。次いでタイトル曲の 'Round About Midnight はモンク作曲のスタンダードですが、マイルスの演奏が強力に頭にインプットされていますがドーハムは何の気負いもなくさらっとプレイしています。次いで Mexico City ははじけるテンポのマイナー・テーマでこのアルバムで一番盛り上がっているのはこの曲ではないでしょうか。ここでもやっぱりバレルの粒立ちが良く流れるようなギターソロがカッコイイ。A Night In Tunisia はオープニングはラテンで直ぐに4/4に移行するこれも普通の展開ですが、テーマが終わった後のブレイク、ドーハムのトランペットのみからソロが始まる、この出だしで掴まれてからしまいます。スリリングではないけど余裕の落ち着いたチュニジアです。Autumn In New York は流れるようなバラードで聴いているとリラックスさせてくれる曲でドーハム以外は脇役に徹します。このアルバムでは箸休めのような役割でしょうか。最後は Hill's Edge でドラマーの Arthur Edgehill の名前を逆さにした曲でメンバーもノリノリで、ここではテナーのJ.R. Monterose が大活躍のソロを繰り広げ、バレルの本気の気合ソロのホーンライクなギターに耳を奪われます。
 派手なアルバムではないんですが聴いていると収録時間の43分があっというまに過ぎてしまう聞きやすいアルバムです。力の抜け具合がホントに絶妙でジャズって良いなあと思わせてくれます。

trumpet : Kenny Dorham
tenor sax : J.R. Monterose
piano : Bobby Timmons
guitar : Kenny Burrell
bass : Sam Jones
drums : Arthur Edgehill
 
producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

1.Monaco
2. 'Round About Midnight
3. Mexico City
4. A Night In Tunisia
5. Autumn In New York
6. Hill's Edge





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