2022年9月25日日曜日

Herbie Hancock / My Point Of View

 

 1960年にドナルド・バードのクインテットでプロとしてのスタート。21歳になった1962年に21歳でデクスター・ゴードンを迎え、収録曲に Takin' Off という曲は無く代わりに顔として Watermelon Man を収録した Takin' Off で離陸した。その後 Maiden Voyage(1965年に、Speak Like a Child(1968年)を発表していて、その狭間の1963年録音の2枚目のアルバムが本作の My Point Of View となります。


 トランペットに Donald Byrd、テナーサックスは Hank Mobley は鉄板の布陣。トロンボーンの Grachan Moncur III は、私あまり注目したことが無い人ですこのアルバムの録音でも少し地味目の演奏。リズム隊が、また最強でギターのGrant Green、ベースのChuck Israelsb。ドラムは Anthony Williams でクレジットされていますが Tony Williams(トニー・ウィリアムス)で当時17歳です。本名は Anthony Tillmon Williams だそうです。
 曲はと言えば聴いたことが無いのに、出だしから耳にしたことのあるリフです。Blind Man, Blind Man は、1作目のWatermelon Manをベースにしているのです。名曲ではありますが、洗練されたジャズとは言い難い曲と思っているこの曲がベースとなっているのは たしか Donald Byrd でもありました。またこの曲は、後にハンコックがプロデュースする Head Hunters でもアレンジを変えて強力な曲となっています。ミュージシャンにとっては印象的なつくりの曲になるようです。
 とはいえ、このアルバム、他の作品に較べるとあまり話題にならないとなっています。前作が強力であり次のアルバムに同様のモチーフで Blind Man, Blind Man を持ってきたことで2匹目のドジョウ狙いのような扱いになっているからでしょうか。ぶち抜けた良さはありませんが、シンプルに演奏曲目とも実に良い作品ではあります。
 ファンク基調のジャズも良いですが、3曲目の King Cobra は、コードとリズムが印象的で気に入りました。これがハンコックのコブラのイメージなのかと思ったら、ハンコックが当時乗っていたスポーツカー、Shelby King Cobra の曲だそうです。重たいエンジン音がブルンブルンとして、朝靄の中へぶっ飛ばすようないめーじなのでしょうか?そう思って聴くとすっきりします。

piano : Herbie Hancock
guitar : Grant Green
bass : Chuck Israelsb
drums : Anthony Williams
tenor sax : Hank Mobley
trombone : Grachan Moncur III
trumpet : Donald Byrd

Producer : Alfred Lion

Recorded on March 19, 1963.

1. Blind Man, Blind Man
2. A Tribute To Someone
3. King Cobra
4. The Pleasure Is Mine
5. And What If I Don't





  

2022年9月17日土曜日

Russell Malone Quartet / Wholly Cats

 

 90年代以降を代表する黒人ジャズギタリストの一人で、イメージ的は厳格にジャズを追求していながらもコンテンポラリーな要素も取り入れた作品もある方です。1963年11月8日 アメリカ合衆国ジョージア州オールバニ生まれで、4歳の時に母親が買ったおもちゃのギターを弾き始め、12歳のときにジョージ・ベンソンがベニー・グッドマンとテレビで演奏するのを見たことに大きな影響を受け、B.B.キングやザ・ディキシー・ハミングバーズなどの影響を受けほとんど独学とのこと。1988年からはジミー・スミスのバンドに2年間加入し、1990年代を通してハリー・コニック・ジュニアのビッグバンドのメンバーとして世界中を廻り、やダイアナ・クラール・トリオのメンバーとなり、1990年代後半から2000年にかけて、ピアニストのベニー・グリーンの3枚のアルバムに参加し、その後2人はデュオを結成し、2003年から2004年にライブアルバム1枚、スタジオ・アルバム1枚をリリースして2007年までツアーを行っています。
 一方リーダー作は今までにスタジオ録音13枚、ライブ2枚とそれほど多くない。デビュー Russell Malone が1992年で、2017年のアルバム Time for the Dancer 以降発表していないが演奏活動はまだまだ続けられているようで、ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラへの客演で本年2022年8月24日で来日されています。


