2022年1月24日月曜日

Classic Kiss Regrooved / Kiss My Ass


 Kiss の楽曲をカバーした様々なアーチストが参加するトリビュート・アルバムです。1944年発売でキッスの結成20周年に合わせてリリースされ、RIAAによってゴールド認定されています。(RIAAとは、Recording Industry Association of Americaつまりアメリカレコード協会)チャートでは13週に渡ってポジションをキープしていたというから、トリビュート・アルバムにしてはヒット作となってたアルバムですね。かなり楽しいです。


 CDリリースまでにエース・フレーリーのメイクアップの権利関係が解決しなかったことから、ポール・スタンレーが活動初期に一時していたバンディット(山賊)メイクが使われているとのことで、ジャケットでは目立たない左の男の子のメイクになります。
 アルバムは Deuce から始まりますが、レニクラによくあるギターリフの時に他の楽器はお休みという形態でなるほどレニクラがやるとこうなるなあと、これはなかなか良い。Hard Luck Woman  については、キッス自身による演奏でカントリー歌手の Garth Brooks がなりきって歌っているのでトリビュート感があまりなし。She については、本家よりも、かなりグシャグシャに歪ませて、重量級のドラムチューニングで Anthrax。こう言うのは両方のファンに受けるんだろうなあと、思いつつ最近はこの手のヘビーなのは聴いてないので新鮮。Christine Sixteen はポップなアメリカン・ロックの雰囲気を少し軽めのギターで Gin Blossoms が気持ちよく演ってます。途中のツインギターのところがカッコよいではないですか。私の大好きな Rock And Roll All Nite は、Toad The Wet Sprocket がスロー・ロックにしていますが、ファンとしては途中からヘビーにするかテンポ・アップして欲しかった・・。Calling Dr. Love は Shandi's Addiction が、ゴスゴスといた感じの曲に仕上げていますが、途中がやっぱりキッスを感じるところが元曲の良さ。Goin' Blind は、Dinosaur Jr. が演奏していますが、おそらく両方とも聞いたことがなくなんとも。Strutter は、ライトな感じに Extreme のカバーで、オールドな雰囲気が出ていたりしてセンスがやっぱり光ります。途中のボーカルのシャウト加減がジーン・シモンズの感じが出ていて好きなんだなあと役者ぶりに更に好感度も増します。Plaster Caster は The Lemonheads なるオジサンは知らないバンドですが、キッスのロックンロール的なハードロック・サウンドがとてもよろしい。Detroit Rock City は、The Mighty Mighty Bosstones のSEを使用したイントロから始まりますが、イントロのギターからゾクゾクして、ボーカルのダミ声に聞きほれているとサビで、ホーン部隊が登場?しギャップに何かニヤニヤしてしまいます。Black Diamond は、YOSHIKI によるオーケストラ・アレンジで、これはこれで良いんですが、このアルバムでなくとも良かったような、いや日本向けのセールスも考えれば入れといた方が良いのかなとか、日本の誇る世界に向けたアーチストであることは誇りには思います。占めの Unholy は、Die Ärzte でタイトに締めくくっています。おそらく YOSHIKI を最後にするかどうかは迷ったんでしょうな。私はタイトルのふざけた名前も含めてこの選択に賛成!

1. Lenny Kravitz / Deuce
2. Garth Brooks / Hard Luck Woman
3. Anthrax / She
4. Gin Blossoms / Christine Sixteen
5. Toad The Wet Sprocket / Rock And Roll All Nite
6. Shandi's Addiction / Calling Dr. Love
7. Dinosaur Jr. / Goin' Blind
8. Extreme  / Strutter
9. The Lemonheads / Plaster Caster
10. The Mighty Mighty Bosstones / Detroit Rock City
11. Yoshiki / Black Diamond
12. Die Ärzte / Unholy





muu music webzine

  

