2025年1月3日金曜日

James Cotton And His Big Band / Live From Chicago Mr Superharp Himself !


 「ブルース・ハープ」と「だみ声」が素敵な、私がシカゴ・ブルースで最も好きなアーチストです。Sonny Boy Williamson II から9歳の時に手ほどきを受け、1957年に Muddy Waters のバンドで Little Walter の後任のハーピストとして頭角を現し、1967年からソロでの活動がメインとなっています。James Cotton を聴いたのは、たぶんFMラジオでブルース特集をやっていた時にカセットで録音したのが最初だったと思います。当時はロック小僧だったので、ホーンの入ったビッグバンドを聴くことはなくバンド・サウンドや、ブルース。ハープの表現力が新繊に聞こえた記憶が曖昧ながらあります。
 そうやって、ファンになってしまってレコード屋で見かける度に揃えて何枚目にこのアルバムにたどり着いたのかはよくわかりませんが、これは 1986年のライブ録音で、James Cotton のキャリアとしては中盤、アブラギッシュ感満載の演奏の、シカゴの Biddy Mulligan's でのライブです。Biddy Mulligan's は、現在も存続しているアイリッシュ・バーです。(同一の店だと思っています)


 それでは聴き続けてきた熱いライブを再度聴きながらレビューします。Here I Am (Knocking At Your Door) 煽るオープニングの紹介でから始まるブギーで、タイトなリズム隊+ホーン部隊でキメが多め、ボーカル、ハープがしっかりメインの録音。Michael Coleman の基本ノーマルの軽い歪みのギターの音も、カッコ良いです。Part Time Love ディスコチックなベースリフでポップな印象があるものの、しっかりブルースしてて2曲目も上げてきます。ホーンが入るビッグバンド形式は音が厚くて聴きごたえ十分。Just To Be With You バラードまでいかないスローテンポのブルースで Muddy Waters でも有名な曲です。しんみりとしてますが、On a ship that's made of paper, I will sail the seven seas, Fight a shark with a toothpick 紙の船に乗って爪楊枝でサメと戦うぜとシュール。Hard Headed 1曲だけ前の曲でしんみりさせて、またジャンプしてきます。たたみかけるようなボーカルでグイグイと来るところがやっぱり素敵です。When It Rains It Pours タイトなリズムのブルース。雨が降る時はガンガン降るぜ、悪いことも連続するけど、良いこともいっぱいあるぜ と前向きソング。Cross Your Heart 伝統的ブルースを少しモダンなアレンジで演奏していて曲が進めば進むほど盛り上がります。Come Back, Baby ここでバラードがきます。哀愁のコード進行がしみじみと来て、ブルースハープが、このしんみりさに拍車をかけて聞き惚れます。Born In Chicago そしてバラードの次はあげるのが基本です。まさにシカゴ・ブルース。曲中ブレイク前のワーオの叫び声も興奮です。The Midnight Creeper ブルースハープの為のブルース James Cotton 本人の曲で、最高です。
 ホーンの入ったバンドで、グイグイと引っ張るタイトなリズム隊。アレンジは若干モダンンな感じで、ひたすら脂ギッシュでもないとこがこのアルバムの魅力でしょうか。ライナーノーツはペラペラですが、何百回聴いても中身は重厚なブルースのカッコ良い名盤です🎶

harmonica, vocals : James Cotton
piano : Eddie Harsch
bass : Noel Neal
drums  Ray "Killer" Allison
guitar : Michael Coleman
tenor sax : Douglas Fagen
trombone : Johnny Cotton
trumpet : Danny ''Boney'' Fields

producer : Bruce Iglauer
recorded by : Timothy Powell
recorded live, February 1-3, 1986 at Biddy Mulligan's, Chicago, Illinois