 本作は、日本のレーベル Venus による音源で1995年録音の作品となっています。Venus は高音質音源のレーベルとして有名で、本作も24bit Super bright sound と表示され音圧が高く高品質な録音となっています。収録曲はチャーリークリスチャンの Wholly Cats、マルグリューミラーの Carousel 、ジミースミスの Off The Top、モンクの Four In One、ビリーストレイホーンの After All 等、スピード感あふれるアグレッシブな演奏からしっとり聴かせるバラードまで。Russell Malone はジョージ・ベンソンやウェス・モンゴメリーの流れを汲む人で、音はジャズそのものだけど、音楽性はジャズだけでなく様々な音楽からの影響もある人の印象ですが、本作は硬派なシンプルなジャズです。クラシック、カントリー、ブルースの影響をこの録音から感じると書いておられる人もいますがそうですかね?
 録音メンバーは、Russell Malone、Larry Willis、Rodney Whitaker、Yoron Israel。あまり注目して聴いたことのないメンバーだが程よい緊張感とセンスの良い演奏は好感です。
 ゴリゴリのフレーズや、機関銃のように詰め込んだフレーズは Four In One ぐらいですが少し地味目、そんな構成のためかそれほど売れていないアルバムではあるものの演奏、録音とも充実しているので彼の作品の中では上位に位置付けても良い作品ではないかと思われます。

electric guitar : Russell Malone
piano : Larry Willis
bass : Rodney Whittaker
drums : Yoron Israel

producer, Mastered By : Tetsuo Hara

recorded at Clinton Studio "A" in New York on July 18 and19, 1995.

1. Wholly Cats
2. I Concentrate On You
3. Carousel
4. Swing Low, Sweet Chariot
5. Off The Top
6. Four In One
7. After All
8. Chitlin Blues
9. Yesterdays





  

2022年8月20日土曜日

Bobby Hutcherson / Knucklebean

 

 Bobby Hutcherson(ボビー・ハッチャーソン)は1941年アメリカロサンジェルスに生まれジャズ・ヴィブラフォン奏者であるが、もとはピアノから音楽に入った人です。Milt Jackson(ミルト・ジャクソン)、Miles Davis(マイルス・デイビス)、Thelonious  Monk(セロニアス・モンク)に影響を受けてジャズに傾倒し、ジャズ・バンドへの参加はヴィブラフォンで、Dave Pike(デイブ・パイク)にヴィブラフォンの手ほどきを受けているとのこと。1961年にニューヨークへ進出し頭角を現すようになり、1963年にはジャッキー・マクリーンの「One Step Beyond」に参加、続く1964年にエリック・ドルフィーの「Out to Lunch」、アンドリュー・ヒルの「Judgment」への参加で一躍注目を集める。1965年、初リーダー作「Dialogue」を Blue Note(ブルーノート)からリリース。以降新主流派のヴィブラフォン奏者として数多くの作品を同レーベルに残し、1966年発売のHappenings は Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)も参加していることから人気の作品とのこと(どこかで手に入れねば)1970年代に入って新主流派ジャズが下火になるとラテン、R&B、ファンク等のフュージョン的な作品が連なるが、ヒットには至らなかったようで、この作品もその一つになるんでしょうね。1980年代以降はストレート・アヘッドなジャズに戻りっているそうです。私は彼のリーダー・アルバムを購入は、これが初めてですが、参加アルバムとしては、 Eric Dolphy / Out To Lunch!Grant Green / Idle Moments などのを聴いています。その他ジャズファンクのオムニバスなんかにもハッチャーソンは収録されていて、Out To Lunch! はフリージャズの入り口のようなアルバムで印象深いアルバムで、ここでも Freddie Hubbard(フレディハバード)と共演していました。


