2024年5月4日土曜日

Eric Johnson & Mike Stern / Eclectic


 Eric Johnson (エリック・ジョンソン)はビッグネームということだけ知っていて、ほぼ聞いたことが無いのでビッグネームを私が語るのもおかしいですが、ロック界とフュージョン界のビッグネームの二人が共演するとこんな感じになる。
 新譜で購入したものでMike Stern (マイク・スターン)も私の好きなギタリストの一人。手癖の塊りのような人なので、何をやっても、ああスターンが弾いてると素人が聞いてもわかるぐらいの同一のチョーキング・フレーズと必殺のクロマチック・フレーズは頑固オヤジみたいな感じで好きです。
 今回の共演のきっかけは、2009年のスターンのアルバムの Big Neighborhood にエリックが参加したことにより意気投合してアルバム録音に発展したとのことで、プロデュースはエリックでオースチンにある彼の Saucer Sound Recording Studio でレコーディングされています。楽曲は 1,2,4,7,9,11 がスターン、3,6,10 がエリックの曲です。Red House は Jimi Hendrix のカバーとなっています。ゲストにはChristopher Cross (クリスト・ファークロス)が Wishing Well に、スターンの嫁さん Leni Stern (レニ・スターン)なんかも参加してます。Leni Stern はドイツ出身のギタリストですがポール・モチアン、ビル・フリゼルとバンドを組むほどの方で ngoni ンゴニというアフリカのマリの伝統弦楽器とボーカルで Big Foot、Wherever You Go の2曲に参加。
 発売にあたってマイク・スターンのインタビューが、タワーレコードのミュージック・レビュー・サイト「Mikiki」に掲載されています。スターンはジャズ系のギタリストですが、ロック、ブルース、モータウン系などがもともとのルーツ、ジョンソンはジャズがルーツではないけれど Wes Montgomery が一番好きなギタリストとのことでお互いの共通点も多かったとのことです。

 
 
 それではレビューです。Roll With It は、Mike Stern のいつものフレーズがイントロ、ボーカルは、ブルース、ゴスペル系のシンガー・ソング・ライターの Malford Milligan です。ロックですが楽曲は Mike Stern の提供。Remember は、フュージョン系の楽曲でボーカル無し。もちろん楽曲は Mike Stern によるものですが、曲のベースはコルトレーンのImpressions で、Mike Stern は弾きまくりが目立ち Eric Johnson がどこで参加しているのかはよくわかりませんでした。Benny Man's Blues は、楽曲が Eric Johnson となっているので、このギターは最初は Eric Johnson から始まります。ジャズっぽいフレーズですがアクは少な目で後半からクロマッチックなフレーズで Mike Stern が参加してきます。「アップテンポのブルースを必要としている時に古き良きベニーグッドマンの雰囲気を持っていこの作風を思いついた。そんなこともあってこのタイトルになった」そうです。Wishing Well は、ライナーノーツを見なくても Mike Stern の楽曲とわかります。テーマのフレーズは確実に Mike Stern のアルバムで聴いたことがあるヤツですが、同じ曲名では見つけられなかったのでどの曲が元かは今回は探しません。曲の進行は似ていますが、アレンジは変わっています。Big Foot (With Intro) の ngoni, vocals は Leni Stern でシタールは Eric Johnson のイントロ、そこからベースの Chris Maresh の楽曲の Big Foot へ移行していきます。楽曲は ひとつのフレーズを繰り返しながら発展させていく、Bitches Brew的手法です。Tidal はジャズの流儀に従った Eric Johnson の楽曲でスローなジャズロック。3分半過ぎたあたりから、Eric Johnson のモンゴメリー的なフレーズがあり少しサービス感を感じますが、Mike Stern に、そんなサービスは微塵も感じません。You Never Know は、またしてもMike Stern の楽曲で、この曲のリフモどこかで聴いたことあります。探しません。Dry Ice は、Bill Maddox の作曲となっています。元曲は探しきれませんでしたがBill Maddox は2010年に亡くなっているドラマーでした。ここらへんで、他人の曲を入れるのは良い感じです。楽曲も激しめのフュージョンなので雰囲気変わりますしメンバーも暴れまっくて楽しそうです。Sometimes では Mike Stern の楽曲に戻りますが、やっとどこかで聴いた風ではなくなったのにホッとします。Hullabaloo はロック・フュージョンでギターのギラギラする音が快い楽曲、作は勿論 Eric Johnson でライブで絶対盛り上がるタイプですね。Wherever You Go (With Intro)  またもや ngoni, vocals は Leni Stern でシタールは Eric Johnson のイントロ、曲に入ると安定の Mike Stern のフレーズ。最後まで頑固おやじのようなギターですね。最後は Red House でJiimi Hendrix のギタリストであれば共通言語のブルースで締めくくりです。両人がボーカルをとっています

guitar, synthesizer, piano, vocals : Eric Johnson
guitar, vocals : Mike Stern
electric bass, acoustic Bass : Chris Maresh
drums, percussion : Anton Fig

produced by : Eric Johnson

recorded at Saucer Sound Recording Studio, Austin, Texas

1. Roll With It
vocals : Malford Milligan
2. Remember
percussion : Wayne Salzmann II
3. Benny Man's Blues
4. Wishing Well
percussion : James Fenner
vocal bridge : Christopher Cross
vocal verse : Mike Stern
5. Big Foot (With Intro)
ngoni, vocals : Leni Stern
6. Tidal
7. You Never Know
8. Dry Ice
9. Sometimes
10. Hullabaloo
sax : John Mills
trombone : Mike Mordecai
trumpet : Andrew Johnson
11. Wherever You Go (With Intro)
ngoni, vocals : Leni Stern
12. Red House
harmonica : Guy Forsyth
vocals : Eric Johnson, Mike Stern


▶ Dry Ice



  

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