1. Here I Am (Knocking At Your Door)  (John Watkins)
2. Part Time Love (Clay Hammond)
3. Just To Be With You (Bernie Roth)
4. Hard Headed (Albert Atkins, Osee Anderson)
5. When It Rains It Pours (Bobby Patterson)
6. Cross Your Heart (Sonny Boy Williamson)
7. Come Back, Baby (Walter Davis)
8. Born In Chicago (Nick Gravenites)
9. The Midnight Creeper (James Cotton)





  

2025年1月2日木曜日

山下達郎 / On The Street Coner 1


 山下達郎が売れたら好きなことをやると決めていて、1980年の「RIDE ON TIME」のヒットで作られたアカペラ(ドゥーワップ)作品の第1作です。現在の手持ちは、CDとなりますが、最初に手にしたのはカセット・テープでした(当然、どこかに行ってしまって手元にはもうありません)CDのデッキが発売されたのは1982年ですから、最初はレコードとカセットで発売し1986年にCDで再販となったようです。
 この当時私はハード・ロック小僧でありましたが、この録音だけは、テープだけに擦り切れるほど、伸びるほどに聴きこみんだもので懐かしの音源です。昔は、このアルバムをカセットで聴いていると「あら、きれいな英語ねえ、日本人なの?へえ」と、私の英語の先生だった亡き母が言いましたが、ということは「セックス・ピストルズ」を、かけていても歌詞の中身までわかっていたのかと、お恥ずかしい。
 このアルバムは、かなりほれ込んでいましたので大人になってから、PC駆使してのダビングで私も一人アカペラの多重録音をまでしてしまいました。


 それでは懐かしのアルバムを聴きながらレビューです。You Belong To Me オリジナルは、第二次世界大戦で海外に従軍している愛しい人を思うアメリカ女性の願いを込めて「Hurry Home to Me」で Chilton Price が作曲したが、戦時下の歌から離れたラブ・ソングに書き換えた作品で Pee Wee King、Chilton Price、Redd Stewart の3人の共作とされています。Sue Thompson、Patti Page、Jo Stafford などが歌ってヒットした作品です。広がりのあるコーラスから始まり情感を込めた歌い方で最初のインパクトも相変わらず強力です。Close Your Eyes 吉田美奈子も参加しての掛け合いが魅力のラブバラードで、Chuck"King Of Stroll"Willis による作品。部屋を真っ暗にして聴くと迫力も満点です。Spanish Harlem これは Ben E King がソロになって最初に放ったヒット曲です。オリジナルはストリングが入っていますが、ここではシンプルな構成で、ピアニカによる間奏が郷愁を誘うアレンジとなっています。Alone アップテンポで軽く楽し気なコーラスが印象的な曲です。Shepperd Sisters の1957年ですが、Four Seasons 1964年のバージョンが、このアレンジの元とのこと。このアカペラをコピーしてみて自分で吹き込んだこともありました。Most Of All 1955年に Moonglows が発表した作品です。最後のサビの歌い上げに、特にこだわりを感じます。Remember Me Baby これも宅録でコピーしました。Barry Mann Cynthia Well の作品で、山下達郎氏は最も敬愛するソングライターとのこと。軽快な楽曲で素晴らしい曲ですがヒット曲ではなかったらしいです。Blue Velvet 切ないイントロで、その後の広がりも素晴らしい。沢山の人にカバーされている名曲ですが、1955年 Clovers の曲がこのアレンジの元であるとのこと。Wind Nolan 1954年の Nolan Strong & The Diablos のヒット曲で元曲はもっと長いですが、ここでは 2分10秒になっています。山下達郎氏が最初にアカペラにトライアルした曲とのことです。確かにアレンジはこのアルバムの中ではシンプル。Drip Drop このアルバムでは珍しく、手拍子、パーカッションなどを入れたリズミカルなアレンジで、ブルースベースですがポップなところもある曲になっています。That's My Desire 山下達郎氏のコンサートのクロージング・ナンバーにも起用されていたオールドな雰囲気たっぷりのスタンダードです。
 聴いている曲の数が、私たち凡人とは圧倒的に違うのがわかります。そのエッセンスを詰め込んでいただいたとのアルバムですので詰まらんわけがありません。ですが、セールス的にはほぼ失敗とwikiには書いてありました。私としては「大絶賛!!」で「第2作」より思い入れが強いです🎶