2022年1月23日日曜日

Stevie Ray Vaughan & Double Trouble / Couldn't Stand The Weather


 1983年にDavid Bowie (デビッド・ボウイ)の「Let's Dance」に参加したことで一気に知名度はあがり、そのままツアーの参加を要請されるも断り、同年に1stの Texas Flood をリリース、そしてこの1984年のレイボーン2作目の作品です。
 2作目で失速したりする人も多いですが、ここは Stevie Ray Vaughan  (スティービー・レイボーン)失速するどころか、スピードアップしています。本作ではゲストとして兄でファビュラス・サンダーバーズのメンバーの Jimmie Vaughan (ジミー・ボーン) や サックス の Stan Harrison (スタン・ハリソン)が加わっています。
 ギター・スリムの代表曲 The Things (That) I Used To Do 、ジミ・ヘンドリックスの Voodoo Child、ジミー・リードの Tin Pan Alley の3曲がカバーで収録されています。スピーディーなもの、シャッフル、スロー・ブルースとバラエティ豊かに聞かせどころ満載の名アルバムです。


 Stevie Ray Vaughan は主にフェンダーのストラトキャスターを愛用していて、最も愛用していたのは「#1(ナンバーワン)」で、元々はクリストファー・クロスがこの店に下取りに出していた1963年製。個体の1963年製のアルダー・ボディ、ネックは1962年12月製のDサイズでローズウッド指板のラウンド貼り、ピックアップは1959年製、ピックガードは白で購入後にピックガードはホログラムステッカーを切り出した「SRV」のロゴが貼られた黒いピックガードに交換され、フレットの打ち換え、トレモロユニットの交換、ペグの交換も行っています。つまりはピックアップとボディ以外は、ほぼ別物になっているようです。


 もう一本は1980年代のシャーベル社(Charvel)製のメイプル指板のネックが付けられたストラトキャスター「Lenny(レニー)」で、名前はこのギターをプレゼントしたという当時の妻からとっているようです。ボディの色の塗り替え、ピックガードの改造、トレモロユニットの交換なども行っています。

これは、スコッチ

そしてこれは、イエロー

 ビデオも見ていて驚愕の演奏です

vocals, guitar : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
Tenor Saxophone – Stan Harrison

1. Scuttle Buttin'
2. Couldn't Stand The Weather / second guitar : Jimmie Vaughan
3. The Things (That) I Used To Do / second guitar : Jimmie Vaughan
4. Voodoo Child (Slight Return)
5. Cold Shot
6. Tin Pan Alley (AKA Roughest Place In Town)
7. Honey Bee
8. Stang Swang / drums : Fran Christina





muu music webzine

  

2022年1月22日土曜日

Lou Donaldson / Quartet Quintet Sextet plus five / Blue Note 1537

 

 1940年代末から1950年代のはじめにかけて、パーカー派のスタイルを踏襲したアルト・サックス奏者として活躍したのは、Sonny Stitt (ソニー・スティット)、James Moody (ジェイムス・ムーディ)、Lou Donaldson (ルー・ドナルドソン)の3人でした。
 もともとは10インチLP2枚で発売されていたルー・ドナルドソンの初リーダー・アルバムを12インチ時代に入って一部をカットして1枚にまとめられたものらしい。本CDはその録音に更にAlternate Takeを5曲を加えたものとなっています。邦題としては「ハード・バップセッションズ」と付けられていて、LPでの発売のものとは曲順なども異なるものとなっています。録音は1952年6月20日の初リーダー・セッションとなったカルテット。続いて11月19日のトランペットのブルー・ミッチェルを含めたクインテット。そして1954年8月22日のトランペットにケニー・ドーハム、トロンボーンにマシュー・ジーを迎えてのセクステットとなっています。


