2023年8月13日日曜日

Brigitte Fontaine / Comme A La Radio

 

 Brigitte Fontaine(ブリジット・フォンテーヌ)は、フランスの歌手でジャンル的にはアバンギャルド・ミュージックとされています。そして彼女はシャンソン史上、最も際立ったキャラクターと存在感を合わせ持つ女性シンガーとも言われています。フランスの歌と言えばシャンソンですが、定義としては、中世の吟遊詩人をルーツとした歌曲、フランス語の歌曲の総称とのことですので、古典的な歌でなくとも、フランス語の曲であればシャンソンを名乗ることができるわけで、フランス語で歌えば、フォークでも、ポップスでも、ジャズでもシャンソンと名乗ることが出来ます。私自身はフランスの歌手ものは聴いてこなかったので、Brigitte Fontaine が初体験となります。彼女のアルバムは Areski Brigitte Fontaine / Le bonheur に続く2枚目となります。DiscUnion でジャズボーカルの棚にあったものを見て、このアルバムと Le bonheur を見比べて購入したので気になっていました。Le bonheur も悪くは無かったのですが、好みという訳でもなかったため「おでんバー」の常連さんが、これを持っているのを見たときに、思わず「貸して!」となりました。


 聴いてみれば、最初に聴いた Le bonheur よりも前衛的。フランス語の持つ響きと呪術のようなささやきボーカルは強烈です。メンバーも Areski, Jacques Higelin そしてフリージャズの旗手 The Art Ensemble Of Chicago の名前があります。このアルバムの発売される1969年から1971年にかけてパリを拠点に活動していたとのこと。なるほど、このアルバムが際立っている訳もわかります。
 普段聞かないシャンソンですが、じっくり聴いてみます。出だしはタイトル曲「ラジオのように Comme à la radio」です。ジャズっぽくも聞こえるバックの演奏に、マイクを近づけてつぶやくように歌うのが不気味な雰囲気ですが、タイトル曲だけあってインパクトは強烈。何度も聴いていると様々な楽器の音がラジオにのって勝手に聴こえてくるようにも感じます。2曲目は Tanka II は日本語の「短歌」がテーマ。アフリカンなパカッションとベースが基本で日本っぽくはありません。次いで Le Brouillard は「霧」これもパーカッションがベースですがオリエンタルな管楽器のメロディーが迫力あります。段々とリバーブを深くかけて霧の彼方に恐ろしいものが消えていくようなイメージ。J'Ai 26 Ans は邦題「私は26歳」です。やはりおどろおどろしい雰囲気ではありますが、可愛らしい歌い方ではあるので清々しく聞こえないことも無い。お経のようでもある。L'Eté L'Eté もオリエンタルな感じです。軽い音色の弦楽器は lute でしょうか。曲調はフォークっぽいですね。邦題は「夏、夏」そして Encore 「まだ」は、セミの声の聞こえるところで可愛い女の子がささやくように歌い、つぶやいているイメージかた始まり、Leo で、フリージャズとなる演劇的な流れです。Les petits chevaux は「仔馬」は、女の子が仔馬に語り掛けているのでしょうか。43秒の短い歌。そして Tanka I ですが、Ⅱよりは、オリエンタルで日本のようなな感じはします。Lettre A Monsieur Le Chef De Gare De La Tour Carol は、中東の音楽の音階を使った楽曲で、またガラッと場面展開は変わります。邦題は「キャロル塔の駅長さんへの手紙 」で、キャロル塔は中東にでもある塔なのでしょうか。Le Goudron「やに」は、」オリジナルには無いボーナストラックでオリエンタル。Le Noir C'Est Mieux Chois「黒がいちばん似合う」は、一番普通の曲です。何か安心しいます。
 まあ何か演劇でも見ているかのようなアルバムで目まぐるしく変わる世界観が不思議でアバンギャルドとは、このようなパターンもあるのだなと感心してしまいます。かなり繰り返し聴いたので慣れてきました🎵

vocals : Brigitte Fontaine
percussion, vocals : Areski Belkacem
flute : Roscoe Mitchell
sax, oboe : Joseph Jarman
bass : Malachi Favors
trumpet : Lester Bowie, Léo Smith
cello : Jean-Charles Capon
guitar : Jacques Higelin
bass : Jean-Francois Jenny-Clark
zither :Kakino De Paz
lute : Albert Guez

producer : Pierre Barouh

featuring : Areski, Jacques Higelin, The Art Ensemble Of Chicago

1. Comme A La Radio
2. Tanka II
3. Le Brouillard
4. J'Ai 26 Ans
5. L'Eté L'Eté
6. Encore
7. Leo
8. Les Petites Chevaux
9. Tanka I
10. Lettre A Monsieur Le Chef De Gare De La Tour Carol
11. Le Goudron
12. Le Noir C'Est Mieux Choisi
tracks 11-12 are bonus tracks, originally released as 7", 1970.