1. You Belong To Me
2. Close Your Eyes
3. Spanish Harlem
4. Alone
5. Most Of All
6. Remember Me Baby
7. Blue Velvet
8. Wind
9. Drip Drop
10. That's My Desire

山下氏の楽曲はおそらく著作権で youtube はダメなようです






  

2025年1月1日水曜日

Joni Mitchell / Clouds

 

 ジョニ・ミッチェルがウッドストックの年の1969年に発表した2枚目のアルバムです。録音はロサンゼルスのA&Mスタジオで、タイトルの Clouds とは「雲」という意味ですが、「青春の光と影」という邦題が付けられています。よくある飛躍しすぎた意訳かと思っていたら最後の Both Sides, Now が「青春の光と影」ですから、Clouds は無視して楽曲の邦題をアルバムタイトルにしているのかと、なるほど。
 

 アルバムは全曲彼女自身のアコースティック・ギターとキーボードによる弾き語りで、Stephen Stills が一部ギターとベースで参加しているとの情報有りますが、ライナー・ノーツに名前のクレジットはありませんでした。私が若い20代の頃もジョニ・ミッチェルの存在を知って楽曲もラジオなどで聴いてはいましたが、フォーク・ソングに興味もなく好んで聴くこともありませんでしたが、オジサンになってからジャコが入り口となり興味あるアーティストの一人となりました。最初は Shadws And Light を聴いてジャンルレスに聴く人を惹きつけるボーカルに心を打たれ、このフォーク時代まで遡って聴いています。フォークではありますが、彼女のこの孤高のスタイルの素晴しさにも、ゆっくり聴いていると心打たれるものがあります。


 さて再度聴きながら、レビューしてみます。Tin Angel 哀しいメロディで淡々と歌われているのは、新しい恋人に出会ったものの、価値観の違いに気づいてしまった歌です。 Chelsea Morning このアルバムはしっとり系の曲が多いのですがアップテンポの曲で、彼女がニューヨークの北にあるチェルシーに住んで生活を始めたことを描いています。I Don't Know Where I Stand 自分がわからなくなってしまう女性の心理を描いた曲で、澄んだ細い歌声に透き通った美しさを感じる曲です。That Song About The Midway フェアで見かけた男性を追っていく話です。何か物語が、このアルバムにはあるようです。Roses Blue 変則チューニングでしょうか。不安定なコードの流れに怪しいメロディ。禅と占いに凝った女性のことが題材です。なるほど。The Gallery 少女っぽい歌い方で可愛らしい。浮気な男の虜になった女性の話しですね。I Think I Understand 森の光と黒さに例えながらのドラッグの歌とのことです。何か哀しい訴えがメロディーにあります。Songs To Aging Children Come 誰しもが年老いていく子供になっていくとのこと。これも変則チューニングっぽい怪しさがコードにあります。The Fiddle And The Drum 伴奏無しの歌曲です。同じ目的を持っていてもやり方が違うために別れなければならない人のことが歌われています。凛として張り詰めた雰囲気に何か強い意志を感じる曲です。Both Sides, Now 最後にテーマ曲で、やはり、このアルバムの中でのカギとなる曲です。この曲は1967年3月にミッチェルが飛行機の中で書き上げたもので、歌詞はソール・ベローの小説「雨の王ヘンダソン(Henderson the Rain King)」から来ているものです。天使の髪の流れ、空に浮かぶアイスクリームのお城、至る所にある羽のような谷間・・と色々な物事の表と裏が歌詞の中に出てきますが、やはり物語的なものになっています🎶

Rows and floes of angel hair
And ice cream castles in the air
And feather canyons everywhere
I've looked at clouds that way

