Kenny Burrell を聴く人には、マスト・アイテムの1963年発のソウルフルでラテン・テイストなブルース・アルバム。バレルは1956年にブルーノート・レコードからデビューしたなのでデビューから7年にあたります。メンバーはテナー・サックスの Stanley Turrentine スベースにMajorHolley. jr ドラマーに Bill English コンガにRey Barretto と、ピアノレスにして、コンガを入れることで魅力的な深夜のブルースの演出です。
プロデューサーの Alfred Lion は、レコーディングをする際は必ずオリジナル・ブルース曲を1曲は用意してくるようにミュージシャンにリクエストをしていたり、ギターという楽器にも愛着があったようで、ブルーノートレーベルの初期は、Tal Farlow、Sal Salvador、Lou Mecca などの白人ジャズ・ギタリストが多く黒いフィーリングを持ったプレーヤーとしてはバレルが代表格です。Alfred Lion は、数多くの作品の中でも一番のお気に入りで、ライオンが亡くなった後、亡骸と共にこのアルバムも埋葬されたとのこと。その理由は「全ての音符がスウィングしているからだよ!」とライオンが言っていたとのエピソードもあります。
私もバレルを聴き始めた頃からのお世話になったのアルバム。久しぶりに聴いてみると、やっぱり王道で安心感のある存在感のあるアルバムですね。さてレビューしましょう。
Chitlins Con Carne は、リズム&ブルース等のジャズ畑ではないブルース・ミュージシャンにも好まれる名ジャズ・ブルース曲。Stevie Ray Vaughan の The Sky Is Crying なんかにも収録されてます。Mule は静かにダークに進行するブルースで暗いジャズ喫茶で煮詰まった珈琲が似合いそうな曲になっています。ずっしりとしたベース、中盤からの Stanley Turrentine のサックスも粋です。 ちなみに Mule とは「ラバ」の意味ですが、それ以外にも「運び屋」の意味もあるようで、なるほど。禁酒法時代の1920年~1933年までに生まれたカントリー・ブルースを表現したような曲名だと感じます。Soul Lament はいかにもバレルらしい名演の独奏です。テーマにコードを挟みこんで不安定にも感じるコードの響きも魅力。タイトル曲 Midnight Blue は、ドラムとコンガがリズミカルにスイングします。いかにもジャズ的で、ピアノレスなのでシングルノートとコードを一人「コール&レスポンス」している優等生的な印象の曲です。Wavy Gravy は、ウォーキング・ベースのイントロから始まる渋いブルースで、アーシーなサックスソロも聴き所。Gee Baby, Ain’t I Good To You はバレルの十八番でもあり様々なミュージシャンに愛される名ブルース・スタンダード、曲が良いだけに名演も多いですよね。大好きな曲です。Saturday Night Blues はバレルの作曲で、明るめのブルースです。Kenny's Sound、K Twist はボーナストラックで軽く流すブルースセッションのようでライトでカッコ良いですね。
正統派ブルースが気持ち良いアルバムです🎵
guitar : Keny Burrel
tenor sax : Stanley Turrentine
bass : MajorHolley. jr
drums : Bill English
congas : Rey Barretto
producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder
1. Chittlins Con Carne
2. Mule
3. Soul Lament
4. Midnight Blue
5. Wavy Gravy
6. Gee Baby Ain't I Good To You
7. Saturday Night Blues
8. Kenny's Sound
9. K Twist
▶ Chittlins Con Carne
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