 しかし、このアルバムでのフレディ・ハバードとの共演は実に12年ぶりとなったとのことですが、1曲目の Why Not なんかは当時流行りのスムース・ジャズ系で軽やかな出だし、フレディも控えめに、ハッチャーソンのビブラフォンが縦横無尽に音の洪水を創り出している。とにかくテクニックを魅せる楽曲となっている。Sundance Knows はのっけからフレディのソロ・トランペットから始まり、次の主役が登場したかのような流れは、ライブに来ているかのような演出と感じます。トランペットも粒立ちのはっきりした音色の楽器であり、ビブラフォンも短い音を連続させるのが真骨頂の楽器であり、聴いているリスナーを熱くさせる抜群の取り合わせだと、この演奏を聴いていて思います。MJQとかでは心落ち着かせる音色に感じるのに奏者によって全く変わるのが面白い。なんて思いながら聴いていると So Far, So Good あたりからはストレート・アヘッドなジャズで実にスリルに満ち溢れた演奏となるのに好感。Little B's Poem はハッチャーソンのオリジナル。ミドルテンポで落ち着いたテーマなのにハッチャーソンがひたすら弾ける名演です。それほど評価が高くないアルバムとのことですが結構熱いですね。隠れた名盤かもしれません。おススメ度は結構高いです。

marimba, vibraphone : Bobby Hutcherson
electric piano, piano : George Cables
bass : James Leary
drums : Eddie Marshall
flute, soprano sax, tenor sax : Manny Boyd
flute, tenor sax : Hadley Caliman
trumpet : Freddie Hubbard (2 to 4, 6)

producer : Dale Oehler

tracks 2, 3, 4, 6 recorded on March 1, 1977.
tracks 1, 5 recorded on March 3, 1977.

1. Why Not
2. Sundance Knows
3. So Far, So Good
4. Little B's Poem
5. 'Til Then
6. Knucklebean


▶ Why Not




  

2022年8月14日日曜日

Toots Thielemans / East Coast West Coast

 

 1922年ベルギーのブリュッセル出身で、ハーモニカだけでなくギター、口笛なども演奏されたらしい。まっすぐな音色のハーモニカで聴く人に心を届けるような演奏でした。「Toots」というニックネームはミュージシャンの「Toots Mondello」と「Toots Camarata」に由来しています。1950年にベニー・グッドマンのヨーロッパ・コンサート・ツアーに参加したことがきっかけで30歳の1952年にアメリカに移住することになります。そして「チャーリー・パーカー・オールスターズ」のメンバーとなり、「ジョージ・シアリング・クインテット」などへも参加。以降、エラ・フィッツジェラルド、クインシー・ジョーンズ、ビル・エヴァンス (Affinity)、ジャコ・パストリアス (Invitations, Live 1985, Twins Ⅰ&Ⅱ Live In Japan 1982, Truth Liberty & Soul)、Zachary Breaux (Laidback) ナタリー・コール、パット・メセニー (Secret Story)、ポール・サイモン、ビリー・ジョエル など、ジャズだけではなく幅広く活動しています。日本人ではオルケスタ・デ・ラ・ルス (La Aventura)、ポピュラー音楽やCM音楽、テレビ番組「セサミ・ストリート」でのハーモニカ・ソロなど多岐にわたるようになったとのことで、セサミストリートの耳覚えのあるあのハーモニカはトゥーツ・シールマンスだったのかと今更知りました。そして2016年故郷ブリュッセルにて死去。享年94歳でした。


