2026年6月12日金曜日

Donald Fagen / The Nightfly


 1982年当時は、ラジオなどで聞くのみで所有していなかったので懐かしみながら中古で購入した Steely Dan のボーカルの Donald Fagen のソロアルバムです。
 AOR、ジャズ、R&B等バラエティに富んだ内容で、Fagen が少年時代に過ごしたアメリカの郊外、核シェルターでのパーティー、深夜のラジオ番組など、ケネディ政権下の「楽観的で少し危うい未来像」がテーマになっていて、ジャケットに写る Fagen は、深夜のジャズDJを演じています。傍らにはチェスターフィールドのタバコ、卓上には1950年代のRCA 77DXマイクロフォンと、世界観を象徴したビジュアルもグッド。


「I.G.Y.」イントロはシャープなシンセ音。渋いホーン部隊、ミディアムテンポのレゲエのリズム。そしてテーマが変わるところでの違和感なコード展開やら転調が天才的なセンス。やっぱり心が掴まれちゃいます。Brecker Brothers に Anthony Jackson、ドラムは Jeff Porcaro と、なんてこった。
「Green Flower Street」クラビの音が神妙に使われながら、これも曲の中で様々なシーンが展開される独特の Fagen のマジック。多文化が混在する都会を舞台にした、少し危険でミステリアスな恋愛模様が描かれてます。モコモコのバッキングのギターを弾くイメージが無い Rick Derringer に、さりげないギターソロは Larry Carlton です。
「Ruby Baby」マントラみたいなコーラスが魅力。ん?と思えば、やはりホーンは Brecker Brothers の音は正解。聴き直すとイントロ部分も、まさにブラザース独特の展開やら、サビ部分のコードが1回目と2回目では違ったりと小技満載。
「Maxine」ジャズ・ハーモニーをポップに変換。Fagen が5人いるコーラスが自身で多重録音。ベースは Marcus Miller にチェンジですが、スラップ無しのタイム感抜群のさりげない裏方職人に徹してます。
「New Frontier」 Steely Dan で使われるタイプのいつもの緻密なコードワーク。父親が作った核シェルターで、食料とビールを備蓄し、Dave Brubeck を聴きながら女の子を誘ってパーティーをする若者。ミュージックビデオでは、パーティが終わって外へ出ると宇宙服を着た人が立っていて、まさかホントにパーティの間に核戦争が起きていたのかと若者がビビると、ヘルメットを脱いでママが 驚いた?と笑顔で・・のミュージックビデオも、いつもの最後のトコに掲載しときます。(母親は息子のバカげた行動や知られたくない事を、何故か知っているもんです。わたくしにも、ここでは明かせない酒を飲んだ時にだけ、たまに話す「おばかエピソード」いくつかあります)
「The Nightfly」いったい幾つの引き出しとアイデアを持っているんだと感心します。Donald Fagen 本気出すとこうなるってタイトル曲。演奏ミュージシャンもこのアルバムの総力を挙げて参加しています。何回も聴いてるとドラムに ToTo 確実にいますね。一流ミュージシャンはこんな自己主張もできるのかと感心します。
「The Goodbye Look」カリプソですか。と見ると Marcus Miller がいます。作曲は Donald Fagen ですが、確実にアレンジで Marcus Miller が大きく関与が想像できます。
「Walk Between Raindrops」最後はかる~く小ネタで〆るみたいな感じで、これも小粋ですね。ブラボーです。

 聴けば聴くほど奥が深いしセンスとインテリジェンスを感じます。やっぱりジャズ的な要素が香るコード進行なのにポップな響きの妙技が素晴らしいです。音楽理論は弱いのですが、通常のメジャー・トライアド(1度、3度、5度)に、テンションノートである「9th(2度)」を加えたadd9とは異なるボイシングが特徴で、それがメロディラインと融合してポップスとして成立しているからこその都会的で洗練された「濁り」や「緊張感」が出てくるとのこと。
 Steely Dan と言えば Donald Fagen と、職人のようなギタリストの Walter Becker がセット
ですが、このアルバムは Becker 抜きでの録音で少し異なるものの、やはり計算しつくされたような音楽性に変わりはない。久しぶりに「ヒップの極意」も読み返そうかなと思います。Steely Dan は買い始めると止まらなくなりそうなんで暫く自粛しときます🎶


producer : Gary Katz
recorded and mixed entirely on 3M digital 32 track and 4 track machines at Soundworks Digital Audio/Video Recording Studios, N.Y., Village Recorders, L.A. and Automated Sound, N.Y.