  

2023年8月12日土曜日

Jaco Pastorius / Live In Montreal (DVD)

 

 1982年ジャコは世界をツアーを回っています。6月のクール・ジャズ祭、9月は夏の日本ツアーはオーレックス・ジャズ・フェスティバル Twins Ⅰ&Ⅱ Live In Japan 、本作は7月に、ランディ・ブレッカーやピーター・アースキンが参加するバンドでカナダのモントリオール国際ジャズフェスティバルに出演した際の映像パフォーマンスを収録したライブDVDとなっています。ジャコの映像は youTube などで見ることはできますが、リーダーアルバムとしての公式ライブ映像は、これが唯一のものらしく、1982年当初はレーザーディスクで、またVHSで発売され2000年には、DVDで再発売され、2006年にはDTSサラウンド・サウンドが収録されたDVDも発売されているとのこと。このライブは音源のみのCDも発売されていますが、これは私未だ入手していません。


 当然このライブ映像は、かなり良いパフォーマンスのジャコのバンドなのですが、この時期のジャコは荒れていたはずと思いながら、ジャコ関連の本「パストリアスの肖像」「ジャコ・パストリアス魂の言葉」などを読み返してみると、ツアーを始めた当初は、ビジネスのことにも気を配っていたが、終盤には機構が目立つようになりジャパン・ツアーではかなりひどかったらしい。しかしこのライブでのジャコは顔にペインティングはしているものの、演奏中の表情も極めて音楽に集中し、周りを牽引するしっかりとした演奏の極上品であることが見て取れる。ジャコの死後に発表された音源には、精彩に欠くものも少なからず存在するため良い作品であったと言えると思います。
 Overture (Opening) は、SEのような感じでほんの少し流れる。そして直ぐにいつものあのイントロ Chicken のベースフレーズで始まる。この曲は JB’S のメンバーの Alfred Ellis の曲をジャコがカバーしたものとのこと(ジャコのオリジナルと思ってました)もはやジャズ初心者のセッションでは一番初めに通るお馴染み曲ですが、スティール・パンのソロも最高で全体的なグルーブも良いです。 Donna Lee は、Bobby Mintzer のバス・クラリネットのソロから始まり、その後段々と一大セッションに発展する。いつも直接的なテーマの繰り返しとは違ったひねった展開が最高です。初心者には真似できません。Bass Solo は、いつものパフォーマンスで、テープ・エコー(だった確か)でループに乗ってのソロ展開。過激すぎない程度なパフォーマンスに観客も大満足。Mr. Phone Bone も、激しい Bobby Mintzer のテナーサックスのソロから始まる大ジャムセッションで、ジャコのベースソロ部分はバッハのチェロ曲からのインスパイアされた部分もあり圧巻。Funny May も、お決まりの定番のブルース曲で、ジャコのボーカルもありで盛り上がります。メンバーも今までの緊張感のある顔から解き放たれたリラックスした表情になっています。ここらへんは、音源のCDだけではわからないところですね。
 youTubeで見たことはあったかのように思いますが、改めて見て最高のライブパフォーマンスかと思います。ジャコ否定派の「おでんバー」のマスターも、このライブは良いんじゃない、許せるとおっしゃっていました🎵

bass, vocals : Jaco Pastorius
drums : Peter Erskine
percussion : Don Alias
sax : Bobby Mintzer
steel drums : Othello Molineaux
trumpet : Randy Brecker

producer : Daniel Harvey

recorded Live At The International Montreal Jazz Festival, July 1982.

1. Overture (Opening)
2. Chicken
3. Donna Lee
4. Bass Solo
5. Mr. Phone Bone
6. Funny May




05/05/1982 - ONTARIO PLACE FORUM Toronto



  

2023年8月11日金曜日

Art Blakey & The Jazz Messengers / Live at Montreux and North Sea (Live)

 

 The Jazz Messengers は1954~1955年にかけてピアノのホレス・シルヴァーと結成され、 Jazz Messengers を名乗る前のライブ A Night At Birdland Vol1・ Vol2 のライブ、して1958年の Moanin'  と快進撃を続け、アコースティックなモダン・ジャズを追求し続けている。しかし時代によって変化するジャズ界は1970年代はエレクトリック楽器を使ったエレクトリックが流行り、アートブレイキーでも低迷期があり1970年代後半ぐらいから暗黒時代と呼ばれていたようです。
 そして若き18歳の Wynton Marsalis(ウィントン・マルサリス)の加入により人気が復活です。マルサリスのメッセンジャーズ入団は1980年6月のボトムラインでのライブからで、このライブは7月17日のモントルー・ジャズ・フェス、7月13日のノース・シー・ジャズ・フェスの録音です。1980年10月11日フロリダのライブは Live at Bubbas '80 に収録されスタジオ初録音は Album of the Year (1981年4月12日パリでの録音) となります。


