さてレビューしていきます。Jodi 派手なドラムソロから始まり、Jean Toussaint のソロも強力なアクの強いブロー、Donald Harrison のフリーな感じのソロで爆発です。で素晴らしい。Blues March 1958年のマーチを取り入れた勇ましいブルースです。大人しめの録音を聴くと、まさに軍隊の更新のような曲ですが、しっかりとハードバップ。Mr. Babe, Moanin'
drums : Art Blakey
piano : Mulgrew Miller
bass : Lonnie Plaxico
alto sax : Donald Harrison
tenor sax : Jean Toussaint
trumpet : Terence Blanchard
producer : Horst Liepolt, Shigeyuki Kawashima
recorded March 24th, 1985 at Sweet Basil, Greenwich Village, N.Y.
Beautiful Love は、Bill Evans の Explorations などでも聞いたことのあるラブ・ソングで、絡み合うギターに土岐さんのサックスが合います。オープニングのつかみとしてインパクト十分。 The Guitar Man カントリーロックの David Gates の曲ではなく、二人のギタリストとのセッションに、この曲名がつけられたようです。Wyeth もオリジナルで、画家の Andrew Wyeth のことでしょうか?The Man with a Little Boy's Eyes アルバムのテーマ曲です。浮遊感のあるテーマから始まるオリジナルで、テンポよくスリリングな展開の曲です。リハは無しとのことですが息はぴったり。Smoke Gets in Your Eyes は、大好きなスタンダードの煙が目にしみる。ここは先輩の土岐氏のサックスがメインで、ギタリストも丁寧なバッキングで支えます。Sunny ソウルの名曲のカバーです。ギタリストが気持ちよくブルージーに弾ける曲でもあり、明るい中に物悲しい響きのあるテーマが素敵な曲であります。C Minor は土岐氏作曲で、色々なアルバムでセッションに使われているブルース。キーは確かめていませんが、当然 Cm ですかね。My Foolish Heart も名曲です。ギターの独演から入ります。イントロのつけ方がまた良いですね。サックスが入ってくるとドキッとします。最後は You’d Be So Nice to Come Home to でセッションの定番曲。アルバムの構成などを考えて作ったものではなく、その時の気持ちで曲を選んで演じてから、ギタリストを聴かせる曲の配置でアルバムにしたんでしょう。ベタな曲が多いのも大歓迎のアルバムです。
これは1994年に出た Bill Withers (ビル・ウィザーズ) のベストです。Bill Withers、Donny Hathaway は、私にとってニューソウルの代表格なんですが Bill Withers は私の周りでそこそこの音楽好き(ジャズ好きが多いのではありますが)にも意外と知られていない人で日本人にはあまり人気がないのかもしれません。何回かアルバムを聴かせているんですが歳をとると皆さん物覚えが悪くなるのかなかなか覚えていただけませんので、根気よく普及を続けることにします。
この方音楽エリートではなくフォードモーターに努めていて33歳で1971年にSussex Records よりデビュー。1985年を最後にアルバム制作もなくプロとしてのおそらく言葉が上手く話せなくなる吃音症で音楽活動は休止。割と最近の2020年に80歳で亡くなっています。
Donny Hathaway はピアノ弾き語りで音楽エリート、Bill Withers は生ギターで独学系と私は認識しています。代表曲としては表題の Lean On Me 、Ain't No Sunshine、Use Me、Just The Two Of Us などでここら辺は何となく聞いたことがあるけど歌っている人は知らないという方が私の友人には多いです。既に持っているアルバムや曲と被ってはしますが、ベスト盤ならではの選曲と曲順でこれはこれで満足の一枚であります。
1968年10月23日のニューヨークのライブ・ハウス Village Gate (ビレッジゲイト)2階でライブのセットリスト通りに収録した完全未発表音源で1枚目は First Set、2枚目は Second Set なので曲順もそのままに収録されていて Emily、 Yesterdays、 'Round Midnight は両ステージでのセットリストに入っているのでその演奏を聴き比べもできるマニアにはなんとも嬉しい音源です。さらに最近の未発表音源では定番のメンバーやトップ・オブ・ザ・ゲイトの写真、当時のポスターが収録された28 頁のブックレットもついています。Art D'Lugoff は Village Gate のオーナーで1958年に160 BleeckerStreet の1階と地下にクラブをオープンし、全盛期には2階が Top Of The Gate と呼ばれるパフォーマンス・スペースになっていたのことで、Village Gate の録音での私の所有音源は現在他では B B King / Live & Well があり、ジャズが主体のようではありますがジミヘンなどの公演も行われていたようです。