 タイトル通り3種類の編成によるストレートなジャズが聴けるもので、ルー・ドナルドソン自体はバップアクセントは少な目でスムーズな演奏です。ハード・バップ・セッションズという邦題ではありますが、50年代初めはハード・バップが確立、認識される前のものですあるにもかかわらずハード・バップ的なプレイが見られるのも、このメンバーの演奏であったからこそと興味深いものがあり、邦題だけ見たときに時代が違うのでは?と思ったのに対し、この演奏にこの邦題を付けたことにも納得がいきます。
 シルヴァー、ブレイキー、ドーハムという強力なメンバーでの初期メッセンジャーズのメンバーが参加していることに注目して聴いていると、ブレイキーのいない演奏、シルバーのいない演奏などはこんな風になっているのかと思いながら聴いていると更に面白く聴けるのではないでしょうか。また1952年と54年の録音ではありますが、演奏の質はまったく古さを感じさせずアルバムとしての流れと統一感があるのは、さすがブルーノートを支えたプロデューサー Alfred Lion だと感心します。
 1~7曲目はホレス・シルバーを中心としたピアノ・トリオで Roccus、Cheek To Cheek、Lou's Blues は Alternate Take が収録されている。8~11曲目は、アートブレイキーを含むホレス・シルバーのトリオにブルー・ミッチェルが加わってのクインテットとなり、ブレイキーが加わると演奏が楽し気になっているように私には聞こえます。12~15曲目は、トランペットがケニードーハムに変わりトロンボーンのマシュー・ジーが加わり3管編成となり、ピアノはエルモ・ホープにチェンジします。全員ノビノビとした演奏に拍車がかかり3管ならではの華やかさ、ルーのサックスも増々滑らかになっているように聴こえます。トリオならコンパクトにジャズのお手本のようにまとめた Roccus、古き良き時代のようなものを感じルーのソロも滑らかな Cheek To Cheek、クインテットでは、The Best Things In Life Are Free、セクステットでは、Caracas ブレイキーのドラムソロから始まる After You've Gone なんかが好印象です。
 アート・ブレイキーの A Night At Birdland は1954年2月21日のことでした。本作の1954年録音は8月22日で、それ以外は1952年の録音です。メッセンジャーズの源流はここにも流れていたんですね🎵

alto sax : Lou Donaldson
piano : Horace Silver (1 to 11), Elmo Hope (12 to 15)
bass : Gene Ramey (1 to 7), Percy Heath (8 to 15)
drums : Arthur Taylor (1 to 7), Art Blakey (8 to 15), 
Trombone : Matthew Gee (12 to 15)
Trumpet : Blue Mitchell (8 to 15), Kenny Dorham (12 to 15)

producer : Alfred Lion

1-7: recorded at WOR Studios, New York City on June 20, 1952.
8-11: recorded at WOR Studios on November 19, 1952.
12-15: recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on August 22, 1954.

1.  Roccus (Alternate Take) 
2.  Roccus
3.  Cheek To Cheek (Alternate Take)
4.  Lou's Blues (Alternate Take)
5.  Lou's Blues
6.  Cheek To Cheek
7.  The Things We Did Last Summer
8.  Sweet Juice
9.  Down Home
10.  The Best Things In Life Are Free
11.  If I Love Again
12.  Caracas
13.  The Stroller
14.  Moe's Bluff
15.  After You've Gone

▶ Roccus




muu music webzine

  

2022年1月21日金曜日

小沼ようすけ / The Three Primary Colors

 

 2004年6月にNYで録音、9月に発売されたベースの Richard Bona (リチャード・ボナ)、ドラムの Ari Hoenig (アリ・ホーニッグ) がメンバーのトリオ作品です。ジャケット裏側には、3色の帯に3人に名前が、赤「小沼ようすけ」緑「Richard Bona」青「Ari Hoenig」のように記載されていて、このアルバムのタイトルの「三原色」は3人のことを示しこの3人の音の融合によって限りなく多彩な音の色が作られていくことを意味しているようです。


 メンバーの Richard Bona は1967年にカメルーン東部にある未開の土地、ミンタ村に生まれ、幼い頃からバラフォン(アフリカの木琴)等の楽器に親しみ、5歳になると家族と共に村の教会で歌い演奏した。そして「ギターをもってないので自転車のワイヤーで弦を張った手作りギターが最初に持った楽器という彼はジャズクラブで演奏をする中、ジャコ・パストリアスのアルバムに出会い、ギターからベースに転向する」との逸話があります。私も中学生の時にフォークギターでハードロックの曲を練習していて、高校になってからエレキを弾いたら弾きやすくてビックリした経験がありますが、そんなこととはレベルがラベルな話し。


