2023年8月12日土曜日

Jaco Pastorius / Live In Montreal (DVD)

 

 1982年ジャコは世界をツアーを回っています。6月のクール・ジャズ祭、9月は夏の日本ツアーはオーレックス・ジャズ・フェスティバル Twins Ⅰ&Ⅱ Live In Japan 、本作は7月に、ランディ・ブレッカーやピーター・アースキンが参加するバンドでカナダのモントリオール国際ジャズフェスティバルに出演した際の映像パフォーマンスを収録したライブDVDとなっています。ジャコの映像は youTube などで見ることはできますが、リーダーアルバムとしての公式ライブ映像は、これが唯一のものらしく、1982年当初はレーザーディスクで、またVHSで発売され2000年には、DVDで再発売され、2006年にはDTSサラウンド・サウンドが収録されたDVDも発売されているとのこと。このライブは音源のみのCDも発売されていますが、これは私未だ入手していません。


 当然このライブ映像は、かなり良いパフォーマンスのジャコのバンドなのですが、この時期のジャコは荒れていたはずと思いながら、ジャコ関連の本「パストリアスの肖像」「ジャコ・パストリアス魂の言葉」などを読み返してみると、ツアーを始めた当初は、ビジネスのことにも気を配っていたが、終盤には機構が目立つようになりジャパン・ツアーではかなりひどかったらしい。しかしこのライブでのジャコは顔にペインティングはしているものの、演奏中の表情も極めて音楽に集中し、周りを牽引するしっかりとした演奏の極上品であることが見て取れる。ジャコの死後に発表された音源には、精彩に欠くものも少なからず存在するため良い作品であったと言えると思います。
 Overture (Opening) は、SEのような感じでほんの少し流れる。そして直ぐにいつものあのイントロ Chicken のベースフレーズで始まる。この曲は JB’S のメンバーの Alfred Ellis の曲をジャコがカバーしたものとのこと(ジャコのオリジナルと思ってました)もはやジャズ初心者のセッションでは一番初めに通るお馴染み曲ですが、スティール・パンのソロも最高で全体的なグルーブも良いです。 Donna Lee は、Bobby Mintzer のバス・クラリネットのソロから始まり、その後段々と一大セッションに発展する。いつも直接的なテーマの繰り返しとは違ったひねった展開が最高です。初心者には真似できません。Bass Solo は、いつものパフォーマンスで、テープ・エコー(だった確か)でループに乗ってのソロ展開。過激すぎない程度なパフォーマンスに観客も大満足。Mr. Phone Bone も、激しい Bobby Mintzer のテナーサックスのソロから始まる大ジャムセッションで、ジャコのベースソロ部分はバッハのチェロ曲からのインスパイアされた部分もあり圧巻。Funny May も、お決まりの定番のブルース曲で、ジャコのボーカルもありで盛り上がります。メンバーも今までの緊張感のある顔から解き放たれたリラックスした表情になっています。ここらへんは、音源のCDだけではわからないところですね。
 youTubeで見たことはあったかのように思いますが、改めて見て最高のライブパフォーマンスかと思います。ジャコ否定派の「おでんバー」のマスターも、このライブは良いんじゃない、許せるとおっしゃっていました🎵

bass, vocals : Jaco Pastorius
drums : Peter Erskine
percussion : Don Alias
sax : Bobby Mintzer
steel drums : Othello Molineaux
trumpet : Randy Brecker

producer : Daniel Harvey

recorded Live At The International Montreal Jazz Festival, July 1982.

1. Overture (Opening)
2. Chicken
3. Donna Lee
4. Bass Solo
5. Mr. Phone Bone
6. Funny May




05/05/1982 - ONTARIO PLACE FORUM Toronto



  

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