2021年6月21日月曜日

本日のCD Kenny Burrell& John Coltrane


 1958年3月7日にニュージャージー州ハッケンサックのヴァンゲルダースタジオで録音されたアルバム。時代的にはケニー・バレルはリーダーアルバムを2枚発売し、第1人者として認知されつつあり、コルトレーンは1957年に、一旦マイルス・バンドを退団しモンクのバンドに加入、9月には初期の代表作 Blue Train を録音、1958年にコルトレーンはモンクの元を離れ、マイルスのバンドに再加入という目まぐるしく色々なセッションを繰り広げている時代です。
 メンバーはバレル (g)、フラナガン (p)、コルトレーン (ts)、さらにチェンバース (b)とジミー・コブ (d) と凄腕メンバーですが、まだ知名度が上がっていく過渡期だったのかすぐに発売せずに4年寝かせた1962年のリリース。4年経って発売した頃にはもはや同じ顔ぶれで新作を制作するのは不可能なほど全員が大物ジャズマンとなっていたので、この顔ぶれは、かなりレア。
 コルトレーンとギタリストの共演はおそらく他にない貴重な録音でこの組み合わせだと、とんでもない化学変化を期待してしまいます。しかし変化というよりは、とてもリラックスした、わかりやすくシンプルなハードバップ・セッションと言えるかと思います。
 本作のバレルとコルトレーンは両者とも良い演奏ですがどこか軽く思える。思うにバレルは安定感のあるキレのある演奏ですがゴリっと弾くような場面は少なく抑え気味。これはフラナガン (p)との相性のような気もします。全体的に平坦になってしまっている印象で、このメンバーならもっと理解できない世界ぐらいまで飛んでいって欲しかったとは思います。
 さて演奏ではなくて、少し気になるのはコルトレーンの「Blue Train」は1957年9月録音で 「Soultrane」は1958年2月録音。本作は1958年3月、録音の最初は 「Freight Trane」で作曲は Tommy Flanagan。train には電車という意味と「ドレスの後ろの長い裾」という意味がある。一方 trane はドイツ語で「涙」の意味ではあるがアルバム名は「Coltrane」とひっかけてあるような気もする。freight train はなら貨物列車だが、なにせ曲名は「Freight Trane」である。ここらへんに言葉遊びみたいな関係があるんだろうか?Blue Train はコルトレーン作曲で曲がありますが、Soultrane はアルバム名で曲はありません。実際に英語を使いう人にとっては train、 trane は実は同義?だとかもありそうだし・・・・
 偶然並んだだけかもしれませんが、なんだか不思議な世界にはまり込んだような感じで、結論は全く出そうにないですね。誰か助けて!!

guitar : Kenny Burrell
tenor sax : John Coltrane
piano : Tommy Flanagan
bass : Paul Chambers
drums : Jimmy Cobb

recorded in Hackensack, NJ on March 7, 1958.

1. Freight Trane
2. I Never Knew
3. Lyresto
4. Why Was I Born
5. Big Paul





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