2004年6月にNYで録音、9月に発売されたベースの Richard Bona (リチャード・ボナ)、ドラムの Ari Hoenig (アリ・ホーニッグ) がメンバーのトリオ作品です。ジャケット裏側には、3色の帯に3人に名前が、赤「小沼ようすけ」緑「Richard Bona」青「Ari Hoenig」のように記載されていて、このアルバムのタイトルの「三原色」は3人のことを示しこの3人の音の融合によって限りなく多彩な音の色が作られていくことを意味しているようです。
メンバーの Richard Bona は1967年にカメルーン東部にある未開の土地、ミンタ村に生まれ、幼い頃からバラフォン(アフリカの木琴)等の楽器に親しみ、5歳になると家族と共に村の教会で歌い演奏した。そして「ギターをもってないので自転車のワイヤーで弦を張った手作りギターが最初に持った楽器という彼はジャズクラブで演奏をする中、ジャコ・パストリアスのアルバムに出会い、ギターからベースに転向する」との逸話があります。私も中学生の時にフォークギターでハードロックの曲を練習していて、高校になってからエレキを弾いたら弾きやすくてビックリした経験がありますが、そんなこととはレベルがラベルな話し。
そのボナの薦めで迎えたドラマー、Ari Hoenig は1973年フィラデルフィア生まれのギリシャ系で、小沼ようすけと同世代で、サウンドは非常にタイトでセンシティブで、テクニックもセンスも抜群のドラマーです。
この3人での録音はアナログ・マルチによる一発録りとのことで、一発あてるような気負いのある音ではなく、気軽なジャム的な雰囲気での録音に十分に3人の息は合っていて意気投合しているように感じます。小沼氏は休憩時間にボナがギターを指弾きで弾いているのを見て、ピックを使わない指先からでる音に魅力を感じて指弾きに転向したとの話しはあちこちで目にするのは、このNYでの録音が契機となったことになるようです。やりたい放題でアクが強すぎるボナのベースにのっかって、インプロしているこのアルバムでの小沼氏はフュージョン、スムースジャズ的で自由な音楽を演奏するイメージの小沼氏のアルバムの中では、だいぶカチッとした演奏で少し毛色が違うものであるような気がします。特に好きなのは小沼氏の教則本などでも登場している名曲で、ロバータ・フラッグのカバーの Feel Like Makin' Love でしょうか。
世界のトップ・プレイヤーと組みしてもなんら遜色のない、卓越したジャズ・ギターで、三つの個性が溶け合い、互いに啓発しながら高みへと上っていく若々しい感性に溢れたアルバムです🎵
guitar : 小沼ようすけ
bass : Richard Bona
drums : Ari Hoenig
1. Frolicking
2. The Lily
3. Feel Like Makin' Love
4. She Said She Said
5. Silence Of The Night
6. Can We Still Be Friends?
7. The Windjammer
8. Happy Playing Ground
9. Dawn
10. Around The Love
小沼氏のアルバムの動画は見当たりませんが、指引きへの演奏やボナとの思い出話しなどが収録されている動画をどうぞ。
▶ OLEO
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