1. I. G. Y. (International Geophysical Year) / Donald Fagen
synthesizer, vocal : Donald Fagen
backing vocals : Frank Floyd, Gordon Grody, Valerie Simpson, Zack Sanders
baritone sax : Ronnie Cuber
synthesizer : Rob Mounsey
electric piano : Greg Phillinganes
guitar : Hugh McCracken
bass : Anthony Jackson
drums : James Gadson, Jeff Porcaro
percussion : Roger Nichols, Starz Vanderlocket
alto sax : Dave Tofani
tenor sax : Michael Brecker
trombone : Dave Bargeron
trumpet : Randy Brecker
2. Green Flower Street / Donald Fagen
synthesizer, vocal : Donald Fagen
backing vocals : Daniel Lazerus, Frank Floyd, Valerie Simpson, Zack Sanders
synthesizer : Rob Mounsey
clavinet, electric Piano : Greg Phillinganes
guitar : Dean Parks, Rick Derringer
lead guitar : Larry Carlton
bass : Chuck Rainey
drums : Jeff Porcaro
percussion : Starz Vanderlocket
3. Ruby Baby / Jerry Leiber, Mike Stoller
electric piano, organ, synthesizer , vocal : Donald Fagen
backing vocals : Donald Fagen, Valerie Simpson
piano : Michael Omartian
soloist, piano : Greg Phillinganes
guitar : Hugh McCracken
lead guitar : Larry Carlton
bass : Anthony Jackson
drums : Jeff Porcaro , James Gadson
tenor sax : Michael Brecker
trumpet, flugelhorn : Randy Brecker
4. Maxine / Donald Fagen
electric piano, organ, vocal : Donald Fagen
piano : Greg Phillinganes
guitar : Larry Carlton
bass : Marcus Miller
drums : Ed Green
alto sax : Dave Tofani
baritone sax : Ronnie Cuber
tenor sax : Michael Brecker
euphonium : Dave Bargeron
flugelhorn : Randy Brecker
5. New Frontier / Donald Fagen
vocal : Donald Fagen 
backing vocals : Donald Fagen, Starz Vanderlocket
electric piano, piano : Greg Phillinganes
lead guitar : Larry Carlton
bass : Abraham Laboriel
drums : Ed Green
percussion : Starz Vanderlocket
harmonica : Hugh McCracken
6. The Nightfly / Donald Fagen
synthesizer, piano , vocal : Donald Fagen
backing vocals : Donald Fagen, Frank Floyd, Valerie Simpson, Zack Sanders
synthesizer : Rob Mounsey
electric piano : Michael Omartian
guitar : Hugh McCracken, Rick Derringer
lead guitar : Larry Carlton
bass : Marcus Miller
drums : Jeff Porcaro
7. The Goodbye Look / Donald Fagen
vocal : Donald Fagen
backing vocals : Donald Fagen, Valerie Simpson
electric piano, synthesizer : Greg Phillinganes
guitar : Dean Parks
lead guitar : Larry Carlton
acoustic guitar : Steve Khan
bass : Marcus Miller
drums : Jeff Porcaro
percussion : Starz Vanderlocket
8. Walk Between Raindrops / Donald Fagen
electric piano, organ, synthesizer : Donald Fagen
backing vocals : Donald Fagen, Leslie Miller
bass : Will Lee
drums : Steve Jordan
guitar : Larry Carlton
synthesizer : Greg Phillinganes




定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年6月11日木曜日

Weather Report / I Sing The Body Electric


 1972年に発表された Weather Report 2枚目のアルバムです。まずはSFチックなジャケットに目を奪われてしまいます。1855年のウォルト・ホイットマンの詩『ぼくは充電されたからだを歌う』、レイ・ブラッドベリの1969年の短編のタイトル『歌おう、感電するほどの喜びを!』がこのジャケットのイメージということ。私の少年時代、SFばかりがずらりと並ぶハヤカワSF文庫が書店の一角を占有していたりとSFブームでした。スペース・オペラではキャプテン・フューチャーは、ほぼ全部読んでましたし、ブラッドベリもワクワクドキドキしながら読んでいました。アメリカのスペース・オペラのアニメなんかもTVで放送されていましたので、おそらく世界がSFブームだったようです。


「Unknown Soldier」フリーで宇宙に向かってエネルギーを発散するような世界観。モロに Zawinul サウンドって感じです。
「The Moors」12弦ギターでの中東的な音階のフリーソロ、Shorter のソプラノ・サックスが加わって更にエキゾチックな旋律と、複雑でダイナミックなアンサンブルへと展開。Moor て何だろう。
「Crystal」宇宙空間を漂うメンバーが宇宙遊泳のイメージと思ってましたが、題名を考えれば、漂う音の Crystal が集合と分散を繰り返すみたいなイメージとも受け取れる。次第に集まり、ふたたび離れていくような宇宙的気分を味わわせてくれる。こうゆう抽象的な音楽を言葉で表現することも面白い。
「Second Sunday In August」抽象的ではあるけど普通に楽器のアンサンブルを感じる音楽に感じてしまうこと、4分13秒が一瞬のことのように感じるので、既に頭と耳が I Sing The Body Electric に侵されてきてます。
「【Medley】:  Vertical Invader, T.H., Dr. Honoris Causa」Zawinul のリング・モジュレーターを使ったフェンダー・ローズも、Vitouš   のディストーションのかかったウッド・ベース、曲調は Miles っぽいヤツですね。ビートのエネルギーと音のエネルギーのぶつかり合いは基本的に好きです。
「Surucucú」ライブで、このスペーシー感+民族音楽感+混沌を再現できるって、どんな頭の構造をしてるんだか。
「Directions」聴いていると混沌なのだが、何か一つの方向にエネルギーを照射する秩序も感じます。


 1~4曲目のレコードではA面は、混沌としたスタイルですが、Weather Report らしさも感じるフリーフォームでスリリングなエレクトリック・ジャズ。5曲目以降はB面になり、1972年の渋谷公会堂でのライブで、フリーなビートとサウンド、民族色もある Miles 的なサウンドに変身します。
 レコードならひっくり返すという行為があるので、切り替えの間があるわけですが、CDではいきなり始まりますので若干の違和感は感じます。ちなみに原盤のLPなどには日本人のMCが収録されているようで萎えると評されている方も多かったようですが、私の購入したこのCDではMCは入っていませんでした。あまりに評判が悪いのであれば聴いてみたいもんです。
 最初に聞いた自分のレビューでは「非常にクセが強いアルバムですが、きっと5年後、10年後に聴けば、自分の中の感性も変わりまた受ける印象などが変わるそんな予感がします」と書いて、今回で3回目の書き直しをしたのですが、この世界感に違和感をほぼ感じなくなってきました。後期のジャコ加入後は好きだけど、こちらはこちらで味があります🎶

keyboards : Joe Zawinul
reeds : Wayne Shorter
bass : Miroslav Vitouš
drums : Eric Gravátt
english horn : Andrew White
flute : Hubert Laws, Jr.
percussion : Dom Um Romao
trumpet, piccolo trumpet : Wilmer Wise
twelve-string guitar : Ralph Towner
vocals  : Chapman Roberts, Joshie Armstrong , Yolande Bavan

recorded in Columbia studios, New York City : (1, 2) in November 1971; (3, 4) in January 1972.