 そのボナの薦めで迎えたドラマー、Ari Hoenig は1973年フィラデルフィア生まれのギリシャ系で、小沼ようすけと同世代で、サウンドは非常にタイトでセンシティブで、テクニックもセンスも抜群のドラマーです。


 この3人での録音はアナログ・マルチによる一発録りとのことで、一発あてるような気負いのある音ではなく、気軽なジャム的な雰囲気での録音に十分に3人の息は合っていて意気投合しているように感じます。小沼氏は休憩時間にボナがギターを指弾きで弾いているのを見て、ピックを使わない指先からでる音に魅力を感じて指弾きに転向したとの話しはあちこちで目にするのは、このNYでの録音が契機となったことになるようです。やりたい放題でアクが強すぎるボナのベースにのっかって、インプロしているこのアルバムでの小沼氏はフュージョン、スムースジャズ的で自由な音楽を演奏するイメージの小沼氏のアルバムの中では、だいぶカチッとした演奏で少し毛色が違うものであるような気がします。特に好きなのは小沼氏の教則本などでも登場している名曲で、ロバータ・フラッグのカバーの Feel Like Makin' Love でしょうか。
 世界のトップ・プレイヤーと組みしてもなんら遜色のない、卓越したジャズ・ギターで、三つの個性が溶け合い、互いに啓発しながら高みへと上っていく若々しい感性に溢れたアルバムです🎵


guitar : 小沼ようすけ
bass : Richard Bona
drums : Ari Hoenig

1. Frolicking
2. The Lily
3. Feel Like Makin' Love
4. She Said She Said
5. Silence Of The Night
6. Can We Still Be Friends?
7. The Windjammer
8. Happy Playing Ground
9. Dawn
10. Around The Love

小沼氏のアルバムの動画は見当たりませんが、指引きへの演奏やボナとの思い出話しなどが収録されている動画をどうぞ。



▶ OLEO


muu music webzine

  

2022年1月20日木曜日

Tommy Flanagan / Overseas

 

 録音は1957年8月15日、スェーデンはストックホルムでの録音で、このとき三人は、J.J.Johnson Quintetの一員としての訪欧しての録音ですがまだまだ無名の段階でした。ジャケットには沢山の「C」の文字ですが元々はスウェーデンの Metronome から発売の3枚のEPがオリジナルでタバコを吸っている写真などのデザインで、この「C」は、後にアメリカの Prestige が発売したものだそうです。どうやらこの「C」は「Over Cs」つまり「Over Seas」と駄洒落の文字らしい。


 さてTommy Flanagan (トミー・フラナガン)というとソニー・ロリンズの Saxophone Colossus 、ジョン・コルトレーンの Giant Steps 等のセッションに参加で有名で「名盤請負人」「名脇役」などと評されることが多い人です。サポートの方が有名なのでソロアルバムは目立たず(少ない?)キャリア後年は円熟したプレイが評されていますがこのフラナガン初のソロアルバムではハードバップの香りが漂よい躍動感に溢れ、実に堂々とたリーダーとして牽引しています。バランスが良くてジャズ・ピアノの素晴らしさが味わえる作品で聴けば聴くほど浸みてくる作品です。
 チャーリー・パーカーの Relaxin' At Camalliro から始まり、スタンダーズの Chelsea Bride を経て スリリングでコードが印象的なテーマや、攻めているけどあっという間に終わるVerdandi、ゆったりと時が流れるような Delarna の美しさにハッとして最後は Willow Weep For Meで終わる選曲も良い。
 ピアノのプレイの素晴らしさを思いながら何度も聴いているうちに実はピアノがバンドを引っ張っていると思ったらドラムの Elvin Jones (エルヴィン・ジョーンズ)も巧みなブラシプレイ、緻密に入れるスネアでの演出がフラナガンのピアノをハードな方向に導びいていたり、ベースのリトルは落ち着いてリズムキープしながら裏からこのバンドのサウンドを導いていることもわかります。トミー・フラナガンといえばこれですとも言えるアルバムです。これはリマスターなのでアウト・テイクも3曲収録されているのが嬉しいジャズを知りたい人へ推奨の逸品です🎵

piano : Tommy Flanagan
bass : Wilbur Little
drums : Elvin Jones

recorded August 15, 1957 in Stockholm

1. Relaxin' At Camarillo
2. Chelsea Bridge
3. Eclypso
4. Dalarna (Take 3)
5. Verdandi (Take 1)
6. Willow Weep For Me (Take 2)
7. Beats Up
8. Skål Brothers
9. Little Rock
10. Dalarna (Take 2)
11. Verdandi (Take 2)
12. Willow Weep For Me (Take 1)


