2023年7月28日金曜日

Gregory Porter / One Night Only


 数年前のこと。会社内の「音楽好きヤジオ飲み会」で、私の行きつけ「おでんbar」に好きなCDを持ち寄り、普段聞けないデカイ音を楽しむということを定期的にやっていました。皆さん持ってくるのは、ロリンズ、パーカーなんだろうなと思いボーカルものは多分誰も持ってこないはずだと思い、この頃に、はまっていた Gregory Porter(グレゴリー・ポーター)をその日購入して持って行きました。
 Gregory Porter は、たまたまタワレコで試聴した2013年発売の「Liquid Spirit」が最初の出会いで、冒頭の一発目の No Love Dying で、ジャズ、ソウルのジャンルの垣根ないボーカルは、とても暖かく心がグワッとわしづかみにされました。


 このアルバムはイギリスのロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて2018年4月に3日間ライブを行い、3日間ともソールド・アウトとなったその音源が収録されたもです。70人編成のThe London Studio Orchestraをバックに、ドラマチックに豪華なステージを展開します。ちなみに地元はニューヨークですが、イギリスでの人気もとても高いとのこと。
 演奏曲は2017年のアルバムの Nat "KIng" Cole & Me からの楽曲の他、人気曲の Hey Laura、When Love Was King、Don’t Lose Your Steam などが収録されています。オープニングは Mona Lisa で優美な楽曲を非常に丁寧に歌い上げています。But Beautiful、Nature Boy は、ゆっくりテンポでオーケストラバックにクラシックでも聴いているかのような感じで、L-O-V-E で、やっとアップテンポのジャズになり、今までの聴かせるボーカルから一転します。そして、Quizas, Quizas, Quizas では、オーケストラを交えたバンドアンサンブルでポップスっぽいアレンジ。Miss Otis Regrets は、クラシックっぽいアレンジの出だしで劇場チックに盛り上がります。Pick Yourself Up は、オールド・タイプのジャズとなり、ウン楽しい。In Heaven は、リズミカルなベースラインとピアノのトリオ演奏。オーケストラを聴き続けてきたのでとても新鮮に聴こえます。When Love Was King は、グレゴリー・ポーターのオリジナルでオーケストラバックで古典的な曲に聞こえますが、曲が進むとソウルフルな楽曲であることが見え隠れします。途中からズンズン来るベースも感動的。The Lonely One は静かに、Ballerina は、ミュージカルチックに盛り上げたところで、No Love Dying は、グレゴリーポーター・オリジナルの大好きな曲です。でも Liquid Spirit のアレンジの方が好きかなあ。I Wonder Who My Daddy Is は、ナットキングコールの弟フレディのレパートリーだった曲で、遠い空に浸みこんでいくかのように静かに渾身の力がこもっています。Sweet Lorraine は軽やかにバンドアレンジ For All We Know は、またまた大人の魅力たっぷりに静かに激しくです。そして The Christmas Song は、クリスマス・ソングで、何か切ない感じが魅力的。Smile は名スタンダードです。素晴らしい曲を素晴らしいアーチストが歌えば文句なし。Hey Laura はポーターのオリジナルで、さりげなく良い曲なんですねこれが。最後は、Don’t Lose Your Steam で、盛り上げて終わります。静かに締めくくる構成のような気もしていましたが、ソウル的なボーカルはやっぱり盛り上がります。
 コンテンポラリーな楽曲でも、魅力あるソウルフルでリッチな声でも、グレゴリーポーターは私たちファンを魅了してきましたが、このアルバムでは、オーケストラを従えて壮大な世界観と才能と音楽性が発揮された、また違った魅力が引き出されたアルバムになっています。私としてはこういった路線も一面として発展させながら、初期のようなソウルフルでコンテンポラリーな作品もお願いしたい。
 DVD付と迷ってCDだけにしたんですが、やっぱり画像見たかったと少し後悔🎵

vocals : Gregory Porter
piano : "Chip" Crawford
bass : Jahmal Nichols
drums : Emmanuel Harrold
sax : Tivon Pennicott
conductor, arranged by : Vince Mendoza
orchestra : The London Studio Orchestra

1. Mona Lisa (Ray Evans, Jerry Livingston)
2. But Beautiful (Jimmy Van Heusen / Johnny Burke)
3. Nature Boy (Eben Ahbez) 
4. L-O-V-E (Milt Gabler, Bert Kaempfert)
5. Quizas, Quizas, Quizas (Farres Osvaldo)
6. Miss Otis Regrets (Cole Porter)
7. Pick Yourself Up (Dorothy Fields, Jerome Kern)
8. In Heaven (Darlene Andrews)
9. When Love Was King (Gregory Porter)
10. The Lonely One (Lenny Hambro, Roberto Heller)
11. Ballerina (Carl Sigman, Bob Russell)
12. No Love Dying (Gregory Porter)
13. I Wonder Who My Daddy Is (Gladys Shelley) 
14. Sweet Lorraine (Cliff Burwell, Mitchell Parish)
15. For All We Know (Sam M. Lewis, J. Fred Coots)
16. The Christmas Song (Mel Tormé, Robert Wells) 
17. Smile (Charlie Chaplin / John Turner, Geoffrey Parsons)
18. Hey Laura (Gregory Porter) 
19. Don’t Lose Your Steam (Gregory Porter)





  

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