recorded during a "standing room only" concert performance January 13, 1972 in Shibuya Kokaido Hall, Tokyo, Japan.(5-7) 

1. Unknown Soldier / Josef Zawinul
2. The Moors / Wayne Shorter
3. Crystal / Miroslav Vitouš
4. Second Sunday In August / Josef Zawinul
5. 【Medley】:  Vertical Invader, T.H., Dr. Honoris Causa /  Zawinul, Vitouš
6. Surucucú / Wayne Shorter
7. Directions / Josef Zawinul




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2026年6月8日月曜日

Thelonious Monk / The Unique


 Prestige から Riverside へ移籍して Thelonious Monk Plays Duke Ellington に次ぐ2作目。Prestige でのレコードは売上不振だったのですが、 Ellington 作品のトリビュート、今回のスタンダードの録音で Riverside に移籍後のセールスは順調になります。Monk に馴染みのある曲のカバーを録音させることで、消費者の関心を広げようとする Riverside 側の戦略は当たったわけで、今後付き合いが深くなるプロデューサーの Orrin Keepnews 氏が優秀なビジネスマンであったことが伺い知れます。
 深堀りしていくと面白い記述も見つかりました。このアルバムのジャケットは切手風で特徴がありジャズファンには「切手のモンク」と呼ばれていますが、Riverside はこのデザインの切手を実際に印刷して販売したのですが「偽切手」が出回って、アメリカ郵便公社が使用禁止令を出す事態となったとのこと、話題づくりとしては成功で、さすが Orrin Keepnews 氏。


「 Liza (All the Clouds'll Roll Away)」1929年発表のガーシュインナンバー。Monk では繰り返し演奏されるお気に入り曲なのでしょう。わたくし手持ちのMonk アルバムでは、曲の解釈が、この盤とほぼ同じような演奏で Monk(1964) にも録音されています。テーマの最初の部分が強調して繰り返され、そのメロディーにソロ中も何回も帰ってくるのですが、この盤では帰り方を何回も色々な方法で試しながら演奏している感じで、そうやっているうちに Art Blakey が、ソロをとり、Monk は最後に満足そうなエンディングをつけています。3分14秒と短いけど良いです。
「Memories of You」1930年 Eubie Blake 作曲のバラード。このアルバムではソロで演奏されています。こちらは、手持ちのアルバムでは It's Monk's Time (1964)  に同様にソロピアノで収録されています。原曲のテーマを崩さずに、ひたすら繰り返す形態でタイミングやコードのデフォルメは極少で、この曲のテーマ自体を、気に入ってとても大切にしている感じが伝わります。 
「Honeysuckle Rose」1929年の Fats Waller 作曲のスタンダード。手持ちのアルバムでは、Monk's Mood (1999) に入ってたと思ったらベスト盤でしたので同じ録音でした。この曲も、やはりテーマの繰り返し多めですが、前の2曲に比べて創作領域を多めにとっていて、タイミング、アクセントでのデフォルメは、やはり極少。ただコード、和音での Monk 流の調理はかなりされていて、曲を細部まで習熟理解しているんだなと思いました。
「Darn That Dream」1939年 James Van Heusen 作曲のスタンダード。Solo Monk (1965) にも収録されています。優雅に朗々と語る様な弾きっぷりで創作領域多めです。
「Tea for Two」滑り台を遊んで降りてきては、また登って降りてみたいな遊び心のある Tea for Two です。やはりテーマが基本にあって大事に繰り返すんですけど、この曲に限って言えば印象的なテーマより、滑り台を遊んで降りてくるようなコードに重きを置いて演奏しているようです。楽しいです。
「You Are Too Beautiful 」1933年の Richard Rodgers 作曲のスタンダード。テンポは一定なんですが、和音にテンションを入れてリズムにうねりを創り出していて、テンションの入れ方は少しづつ計算して変えているように感じます。
「Just You, Just Me」1929年発表のジャズ・スタンダードで、Monkの名曲「Evidence」は、このコード進行をもとに作られたそうです。他の曲に比べて右手のタイミングを複雑に入れてる気がします。他の曲はテーマを大切に繰り返しているけど、この曲は直ぐにアドリブに入っていくのも少し違います。LIve At The It Club (1964)  Monk(1964) に収録されていますが、テンポやテーマの解釈方法などは似た感じで演奏されています。

自作曲の収録が信条の Monk のイメージがあったが Orrin Keepnews 氏の戦略があったのでしょう。キャバレーカードを没収されライブで稼ぐことが出来なかったため、基本オリジナル曲が信条の Monk ですから背に腹は替えられないのでOrrin Keepnews 氏の戦略をしぶしぶ引き受けたのかとも思って聴き始めたのですが、そんなことは全くないであろう Monk の「この曲が大好き感」が感じられる演奏ばかりでした🎶

piano : Thelonious Monk
bass : Oscar Pettiford
drums : Art Blakey

producer : Bill Grauer, Orrin Keepnews
recorded at : Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey ; March 17 and April 3, 1956
record company : Bill Grauer Productions

