さて最大のセールスを記録しているアルバムなので、同じように聞いたことはある方は多いと思いますが調べておさらいです。録音は1975年1月24日、観客は1300人の、ケルンのオペラ・ハウスでの録音ですが、このコンサートは実は中止になりかけていたそうです。アルバイトでプロモーターをしていて、このコンサートを計画していた当時17歳のドイツ学生がキースのリクエストの、ピアノのベーゼンドルファーのモデル290インペリアル・コンサート・グランド・ピアノを用意するはずだったのが、スタッフは手違いで、だいぶ小さなベーゼンドルファーのグランド・ピアノを用意していて調律もされていなかったそうで、体調も良くなかったキースはコンサートを中止する決心をしていましたが、アルバイトをしていた学生は、ピアノの調整をしたのだが音質は悪いままだったとのこと。それでも説得は粘り強く続けられ、キース自体も背骨の痛みで腰にサポーターを着けていたのですが最終的に深夜23時半にステージに上がり演奏は開始されたとのことです。
そんな逸話のある演奏ですが、それが故か感動的な演奏となっています。Köln, January 24, 1975 Part I は、26分の超大作ですが全て即興とは思えない演奏で、クラシック、ジャズ、フォーク、ラテン、ゴスペル、カントリー・ミュージックまでを取り入れていると言われています。(私にはゴスペル、カントリーの部分が理解できなかったので) Part II は a b c に分割された長編です。このアルバムでは、キースは左手の伴奏を反復したフレーズを多用しているのが特徴的です。頼っていることである。それによって大半の曲は、鼓動するような、時にパーカッションのような対立する音が提供されている。アルバムのプロデューサーで、ECMのオーナーの Manfred Eicher によると、「聴き取れるピアノの欠点を埋め合わせるためのアプローチ」だったらしいのですが、凡人にはこちらの方が聴きやすいのかもしれない。
聴いていると自由奔放に展開する長いソロ演奏ですが、ダラダラしない構成力の高さ、難解なところがないポップなメロディセンスが魅力かと思います。当然キースは、これ以前にも、これ以降にもソロ活動はしているので、これからキースの探検をしていく私としては、その違いを楽しみに聴いていきたいと思います。
ちなみに日本でも、ジャズ喫茶では本作のリクエストが殺到したが、一部の店は「ケルンお断り」という貼り紙を出していたらしいが、一部の店では「ケルン祭り」も行われていたようで社会的現象も起こしたようです。アルゲリッチのバッハ イギリス組曲、ロストローヴィチのベートーベンチェロソナタ3番、ジョン ウィリアムズのバッハ イギリス組曲、クラシックなどなどを知っていると、もっと楽しめるらしいので長い勉強になりそうです🎵
piano : Keith Jarrett
producer : Manfred Eicher
Recorded live at the opera in Köln, Germany January 24, 1975
1. Köln, January 24, 1975 Part I 26:02
2. Köln, January 24, 1975 Part II A 14:54
3. Köln, January 24, 1975 Part II B 18:13
4. Köln, January 24, 1975 Part II C 6:59
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