ドアップの顔写真が指名手配犯のポスターのように見えてしまうジャケットで、あまり芸術的センスは意識していない感じですが、Charlie Parker、Thelonious Monk の人気曲を収録した「Bop」なアルバム。Redux は日本語で戻ってきたって意味なので「帰ってきたバップ野郎」みたいなネーミングでしょうか。
Hank、Thad 、Elvin の Jones3兄弟の長男である Hank Jones は落ち着いたピアニストの印象です。3兄弟の演奏は聴きているものの、リーダーアルバムの購入はしていないのでこれが初です。ちなみに所有のものの中で参加アルバムは Zoot Sims and Bob Brookmeyer / Tonite's Music Today + Whooeee、Wes Mongomery / Road Song、Billie Holiday / Last Recording、Cannonball Adderley / Somethin' Else、Paul Chambers / Bass On Top など
それではレビューです。最初は Charlie Parker の Yardbird Suite で、分かりやすいフレーズで正調、品行方正な仕上がり。この曲を聴いていると、裏にA列車 の進行を感じてしまいます。一度思い始めると止まりません。次も Parker の人気ナンバー。Confirmation こちらについても非常に正調でアドリブの起承転結をしっかり構成しながら全体を組み立てていることが良くわかる模範的な演奏かと思います。3曲目は Monk です。Ruby, My Dear。モンクっぽいフレージングなんか全くしないところが、いかにも頑固オヤジな演奏です。Relaxin' with Lee は再び Parker。景気よく機嫌よく演奏されているのかと思われる基本に忠実な進行でベースソロや、4バースは定番のパターン。次いでは Bloomdido B♭のブルースでこれも Parker。Relaxin' with Lee と、この曲は Monk、Jones の両人が参加した Bird and Days で演奏されていた曲とのこと。購入リストに入れておく必要ありますね。そして Round Midnight は、言わずもがなの Monk です。私も大好きなスタンダードでメロディ0が、とてもロマンティックなところが大好きです。Jones は、ここも淡々と弾くのでクラシックみたいな感じさえします。Moose the Mooche は、Parker に戻ります。Parker の曲は盛り上げ役的に使っているのか。ここでは上げてきます。このアルバムで一番スリリングな演奏になるような感じがします。最後は Monk の Monk's Mood となります。原曲とは違った趣の曲にしています。モンクらしさは全く入れていないのが頑固とも思えますが、モンクの中で描いた元曲は本来はこういった感じで Monk が演奏するときに頭の中で変換して、あの演奏にしていたのかと思える美しい曲になっています。
古臭さは感じるものの、その中に古き良き美しさもあるかと思う一枚でした。正調ピアノ・トリオを聴きたければ、これはお勧め🎵
piano : Hank Jones
bass : George Duvivier
drums : Ben Riley
producer : Fred Seibert
recorded at CI Recording, NYC January 18 & 19, 1977
1. Yardbird Suite
2. Confirmation
3. Ruby, My Dear
4. Relaxin' With Lee
5. Bloomdido
6. 'Round Midnight
7. Moose The Mooche
8. Monk's Mood
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