1. Liza (All the Clouds'll Roll Away) / George & Ira Gershwin, Gus Kahn
2. Memories of You / Eubie Blake, Andy Razaf
3. Honeysuckle Rose / Fats Waller, Andy Razaf
4. Darn That Dream / James Van Heusen, Eddie DeLange
5. Tea for Two / Vincent Youmans, Irving Caesar
6. You Are Too Beautiful / Richard Rodgers, Lorenz Hart
7. Just You, Just Me / Jesse Greer, Raymond Klages

▶  Liza



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2026年6月6日土曜日

David Sanborn / A Change Of Heart


 これが発売された1987年は未だ学生でした。当時のライブアンダー・ザ・スカイにサンボーンが出演するので、大学のジャズ研メンツで朝から会場に行って芝生で陣取ってたら、リハまで見れたという、ゆる~い時代でした。当時はスマホが無かったので撮影も録音もできなかったので権利関係やセキュリティが厳しくなかったんでしょう。本番では Hiram Bullock が、会場の観客席に乱入して弾きまくり、楽しいライブであったことを覚えています。 


Chicago Song 学生時代に、コンボでトライしたけど今思っても我々の完成度が低かった思い出の曲です。ナンパ度は極めて高い素晴らしい曲です。流行りましたよね。大好きです。
Imogene 金儲け主義の浅い曲が多いと思いがちなんですが Marcus Miller って、こんな感動的な美しい曲もできるのが外せない理由なんでしょう。はい良き楽曲に決定です。
High Roller 当時のディスコでかかりそうなエレクトリックなリズムが軽い曲です。作曲は Michael Colina で、これまたキャッチーでメロディのインパクトも抜群。当時は、これを聴きながらバス釣りに休日の夜中高速を運転してました。
Tintin キーボードの Philippe Saisse のロック・フュージョン魂あふれる楽曲です。リズムも重厚な8ビートだけではなくて、途中で拍が変わったりとかプログレっぽくもあります。曲名はラテンっぽいですけどねえ。
Breaking Point  デジタルっぽいリズムにエレクトリックなキーボードなんですが、聴いているうちにそんなことも感じずに引きずり込まれます。特に Hiram Bullock のロック魂のあるギターソロが、大好きすぎてコピーを普段しなかった私が、不覚にもしてしまった曲です。
A Change of Heart タイトル曲は Michael Colina の楽曲です。ナンパっぽくない曲で、多分 Sanborn がこういった曲が好きな感じがします。Sanborn のサックスも良く鳴いていていい感じですが、リズムの間にあるタメが気持ちよく感じます。
Summer キラキラとしててデジタルっぽいサウンドですが、もっとアコースティックなサウンドでテンポ落としたら感動的な楽曲になるのが想像できる良曲です。懐かしいです。
The Dream 最後はしんみりノスタルジックなメロディー。Sanborn はフュージョン系のイメージもあるけど、こんな曲をエモーショナルに演奏するのも印象にあります。曲のタイトルが安っぽい気はしますが、これも素晴らしい。

 80年代のサンボーンのサウンドを特徴づけるエレクトロニックなリズムやシンセサイザーが大胆に取り入れられているヒット作で、愛聴盤ではありますが、いかんせんナンパな感じはしちゃいます。複数のプロデューサーが参加して制作されたバラエティ豊かな構成が特徴です🎶

recoeded at : RPM Sound Studios, Power Station, Right Track Recording, Sound Ideas Studios, Unique Recording, Blue Rock Studio, Flying Monkey Productions, New York and Bossa Nova Hotel, Yamaha Research & Development Studio, Schnee Studio, Los Angeles.

1. Chicago Song / Marcus Miller
backing vocals : Mark Stevens
drums : Steve Ferrone
keyboards, bass, rhythm guitar : Marcus Miller
lead guitar : Hiram Bullock
synthesizer : Bernard Wright
producer : Marcus Miller
2. Imogene / Marcus Miller
drums : Steve Gadd
electric piano : Don Grolnick
keyboards, bass : Marcus Miller
synthesizer : Rob Mounsey
producer : Marcus Miller
3. High Roller / David Sanborn, Michael Colina
bass : Marcus Miller
percussion, drums : Mino Cinelu
piano : Mac Rebennack
slide guitar, rhythm guitar : Hugh McCracken
synthesizer : John Mahoney
producer : Michael Colina
4. Tintin / Philippe Saisse
contrabass : Anthony Jackson
drums : Mickey Curry
guitar : Nicky Moroch
keyboards, synthesizer : Philippe Saisse
producer : Philippe Saisse
5. Breaking Point / Michael Colina
bass : Marcus Miller
lead guitar : Hiram Bullock
percussion, drums  : Mino Cinelu
synthesizer : John Mahoney
synthesizer : Michael Colina
producer : Michael Colina
6. A Change Of Heart / David Sanborn, Michael Colina
bass : Marcus Miller
guitar : Nicky Moroch
percussion : Mino Cinelu
Steinerphone EWI : Michael Brecker
synthesizer  : John Mahoney
producer : Michael Colina
7. Summer / Ronnie Foster
acoustic guitar, guitar : Carlos Rios
drums : John Robinson
Lead guitar : Hiram Bullock
percussion : Paulinho Da Costa
synthesizer : Ronnie Foster
producer : Ronnie Foster
8. The Dream / Michael Sembello
keyboards : Randy Waldman
synthesizer, backing vocals : Michael Sembello
synclavier programming : Casey Young: 
producer : Michael Colina


