2019年12月14日土曜日

すいかの匂い 江國香織


11人の少女が、それぞれに夏のひと時を過ごしている短編 

すいかの匂い
蕗子さん
水の輪
海辺の町

あげは蝶
焼却炉
ジャミパン
薔薇のアーチ
はるかちゃん

少女が主人公なのだから清らかな物語が展開?
なんてことにはなりません

しっとり感があって、繊細で、透明感もあって、少しの違和感
江國香織のワールドに不思議な魅力を感じます

少女ならではの無邪気さの中の不安定、危うさ
残酷?なものも感じます

「すいかの匂い」なるほど!
「焼却炉」は、かなり怖いですね

夏に読んだら涼しい気分になれるかもしれない

あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいにーバニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。無防備に出遭ってしまい、心に織りこまれてしまった事ども。おかげで困惑と痛みと自分の邪気を知り、私ひとりで、これは秘密、と思い決めた。11人の少女の、かけがえのない夏の記憶の物語。

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