 冒頭の Minor Thesis はノース・シー・ジャズフェスの録音で、快調なテンポのピアノの James Williams のオリジナル。このビッグ・バンドのオープニングはいつもこの曲だったそうで、一発目からテンションを上げる構成です。セカンド・ドラムの John Ramsey 以外は全員ソロをとっています。Wheel Within A Wheel 以降は全てモントルー・ジャズ・フェスの録音です。Wheel Within A Wheel は Bobby Watson 作曲の3拍子で、タイトルの由来は旧約聖書のエゼキエルの預言書からきているとのこと。ブレイキーのドラムによるイントロから始まり、ピアノ・トロンボーン・テナーサックスの順でソロ回しですが、トロンボーンの Robin Eubanks は優秀です。ギターの Kevin Eubanks は弟らしい。Bit A Bittadose は、シャッフルの Bobby Watson 作曲です。ベニー・ゴルゾンのブルースマーチ風だが、それよりゴリゴリのシカゴ・ブルース風な演奏が良い。Stairway To The Stars は、スタンダードで、このバンドのツアー中にずっと演奏されていた定番曲とのこと。Bobby Watson のアルト・サックスの長めのイントロから始まり、古き良き時代を感じるメロディーが良いのと日本人のミュージシャンによくありそうなサウンドな気がして親しみやすい。ラストは Linwood で、これも Bobby Watson 作曲で、カンサス・シティのストリートが名前の由来とのこと、アップ・テンポで Bobby Watson 本人のソロも気持ち良いくギターの Kevin Eubanks のソロもなかなかのもので御大のドラム・ソロが締めくくります。
 いつものスピーディな演奏に5人のブラスが加わる豪華な設定で、昔のアート・ブレイキーよりもあか抜けた印象があります。ダブル・ドラムのせいか、全体的に御大のドラミングは少し大人しめ🎵

drums : Art Blakey, John Ramsey
piano : James Williams
guitar : Kevin Eubanks
bass : Charles Fambrough
alto sax : Bobby Watson
tenor sax : Bill Pierce
baritone sax, alto sax : Branford Marsalis
trumpet : Valerie Ponomarev, Wynton Marsalis
trombone : Robin Eubanks

producer : Wim Wigt

recorded live at the Montreux Jazz Festival July 17, 1980, and the Northsea Festival on July 13, 1980 (1) 


1. Minor Thesis
2. Wheel Within A Wheel
3. Bit A Bittadose
4. Stairway To The Stars
5. Linwood



▶ Linwood


  

2023年8月6日日曜日

Miles Davis / Tutu

 

 マイルス1986年発表のヒット作で、私も当時リアルタイムにラジオなどで聴いたこともあるアルバムですが、当時の私は、まだジャズ、フュージョンなどに傾倒していないので耳にしたことがある程度のものでした。しかしジャズの世界には Miles Davis と言う有名な世の中では高評価を得ているトランぺッターがいて、こんなサウンドである。と言うことはインプットされました。その後大学のジャズ研に入りジャズ・フュージョンと言う音楽に触れるますが、研究熱心ではなかった私にとって マイルスと言えばこのアルバムが印象深く残りました。
 アルバムのタイトルの「Tutu」は、反アパルトヘイト運動の旗手で1984年のノーベル平和賞受賞者、南部アフリカ聖公会黒人初のケープタウン大主教となった Desmond Mpilo Tutu(デズモンド・ムピロ・ツツ)のこと。また収録曲の Full Nelson は、南アフリカの活動家Nelson Mandela(ネルソン・マンデラ)のことと、アパルトヘイトがテーマとなっています。


  マーカス・ミラーにほぼ一任したコンテンポラリーなサウンドをバックに、マイルスはトランペットに専念していて、アルバム自体は単純で理解しやすく聴きやすい。マーカス好きとしても安定の、コンテンポラリーなマーカス・サウンドで作られているので、安定感もあります。でも昔はこのサウンドが何故か好きでは無かったんですよね。
 さてじっくり聴きながらレビューです。Tutu ですが、ラジオとかで、ずっと聴いてきた曲で今更新鮮味はありませんが、やはりタイトル曲だけあって耳に残ります。Tomaas MilesとMarcusの共作で、バックはマーカスのお得意のパターンと進行で、これも目新しい発見はそれほどないのですが、マイルスが吹きまくって混沌として終わりがないと思っていたらフェイドアウト。スタジオでどのようにして終わらせたのか気になります。Portia も、マーカスのお馴染みのフレーズ満載で、そこにマイルスがうまく乗っかりながら味付けをしています。このしんみりした楽曲も嫌いではないですね。Splatch は、跳ねるリズムの、ファンク・フュージョンで、このパターンとマイルスのトランペットは合わない訳がない。Backyard Ritual は、かなりポップに寄せている楽曲で悪くないが印象は薄い。 Perfect Way は、歌物っぽいと思って調べたらイギリスのロックバンド Scritti Politty の曲だそうだ。選曲はマイルスらしい。Don't Lose Your Mind レゲエ・ベースのサウンドをバックにしたアルバムにスパイスを効かせている曲です。ここらへんの選曲や曲順もマーカスのセンスなのでしょうか。やるなあ。Full Nelson は冒頭でも紹介していた Nelson Mandela がをテーマとなった曲ですが、軽快なファンク・フュージョンで曲名と曲自体の印象が合致していないような気がします。まあ、これもマーカスがお得意のサウンド・トラックで構成されていて新鮮味はありませんでした。
 今まで聴いてこなかったアルバムなのに、マーカスが前面に出てきているので新鮮味がなく今まで聴いてきたぐらいの感覚に陥いるアルバムで商業的な成功を求めているのが非常に良くわかって悪くはない印象です🎵