▶ Imogene


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2026年6月5日金曜日

Joe Pass / Summer Nights



 聴くまえに、色々と気になります。アルバムタイトルはサマーナイトですが、邦題は「ジャンゴに捧ぐ」になっています。これには説明がありました。
 ジャンゴ作品を整理していたもう一人のギタリスト John Pisano が参加したアルバムなので、この邦題となったとのこと。なるほど「Anouman」「Douce Ambience」「Belleville」はジャンゴ作品で、曲にも「For Django」が収録されています。ただ1964年に「For Django」のタイトルのアルバムも作成されていて、この邦題、紛らわしいですね。でも、これは日本の制作サイドの話。
 原盤ですが、英語でのアルバム名は「Summer Nights」1曲目のタイトル曲の曲名は「 Summer Night」で「S」はありません。うーん。どうみても誤植だと思いますが、どうでも良いかもしれない事に気づいてしまいました。これについての説明は見当たりませんでした。


「Summer Night」1936年の映画 Sing Me a Love Song で使われたポピュラーソング。2本のギターでバッキング、ソロが交互に交換されます。最初は Joe Pass で、いつもの流暢なフレーズが途切れなく、次いでジャカジャカしてから細めの音で John Pisano の自然体なソロ。やっぱりギターアルバムは好きだな
「Anouman」神妙な出だしで Django ナンバー。亡くなる数ヶ月前の1953年のセッションで録音された曲です。わたくし余りDjango Reinhardt は知らないのですが、こんなメランコリックな曲も書かれているんですね。
「Douce Ambience」Django ナンバー続きます。やはりギター二人だとお気軽セッションのような雰囲気があって楽しい。フレーズの終わりにギターを強く弾いてピチって音が快感。そう私の Django のイメージはこんな感じの曲です。
「For Django」Joe Pass が、故人を思って独奏します。指弾きの音が限りなく優しい。
「D-Joe」 今度は John Pisano の独奏です。と思ったら伴奏ついてるようです。まさか一人でオーバーダブは無いでしょうから伴奏は Joe Pass でしょう。「D」と「Joe」だから二人のことをイメージした曲で、ふーんブルースなんだ。
「I Got Rhythm」ビパップの進行の一つとして多用されるリズム・チェンジの発明品のような曲です。これを演奏すると、どんなに冷静なミュージシャンも熱くなれる。もちろん、これも良いですねえ。
「E-Blue Eyes」熱い曲の後はクールダウンでブルース。最初のソロは John Pisano ?ですかね。いや作曲者は Joe Pass だから違うな。最後のコードソロがカッコ良し。
「Belleville」1942年、第二次世界大戦下のフランス・パリにて Django によって書かれた曲です。タイトル名は町の名前とのこと。ギターを活かすようなリズムが素敵で、力強いピッキングでバリバリとギターを弾き倒す感じです。
「In My Solitude」1934年の Ellington ナンバーです。女性ボーカリストのカバーが多い、せつないメロディー。「孤独が私を包み込み、絶望へと追いやる」という失恋や孤独がテーマ。
「Tears」Django ナンバーです。優しいメロディーの中にハードボイルドを感じます。
「In A Sentimental Mood」著名な Ellington ナンバー。テーマに入る前のイントロの作り方が凄く良いです。繊細な音の流れをいつまでも聴いていたい気にさせますが2分50秒で短く完結。4分ぐらいは欲しかった。
「Them There Eyes」そりゃ最後はお祭り的な明るいスイングです。このジャカジャカ加減は Django テーマのアルバムの最後に相応しいと思います。

最後にライナーノーツを読んでいたら
Fernando Valley. Mr. Pass asked that it be mentioned. There was another nice family touch. The acoustic guitar Joe uses here is a 1940s Epiphone that belongs to John Pisano's father, Americo J. Pisano, age 83, would like everyone to know that.
Joe が使っているアコースティック・ギターは、John Pisano の父親であるアAmerico J. Pisano(当時83歳)が所有する1940年代の Epiphone とのこと
最近ピアノばっかり弾いててギターを弾いていないかもしれないので、もうちょっとギター頑張ろうって気になりました🎶

acoustic guitar, electric guitar : Joe Pass
acoustic guitar : John Pisano
bass : Jim Hughart
drums : Colin Bailey

produced by ERIC MILLER
recorded and mixed at Group IV Recording, Hollywood, CA ; December 1989. 

1. Summer Night / Harry Warren, Al Dubin
2. Anouman / Django Reinhardt
3. Douce Ambience / Django Reinhardt
4. For Django / Joe Pass
5. D-Joe / John Pisano
6. I Got Rhythm / Ira Gershwin, George Gershwin
7. E-Blue Eyes / Joe Pass
8. Belleville / Django Reinhardt
9. In My Solitude / Duke Ellington, Eddie DeLange, Irving Mills
10. Tears / Django Reinhardt
11. In A Sentimental Mood / Duke Ellington, Manny Kurtz, Irving Mills
12. Them There Eyes / Maceo Pinkard, Doris Tauber, William Tracey




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2026年6月3日水曜日

Jaco Pastorius / Rare Collection


 音楽誌「ADLIB」の編集長の松下佳男が監修・選曲。ジャコのサイドメンとして参加した曲をまとめたコンピレーションです。制作にあたり、他にも数多くの音源があり収録したかったが、レーベルを超える壁は厚く収録できなかった曲が多数あるとのこと。
 他にもこのアルバムの収録の3曲をカット、新たに5曲を加え、Jaco の生誕50年、没後15年の特別企画として2001年にリリースされた「50thアニヴァーサリー・エディション」なる
ものが発売されています。コレクターの宿命としては、いずれ購入はすると思います。


