2023年5月7日日曜日

Nina Simone / Here Comes The Sun

 

 Nina Simone は、これが2枚目のアルバム。1枚目は1967年のソウル系の Silk & Soul で、今回はポップなところをカバーしている1971年のアルバムです。唯一無比、印象的な渋声ヴォーカルで、ジャズ、フォーク、ブルース、R&B、ゴスペル までジャンルレスに歌いこなす方で、いつもの「おでんバー」でジャズとかも聴いたことがあるんですけど、もっか私の所有音源はソウル系のみです。


 レビューしてみます。タイトル曲は1曲目の Here Comes The Sun で、ビートルズが1969年に発表したジョージ・ハリスン作の名曲のカバーです。ワザとでしょうか?あまり歌いこんでいないようなイントロで、音程もフラフラしているような気がします。ピアノはニーナが弾いているとのことで、バックのバンドの演奏は素晴らしい。Just Like A Woman は、ロバータ・フラッグも歌っていたボブ・ディランのヒット作。これは歌いこんでいるようで情感豊かに歌い上げています。イントロのニーナのピアノも良し。オルガンがバックに入り、ゴスペル調のフォーク。中盤のドラム・ロールが要らないかな。O-O-H Child は、ゴスペル調のラテン・ロックになっています。単調なメロディーですがニーナの良さは出ている楽曲です。印象的で、これは昔ラジオとかで聴いたことある記憶があります。Mr Bojangles は、1曲目との力の入れ方に明らかな格差をつけて、ニーナがグッと感情をこめて歌い上げています。ソウルに属するのかもしれませんがフォーク調に聞こえる歌い方も良い。New World Coming はスピリチュアルな曲で、新しい世界が素晴らしい世界が待っているという自由を求める黒人の願いが込められた歌で、アメリカ全土の黒人が投票権を持つことによって生まれる解放への希望が込められています。Angel Of The Morning は、ぶっとい迫力がある声で、可愛らしく歌っています。ジェイムス・テイラーのヒット曲。How Long Must I Wander は、ニーナの力強いピアノで始まる弾き語り。しんみりとします。このアルバムでピークに達する高揚感があります。そして最後はシナトラ My Way で締めくくりです。良い曲なんでニーナが歌って悪い訳がない。せわしないバックの早いボンゴで意表を突かれますが、これはありだな。アレンジはかなり凝っていますので、たまにやる行きつけ「おでんバー」で開催されるマイウェイ大会(どのアーチストのマイ・ウェイが良いか、インパクトがあるか、見つけてきた youTube を流して競います)にエントリーしときます。
 正直言って、時代の流れに合わせたヒット曲のカバーをアルバムタイトルに持ってくる商業色豊かなアルバム制作の姿勢がチープなアルバム感を出してしまっています。アルバムを真面目に制作していたのに、後で企画会議でヒットした Here Comes The Sun を入れて売り上げを増やそうとして企画倒れになったみたいな感じかなあ🎵

piano, vocal : Nina Simone
guitar : Al Shackman
bass : Gene Taylor
drum : Ray Lucas
backing vocals : Howard Roberts
harp : Corky Hale
conductor : Harold Wheeler
leader (orchestra, assembled by) : Kermit Moore

producer : Harold Wheeler, Nat Shapiro
arranged by : Harold Wheeler, Nina Simone
recorded in RCA's Studio B, New York City

1. Here Comes The Sun
2. Just Like A Woman
3. O-O-H Child
4. Mr Bojangles
5. New World Coming
6. Angel Of The Morning
7. How Long Must I Wander
8. My Way





  

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