2024年10月26日土曜日

Wes Mongomery / Road Song


 A&M Records での作品で、プロデューサーは白人リスナーへのセールス的な音楽のビジョンを持っていた才能あふれると言われる Creed Taylor(クリード・テイラー)で、ウェスのCreed Taylor プロデュース作品としては、私の所有音源では A Day In The Life(1967)で、この作品からからウェスはイージー・リスニング路線となっています。(この2作の間に Down Here on the Ground(1968)がありますので購入リストに入れときます)パーソネルにもあるようにアルバムは、オーケストラも入れた大人数の編成です。ウェスは全く譜面が読めない人だったので、このような録音の場合は、ウェスにコンボで好きに演奏させてから、その録音にビッグ・バンドをオーバーダブするという方法がとられたとのことですので、おそらくこの録音も、そのような手法で作られたものと思われます。


 本作は、よりポップにイージーリスニング傾向のアルバムとなっていて、曲目もYesterday、Fly Me To The Moon のほか Greensleeves などの名曲のカバーがあって親しみやすい内容で、セールス的にも成功したアルバムとのことです。しかし非常にウエスらしいギターが聴けるアルバムで、わかりやすいアレンジと彼のオクターブ奏法を、このアルバムを聴いてマネしようとしたギター小僧は多かったものとは思われ、白人リスナーにもセールス的な成功を収めたとは思いますが、あまりにポップで最初に聴いた時には、私的には戸惑いがありました。


 久しぶりに聴いて改めてレビューしてみましょう。Road Song 最初からオケが入ってきますし、オクターブ奏法のオンパレードですが、イージー・リスニング路線でハンコックがピアノを弾いていますが、何かアルバイトのような感じです。Greensleeves 2分4秒のショートですが教則本のお手本のようなギターでオクターブ奏法の勉強にコピーしてみるのは良いかもしれません。エンディングのトランペットもそれ風。Fly Me To The Moon オケが完全にイージーリスニングですね。いや、改めて、これがコンセプトのアルバムです。Yesterday ジャズのスタンダードでの Yesterdays のエスが付く、Jerome David Kern 作曲が有名ですが、ここはイージーリスニングです。ビートルズの I'll Be Back と続く2連発です。 Scarborough Fair トラディショナル・ソングですね。前半はオケの存在が耳につきますが後半はコンボでの演奏の良さが出ている感じがして一番良かったかもしれません。Green Leaves Of Summer アニメの挿入歌のような楽曲ですが、これも後半がコンボの良さが出ています。Serene イントロのウェスのギターと続くオケのバックは明らかにミックスであることが想像できる印象です。オケなしのバージョンがあったら聴いてみたいですが、これはこれでミックスしての完成曲であることは理解できます。Where Have All The Flowers Gone? 聴いたことはあります。フォークシンガーの Pete Seeger の1955年のヒット曲です。最後まで、この路線は時代ですね。
 ウエスはこのアルバムの録音後、数ヶ月で43才の若さで急逝してしまいますが、長生きしていたら、果たしてコンテンポラリーの世界にもっと進出してたのだろうかとか、このアルバムだけではアルバイト感がすごくあり、もったいないと思いを巡らせるアルバムでもあります🎶🎸

guitar : Wes Montgomery
piano : Hank Jones (3, 4, 5, 6), Herbie Hancock (1 to 7, 9)
bass : Richard Davis  (1 to 7, 9)
drums : Ed Shaughnessy ( 1 to 7, 9), Grady Tate ( 3, 4, 5, 6)
percussion : Jack Jennings (1, 2, 7, 9), Ray Barretto (1, 2, 7, 9)
trumpet : Bernie Glow (1, 2, 7, 9), Marvin Stamm
trombone :  Paul Faulise (1, 2, 7, 9), Wayne Andre (1, 2, 7, 9)
clarinet : Don Ashworth (tracks: 8), George Marge (tracks: 8), Stan Webb (tracks: 1, 2, 7 to 9)
french horn : Jim Buffington (1, 2, 7, 9)
english horn : Don Ashworth (8)
flute :  Don Ashworth (8), Don Hammond (1 to 7, 9), George Marge 1, 2, 7 to 9), Harvey Estrin (1 to 7, 9), Stan Webb (8)
recorder : Bernard Krainis (1 to 7, 9), Don Ashworth (1 to 7, 9), Don Hammond (1 to 7, 9), Eric Leber (1, 2, 7 to 9), Harvey Estrin (1 to 7, 9), Morris Newman (1, 2, 7 to 9), Shelley Grushkin (1, 2, 7, 9), Stan Webb (1, 2, 7, 9)
violin : Bernard Eichen, Charles Libove, Marvin Morgenstern (1, 2, 7, 9), Tosha Samaroff (1, 2, 7, 9)
viola : Emanuel Vardi
cello :  Alan Shulman (1, 2, 7, 9), Charles McCracken 1, 2, 7, 9), George Ricci
oboe : Don Ashworth, George Marge (8), Stan Webb (1, 2, 7 to 9)
harpsichord : Eric Leber (8), Hank Jones (3, 4, 5, 6), Sivert Johnson Jr. (1, 2, 7, 9)
bassoon : Morris Newman (1, 2, 7 to 9), Walter Kane (1 to 7, 9)

arranged by conductor : Don Sebesky
producer : Creed Taylor
engineer : Rudy Van Gelder
recorded at Van Gelder Studios, May 7, 8, 9, 1968

1. Road Song (Wes Montgomery) 
2. Greensleeves (Public Domain, Traditional)
3. Fly Me To The Moon (Bart Howard) 
4. Yesterday  (John Lennon, Paul McCartney)
5. I'll Be Back  (John Lennon, Paul McCartney)
6. Scarborough Fair (Paul Simon, Art Garfunkel, Traditional) 
7. Green Leaves Of Summer  (Dimitri Tiomkin, Paul Francis Webster, Montgomery) 
8. Serene (Wes Montgomery) 
9. Where Have All The Flowers Gone? (Pete Seeger) 





  

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