Dreamland 1979年に Michel Colombier がリリースしたフュージョン・スーパー・セッション・アルバム。オーケストラも参加しているムーディで壮大なバラードで Jaco のフレットレスがメインに据えられて、中身的には深いんだろうが音像がぼやけているような録音なのが私には残念。 Larry Carlton のギター・ソロはさすがプロフェッショナル。
I Can Dig It Baby Jaco のプロとしてのファースト・レコーディングといわれています。1974年のレコーディングでジャコは、まだ22歳の頃。オープニングのハーモニクスは、この時代からやっていたんだなと思い、よくある普通のベースラインで弾いている箇所と Jaco 独特の、あのベースラインと使い分けてグルーブを創り出しているのが、聴いてとれます。R&Bがもジャコの大きなバックグラウンドの一つがわかります。でも以降の R&B で、この Jaco の発明品のフレーズを使った曲を聞いたことが無いのを見ると、このフレーズ「アク」が強いんだろうな。
The One Thing  強力なパーカッションとリズム。Jaco はスピーディなベースで対応するが、いつもの手癖フレーズはあまり見せず自己主張していないのがレア度高いかもしれません。曲があまりにも強力で、そこまで発展できなかったのか。でも、これは凄く良い。
Spiral Bob Mintzerとのセッションは結構多いはずで、このセッションでは ベースは Tom Barney との双頭で、Jaco はソロ楽器として参加しているようです。また Weather Report の曲も、アレンジには採用されていて何か親近感がわきます。
Nativity プログレッシブなパーカッション・メインの楽曲だが、フリーな曲なので Jaco も、いつものフレーズのオンパレードで攻めるが、Airto のパーカッションと対比的にフレーズを使ったり、ミステリアスな魅力があります。
Portrait Of Sal La Rosa レアなアコースティック・プレイが聴けます。フロリダ時代、Jaco に音楽の手ほどきをしたのが、Ira Sullivan でありましたが、自身のグループではアコースティック・ベースしか認めないという考えを持っていましたが、ジャコの革新的な演奏に感銘を受け、彼をバンドに採用した良き理解者でした。
Ant Steps On An Elephant’s Toe  ドイツのジャズ・トロンボーン奏者のAlbert Mangelsdorff の1976年ベルリン・ジャズ・フェスティバルに出演のセッションの録音で音質は良くないが興味深い演奏です。ユーモラスで不安定なトロンボーンと Jaco のリラックスした楽しそうなジャムで、ベース・ソロでは、お得意の Liberty City のフレーズが使われています。
Mood Swings Mike Stern の Upside Downside の曲で、ガチガチの Mike Stern節に、絶好調の Jaco のベースが暴れる大好きなヤツです。録音は1986年で、Jaco は翌年に亡くなるので、Jaco の精神状態は最悪なはずと思いますが他流試合では最高に近い演奏です。
The Hope 何か聴いていて曲がキラキラしているように感じます。私はそんなに趣味ではないタイプのボーカルなのですが Flora Purim も結構いかしてるのは認めます。Jaco のベースは楽曲を包み込むように豊かで、私の大好きな Sanborn とのユニゾンにゾクッときます。松下佳男編集長もライナーノーツで書いてますがマサにラストを飾るのにぴったりの選曲です。


なかなか、マニア心をくすぐるコンピで、ファンとしては楽しめる内容でありました🎶

1. Dreamland / Michel Colombier
piano (fender rhodes) : Michel Colombier
guitar : Larry Carlton
synthsizer : Michael Boddicker
bass : Jaco Pastorius
drums : Steve Gadd
percussion : Airto Moreira
London Symphony Orchestra
1979 at Devonshire Sound Studios, LA & Music Centre, Wembley, England
(MICHEL COLOMBIER)
2. I Can Dig It Baby / Little Beaver
vocals, guitar, bass : Willie "Little Beaver" Hale
keyboads : Latimore "Timmy" Thomas
bass : Nelson "Jocko" Padron aka Jaco Pastorius
drums, percussion : Robert Ferguson
percussion : Glen "Zeke" Holms, Willie Clarke
backing vocals : Betty Wright
Rec. 1974 at Criteria Recording Studios, Miami
(PARTY DOWN)
3. The One Thing / Manolo Badrena
vocals, keuboards,percussion : Manolo Badrena
bass : Jaco Pastorius, Abe Laboriel
guitar : Carlos Rios
violin : Alfredo De La Fe
trumpet, torombone : Gary Gazaway
synthesaizer, tambalin : Hugo Fattoruso
Rec. 1979, A&M Recording Studios, Hollywood
(MANOLO)
4. Spiral / Bob Mintzer
tenor sax, clarinet, flute : Bob Mintzer
trumpet : Randy Brecker, Lew Soloff, Alan Rubin
trombone : Tom Malone, Alan Raph
electric guitar : Bill Washer
piano : Don Grolnick
bass : Jaco Pastorius, Tom Barney
drums : Peter Erskine
Rec. 1982 at R.P.M. Studio, New York
(SOURCE)
5. Nativity / Airto Moreira
percussion : Airto Moreira
guitar : Charles Johnson
bass : Jaco Pastorius
keyboads : Hugo Fattoruso
Rec. July/August at Paramount Studios, Hollywood
(I'M FINE HOW ARE YOU)
6. Portrait Of Sal La Rosa / Ira Sullivan
flute, chorus : Ira Sullivan
electric guitar : Joe Diorio
acoustic bass guitar : Jaco Pastorius
drums : Steve Bagby
percussion : Don Alias
Rec. December 13, 1975 at Criteria Recording Studios, Miami
(IRA SULLIVAN)
7. Ant Steps On An Elephant’s Toe / Albert Mangelsdorff, Jaco Pastorius, Alphonse Mouzon
trombone : Albert Mangelsdorff
bass : Jaco Pastorius
drums : Alphonse Mouzon
Rec. live at the Berlin Jazz Days November 6, 1976 at the Berlin Philharmonic 
(TRILOGUE)
8. Mood Swings / Mike Stern
guitar : Mike Stern
tenor sax : Bob Berg
bass : Jaco Pastorius
drums : Steve Jordan
Rec. March/April, 1986 at R.P.M. Sound Studios, New York
(UPSIDE DOWNSIDE)
9. The Hope / Flora Purim
vocals : Flora Purim
alto sax : David Sanborn
guitar : Lee Ritenour 
piano : Michel Colombier 
keyboads : David Foster
bass-melody : Jaco Pastorius
bass-rhythm : Dennis Belfield
drums : Harvey Mason
percussion : Airto Moreira
London Symphony Orchestra Rec. March, 1978 at Conway Recording Studio, Hollywood & CTS Center, Wembley, England 
(EVERYDAY EVERYNIGHT)