But now they only block the sun
They rain and snow on everyone
So many things I would have done
But clouds got in my way

雨の王ヘンダソン

vocals, guitar, keyboards, composed and arranged by : Joni Mitchell
bass, guitar : Stephen Stills

recorded at A&M Studios

1. Tin Angel
2. Chelsea Morning
3. I Don't Know Where I Stand
4. That Song About The Midway
5. Roses Blue
6. The Gallery
7. I Think I Understand
8. Songs To Aging Children Come
9. The Fiddle And The Drum
10. Both Sides, Now





  

2024年12月31日火曜日

Kenny Burrell & The West Coast All Stars / Laguna Beach Jazz Festival '79


 Laguna Beach は南カリフォルニアにある海岸で開かれるFriends Of Jazz Festival が National Public Radio のジャズアライブシリーズの一部として放送された1979年のジャズ・フェス録音です。ラジオの録音なので最後にプログラム紹介も入ってます。貴重な音源をリリースしたのは、Hi Hat というレーベルです。
 あまり耳慣れないレーベルなので調べているとどうやら日本のレーベルで、埼玉にあるインター・アート・コミッティーズという会社の事業部のひとつ。この会社中々な多角経営でカーライフサポート事業、音楽関連(エンタテインメント)事業、地域開発事業 といった全く音楽に関連の無い事業も展開してます。音楽事業の中には Hi Hat 、Alive The Live の二つのレーベルがあって Hi Hat は 洋楽アーティストのラジオ番組用として収録された貴重なライヴ音源を所有し、その中でもジャズに特化したアーティストの作品を国内でリリースするレーベルとのこと。そのほか弦楽器、洋楽、ロックなど分野別にレーベルを保有しています。ジャズライブの Hi Hat の統括はドラマーなんでしょうか。



 さて、この Hi Hat が発掘してきたライブ音源ですが、ラジオ用に録音した音源とのことですが、Kenny Burrell & The West Coast All Stars と名前だけあってバレルの録音レベルだけが特に高いのが気になる録音状態で、状態としてはあまり良いとは言えないですが貴重な音源として拝聴します。演奏としてはいかにもフェスらしい開放感のある雰囲気は伝わってきますがフェスでありラジオ用の音源、レコードを目指した録音ではないので少し間延びしたソロ回しって感じがしたところでバレルが入ってくるとぐっとバンドの演奏が引き締まってくるのがさすがです。


 さて、全曲レビューです。The Common Ground 1968年にバレルがこの曲名でタイトルをつけたアルバムを出しています。演奏云々の前にAMラジオっぽい感じがモロに出ています。最後にメンバー紹介してます。A Child Is Born 1971年の God Bless The Child にも収録。Tenderly ではソロギターが印象的でした。作曲はこのセッションのメンバーでもある Thad Jones です。曲名前は似ていますが God Bless The Child と A Child Is Born は作者も違いますので関連性は無いものと思われます。テーマを演奏後 オールスターのソロ回しが延々と続きますので各人のソロを聴きながら、それを楽しむのが良いかと思います。ダラダラしてるとか、そんな事を思ったらダメです。Blues In The Closet 前曲と変わって、楽曲自体が早めのバップになっていて臨場感があります。It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing 曲云々の前に出だしの部分がバレルのギターアンプの前だけにマイクが置いてあるかのような爆音に度肝が抜かれます。その後はひたすらソロ回しで、これはこれで、なんか楽しくなってきました。Now's The Time ライブの締めくくりでしょう。テーマだけ流して、Program credits をアナウンスして終了です。
 ラジオを聴いていると思えばその通りで、流しながらノリノリで作業をするのに向いていますね🎶🎸

guitar : Kenny Burrell
sax flute : Jerome Richardson
trumpet : Conte Condli
flugelhorn : Thad Jones
tenor sax : Frank Foster
keyboads : Art Hilley
bass : Leoy Vinnegar
drums : Shelly Manne