 共演アルバムに名演が多いだけにリーダーアルバムは少ないといった印象がありましたがライブも含めると40枚超のアルバムを出していらっしゃるようです。ライナーノーツによるとこのアルバムの前に出した「The Brasil Project」の名前のシリーズは絶賛でした。そしてこのアルバムは、スタンダードを中心とした豪華メンバーでのジャズ・アルバムとなっています。以外にもジャズ・スタンダード中心のアルバムはこれが初めてのことで、おおよそ4分ぐらいにコンパクトにまとめられた名曲が揃っていて、スリリングさ熱さといったものは無いものの、中身は悪い訳がありません。
 バンドでの演奏も良いですが、ハーモニカという楽器の特性もあると思いますが、デュオ曲にセンスが光ります。In Your Own Sweet Way はvibesの Mike Mainieri との共演で最後の方にベースとパーカッションが入ります。 A Child Is Born は Herbie Hancock との共演でライナーノーツで塩谷哲氏が書かれているように「音楽の美しさ、強さ、大きさを改めて感じることのできる名演」かと思います。
 昔クロマチック・ハーモニカを購入はしたんですが全く上達せずに眠ったままです。こんな透明感のある音が出てっけかな?と、これを聴いて再挑戦しようとは・・・・思えないなあ。

harmonica :  Toots Thielemans
<East Coast>
piano : Lyle Mays  (1-4) 
piano : Bruce Barth (7) 
guitar : John Scofield (1,5,7)
bass: Christian McBride (1-7)
drums : Troy Davis (1-5,7) 
trumpet : Terence Blanchard  (2,4,7)
tenor sax : Jushua Redman  (1,4)
vibes : Mike Mainieri  (5,6)
<West Coast>
piano : Alan Broadbent (8,11,12)
piano : Herbie Hancock (9)
piano : Michael Lang (13) 
guitar : Robben Ford (8,10)
bass : Charlie Haden (8,10,11,12)
Dave Carpenter (13) 
drums : Peter Erskine (8,10,12)
violin : Jerry Goodman (8,10) 
tenor sax : Ernie Watts (12,13) 

executive producer : Ron Goldstein
producer : Miles Goodman, Oscar Castro-Neves

recorded At Conway Studios, Los Angeles (West Coast) & The Hit Factory, New York (East Coast) 1994

【East Coast】
1. Naima
2. In Walked Bud
3. Dear Old Stockholm
4. Groovin' High
5. Con Alma
6. In Your Own Sweet Way
7. Giant Steps
【West Coast】
8. Waltz For Debby
9. A Child Is Born
10. Take Five
11. Spring Can Really Hang You Up The Most
12. Ornithology
13. Blue In Green





  

2022年5月22日日曜日

Miles Davis / Agharta

 

 Miles Davis(マイルス)を聴いてきた人たちに衝撃を与える作品の一つに入るアルバムでしょう。実際私も行きつけのおでんバーで、Agharta(アガルタ) Pangea(パンゲア)を聴きその破壊的な音圧に衝撃を受けながら、2枚のCD音源を同時に鳴らすとヘビーなリズムの混沌さが増して、そのエネルギーだけで音楽として成立するフリージャズやノイズ系の音楽に通ずるものと酷似するといったマスターの実験にも付き合ってきた一連の作品です。
 今でこそマイルス作品も相当な数を聴くようになった私ですが、ジャズをそれほど好んで聴いていなかった時代からマイルスはラジオやTVなどで耳にすることも多く、それは大衆受けしそうなポップな作品のエレキトリック・マイルスでした。このイメージでマイルスの音楽は固定されていたのですが、エレクトリックに移行する前の歴史を聴いてみようと思い最初に購入したのが Jazz At The Plaza でした。ここら辺は所謂ジャズらしさが聴けて大人になったような気分になりました。そして次に購入したのが Bitches Brew で、聴きながら困惑し当時その良さが理解できず、ここでマイルスはよくわからない、やっぱり真のマイルス好きはこんな作品が好みなのか、私には理解できない世界だ。と暫く私はマイルスから遠ざかってしまいました。