音源は、当時コロンビア大学の学生だった Resonance Records の社長 George Klabin (ジョージ・クラビン) が、カレッジFM局のために収録したものだそうです。各楽器のバランスも良く録れていて客席との距離感も適度にあり少し鮮明さに欠けるようには思えるが、発掘ライブ音源としてはかなり状態は良いと思います。
数多くのセッションで正確無比な緻密なプレイの Steve Gadd、個性派キーボードのRichard Tee、さりげなく、なでるような、いぶし銀のギターの Cornell Dupree。そして、ビル・エヴァンス・トリオやマンハッタン・ジャズ・クインテットの Eddie Gomez が加わって結成されたスーパーがつくフュージョン・バンドです。スタッフではベースは Gordon Edwards でした。
Watching The River Flow はボブ・ディランのカバーでブルージーな4ビートにしてR&Bフィーリングいっぱいに、そしてリラックスした感じの一糸乱れぬ素晴らしいアレンジ。Way Back Home はクルセイダーズのカバーでグルービー。Duke's Lullaby は4分間のドラム・ソロで正確なリズムとバカテクにはやっぱり驚きですね。曲に仕上げてしまうってのも凄い。Honky Tonk / I Can't Stop Loving You はメドレーになっていますが、当時これを聴いてジャズって難しいと思っていたけど、こんな感じでなら俺にもできるかもって錯覚させてくれて Way Back Home とこの曲をギター・コピーしましたっけ。いやいや懐かしくて良いですね。
ライブの会場は、、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーのOil Can Harry's (オイル・キャン・ハリーズ)という1968年に設立されたクラブ。クラブはライブハウスとは違うようでお酒は提供されないらしんですが、とても雰囲気がよくてアルコールがあっても良かったんじゃないかとインタビューで言っていたとか
このライブは1975年6月20日、この録音の7か月前のヨーロッパ・カナダのツアー中にドラマーのマーティ・モレルが脱退しています。ツアーはゴメスとのデュエットで後半を乗り切っています。1974年にレコード会社は Milestone から Fantasy に変わり1975年に入ってからは歌手トニー・ベネットとの共作なんかも発表し企画色の強い録音が多くなります。このトリオのドラマーの Eliot Zigmund は1975年1月にビレッジ・バンガードで初めて録音し以降のツアーに参加しています。アルバムでは1977年以降 Crosscurrents, I Will Say Goodbye, You Must Believe in Spring なんかがあります。マーティ・モレルの緻密な演奏とは違った空間のある演奏です。エバンスはリハしない人で、ジグムンドは、でかい会場ではビビりながら演奏したとの記事も見ましたが、ここでは場所もあるんでしょうがリラックスしたとても良い演奏と思って聴いております。ちなみに Eddie Gomez はもう長いので実にメリハリのある素晴らしい演奏でエバンスが世界に入ったソロを続けていると、ベースで違う世界に自然にもっていくとこがすごいとこですね🎶🎹
2018年に49歳で他界したトランペッター Roy Hargrove (RH)と2013年に57歳で他界したピアノニスト Mulgrew Miller (MM)の2人が残したライヴ音源。録音は2006年と2007年のニューヨークとペンシルバニアのホールでの公演。リリースは今年の2021年です。
私がRHを知ったのは1997年の Habana からでアフロ・キューバンでラテン寄りのジャズが鮮烈だったんで、RHファクターの活動を知り、Hard Groove を聞いてトランぺッターはファンク系に行きつきやすいど、RHのその前はどんな音楽をやっていたのか?と1994年 With The Tenors Of Our Time を聴いてやっぱり出身はモロにジャズなのかと感心しました。この録音と同じ時期の2006年 Nothing Serious は Habana 寄りでした。まだまだ、RHの作品は聴きこんでいないので、この In Harmony のような全く違う音楽性のアルバムに出くわすと嬉しくなってしまいます。
さてRHは最近色んなアルバムを聴きこんでいますが、Mulgrew Miller (MM)は余り耳にしたことが無いと思って調べてみたら、私の手持ちでは David Sanborn の Another Hand でタイトル曲と Dukes & Counts で既に聴いてはいました。1955年米ミシシッピー州グリーンウッド生まれで、R&Bからジャズに転じ77~80年までデューク・エリントン・オーケストラ80年からはベティ・カーターやウディ・ショウの楽団、84~86年からArt Blakey And The Jazz Messengers に在籍し、その後、トニー・ウイリアムス・クインテットや自身のトリオなどのセッションで活躍する方でした。なるほど、つまりは私は今は1950年代から60年代のアートブレイキーなんかは聴きこんでいるので、おそらく何れは聴きこんでいけば出会うであろう人でした。