1. The Common Ground  (Burrell, Stephens)
2. A Child Is Born (Thad Jones)
3. Blues In The Closet (Gillespie)
4. It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing (Ellington, Mills)
5. Now's The Time (Charlie Parker)
6. Program credits




  

2024年12月30日月曜日

憂歌団 ベスト


 1970年に大阪市立工芸高等学校の高校生時代に、木村充揮、内田勘太郎で結成し、1975年に「おそうじオバチャン」でデビュー。日本にブルース・ブームを起こしましたが「おそうじオバチャン」の歌詞は差別的だと放送禁止になります。
 1976年には、Sleepy John Estes の前座とバックバンドを努め。1980年には Muddy Waters とのジョイント、1988年にはシカゴのブルース・フェスティバルに出演と精力的な活動を続けますが、1998年バンドは冬眠します。2012年ドラムの島田和夫氏が自殺。2013年に再結成し同年に〜島田和夫祭り〜を開催しています。また、木村充揮、内田勘太郎の二人は「憂歌兄弟」として活動もしています。


 雑誌で読んだのですが、メジャー契約成立したら契約金が入り、みんな飲んだくれて仕事をしなかったとか。熱烈なファンでは無かったのですが、歌は知っていますし youTube でライブなども楽しく見させていただいておりました。日本語で歌詞がダイレクトに伝わりますし、木村充揮(きむらあつき)のしゃがれた声とタイム感は他にはありませんし、内田勘太郎のラグ・タイムを基本としたブルース・ギターも素晴らしい。私自身がスライドとラグ・タイムを練習していた時には、教則DVDなどでお世話になり、今では相当好きなバンドとなっています。
 ライナー・ノーツを見ていて気付いたのですが、作詞・作曲で 木村秀勝 となっているので、ボーカルの木村さんの兄弟?かと思ったら作詞作曲は「秀勝」バンド活動は「充揮」としていて、意外と細かいとこにこだわってはるようです。また作詞には、沖てる夫氏の名前も、かなり出てきます。1951年愛知県生まれ。フリー紙編集のほか、コピーライター、作詞家、構成作家など、いわゆる書くこと全般を職業とする。作詞については憂歌団の『おそうじオバチャン』『嫌んなった』『10ドルの恋』をはじめ多数の作品がある。鍼灸師でもある。また 尾関真氏は名古屋で尾関真ブラザーズで活動していたブルースマンとのことで、憂歌団はザ関西のイメージですが名古屋方面の方ともかかわりが深いようです。一方スティーリンについては、ザ大阪のブルースマン上田正樹氏とサウス・トゥ・サウスを組んでいたギタリストの有山淳司氏も名を連ねています。ラグ・タイム系の方ですね。石坂まさを氏の方は、藤圭子のデビュー作「新宿の女」の作詞家で本名「澤ノ井龍」だが、気狂い龍二との渾名が付くほどの激しい方だったとのこと。
 歌でギターで人生が語れる、日本のブルースの中心にいる、ほんまもんの和製ブルース・マンですね。ここには週rくされていない「胸が痛い」なんかは私のカラオケの十八番です🎶🎸

vocal , guitar : 木村充揮(秀勝)
guitar : 内田勘太郎
bass : 花岡献治
drums : 島田和夫

1. 嫌んなった (詩 沖てる夫, 曲 憂歌団)
2. おそうじオバチャン (詩 木村秀勝, 曲 憂歌団)
3. 10$の恋 (詩 沖てる夫, 曲 内田勘太郎)
4. 出直しブルース (詩 沖てる夫, 曲 内田勘太郎)
5. 金持ちのオッサン (作詞、作曲 尾関真)
6. 当れ! 宝くじ  (作詞、作曲 木村秀勝)
7. パチンコ~ランラン・ブルース (作詞、作曲 木村秀勝)
8. イコマ《女町エレジー》(作詞、作曲 石坂まさを)
9. ケツに火がついた  (詩 沖てる夫, 曲 内田勘太郎)
10. どてらい女  (詩 沖てる夫, 曲 内田勘太郎)
11. 俺の村では俺も人気者 (作詞、作曲 尾関真)
12. はんか街のはんぱ女 (詩 沖てる夫, 曲 憂歌団)
13. ボクサー (作詞、作曲 木村秀勝)
14. スティーリン (作詞 有山淳司, 内田勘太郎 作曲 Gus Canon)