trumpet : Miles Davis
synthesizer (additional) : Bernard Wright (2, 7)
programmed by (synthesizer programming) : Jason Miles (2)
programmed by (additional synthesizer programming) : Adam Holzman, Marcus Miller
instruments (all other) : Marcus Miller (1 to 4, 6 to 8)
percussion : Paulinho Da Costa (1, 3 to 5)

producer : Marcus Miller (1 to 4, 6 to 8), Tommy Lipuma
producer (production assistant) : Larry Fishman

Recording dates: Feb. 6, 1986 (5), Feb. 10, 1986 (4), Feb. 11, 1986 (1), Feb. 13, 1986 (3), March 12, 1986 (2, 6-8) all recorded in Los Angeles

1. Tutu
2. Tomaas
3. Portia
4. Splatch
5. Backyard Ritual
6. Perfect Way
7. Don't Lose Your Mind
8. Full Nelson

▶ Tutu




  

2023年8月5日土曜日

David Sanborn / Another Hand


 この Elektra から発売のサンボーンはいつもと少し違い、また違った魅力と実力を再発見できるアルバムです。と今は言えるが、発売当時いつものフュージョン・サウンドからの路線変更に若干戸惑って、あまり聴きこんできませんでした。しかし今は、耳がすっかりジャズの路線に慣れてきてしまっているので、冒頭2発の First Song、Monica Jane は、Bill Frisell のストレンジな世界観がたっぷりの演奏も楽しむ余裕があります。


 3曲目 Come To Me, Nina の作曲は、ピアノの Terry Adams でピアノが美しいバラードに仕上がっています。虹色に光っているような曲です。次いで Hobbies の作曲もピアノの Terry Adams ですが、今度はラテン・ポップス調でありながら、少しづつアウトするフレーズを入れて曲全体にインパクトを与えているナイス・アイデアな楽曲で、サンボーンのサックスも、きっちり楽しげなフレーズが盛り込んであります。そしてマーカスの Another Hand は、;Thriller Miller と書いてあり、これは何を指すのかよくわかりません。アルバム名ではないようですし Mulgrew Miller と関係があるのか?2005年のジャパン・ツアーは Thriller Miller の題名でしたが・・とよくわかりませんが、楽曲はマーカスの、いつもの奴ではなく、抽象的なジャズです。アルバムのテーマでもあります。Jesus は、Bill Frisell がアコースティック・ギターで参加している牧歌的な曲で、難解なジャズっぽいところは無くわかりやすい感じです。Weird From One Step Beyond も前曲の精神を受けついているような曲で、ブツブツと曲が配置されていた感じに何か統一感をもたらしています。Cee は サンボーンと Terry Adams の共作で比較的今までのサンボーンに近いサウンドで聴きやすい感じがしますが、このアルバムでは異色な曲と思って書いてたら終わりました。2分26秒とかなり短い。Prayers For Charlie From The Devil At Four O'clock / The Lonely From The Twilight Zone は最初の短いイントロ部分はフリーっぽい感じで、途中からクラシックっぽいところが2曲合体している3部構成と思いや途中で個人のソロ=フリーのような流れ。これもサンボーンでは新しい試みで、前回聴いた時はつまらなかったのですが、完全に好みでは無いですが今の私は割と好きなタイプです。そして最後は、Dukes & Counts でマーカスの出番となります。こちらはマーカスっぽくない古臭い進行のポップスで、マーカスの懐の深さとサンボーンのサックスが」良くマッチしています。
 各楽曲は良いところがありますが、アルバムを通して聴くと脈絡が無い印象を受けました。聴くほどに味が出てくるアルバムのようではありますので繰り返して聴きこんでてみたいと思います🎵

producer : Hal Willner (1 to 4, 6 to 9), Marcus Miller (5, 10)

recorded at Master Sound Astoria, Astoria, NY (1-3, 6-7, 9-10)
recorded at Power Studio, New York (Tracks : 4, 5, 8)

