あの「Kind of Blue」(ジャズアルバムでは異例の1,000万枚超え)直前のモードジャズへ移行する記念碑的アルバム。1958年の2月4日&3月4日ニューヨークのコロンビア30番街スタジオにて録音。メンバーは精鋭プレイヤーばかりを集めてマイルスが編成したセクステット、Cannonball AdderleyとJohn Coltrane、ドラマーの "Philly" Joe Jones、ベースはPaul Chambers、ピアニストのRed Garland。
「モード」という概念を導入のきっかけとなった 「Milestones」 は新しい時代の響きを探求していったあまりにも有名な曲で和音の動きが減少したことにより自由度が増しています。ボーナス・トラックにも同曲が収録されていますが、別テイクの方はテンポの遅いバージョンで演奏者のアイデアが色々もちこまれているので魅力的な演奏です。
タイトル曲ばかりがクローズ・アップされますがアルバムとしての曲の配置も絶妙に良いのではないかと思います。ハードバップから軽快に始まり、じらすようなテンポでふらふらとした危険な世界観の「Sid’s Ahead」続いて、次の「Two Bass Hit」でまた演奏にギアを入れる。そして原版ではB面にひっくり返して、モード手法の「Milestones」明るく軽快でどこか格式のあるような「Billy Boy」(かなり好きです)締めは「Straight, No Chaser」でコルトレーンが大胆に、マイルスは落ち着いたソロと続いて各自の持ち味を活かした貫録のこれぞ一流のジャズと聴きごたえのある構成です。
かつてはモノラル盤だった音源がリマスターされてこのCDではステレオになっています。再発売で曲名の表記は色々と変わっていて、原曲の「Dr. Jekyll」ですが、リマスターのライナーノーツでは「Dr. Jeky」、PCハードディスクに落としたら「Dr. Jekyll」。「Milestones」も原版では「Mile」だそうです。
trumpet : Miles Davis
alto sax : Cannonball Adderley
tenor sax : John Coltrane
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : "Philly" Joe Jones
recorded in New York City at Columbia 30th Street Studio on February 4, 1958 (3-8) and March 4, 1958 (1 & 2)
1. Dr. Jekyll
2. Sid's Ahead
3. Two Bass Hit
4. Milestones
5. Billy Boy
6. Straight, No Chaser
【Bonus Tracks】
7. Two Bass Hit (alternate take)
8. Milestones (alternate take)
9. Straight, No Chaser (alternate take)
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