  

2024年12月29日日曜日

James Brown / Can't Get Any Harder


 いかに James Brown(ジェイムス・ブラウン)が好きでも、7曲全部が『Can't Get Any Harder』だったら・・びっくりです。
 なにしろ『世界はJB、人類は皆ブラザー』のインナー・ジャケットも、相当吹っ切れてます。なかなか馬鹿らしくも、セールスに振り切った、シングルのリミックス、7インチ等を収録したミニ・アルバムです。


 オリジナルの「Can't Get Any Harder」は、56枚目のスタジオアルバム「Universal James」(1993年)に収録されている曲。アルバムのリードシングルとして、1993年1月に Scotti Brothers Records からリリース。C+C Music FactoryのメンバーであるRobert ClivillésとDavid Cole、TrilogyのDuran Ramos、およびLeaders of the New Schoolが共同で作詞し、ClivillésとColeがプロデュースし、Ricky Crespoが共同プロデュースしています。また、TrilogyとLeaders of the New Schoolのゲストラップボーカルもフィーチャーされています。ジャケットは下記のアルバムと、ほぼ一緒のデザインですが James Brown のポーズが違います。


 1985年の再ブレイクから、コンスタントに作品をヒットさせてきたJBですが、いろいろ私生活での問題もあって薄れがちだった印象があります。
 リミックスの違いについては、私はあまり興味が無いので、SOUL FOOD, SOUL LIFE と言うページに詳しく書いてあるのでリンクしときます🎶
1. Radio Mix
2. Alternative Brown Radio Groove
3. On The Edge Radio Mix
4. C&C Leaders Of The New School Mix
5. Universal Hip Hop Mix
6. Clinvilles & Cole House Of Soul Mix
7. No Rap Mix

producer, arranged by, mixed by, remix : Robert Clivilles And David Cole
featuring Guest Rappers, Leaders Of The New School And Trilogy

▶ Can't Get Any Harder




  

2024年12月28日土曜日

The Thelonious Monk Trio

 

 Blue Note から Prestige に移籍してからの1952年、1954年に3回に分けて録音されたトリオによる作品です。1951年にモンクは大麻事件に巻き込まてキャバレー・カードを没収されてしまったので、妻ネリーの稼ぎで生活をするしかなく Prestige Records に多額の借金を背負っていた状況下での演奏です。
 モンクはホーンを入れたカルテットでのフォーマットのイメージが強くトリオ作品はそれほど多くはありません。数えると、Plays Duke EllingtonThe Unique、London Collection Vol2, Vol3 ぐらいでしょうか。そのトリオ作品には Art Blakey が高確率で参加していてこのアルバムにも、もちろん参加していらっしゃいます。