1. First Song
alto sax : David Sanborn
guitar : Bill Frisell 
bass : Charlie Haden
drums : Joey Baron

2. Monica Jane
alto sax : David Sanborn
tenor sax: Lenny Pickett 
trombone : Art Baron
guitar : Bill Frisell 
organ : Leon Pendarvis
bass : Charlie Haden
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

3. Come To Me, Nina
alto sax : David Sanborn
piano : Terry Adams
guitar : Marc Ribot
bass : Greg Cohen
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

4. Hobbies
alto sax : David Sanborn
vocals : Syd Straw
piano : Terry Adams
guitar : Al Anderson
bass : Greg Cohen
drums : Steve Jordan
percussion : Don Alias

5. Another Hand
alto sax : David Sanborn
piano : Mulgrew Miller
bass : Marcus Miller
drums : Jack DeJohnette 

6. Jesus
alto sax : David Sanborn
vocals : Syd Straw
guitar : Bill Frisell 
guitar :  Dave Tronzo
guitar : Marc Ribot
bass : Charlie Haden
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

7. Weird From One Step Beyond
alto sax : David Sanborn
piano : Terry Adams
guitar : Bill Frisell 
guitar :  Dave Tronzo
guitar : Marc Ribot
bass : Greg Cohen
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

8. Cee
alto sax : David Sanborn
piano : Terry Adams
guitar :  Dave Tronzo
guitar : Marc Ribot
bass : Greg Cohen
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

9. Prayers For Charlie From The Devil At Four O'clock 
/ The Lonely From The Twilight Zone
alto sax : David Sanborn
guitar : Bill Frisell 
guitar : Marc Ribot
clarinet, bass Clarinet :Lenny Pickett
trombone, bass Trombone : Art Baron 
bass : Charlie Haden
drums : Joey Baron
percussion : Don Alias

10. Dukes & Counts
alto sax : David Sanborn
piano : Mulgrew Miller
bass : Marcus Miller
drums : Jack DeJohnette 





  

2023年8月4日金曜日

Sonny Rollins / European Concerts


 Sonny Rollins は1949年に初レコーディングしに同年、J・J・ジョンソンのレコーディングに参加し、初の自作曲「Audobon」を提供。1950年から Miles Davis のセッションに参加し、1951年1月17日、マイルス・デイヴィスのリーダー・セッションの傍ら、初めてバンド・リーダーとしてのレコーディングを行い、Sonny Rollins Quartet、Sonny and the Stars と3枚のアルバムを立て続けに発表しています。その輝かしい音楽家としての活動の一方で、麻薬を買うために武装強盗を行ったことで逮捕、ライカーズ刑務所で10カ月間を過ごした後に仮釈放、1952年、ヘロイン使用で仮釈放条件に違反し再逮捕という中々のジャンキーぶりです。この時代のジャズ・マンには麻薬が蔓延していて、薬を買うための資金を得るためにレコードを多発するという側面もあり多数のジャズの名盤が誕生しているようです。1954年には、ヘロインの習慣を断ち切るため音楽活動を停止しましたが、この後精力的に活動し、1950年代末までが全盛期でした。


 このアルバムは、酒によって数年姿を消す前の全盛期、1957年・1958年・1962年のヨーロッパでの三つのライヴの録音で、クインテット、トリオ、カルテットによる4曲となっています。Oleo は1954年にロリンズが作曲の今やジャズのスタンダードの本家の演奏です。高速で演奏されることが多い曲で、このアルバムでも早いテンポで力強いジャムセッションが繰り広げられています。各メンバーの4人によるバースが聴きどころでしょうか。ライブならではの盛り上がりです。Sonny's Blues もロリンズ作のブルースで、Percy Heatyのモコモコしたベースソロがイントロ、次いで Milt Jackson が軽やかにテーマを叩いて、大御所は3番目に吹き始めます。ここらへんで Art Blakey が少し目立ち過ぎのドラミングで盛り上げますが、それに負けじとロリンズは長尺のソロになります、と思いきや意外とあっさり引き下がる。そして Kenny Drew が静かにソロを始め段々と加速する進行です。ブルースはやはり楽しそうです。少しアウトなフレーズも入れてきて中々楽しい。Lover はメンバーが変わり、ベースが Jimmy Merritt、ドラムが Max Roach でピアノレスとなります。演奏は、かなりフリーキーでアグレッシブとなります。数年前まで、この手の演奏は苦手だったのですが今はかなり心地よい感じです。最後は Sonnymood For Two で、ドラムは Billy Higgins になり、コルネットで Don Cherry が参加が肝な感じで、今までの演奏を聴いているとストレンジなフレーズが新鮮で、ロリンズのフレーズもかなり影響を受けてフレーズに変化があるのがわかります。
 アルバムとして、コンセプトをまとめようとしたものでは無く記録映画のようなものに感じられ、資料として聴くと結構面白い作品であったりしましたので、もっと聴きこみたい感じです🎵

tenor sax : Sonny Rollins
piano : Kenny Drew (1, 2)
bass : Percy Heaty (1, 2) , Jimmy Merritt (3), Henry Grimes
drums : Art Blakey (1, 2),  Max Roach (3), Billy Higgins (4)
vibraphone : Milt Jackson (1, 2)
cornet : Don Cherry (4)