▶  I Can Dig It Baby / Little Beaver


定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年6月2日火曜日

Ben Harper ‎ / The Will To Live


 購入のきっかけは、Bill Withers の Use Me を youTube で探していたらスタジオで録音している映像を見て(もう見つからないんですが)、なんだこの人は?てなって、Faded のだるそうな歌い方とスライド・ギターに出会い、札幌のタワレコへ探しに行って即購入でした。
 そんなこのアルバムは1997年リリースの 3rdアルバム。フォークを基盤としながらも、生の楽器とエレキ系の楽器のダイナミクスをうまく引き出した音づくりで、ロック、ブルース、R&Bなど多様な音楽性をミックスさせたサウンドで生々しく力強い印象。ボーカルは声を張り上げることは無いのですが、妙な迫力で、オーガニック・ブルースとも言われているようです。また Ben Harper は普通のギターも弾きますが、ワイゼンボーンという膝の上に置いて弾くスライド・ギターを使用することも有名です。素朴な楽器に見えますが、ガンガンに歪ませて弾かれることの方が多いあれです。


 聴き直しながらライナーノーツを見ていると、今まで音しか聴いてこなかったので気づいてこなかった衝撃的な写真が2枚掲載されています。「生への意志(The Will To Live)」を逆説的に表現するために写真家による既存のアート作品から引用されています。
象の死体の写真 : 写真家 Peter Beard の作品で、アフリカの自然や野生動物、特に人口爆発や環境破壊によって餓死していく象の姿を長年記録してきたことで知られています。
牛(家畜)の死体の写真 : 写真家 Richard Misrach の「Desert Cantos」シリーズの一枚(Dead Animals #1)です。米軍の核実験や環境汚染の影響が疑われる砂漠に、家畜の死骸が打ち捨てられている光景を捉えたものです。

 あえて無残な「死」のイメージを提示することで、タイトルである『The Will To Live(生きんとする意志)』の力強さを強調する意図があります。死が蔓延する世界の中で、いかにして生を見出すか The Will To Live という問いかけをして、政治、人種差別、貧困、そして死といった重いテーマを扱いつつ、それでもなお生きようとする「意志」を歌っています。


 いつものように聴きながらのレビューを掲載にしようかと思いましたが、聴きながらのライナーノーツが余りにも衝撃的だったので画像の調査に時間がかかってしまいました。
 やはりレコードでないCDと言えどもアルバムは、じっくりと見ながら聞きこむと、ジャズにしろロックにしろメッセージ性、アート性に気づきがありますし、そのようなものが無いにしろ時代背景を考察すると、よりその音像に近づけるような気がします。
 今の時代は音楽はダウンロードが主流ですが、音を聴いているだけではわからないものを知る楽しみが現物のアルバムにはありますので、これからも探求が楽しみです🎶🎸

Ben Harper & The Innocent Criminals
guitar, lap steel guitar (weissenborns), baglama (saz), vocals : Ben Harper
bass : Juan Nelson
drums : Dean Butterworth

backing vocals : Agnes Baddoo (6), Amy Piatt (6 to 8), Juan Nelson (11)
cello : Emily Wright (4)
classical guitar (nylon string guitar) : Alan Anderson (1)
double bass : Louis Allen (4)
fiddle : Patrick Brayer (10, 12)
guitar : Alan Anderson (5)
mandolin : Patrick Brayer (8)
percussion : Rock Deadrick (2, 5, 11)

producer : J.P. Plunier
photography by (cover photo) : Annalisa
photography by (dead animals #1) : Richard Misrach
photography by (dead elephant photo) : Peter Beard
photography by (desert photos) : JP Plunier

1. Faded
2. Homeless Child
3. Number Three
4. Roses From My Friends
5. Jah Works
6. I Wanna Be Ready
7. The Will To Live
8. Ashes
9. Widow Of A Living Man
10. Glory & Consequence
11. Mama's Trippin'
12. I Shall Not Walk Alone

▶ Faded



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2026年6月1日月曜日

Eric Dolphy At The Five Spot Vol1

 