▶ Dalarna



muu music webzine

  

2022年1月15日土曜日

George Duke / Reach For It

 

 George Duke (ジョージ・デューク)の私のイメージはコンテンポラリーなファンク系フュージョンのキーボードで単体ではアルバムを持っていませんでした。で中古CDで見かけたので聴いてみるかと購入してみたら、昔懐かしいフュージョン・サウンドであったり、松岡直哉とかはここら辺もルーツにあるのかと思うようなラテン・フュージョンが展開されていて中々楽しいアルバムでした。
 1946年生まれのデュークは、高校の頃は、彼はマイルス・デイヴィスやソウル・ジャズに影響されていたとのことですが、卒業後はサンフランシスコ音楽院に進みトロンボーンを先行、在学中はアル・ジャロウとクラブで演奏していたとのことです。1970年代に入るとCannonball AdderleyやQuincy Jones、Frank Zappa、Billy Cobhamのグループに参加していたとのことで、これも是非聞いてみたいので後で調べてみようと思います。


 本作 Reach for It は、George Dukeのソロ10作目で、もともとはジャズ畑の人ですが、Soul、R&B な色彩が色濃くでていて、キャリアの中では最大のヒット・アルバムとなったとのこと。USアルバム・チャートは25位、同R&Bアルバム・チャートでは4位となり、ゴールド・ディスクも受賞しています。まさに脂がのっている時のようで、ジャケ写も美女に頬を寄せられながら満面の笑みでフュージョン系ピアニストのアルバムでは異色な感じがします。タイトル曲 Reach For It はサンプリングには引っ張りダコの定番ネタでもあるとのこと。
 The Beginning は、シンセが不思議なサウンドのイントロでアルバム導入の効果音的な役割、続く Lemme At It は、Charles Johnson のギターがメインのジャズ・ロック的なフィーリングのフュージョンで Leon Chancler のドラミングとチックコリアの曲のようなシンセで、エレクトリック・バンドと間違いそうな曲(どちらが先なのか?)続いては サンタナか?松岡直哉かのラテン・フュージョンは Hot Fire では、ChanclerとManolo Badrena のラテン・パーカッションに乗って、Charles Johnson も Duke も実に良い仕事をしています。そしてタイトルの Reach For It では Parliament のようなリフのファンクで Stanley Clarke がここぞとばかりのベース・ソロが楽しい。Just For You では、Dukeがボーカルを執るメロー・ソウルで、フュージョン・バンドがアルバムに一曲はボーカルものを入れるのが流行っていた70年代を感じます。Omi (Fresh Water)は、トロンボーンがフィーチャーされた6/8拍子のブラジリアン・フュージョン。これは向井滋春に通ずるなあ。Searchin' My Mind は女性ヴォーカル陣によるブラコン的なテイストのポップな曲。さらに Watch Out Baby! は、細かい技が光るファンクでボーカルの入れ方も Parliament ですね。Diamonds は、またもブラジルに戻ります。コーラスのメロディ、ベースラインがカッコよく、Duke のシンセの音色がこのタイプの曲にはぴったり。そして、始まりはThe Beginning なので終わりは The End またもミステリアスなシンセだが、ブラジルからこの曲には多少の強引な感じがありかな。ボーナスには Bring It On Home が追加収録されていますが、これと The End を入れ替えた方がアルバムとしては収まりが良いような気もします。

ソロアルバムは初めてですが、今まで私の聞いてきた作品にどのように参加しているのか調べてみました。やはりソウルあり、フュージョンありですがラテン系の方が強めでしょうか。ナルホド🎵