October 30, 1965, Berlin, West Germany (1,2)
November 12, 1966, Stefaniensaal, Graz, Austria (3)
January 19, 1963, L'Olympia, Paris, France (4)

1. Oleo
2. Sonny's Blues
3. Lover
4. Sonnymood For Two

音源が見つかりませんでしたので


▶ Oleo



  

2023年7月30日日曜日

Keith Jarrett / The Köln Concert

 

 1975年に発表した2枚組のライブ・アルバム(CDでは当然1枚)で、2018年時点で400万枚のセールスを達成。最も売れたジャズのソロ・アルバム、最も売れたピアノ・ソロ・アルバムと言われています。私は最近キースを聴き始めたのですが、そんな私でも存在自体は知っていたし聴いたことはありました。音源を所持していなかったので中古で見つけて購入し、行きつけの「おでんバー」に例のごとく持ち込みます。当然マスターも常連さんも、今更、ケルン・コンサートを購入ですか?と言われつつ、皆さん聞いたことはあるが、すっかり内容は記憶の彼方にあるようでマスターは久ぶりに聴くのを楽しみにしている風です。常連さんは、次の約束があるようなので先に変えられましたが、今度来た時に聴くから今日は置いて帰ってほしいとのこと。皆さん楽しみにされているようで何よりです。


 さて最大のセールスを記録しているアルバムなので、同じように聞いたことはある方は多いと思いますが調べておさらいです。録音は1975年1月24日、観客は1300人の、ケルンのオペラ・ハウスでの録音ですが、このコンサートは実は中止になりかけていたそうです。アルバイトでプロモーターをしていて、このコンサートを計画していた当時17歳のドイツ学生がキースのリクエストの、ピアノのベーゼンドルファーのモデル290インペリアル・コンサート・グランド・ピアノを用意するはずだったのが、スタッフは手違いで、だいぶ小さなベーゼンドルファーのグランド・ピアノを用意していて調律もされていなかったそうで、体調も良くなかったキースはコンサートを中止する決心をしていましたが、アルバイトをしていた学生は、ピアノの調整をしたのだが音質は悪いままだったとのこと。それでも説得は粘り強く続けられ、キース自体も背骨の痛みで腰にサポーターを着けていたのですが最終的に深夜23時半にステージに上がり演奏は開始されたとのことです。
 そんな逸話のある演奏ですが、それが故か感動的な演奏となっています。Köln, January 24, 1975 Part I は、26分の超大作ですが全て即興とは思えない演奏で、クラシック、ジャズ、フォーク、ラテン、ゴスペル、カントリー・ミュージックまでを取り入れていると言われています。(私にはゴスペル、カントリーの部分が理解できなかったので) Part II は a b c に分割された長編です。このアルバムでは、キースは左手の伴奏を反復したフレーズを多用しているのが特徴的です。頼っていることである。それによって大半の曲は、鼓動するような、時にパーカッションのような対立する音が提供されている。アルバムのプロデューサーで、ECMのオーナーの Manfred Eicher によると、「聴き取れるピアノの欠点を埋め合わせるためのアプローチ」だったらしいのですが、凡人にはこちらの方が聴きやすいのかもしれない。
 聴いていると自由奔放に展開する長いソロ演奏ですが、ダラダラしない構成力の高さ、難解なところがないポップなメロディセンスが魅力かと思います。当然キースは、これ以前にも、これ以降にもソロ活動はしているので、これからキースの探検をしていく私としては、その違いを楽しみに聴いていきたいと思います。
 ちなみに日本でも、ジャズ喫茶では本作のリクエストが殺到したが、一部の店は「ケルンお断り」という貼り紙を出していたらしいが、一部の店では「ケルン祭り」も行われていたようで社会的現象も起こしたようです。アルゲリッチのバッハ イギリス組曲、ロストローヴィチのベートーベンチェロソナタ3番、ジョン ウィリアムズのバッハ イギリス組曲、クラシックなどなどを知っていると、もっと楽しめるらしいので長い勉強になりそうです🎵

piano : Keith Jarrett
producer : Manfred Eicher

Recorded live at the opera in Köln, Germany January 24, 1975

1. Köln, January 24, 1975 Part I 26:02
2. Köln, January 24, 1975 Part II A 14:54
3. Köln, January 24, 1975 Part II B 18:13
4. Köln, January 24, 1975 Part II C 6:59





  