 さて全曲レビューです。Blue Monk リズミカルな演奏でモンク節もしっかりと入れています。Art Blakey のドラムがしっかりとリズム・キープなのでモンクのペースでの曲の崩し方では無かったのですが、後半部分は叩きつけるようなピアノでリズムもピアノのペースに持ってくるような演奏ですね。Just A Gigolo は 1029年に Irving Caesar による歌詞がつけられて有名になったポピュラー曲のスタンダード。ここではモンクが独奏により力強く聴かせてくれます。迷いなく強いタッチでの演奏はまた素晴らしい。Bemsha Swing トリオの演奏に戻りますがご機嫌の唸り声がずっと聞こえます。やはりピアノも打楽器と言わんばかりの演奏は、また格別。Reflections 曲としては非常に穏やかなメロディーなんですが、このアルバムでは非常に強い・・ですね。でもご機嫌の唸り声。Little Rootie Tootie 和音の連打が非常に印象的な曲になりますが、スイング感が非常に強くモンクもテーマからソロに入るところでモンク節をつけるのを忘れている?ような曲に熱中しているような演奏になっています。どこまでも続くのかと思いきや急にフェイドアウトで終わります。Sweet And Lovely 全くスイートでもラブリーでもない感じの強めのイントロですが、曲のテーマが出てきて初めてああそうなのか、と思います。途中から Max Roach のビートを変えたあたりでぐっと曲の展開が変わります。Bye-Ya アフリカンで目立つドラムになったと思ったらやはり、Art Blakey です。自己主張は激しいですが人のアルバムなので、ナイアガラ・ロールはやりませんね。Monk's Dream いつ聞いても素晴らしい。曲の流れもメロディも、これぞモンクですね。Trinkle Tinkle 前の Monk's Dream から続けて聞くと流れがありますね。アルバム前半よりも流れが自然な感じです。These Foolish Things 最後もモンクらしい和音をうまく取り入れた心を奪われる曲になって、スタンダードがモンクの曲と変わっているのがとても良いです。
 このアルバムでは Blue Monk, Bemsha Swing, Monk's Dream の初期録音が、目を引きますが、それ以上に演奏的にはアート、ブレイキーのドラムとも非常に相性が良く、円熟味を増す前のモンクの演奏が気に入りました。トリオは、モンクがテーマもアドリブも含めて楽曲全体を全てコントロールしなければならないので、彼の様々なアイデアが発見できるような気がします。また、先にも書いた借金状況下ではありましたが、モンクの気分も絶好調で唸り声を漏らしながら、気分よく弾いているのが、このアルバムでは鮮明に聞こえます🎶🎹

piano : Thelonious Monk
bass : Gary Mapp (1 to 6, 9, 10), Percy Heath (7)
drums : Art Blakey (1 to 4, 7, 8), Max Roach (5, 6, 9, 10)

recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on Oct. 15, 1952 (1 to 4), Dec. 18, 1952 (5, 6, 9, and 10) and Sep. 22, 1954 (7 and 8)

1. Blue Monk (Thelonious Monk)
2. Just A Gigolo ((Julius Brammer, Irving Caesar, Leonello Casucci) 
3. Bemsha Swing (Denzil Best, Thelonious Monk) 
4. Reflections (Thelonious Monk)
5. Little Rootie Tootie (Thelonious Monk)
6. Sweet And Lovely  (Gus Arnheim, Jules LeMare, Harry Tobias) 
7. Bye-Ya (Thelonious Monk)
8. Monk's Dream (Thelonious Monk)
9. Trinkle Tinkle (Thelonious Monk)
10. These Foolish Things  (Harry Link, Holt Marvell, Jack Strachey) 




  

2024年12月27日金曜日

Katzuma / Rituals Of Life


 札幌在住時代に購入したものです。Katzumaって響きなんでてっきり日本人かと思っていたら、イタリア人のボローニャの新鋭デュオとのことです。詳細はネットを見ていても実はよくわからんのですが、どうやら Andrea Visani が核となっているユニットと書いてあり、また自身が運営する自主レーベルとなっていたのでこの人の別名は Katzuma?でもあるのでしょうか。ユニットのメンツは Chico MD & Tony T と書いてあるものもあり、ボーカルはこの二人で、打ち込みで音を作成しているのが Andrea Visani なのか別人なのか?は実は未だ理解できません。写真の人の名前は?さて誰なのか???
 とずっと思っていましたが、ライナーノーツをよく読んでみれば色々書いてありました。イタリアのDJユニットであることは正解。基本的にはサンプラーを使って音楽を作りはじめ、DJユニットではあるが、キーボード、ギター、ドラム、ベースもできるマルチプレイヤーであること。Katzuma は日本人の名前から由来しているが綴りは間違っていること。なので、Katzuma はユニット名で Andrea Visani は二人のうちのリーダーの名前のようです。