 Prestige から発売されていた Vol2 を先に聴いて、その独特の感性と尖り具合を更に聴いてみたいと本盤 Vol1 は探して購入しました。このライブでは Eric Dolphy はフルートとバスクラを演奏しています。アルバム名は Eric Dolphy ですが、バンドは Booker Little をトランペットに迎えた双頭クインテット。
 録音されたニューヨークの Five Spot と言えば、当時の先鋭的なジャズ・ミュージシャンがよく出演するお店。元々はマンハッタン南部のバワリー通りにあった「バワリーカフェ」という見すぼらしいバーだったそうです。ところが1955年に店の上を通っていた鉄道が無くなったことにより雰囲気が一転し周辺に画家や詩人の卵が済むようになり 店の名前も Five Spot に改名し、そのたまり場だった店には現代アートを好む人たちがたむろするようになったため、出演するミュージシャンもモンク、ドルフィー、セシルテイラー、オーネットコールマン、コルトレーン、チャールス・ミンガスと先鋭的な人たちが多かったようです。
 そのような背景があっての Five Spot でのこの録音ですが、Eric Dolphy は、この録音の3年後に Berlin で無念の客死、Booker Little に至っては僅か 4ヶ月後に、尿毒症により23歳の若さで亡くなっています。また Little は本作を含め数枚の音源が残っているのみの人なので、この作品は二人の演奏を収めた貴重なドキュメントとして価値ある作品とされているようです。
 また本盤のライナーノーツの原盤の英文には、Joe Goldberg氏の解説の一文に Booker Little のインタビューで「不協和音が多ければ多いほど音は大きく響き、まるでホーンの数が増えたように聞こえる。不協和音の可能性に興味がある」の記述は非常に興味がそそられ、そこらへんにも注意して聴いてみるとなるほどと思う部分がありました。
"I'm particularly interested in the possibilities of dissonance. If it's a consonant sound it's going to sound smaller. The more dissonance, the bigger the sound. It sounds like more horns; in fact, you can't always tell how many there are. And your shadings can be more varied. Dissonance is a tool to achieve these things." 


「 Fire Waltz」長めの静寂、ピアノの試し弾きの音が聞こえてからイントロがピアノで開始されます。これからライブが始まる緊張感が伝える録音演出も良いです。そしてブレークの後にテーマは、アルトサックスとトランペットを含むリズムセクションがそれに答えます。それにしてもアルトの音なのに太くてコクがあり、低音から高音まで使った猛烈なアプローチ、様々なサックスの演奏テクをこれでもかと織り交ぜながら最初から全開です。昔はこの隙間の無い音のアプローチとか狂ったような羅列が苦手だったんですが、今は自然に聴けるのが不思議です。一方トランペットソロは、最初は音数少な目で徐々にアグレッシブに行くやつです。ソロの途中から Eric Dolphy が下降するコードのバッキングのルート音をサックスで鳴らします。何かと思って、ここの前後を聴き直すとピアノのバッキングのコードとリズムが、トランペットのソロが進むにつれてテーマから少しづつ変えてきていたのを元に戻そうとしていたようです。この後 Mal Waldron はバッキングを元に戻してきます。面白い。そしてピアノソロになりますが、闘争本能剥き出しのサックスとトランペットに対し、実に聞きやすい冷静なプレイ。ここら辺の対比も良いです。
「Bee Vamp」早いテンポのハードバップで Booker Little 作品なので主導権はトランペット。知的でスイング感、スピード感が良くダイナミック、こんな活舌の良いトランペットは私好みです。Eric Dolphy はテーマでは、バスクラでメロディとリズムセクションを交互にアンサンブル、トランペットの長尺の後はアルト同様に物凄い音圧で、そしてアルトと同様に高音から低音までの音域を縦横無尽にコントロール。低音楽器のバカテクって、それだけである意味感動です。そしてピアノソロはリズムに身を任せながら構築していきます。リズムに身を任せすぎて途中危ういところもあるような気はしますが、狂ったような管楽器の名手たちのゴリゴリさと一緒にしてはいけない。危うい時に多分ベースが助け船だしてますよね。うーん楽しい。
「The Prophet」結論、これが一番楽しかったです。何が楽しいかってライナーノーツに書いてあった Booker Little の「不協和音の可能性に興味がある」の実践です。テーマ部分では明らかにテナーとの不協和音をトランペットが意識的に出しています。当然不協和音ですから聴いていて気持ちの良いものではありませんが、明らかに考えて考えての不協和音にたどり着いているのが見えた時にテスト問題が解けた時のような感覚がありました。しかしソロ部分ではLittle は品行方正、 Dolphy はアウトなフレーズも含めてエネルギーを出しまくっています。演奏者の主義によるとは思いますが、アウトなフレーズとか、フリーキーな演奏は不協和音とは全く違う次元の話しなんですね。不協和音と常人には作れないアクセントを徹底的に考え抜いて作っていたのは Monk が第一人者と思っていますが、考え方は似ているんでしょうが、Monk の方が、不快感ではなく不思議感にしているのが凄いところなんだな、なんて考えながら聴いています。
「Bee Vamp (Alternate Take)」 2曲目のオリジナル・テイクよりも演奏時間が短くテンポはほぼ同じですが重めのプレイです。、幾分グルーブが重く聴こえるプレイです。録音は July 16, 1961 と書いてありますから、当日のいくつかのステージ全部を録音して2曲目をアルバムには採用したということですね。確かに全体的な充実感はオリジナル・テイクの方があります。

この Vol1 を踏まえて、Vol2 を聴けば、更に深く面白くなると思いますが、真剣に読み過ぎて聴きすぎて疲れましたので、また今度にします🎶

alto sax, bass clarinet : Eric Dolphy
trumpet : Booker Little
piano : Mal Waldron
bass : Richard Davis
drums : Ed Blackwell

producer : Esmond Edwards
recorded : July 16, 1961, New York.

1. Fire Waltz / Mal Waldron
2. Bee Vamp / Booker Little
3. The Prophet / Eric Dolphy
4. Bee Vamp (Alternate Take) / Booker Little




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