2023年7月29日土曜日

内田勘太郎 / Chaki Sings


 ブルースはアメリカから発生した音楽ではありますが、日本人ブルース・マンにも素晴らしい人が多く、内田勘太郎氏も私が大好きな日本人ブルース・マンの一人で、数少ない私の好きな日本人バンドの「憂歌団」のギタリストです。ギター歴は半世紀以上でカルピスの瓶で作った手製のスライド・バーを使ったスライド・ギター、指引きのラグタイムを得意とされています。uchidakantaro.com 
 このアルバムはその内田勘太郎氏の愛機が主役となったアルバムで、ギターの「Chaki」を知らない方は、そんな名前の歌手でもいるのか?と思う方もいるかもしれませんが、日本の京都のコントラバスとかを作っている楽器屋さん「茶器」が、昔作っていたフルアコの名称(型番?)でメーカーの茶器はもう存在していません。ギター・マニアの中では有名な Chaki は、欲しくくても中々売りに出されることが少ない楽器で、以前札幌の中古楽器屋で、このChakiを作っていた職人の息子が製作した「2代目Chaki」があったのですが、これを見かけて購入するか迷っていたら直ぐに店からいなくなってました。迷った理由としては楽器の当たり外れが大きいらしく、鳴らないギターが結構多いとのことを聴いていたからです。このギターは、内田勘太郎氏が弾きこんで弾きこんで、やっとこの音色にたどりついたとのことを良く目にします。


 そんな「Chaki」が主役となったこのアルバム、内田勘太郎氏はソロではゴリゴリのインスト・ブルースのイメージでしたが、このアルバムでは「和」の心がだいぶ入っているブルースを感じます。
 それではレビューです。出だしは、ひき潮 で、スライドは使わずに指弾きで、この楽器の持つ音色が堪能できる曲となっています。そして、ムーンリバー です。曲名のカタカナ表記が和を感じます。ジャズ・ギタリストが弾くと難解な技巧を使ったことになりますが、初心者にも弾けそうなアレンジが何か嬉しい。これも指弾きです。次ぐ スターダスト も指弾きジャズのスタンダード。これもシンプルなアレンジが好感です。青い影 になって、やっとスライドが出てきます。原曲は A Whiter Shade of Pale で、イギリスのロック・バンド、Procol Harum が1967年に発表したデビュー曲で、オルガンのバックが印象的な曲。ちなみに、shade は「影」ではなく「色合い、色調」という意味で「白に近い色調」といった意味になり「青い影」は誤訳のようです。そして、我が心のジョージア は、ジャズ・マンばかりではなくブルース・マンの御用達の曲です。内田勘太郎氏も、今までより、心の赴くままに弾いている印象がします。少し荒ぶった音使いのフレーズも入れてきていますが Chaki は良く応えています。クレイジーデイズ このメロディーも知っているような気がするし検索してもわからないと思っていたら内田勘太郎氏のオリジナルのようです。夏の日の恋 は、1959年の映画「避暑地の出来事」の主題歌とのこと。映画の名前は聞いたことあります。イントロに使われるコードを刻んでいるところはセミの声みたいですね。イフ・アイ・ハッド・ユー は、Nat King Cole が歌ってヒットした曲ですね。ギターインストで聴くと原曲よりノスタルジックに聴こえます。美らフクギの林から は、メロディーから沖縄を感じます。「美ら梅」というところに「フクギの森」という散歩道があるらしいです。良い曲ですね。霧雨 も内田勘太郎氏のオリジナル。音は鳴っているけど静かな曲で歌心があります。谷間のともしび は、1930年のアメリカの When It's Lamp Lighting Time in the Valley ですが、小学生の時に歌ったのかな?耳に残っています。谷間のともしび は倍賞千恵子が日本語でカバーしたものがこの曲名で出されています。家路 は、昭和の人なら良くしっている曲ですね。学校の下校の曲でもあったかな。
 こうやって改めて聴くと、昭和のヤジオ、内田勘太郎の心に残る曲、好きだった曲を、人生をともにしてきた「Chaki」で表現していて、こちらも昭和のヤジオの訳で何か共感するものが多いアルバムですね🎵

1. ひき潮
2. ムーンリバー
3. スターダスト
4. 青い影
5. 我が心のジョージア
6. クレイジーデイズ
7. 夏の日の恋
8. イフ・アイ・ハッド・ユー
9. 美らフクギの林から
10. 霧雨
11. 谷間のともしび
12. 家路

このアルバムはyouTubeで見つからなかったので・・・






  

2023年7月28日金曜日

Gregory Porter / One Night Only


 数年前のこと。会社内の「音楽好きヤジオ飲み会」で、私の行きつけ「おでんbar」に好きなCDを持ち寄り、普段聞けないデカイ音を楽しむということを定期的にやっていました。皆さん持ってくるのは、ロリンズ、パーカーなんだろうなと思いボーカルものは多分誰も持ってこないはずだと思い、この頃に、はまっていた Gregory Porter(グレゴリー・ポーター)をその日購入して持って行きました。
 Gregory Porter は、たまたまタワレコで試聴した2013年発売の「Liquid Spirit」が最初の出会いで、冒頭の一発目の No Love Dying で、ジャズ、ソウルのジャンルの垣根ないボーカルは、とても暖かく心がグワッとわしづかみにされました。


 このアルバムはイギリスのロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて2018年4月に3日間ライブを行い、3日間ともソールド・アウトとなったその音源が収録されたもです。70人編成のThe London Studio Orchestraをバックに、ドラマチックに豪華なステージを展開します。ちなみに地元はニューヨークですが、イギリスでの人気もとても高いとのこと。
 演奏曲は2017年のアルバムの Nat "KIng" Cole & Me からの楽曲の他、人気曲の Hey Laura、When Love Was King、Don’t Lose Your Steam などが収録されています。オープニングは Mona Lisa で優美な楽曲を非常に丁寧に歌い上げています。But Beautiful、Nature Boy は、ゆっくりテンポでオーケストラバックにクラシックでも聴いているかのような感じで、L-O-V-E で、やっとアップテンポのジャズになり、今までの聴かせるボーカルから一転します。そして、Quizas, Quizas, Quizas では、オーケストラを交えたバンドアンサンブルでポップスっぽいアレンジ。Miss Otis Regrets は、クラシックっぽいアレンジの出だしで劇場チックに盛り上がります。Pick Yourself Up は、オールド・タイプのジャズとなり、ウン楽しい。In Heaven は、リズミカルなベースラインとピアノのトリオ演奏。オーケストラを聴き続けてきたのでとても新鮮に聴こえます。When Love Was King は、グレゴリー・ポーターのオリジナルでオーケストラバックで古典的な曲に聞こえますが、曲が進むとソウルフルな楽曲であることが見え隠れします。途中からズンズン来るベースも感動的。The Lonely One は静かに、Ballerina は、ミュージカルチックに盛り上げたところで、No Love Dying は、グレゴリーポーター・オリジナルの大好きな曲です。でも Liquid Spirit のアレンジの方が好きかなあ。I Wonder Who My Daddy Is は、ナットキングコールの弟フレディのレパートリーだった曲で、遠い空に浸みこんでいくかのように静かに渾身の力がこもっています。Sweet Lorraine は軽やかにバンドアレンジ For All We Know は、またまた大人の魅力たっぷりに静かに激しくです。そして The Christmas Song は、クリスマス・ソングで、何か切ない感じが魅力的。Smile は名スタンダードです。素晴らしい曲を素晴らしいアーチストが歌えば文句なし。Hey Laura はポーターのオリジナルで、さりげなく良い曲なんですねこれが。最後は、Don’t Lose Your Steam で、盛り上げて終わります。静かに締めくくる構成のような気もしていましたが、ソウル的なボーカルはやっぱり盛り上がります。
 コンテンポラリーな楽曲でも、魅力あるソウルフルでリッチな声でも、グレゴリーポーターは私たちファンを魅了してきましたが、このアルバムでは、オーケストラを従えて壮大な世界観と才能と音楽性が発揮された、また違った魅力が引き出されたアルバムになっています。私としてはこういった路線も一面として発展させながら、初期のようなソウルフルでコンテンポラリーな作品もお願いしたい。
 DVD付と迷ってCDだけにしたんですが、やっぱり画像見たかったと少し後悔🎵

vocals : Gregory Porter
piano : "Chip" Crawford
bass : Jahmal Nichols
drums : Emmanuel Harrold
sax : Tivon Pennicott
conductor, arranged by : Vince Mendoza
orchestra : The London Studio Orchestra

1. Mona Lisa (Ray Evans, Jerry Livingston)
2. But Beautiful (Jimmy Van Heusen / Johnny Burke)
3. Nature Boy (Eben Ahbez) 
4. L-O-V-E (Milt Gabler, Bert Kaempfert)
5. Quizas, Quizas, Quizas (Farres Osvaldo)
6. Miss Otis Regrets (Cole Porter)
7. Pick Yourself Up (Dorothy Fields, Jerome Kern)
8. In Heaven (Darlene Andrews)
9. When Love Was King (Gregory Porter)
10. The Lonely One (Lenny Hambro, Roberto Heller)
11. Ballerina (Carl Sigman, Bob Russell)
12. No Love Dying (Gregory Porter)
13. I Wonder Who My Daddy Is (Gladys Shelley) 
14. Sweet Lorraine (Cliff Burwell, Mitchell Parish)
15. For All We Know (Sam M. Lewis, J. Fred Coots)
16. The Christmas Song (Mel Tormé, Robert Wells) 
17. Smile (Charlie Chaplin / John Turner, Geoffrey Parsons)
18. Hey Laura (Gregory Porter) 
19. Don’t Lose Your Steam (Gregory Porter)