このアルバムを録音したのは1958年3月9日、その5日前にマイルスは、Milestones(Columbia)を録音を完了しています。1958年2月4日、3月9日 の2回の録音でした。それまでのクインテット(5人編成)に Cannonball Adderley を加えることによりセクステット(6人編成)し新しい試みに着手し、マイルスを起点にしたジャズの歴史が大きく転換した時期でもあり、同時期のマイルスをメンバーに加えた演奏として人気の名盤となっている古典的名作です。Blue Note は、当時ミュージシャンに事前リハーサルを求めていたが、このアルバムはマイルスが参加していたので当日の簡単な打ち合わせだけで録音が行われたとのことです。選曲はキャノンボールに一任、Somethin' Else はマイルスの書下ろしとなっています。共演ミュージシャンはキャノンボールとアルフレッド・ライオンの人選のようです。マイルスはメンバーとして参加ではありますが、Columbia と契約していたマイルスは、Blue Note からリーダー名義の作品を出すわけにはいかず、実質上のリーダーはマイルスだったとも言われています。
そのような謂れのアルバムをレビューします。1曲目はマイルスも良く演奏しているAutumn Leaves ですが、イントロが独特で全く違う曲のようです。これはマイルスが愛聴していたアーマッド・ジャマルのイントロがそのまま採用されているとのこと。エンディングもテーマと違った形にしていて凝って作りの作品となっています。Love For Sale については、キャノン・ボールの可愛らしくユーモラスとも思えるサックス・ソロが印象的で、続くマイルスのミュート・トランペットも軽快なメロディで始まるが、おっと引きつられてはいかんと渋い演奏に戻るような気がします。続いてはアルバムテーマの Somethin' Else はマイルス提供です。シンプルなブルース・テーマで始まりますがコード進行が不思議な感じです。One For Daddy-O はオーソドックスなミドルテンポのブルース。まずはキャノンボールのソロですが流れるところと聴かせるところのレトロ感と緩急が良い、マイルスはクールに日常的に吹いている感じです。熱くないのが良いところですかね。そしてハンク・ジョーンズの短めピアノ・ソロ、キャノン・ボール、マイルスのアンニュイなソロ、ピアノでテーマとなります。このエンディングはあっさりで、最後にマイルの声(何と言っているのか?)ラストの Dancing In The Dark はマイルス参加せずにキャノン・ボールのみ。マイルスのアイデアらしい。
テクニック云々よりも、力強さが伝わってくるアルバムでわかりやすいジャズ・アルバムです。でかい音で酒を飲みながら聴きたいやつです🎵
alto sax : Julian "Cannonball" Adderley
trumpet : Miles Davis
piano : Hank Jones
bass : Sam Jones
drums : Art Blakey
producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on March 9, 1958.
1. Autumn Leaves
2. Love For Sale
3. Somethin' Else
4. One For Daddy-O
5. Dancing In The Dark
6. Bangoon
7. Autumn Leaves (altered take)
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