2023年7月29日土曜日

内田勘太郎 / Chaki Sings


 ブルースはアメリカから発生した音楽ではありますが、日本人ブルース・マンにも素晴らしい人が多く、内田勘太郎氏も私が大好きな日本人ブルース・マンの一人で、数少ない私の好きな日本人バンドの「憂歌団」のギタリストです。ギター歴は半世紀以上でカルピスの瓶で作った手製のスライド・バーを使ったスライド・ギター、指引きのラグタイムを得意とされています。uchidakantaro.com 
 このアルバムはその内田勘太郎氏の愛機が主役となったアルバムで、ギターの「Chaki」を知らない方は、そんな名前の歌手でもいるのか?と思う方もいるかもしれませんが、日本の京都のコントラバスとかを作っている楽器屋さん「茶器」が、昔作っていたフルアコの名称(型番?)でメーカーの茶器はもう存在していません。ギター・マニアの中では有名な Chaki は、欲しくくても中々売りに出されることが少ない楽器で、以前札幌の中古楽器屋で、このChakiを作っていた職人の息子が製作した「2代目Chaki」があったのですが、これを見かけて購入するか迷っていたら直ぐに店からいなくなってました。迷った理由としては楽器の当たり外れが大きいらしく、鳴らないギターが結構多いとのことを聴いていたからです。このギターは、内田勘太郎氏が弾きこんで弾きこんで、やっとこの音色にたどりついたとのことを良く目にします。


 そんな「Chaki」が主役となったこのアルバム、内田勘太郎氏はソロではゴリゴリのインスト・ブルースのイメージでしたが、このアルバムでは「和」の心がだいぶ入っているブルースを感じます。
 それではレビューです。出だしは、ひき潮 で、スライドは使わずに指弾きで、この楽器の持つ音色が堪能できる曲となっています。そして、ムーンリバー です。曲名のカタカナ表記が和を感じます。ジャズ・ギタリストが弾くと難解な技巧を使ったことになりますが、初心者にも弾けそうなアレンジが何か嬉しい。これも指弾きです。次ぐ スターダスト も指弾きジャズのスタンダード。これもシンプルなアレンジが好感です。青い影 になって、やっとスライドが出てきます。原曲は A Whiter Shade of Pale で、イギリスのロック・バンド、Procol Harum が1967年に発表したデビュー曲で、オルガンのバックが印象的な曲。ちなみに、shade は「影」ではなく「色合い、色調」という意味で「白に近い色調」といった意味になり「青い影」は誤訳のようです。そして、我が心のジョージア は、ジャズ・マンばかりではなくブルース・マンの御用達の曲です。内田勘太郎氏も、今までより、心の赴くままに弾いている印象がします。少し荒ぶった音使いのフレーズも入れてきていますが Chaki は良く応えています。クレイジーデイズ このメロディーも知っているような気がするし検索してもわからないと思っていたら内田勘太郎氏のオリジナルのようです。夏の日の恋 は、1959年の映画「避暑地の出来事」の主題歌とのこと。映画の名前は聞いたことあります。イントロに使われるコードを刻んでいるところはセミの声みたいですね。イフ・アイ・ハッド・ユー は、Nat King Cole が歌ってヒットした曲ですね。ギターインストで聴くと原曲よりノスタルジックに聴こえます。美らフクギの林から は、メロディーから沖縄を感じます。「美ら梅」というところに「フクギの森」という散歩道があるらしいです。良い曲ですね。霧雨 も内田勘太郎氏のオリジナル。音は鳴っているけど静かな曲で歌心があります。谷間のともしび は、1930年のアメリカの When It's Lamp Lighting Time in the Valley ですが、小学生の時に歌ったのかな?耳に残っています。谷間のともしび は倍賞千恵子が日本語でカバーしたものがこの曲名で出されています。家路 は、昭和の人なら良くしっている曲ですね。学校の下校の曲でもあったかな。
 こうやって改めて聴くと、昭和のヤジオ、内田勘太郎の心に残る曲、好きだった曲を、人生をともにしてきた「Chaki」で表現していて、こちらも昭和のヤジオの訳で何か共感するものが多いアルバムですね🎵

1. ひき潮
2. ムーンリバー
3. スターダスト
4. 青い影
5. 我が心のジョージア
6. クレイジーデイズ
7. 夏の日の恋
8. イフ・アイ・ハッド・ユー
9. 美らフクギの林から
10. 霧雨
11. 谷間のともしび
12. 家路

このアルバムはyouTubeで見つからなかったので・・・






  

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