2021年9月22日水曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Fancy Free

 

 1969年録音のDonald Byrd (ドナルド・バード)の「Fancy Free」は時代の波に乗った電化サウンドを挿入した作品です。マイルスによりジャズのエレクトリック化が促進されたのもこの頃で、エレクトリック楽器を初めて使用したのは1968年 Miles In The Sky エレクトリックとして有名なアルバム Bitches Brew は1970年です。ジャズの表現手法は変化しMilesの電化ジャズに触発された「Electric Byrd」の始まりのアルバムとなります。
 本作はファンキー時代から度々コンビを組んだDuke Pearson (デューク・ピアソン)がエレクトリック・ピアノを担当し、ブルーノート・レコードの創始者であったアルフレッド・ライオンが去った後に制作されたこともありプロデュースも担当しています。
 10人の大きな編成のバンドでリズミカルなパーカッションに乗って1曲目 Fancy Free はバード作。1曲目の Fancy Free はパーカッシヴなリズムで始まり、Pearsonのスペイシーなエレピがクロスオーヴァー・ジャズを感じさせながら、フルートの音色がクールにマイルスの影響を受けた電化ジャズを非常に感じさせてくれるる演奏。I Love the Girl はバラードで、これまた Pearson のエレピが効果的に使われています。ポツリ、ポツリと弾かれるエレピの音と Byrd のロマンティックなプレイ、その後に入ってくる Foster のサックスによって曲に動きが生まれ、また包まれて溶けてゆくような静けさに。私はこれは非常に好きなタイプで好演だと思います。3曲目の The Uptowner では少し上げてきます。ジャズ・ロック的なリズムにのせて Byrd のソロも軽快です。ギターの Ponder はここで出番とばかりにかなり変則的な始まり方で攻めています。最後になります Weasil は、派手さはありませんがゆっくりジワジワと怪しい感じながら盛り上がり、各自ソロはクールに決めてきます。ド派手に盛り上げないところがリスナーを抑圧しているようでクールと感じます。サンプリングにはもってこいの曲でしょうね。先日ソロアルバムを購入したドラマーの Idris Muhammad もこのアルバムに参加していました。
 電化作品としては「Fancy Free」「Weasil」が推しですが「I Love the Girl」が心に残るなあ。シンプルなアルバムで心地よく聴けました。

trumpet : Donald Byrd
electric piano : Duke Pearson
guitar : Jimmy Ponder
bass : Roland Wilson
drums : Joe Chambers (2,4), Leo Morris(Idris Muhammad)(1,3)
percussion : Nat Bettis, John H. Robinson Jr

trombone : Julian Priester
tenor, alto sax : Frank Foster
flute : Jerry Dodgion (1,3), Lew Tabackin (2,4)

producer : Duke Pearson

recorded 9th May & 6th June, 1969.

1. Fancy Free
2. I Love The Girl
3. The Uptowner
4. Weasil



▶ Weasil


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