 しかしマイルスの 古いアルバムも聴いてみるかと、聴き始めてからはその真面目な演奏ぶりに面白くなってきて、印象は一変しました。時代を追いながら聴けば聴くほど面白く聴けてきます。死刑台のエレベーターなんて小説を読みながら聴いてたら非常につまらなかったんですが、時間を置いて聴いてみると、あれっ良いじゃないですかなんてことも起きます。
そんな聴き方をしているうちに、マイルスって時代を追いながら聴いたら面白いと気付き始めて、またエレクトリック・マイルスに戻ってきたわけで聴いたことはあるけど、持っていないパンゲアもいずれ手に入れないければなりません。
 さて、そんなわけで本作はエレクトリック・マイルスの大阪コンサート1975年2月1日午後の部を収録したアルバムでありこんな刺激的な名作が日本のコンサートの収録であるということも嬉しい限りです。同じエレクトリック・マイルスの作品である Bitches BrewIn A Silent Way などはいくつかの録音をつなぎ合わせた手法での作品と言われているのに対しセッションなので当然一発勝負の録音となっていてぶっ飛び具合は中々のもの。
 このアルバムの収録時にマイルスは48歳でジャズに一線を画しエレクトリックでファンクな世界に突入、ファンク好きな私にとっては今となってはとっつきやすい録音です。

trumpet, organ : Miles Davis
guitar : Reggie Lucas
guitar, synthesizer, percussion : Pete Cosey
bass (fender) : Michael Henderson
drums : Al Foster
congas, percussion, drum (water drum), drum machine (rhythm box) : Mtume
soprano sax, alto sax, flute : Sonny Fortune

producer : Teo Macero

recorded Feb 1, 1975 at Osaka Festival Hall

1. Prelude
2. Maiysha
3. Interlude / Theme From Jack Johnson



  

2022年4月8日金曜日

Weather Report / I Sing The Body Electric


 1972年に発表された Weather Report 2枚目のアルバムです。まずはSFチックなジャケットに目を奪われてしまいます。1855年のウォルト・ホイットマンの詩『ぼくは充電されたからだを歌う』、レイ・ブラッドベリの1969年の短編のタイトル『歌おう、感電するほどの喜びを!』から取られたものでそれがこのジャケットのイメージということ。私がSF小説を読んでいたのはこの時代よりもっと後のことですが、その時に既にハヤカワSF文庫というSFばかりがずらりと並んだものが書店の一角を占めており、おそらくこの時代ぐらいからSFが流行っていたんでしょう。宇宙船に乗って旅や冒険をするタイプのSFはスペース・オペラと分類されていましたね。懐かしい。ブラッドベリもドキドキしながら読んでいました。アメリカのスペース・オペラのアニメなんかもTVで放送されていましたのでおそらく娯楽としてSFがアメリカも日本も流行っていたので、その流行りにインスパイアされたのでしょうか。なかなか宇宙観が出ています。


 1~4曲目のレコードではA面は、混沌としたスタイルですがウェザー・リポートらしさも感じるフリーフォームでスリリングなエレクトリック・ジャズ。Unknown Soldier は、ザビヌルっぽいんですが、よく聴くとまだ Joe Zawinul がサウンド全体を仕切っていないので、Wayne Shorter のサックスも自由に表現が出来ていることが感じられます。それに2曲目の The Moors は、ウェザー・リポートではギターが登場する唯一の曲12弦ギターが登場します。ここら辺も実に自由があるなあと感じる良い作品です。3曲目 Crystal もショーターのサックスが中心に世界観を作っていて広大な宇宙に漂っているかのような浮遊感が心地よい。4曲目 Second Sunday In August に至っては、ミステリアスではあるがキャッチーななテーマに乗って、 Crystal では漂っていたメンバーが、意思を持って宇宙を泳ぎながら散歩しているようなイメージになります。とここまでは結構統一したコンセプトと世界観が感じられますが、5曲目以降はライブとなりますので、ガラッと変わります。
 レコードですとB面にひっくり返すと違うアルバムになってしまっているわけです。レコードならひっくり返すという行為があるので、切り替えの間があるわけですが、CDではいきなり始まりますので若干の違和感は感じます。B面では、ファンク的なビートとサウンド、民族色もあるジャズ・ロックのような感じになります。楽曲表現としては私の好物の手法なのですが、このアルバムのB面に入れるとアルバムとしてのまとまりが感じられなくなるので、これじゃなくても良いんじゃないのかなあとも思ってしまいました。ちなみに原盤のLPなどには日本人のMCが収録されているようで萎えると評されている方も多かったようですが私の購入した、このCDではMCは入っていません。あまりに評判が悪く外したのでしょうが、そんなにダサいのであれば、敢えて聴きたくもありますのでYouTubeで・・なるほどですね
 数年前の私のレビューでは「非常にクセが強いアルバムですが、きっと5年後、10年後に聴けば、自分の中の感性も変わりまた受ける印象などが変わるそんな予感がします」と書いていました。後期のジャコ加入後は好きだけど、こちらはこちらで味がある。
10年経たずに聞いたら印象変わってました🎵

