2021年9月19日日曜日

本日のCD The Modern Jazz Quartet ♪ Blues On Bach

 

 ジャズは色々な音楽を取り入れてきた音楽なのでファンクよりもあればロックよりもある、最近ではヒップ・ホップまでと色々なものがありますが、MJQ は1952年結成の相当古いバンドですが、各楽器の素養がクラシックにあることはよくありますが、このバンドのサウンドまでクラシックの影響を感じさせてくれます。したがって私のようなクラシックを聴かないで育ってきた人間には、時には眠気を誘う音楽のように感じると時がありました。しかし最近は昔よりも雑多に音楽を楽しむ人間になってきましたので、このアルバムのなかなか興味深い作り方には聞き入ってしまいました。
 MJQと言えば、管楽器は使わないMilt Jackson (ミルト・ジャクソン) のビブラフォンを中心にした一貫してクールで室内音楽的なジャズ集団ですが、このアルバムのコンセプトのバッハとブルースの主役はやはりピアノの John Lewis (ジョン・ルイス) ということになるでしょう。ジョン・ルイスはディジー・ガレスピーの楽団でデビュー。以降チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスなどと共演し、1952年に、ガレスピー楽団出身者を集めてこのMJQを結成。音楽的にはビバップに影響を受けながらも、クラシックの室内楽を思わせる端正かつユニークな音楽性を確立しヌーヴェルヴァーグとジャズの関わりにおいて先駆者的存在となったり、晩年はバッハの作品を発表もしています。このアルバムでもハープシコードをプレイしています。
 このアルバムは名盤「Last Concert」の1年前1973年にリリースされたもので、 1972年カーネギーホールでのスペシャルコンサートの第2部プログラムを そのままスタジオ録音したものとなっている。(と言いつつ、私 Last Concertはこのアルバムを聴いた後に聴いています)クラシックの音楽的手法をジャズに取り入れることを考えていたルイスの音楽的思考が反映されていて、ジョン・ルイスの弾くハープシコードによるバッハの曲とBulues in でコードネームのブルース演奏が交互に淡々と演奏され、いつものMJQよりも更に格式が高い演奏になっている。そう思いながら繰り返し聴いていると、実に襟を正したいつもの特徴の様式美がバッハと交互に聴くことにより更に聴く側に意識させ、その束縛された様式の中でミルト・ジャクソンがブルージーなフィーリングのヴィブラフォンプレイをすることにより、聞く側もほっとできるという心理的なアプローチも意図されているような気もしてきた。特に、誰もが聞き覚えのある Precious Joy のハープシコードとビブラフォンの演奏と続く Blues in C Minor は皆さん素晴らしいと書いていますが私もここが一番盛り上がるところかと思います。テーマの出だしが何か聞いたことがあると思っていたら You`d be so nice to come home to ですね。ちなみにこの曲コールポーターが作曲したのは1943年でした。
 スリリングなハード・バップ好きには眠くなるアルバムであることは間違いないが単体で聴くよりも、家で本でも読みながらじっくりと何回も聴くと味が出てくると思いますので、是非アルバムごと聴いてほしいと思います。
 
piano and Harpsichord : John Lewis
vibraphone : Milt Jackson
bass : Percy Heath
drums, percussion : Connie Kay

producer : Nesuhi Ertegun
recorded on November 26 & 27, 1973 at Atlantic Recording Studios, New York City.

1. Regret?
2. Blues in B Flat
3. Rise up in the Morning
4. Blues in A Minor
5.  Precious Joy
6.  Blues In C Minor
7. Don't Stop This Train
8. Blues in H (B)
9. Tears from the Children





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