  人物像もよくわかりませんが、サウンドは本物。アルバムを再度聴いてレビューしてみます。Bust A Loose ディスコっぽいサウンドなんですが機械的でなく、生楽器が使われているので感覚がバグるソウルナンバーです。サンプリングの究極進化系です。My Kind Of Trust これも本筋はソウルで歌の元ネタは T.O.P. でしょうか。ホーンが気持ちよく、どこかで聞いたことのある懐かしメロディーにスペーシーなサウンド。With Time これはPCで制作っぽいベースラインのループと生楽器の取り合わせですが感覚はバグらない デジタル・ソウル・ファンクです。少しチープなサウンドが魅力です。Grooving With My Good Eye Closed これもハイセンスな デジタル・ソウル・ファンク。ベースソロなのかリフなのかよくわからないベースが中心になっているのが凄いです。ループネタでよくあるようなドラムを組み合わせているチープさが、この曲も良いです。Take The Evil Spirits Away ライナーノツでは Rituals Of Life のテーマが 0:40 + Take The Evil Spirits Away 4:11 で1曲になっています。怪しげでスペーシーで凝ったアレンジのファンク・タイプのアシッド・ジャズの大曲です。作っているほうが楽しかったのかと予測します。フルート入れるとこの手の怪しさが増幅します。Keep It In The Family インコグタイプのジャズ・ファンクで大好きなタイプの楽曲です。最近思うのですが、この曲調とサウンド構成は、ほぼ当たりしかないのですが微妙な違いで曲が区別もできるけど基本は一緒ですよね。ブルースが似たような曲ばかりだけど違う曲が無数にあるのと、似てますよねえ。Boogie To This 最初は師匠 James Brown のサンプリングっぽく J.B. サウンド強めのE.W.F タイプのコーラスも入れたファンクです。ありきたりのアレンジのような気もしますが、ツボの押さえ方に非常に共感します。Let's Do It In The Hay メロー・ソウル風のデジタル音楽です。ここら辺の楽曲になってくると、サンプリングの集合体ではなく立派な楽曲です。歌いまわしとコーラスはやはり E.W.F 的です。Dogs Of War 曲名のつけ方は P-Funk だなと思ったら、やっぱりそっち系です。ゆっくりめミディアム・テンポの重めファンクで、これも私の好物。Getting Thru Your Own Thang 締めは大事です。最後はアフロ系ビートのデジタル・ファンクとなりお祭り的でループする単純なリフが少しづつ変化しながら、重低音系を足してノリをズンズンと足しながらパーカッションを重ねて更にグルーブ感を出す。

 

 ディスコ、ソウル、ファンク、フュージョン・ジャズ、ダブ、アフロ・ビート等なんでもありで、イタリアってイメージは余り感じません。サウンドを聴いていてもPCを駆使した打ち込みとサンプリングなどで楽曲は作成されていて、アシッド的ジャズ・ファンクで非常に楽しいアルバムです。Rituals は儀式の意とのこと🎶

producer : Andrea Visani

1. Bust A Loose (Vocals : Sean Martin)
2. My Kind Of Trust (Vocals : Al Castellana)
3. With Time (Vocals : W. Time & The Oooh)
4. Grooving With My Good Eye Closed (Vocals : Gloria Tatangelo)
5. Rituals Of Life / Take The Evil Spirits Away (Vocals : Possessed)
6. Keep It In The Family (Vocals : Juglia)
7. Boogie To This (Vocals : Larry & The Boogies)
8. Let's Do It In The Hay (Vocals : Johnny Boy & The Neffertones)
9. Dogs Of War
10. Getting Thru Your Own Thang (Vocals : Own Thang)