keyboards : Joe Zawinul
reeds : Wayne Shorter
bass : Miroslav Vitous
drums : Eric Gravátt
Eenglish horn : Andrew White (1)
flute : Hubert Laws, Jr.
percussion : Dom Um Romao (2)
trumpet, piccolo trumpet : Wilmer Wise (1)
twelve-string guitar : Ralph Towner (2)
vocals  : Chapman Roberts (1), Joshie Armstrong (1) , Yolande Bavan (1)

All side A selections recorded in Columbia studios, New York City: A1, A2 in November 1971; A3, A4 in January 1972.

All side B selections recorded during a "standing room only" concert performance January 13, 1972 in Shibuya Kokaido Hall, Tokyo, Japan.

1. Unknown Soldier
2. The Moors
3. Crystal
4. Second Sunday In August
5. 【Medley】:  Vertical Invader, T.H., Dr. Honoris Causa
6. Surucucú
7. Directions



2022年4月7日木曜日

Mike Stern / Time In Place


 思い出のMike Stern(マイク・スターン)のアルバムです。大学に入学して何か音楽活動をしたいと思って、ロック研究会とジャズ研のどちらに入ろうか迷い、先輩方の新入生歓迎の演奏会でジャズを聴き、ロックをやるうえでもジャズは絶対に勉強にあることを感じジャズ研に入会したは良いものの今までジャズなんてものを聴いたことが無い。とりあえずコンボを組んでスタンダードを練習するもののお手本となる音源をメンバーから貸してもらってもギターは入っていないものばかり。ビッグバンドに参加しないか、と言われて練習に参加するものの、パワーコードばかり押さえてきたので、4つもののリズム・ギターなんてやったことが無いと何をどうしたら良いものかさっぱりわからず状態でした。それでも少しづつ考えながらジャズに参加していましたが、今まで手を付けていなかったフュージョンでもジャズ研は良いことがわかり、先輩からジョンスコを薦められましたが、聴いたとたんに百年早いことがわかり、カシオペアはタイプじゃない。で探しながら出会ったのが、The Gadd Gang と Mike Stern でした。


 ラジオでロックっぽいフレーズのフュージョンだったので、とりあえずCDを購入したのがこのアルバムです。ジャズコンボも組んでいましたが、スタンダードは当時スタンダードばかりのコンボは、ジャズギターはどんな感じで弾いたら良いのかさっぱりわからない自分には、つまらなくかったので、とりあえずベースとドラムを同年代に頼み込みコンボを結成のジャズ研でGossipのコピーにトライした記憶があります。しかし、ドラムとベースはやっているうちに拍が解らなくなるようで中々てこずりました。と言うか結局は人様の前で披露できるまでに至らなかったのですが、このようなフュージョンを弾くこともなかったので私的には、ギターの指盤上でメカニカルに動く、このコピーはなかなか勉強になりました。もしかしてこの曲はスターンの練習している時とかに、このフレーズは出来たんじゃないのか?とも思えるメカニカルな動きが、こんな響きになるのかと新鮮でした。
 さてそんな、Mike Sternですが、YAMAHAのギターをずっと使っておられて、シグネイチャーモデルはPACIFICA1611MS