Roberta Flack / Oasis (Brazil), David Sanborn / As We Speak (Port of Call), Incognito / Adventures (In Black Sunshine Mindin' My Business), The Brecker Brothers / Detente (Don't Get Funny With My Money , Squish, Baffled, I Don't Know Either), George Howard / Attitude Adjustment (Best Friend,  One Last Time, Attitude Adjustment, Adjusted Attitude), 渡辺貞夫 / Birds Of Passage (Salvador, Just A Touch, Burung Burung "Birds")

keyboards : Byron Miller (11), George Duke
guitar : Charles Icarus Johnson, Mike Sembello (8)
bass : Byron Miller (11), Stanley Clarke (8)
drums : Leon "Ndugu" Chancler
congas, bongos, percussion (miscellaneous) : Manolo Badrena
rototoms (remo-roto toms) : Leon "Ndugu" Chancler
timbales : Leon "Ndugu" Chancler
trombone : Raul De Souza (曲: 6)
vocals : Charles Icarus Johnson (曲: 4, 9), Deborah Thomas, Dee Henrichs, George Duke, Leon "Ndugu" Chancler (曲: 4, 8), Ms. Brazilplex (曲: 4), Sister Glory Glow Fly (曲: 4), Sybil Thomas

producer : George Duke

1. The Beginnin
2. Lemme At It
3. Hot Fire
4. Reach For It
5. Just For You
6. Omi (Fresh Water)
7. Searchin' My Mind
8. Watch Out Baby!
9. Diamonds
10. The End
【Bonus Track】
11. Bring It On Home





muu music webzine

  

2022年1月13日木曜日

Charlie Sexton / Don't Look Back


 イケメンだったため、当時はアイドル的な扱いだったと思うけど、音はかなり硬派であったCharlie Sexton (チャーリーセクストン)はテキサス出身のギタリスト。歌い方やバキバキのハードなギターがカッコよくて割合と好きでした。


 1985年の18歳でデビューアルバムから3年後の1989年に本作は発売され、アルバムタイトルは Charlie Sexton 、邦題は Don't Look Back (ドント・ルック・バック)です。前作はギラギラした80'sっぽいサウンドだったが、本作ではナチュラルでストレートなアメリカンRockは、この貫録で20歳か?と驚きます。
 再度聴き直して新たにこのカッコよさに改めて聞き入り、タイトル曲の Don't Look Back に実はバッキング・ボーカルに Bryan Adams (ブライアン・アダムス) が参加していたことを知りました。サビは確かにブライアン・サウンドになっていて一人で盛り上がり、PVでは白いTシャツにジーンズで登場です。イメージ的には上の写真のように髪を盛り上げてパンクロック風がイメージだっただけに、清楚なイケメン風アピールにもデビュー当時 EDWIN のCMにも出てたそうでナルホド💡です。


 さて容姿はともかくとして、ストレートでエッジの効いた Don't Look Back、Blowing Up Detroit、For All We Know、Battle Hymn Of The Republic、カントリーロック風の始まりの Save Yourself なんかも好感で、地味目の Seems So Wrong も、ダークで独特の雰囲気があり味のある曲かと思います。
 当時カセット・テープで聴いたことを思い出し、懐かしく思いだします🎵

guitar, vocals : Charlie Sexton
backing vocals : Diva Gray, Lani Groves, Robin Clark
Keyboards, guitar (additional) : Tony Berg
synthesizer : Larry Fast
bass : Carmine Rojas
drums : Gary Ferguson
percussion – David Van Teighem
chamberlin : Patrick Warren
tenor sax : Lenny Pickett
baritone sax : Lino Gomez

producer : Bob Clearmountain, Tony Berg

Don't Look Back / Backing Vocals – Bryan Adams
Seems So Wrong
Blowing Up Detroit
I Can't Cry
While You Sleep
For All We Know
Battle Hymn Of The Republic / Backing Vocals – Tonio K.
Bass – Tony Berg
Question This
Save Yourself / Backing Vocals – Rick Danko
Bass – Charlie Sexton
Cry Little Sister Backing Vocals [Chorus] – Jasmine Villette




muu music webzine