私の中では割と喰わず嫌いをしてしまっているパット・メセニーですが、中古屋で見かけてデビュー盤 Bright Size Life 以来の2枚目購入してみました。何故メセニーを聴かなかったかと言えば、私の若い頃は、ギターフュージョンをかなり聴いていたのですが基準は聴くというよりはギターをコピーできるか?マネできるか?がだったからで、メセニーの音を聴いたりビデオを見てこれは太刀打ちできないしマネもできないと思ってしまったからです。社会人になるまでは、ジャズ研での参考とする音源以外は、ほぼギターレスの音楽は聴いていなかったからです。今はギターレスの音楽の方を多く聴いているので時代は変わるものです。本作はギターのメセニーの1992年に発表したグラミー賞作品ですが、この時点ではこのアート感を楽しめる音楽感は私にはありませんでしたね。
さてこのアルバム、ジャケットのデザインそのままの音楽で、絵画を見ているようなアルバムのトータルで聴かせる壮大なアート作品。それは最初のAbove The Treetops から始まりますが、カンボジアの子供たちの声をサンプリングしてメセニーがフォーキーなギターで被せてくると神々しい気分で既にジャズ界からは離脱です。(これはカンボジアの霊歌「Buong Suong」がベースとのこと)。Facing West は雄大な空にはばたくようなイメージに持って行って、Cathedral In A Suitcase では壮大な自然に包まれて、Finding And Believing では中近東へ旅をする。クライマックスは The Truth Will Always Be で静かなイントロから壮大なオーケストレーション。後半にうなるギターシンセに展開します。ちなみに、As A Flower Blossoms は短いながらも矢野顕子との共作で道に咲く小さまな花を矢野顕子節で表現している。
旅のドキュメンタリーを見ていて、それに合わせてこのアルバムを作ったんじゃないか?とも思わせる風景が見える大作です。今までのメセニーのイメージは、つかみどころのない音楽感のイメージが強く、これを聴いてこんなストロークプレイをするんだ、とか難解フレーズではなくフォーキーなこともできるんだ、とか発見も多かったです。
Pat Metheny / acoustic guitar (1, 4 to 6, 8, 9) electric guitar (2, 6, 11) electric piano (6, 8, 9) guitar synthesizer (3, 5, 12) keyboards (2, 3, 6, 7, 11, 12) percussion (electric) (3, 4, 7, 12) piano(4, 10, 11) electric sitar (4, 7) synthesizer (2 to 4, 6 to 10,12, 13)
voice : Mark Ledford (3, 4)
acoustic piano : Gil Goldstein (7, 9), Lyle Mays (2, 6)
harmonica : Toots Thielemans (8, 11)
acoustic bass : Charlie Haden (1, 8), Steve Rodby (5 to 7, 9, 11)
electric bass : Will Lee (6, 12)
drums : Paul Wertico (7, 8, 9, 11), Steve Ferrone (3, 12)
percussion : Armando Marçal (1 to 7, 9, 12), Nana Vasconcelos (1, 4, 5, 10 to 12)
cymbal (Roll) : Danny Gottlieb (3, 11)
conductor : Jeremy Lubbock
orchestra : The London Orchestra
1. Above The Treetops
choir : The Choir Of The Cambodian Royal Palace
orchestra : The Pinpeat Orchestra Of The Royal Ballet
2. Facing West
3. Cathedral In A Suitcase
synthesizer (keyboard bass) : Pat Metheny
4. Finding And Believing
accordion : Gil Goldstein
5. The Longest Summer
6. Sunlight
7. Rain River
flute : Andy Findon
8. Always And Forever
9. See The World
bass : Anthony Jackson
bass trombone : Dave Taylor
french horn : John Clark
trombone : Tom Malone
trombone, tuba : Dave Bargeron
trumpet, flugelhorn : Michael Mossman, Mike Metheny, Ryan Kisor
10. As A Flower Blossoms ( I Am Running To You)
voice : Akiko Yano
11. Antonia
voice : Nana Vasconcelos
12. The Truth Will Always Be
13. Tell Her You Saw Me
harp : Skaila Kanga
14. Not To Be Forgotten (Our Final Hour)
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