希望小売24万(高い?〉


私が初代テレキャスを購入した時に、色をナチュラルにしたのはマイクスターンの影響も若干ありです。今見ると全く違いますけど、スロットで大勝ちした時に購入しました🎵

guitar : Mike Stern
keyboad : Key.Jim Beard
organ : Don Grolnick (4)
bass : Jeff Andrews
drums : Peter Erskine
percussion : Don Alias
tenor sax : Bob Berg (2, 3, 4, 5, 6),Michael Brecker (1, 7)

producer : Steve Khan

1. Gossip
2. Time in Place
3. Before You Go
4. No Notice
5. After All
6. Four Shades
7. Chromazone

Michael Brecker Bandでの
Gossip
1989年 Live Under The Sky

  

2022年4月6日水曜日

Formerly Known As Prince / The Gold Experience


 数年ぶりで久しぶりに聞いていますが、まあカッコイイし凝ってますよ。大ヒットしたことも納得のアルバムですね。購入時は、レンタルCDの中古販売品というのがシールからわかります。Purple Rain とかが流行っていた当時はあの独特のボイストーンが気持ち悪かったはずなのですが、たまに聴くようになり、今聴けば懐かしさもありながらかっこいいもんだと評するまでの自分の中の経時変化は今更ながら自分でも驚くものがあります。小学生の頃は生キャベツが大嫌いだったのに、大学の時に友人たちでトンカツ食べに行ったら「あれ?食べられるじゃん」と言った変化と似てる?かな。


 2016年に歳で亡くなり随分と月日が経ちました。見た目にもかなり強烈なインパクトありますが、音も強烈なインパクトなのですが若い世代は、誰それ?なんでしょうかね。ロック好きには知っておいてもらいたいアーティストの一人です。
 このアルバムは Waner がプリンスという名前の著作権を所有することになっているとのことで、プリンスが腹を立てていた。自由に作品を創作する権利、作品から得られる利益、作品の原盤権はレコード会社ではなくアーティストが所有すべきということにで喧嘩となり契約がこじれて、Prince(プリンス)の名前を捨てていた時代のアルバムで、名前は ラヴ・シンボル と呼ばれる男性(♂)と女性(♀)の記号と、ラッパを思わせる記号をくみあわせシンボルマークに改名されたとのこと。彼は1995年当時、自らの右頬に“SLAVE”(奴隷)とペイントするなどし、所属レコード会社や音楽業界と戦いを繰り広げていたこともあり、その怒りがアルバムにも反映されたテンション高い作品となっています。CDはしばらく廃盤になっていて今は再発されているようです。
 でアルバムのインパクトはやはりK-1のテーマ曲になってた Endorphinmachine でしょうか。強烈なギターのリフのイントロと不気味なシャウト。The Most Beautiful girl in the World は、昔のソウルにありそうなベタな曲名でサウンドもプリンス風ではありますが、昔のソウルを意識してますかね。最初の奥様、Mayteに贈った曲だそうです。そして未来へ向かうような世界観のある Gold です。全部プリンス節であるのが驚きでありますがその落差が大きくこれだけで怖いぐらいの才能を感じますよね。すごいな🎵

1. P Control
2. NPG Operator
3. Endorphinmachine
4. Shhh
5. We March
6. NPG Operator
7. The Most Beautiful Girl In The World
8. Dolphin
9. NPG Operator
10. Now
11. NPG Operator
12. 319
13. NPG Operator
14. Shy
15. Billy Jack Bitch
16. I Hate U
17. NPG Operator
18. Gold


▶ Gold


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