2022年4月8日金曜日

Weather Report / I Sing The Body Electric


 1972年に発表された Weather Report 2枚目のアルバムです。まずはSFチックなジャケットに目を奪われてしまいます。1855年のウォルト・ホイットマンの詩『ぼくは充電されたからだを歌う』、レイ・ブラッドベリの1969年の短編のタイトル『歌おう、感電するほどの喜びを!』から取られたものでそれがこのジャケットのイメージということ。私がSF小説を読んでいたのはこの時代よりもっと後のことですが、その時に既にハヤカワSF文庫というSFばかりがずらりと並んだものが書店の一角を占めており、おそらくこの時代ぐらいからSFが流行っていたんでしょう。宇宙船に乗って旅や冒険をするタイプのSFはスペース・オペラと分類されていましたね。懐かしい。ブラッドベリもドキドキしながら読んでいました。アメリカのスペース・オペラのアニメなんかもTVで放送されていましたのでおそらく娯楽としてSFがアメリカも日本も流行っていたので、その流行りにインスパイアされたのでしょうか。なかなか宇宙観が出ています。


 1~4曲目のレコードではA面は、混沌としたスタイルですがウェザー・リポートらしさも感じるフリーフォームでスリリングなエレクトリック・ジャズ。Unknown Soldier は、ザビヌルっぽいんですが、よく聴くとまだ Joe Zawinul がサウンド全体を仕切っていないので、Wayne Shorter のサックスも自由に表現が出来ていることが感じられます。それに2曲目の The Moors は、ウェザー・リポートではギターが登場する唯一の曲12弦ギターが登場します。ここら辺も実に自由があるなあと感じる良い作品です。3曲目 Crystal もショーターのサックスが中心に世界観を作っていて広大な宇宙に漂っているかのような浮遊感が心地よい。4曲目 Second Sunday In August に至っては、ミステリアスではあるがキャッチーななテーマに乗って、 Crystal では漂っていたメンバーが、意思を持って宇宙を泳ぎながら散歩しているようなイメージになります。とここまでは結構統一したコンセプトと世界観が感じられますが、5曲目以降はライブとなりますので、ガラッと変わります。
 レコードですとB面にひっくり返すと違うアルバムになってしまっているわけです。レコードならひっくり返すという行為があるので、切り替えの間があるわけですが、CDではいきなり始まりますので若干の違和感は感じます。B面では、ファンク的なビートとサウンド、民族色もあるジャズ・ロックのような感じになります。楽曲表現としては私の好物の手法なのですが、このアルバムのB面に入れるとアルバムとしてのまとまりが感じられなくなるので、これじゃなくても良いんじゃないのかなあとも思ってしまいました。ちなみに原盤のLPなどには日本人のMCが収録されているようで萎えると評されている方も多かったようですが私の購入した、このCDではMCは入っていません。あまりに評判が悪く外したのでしょうが、そんなにダサいのであれば、敢えて聴きたくもありますのでYouTubeで・・なるほどですね
 数年前の私のレビューでは「非常にクセが強いアルバムですが、きっと5年後、10年後に聴けば、自分の中の感性も変わりまた受ける印象などが変わるそんな予感がします」と書いていました。後期のジャコ加入後は好きだけど、こちらはこちらで味がある。
10年経たずに聞いたら印象変わってました🎵

keyboards : Joe Zawinul
reeds : Wayne Shorter
bass : Miroslav Vitous
drums : Eric Gravátt
Eenglish horn : Andrew White (1)
flute : Hubert Laws, Jr.
percussion : Dom Um Romao (2)
trumpet, piccolo trumpet : Wilmer Wise (1)
twelve-string guitar : Ralph Towner (2)
vocals  : Chapman Roberts (1), Joshie Armstrong (1) , Yolande Bavan (1)

All side A selections recorded in Columbia studios, New York City: A1, A2 in November 1971; A3, A4 in January 1972.

All side B selections recorded during a "standing room only" concert performance January 13, 1972 in Shibuya Kokaido Hall, Tokyo, Japan.

1. Unknown Soldier
2. The Moors
3. Crystal
4. Second Sunday In August
5. 【Medley】:  Vertical Invader, T.H., Dr. Honoris Causa
6. Surucucú
7. Directions



2022年4月7日木曜日

Mike Stern / Time In Place


 思い出のMike Stern(マイク・スターン)のアルバムです。大学に入学して何か音楽活動をしたいと思って、ロック研究会とジャズ研のどちらに入ろうか迷い、先輩方の新入生歓迎の演奏会でジャズを聴き、ロックをやるうえでもジャズは絶対に勉強にあることを感じジャズ研に入会したは良いものの今までジャズなんてものを聴いたことが無い。とりあえずコンボを組んでスタンダードを練習するもののお手本となる音源をメンバーから貸してもらってもギターは入っていないものばかり。ビッグバンドに参加しないか、と言われて練習に参加するものの、パワーコードばかり押さえてきたので、4つもののリズム・ギターなんてやったことが無いと何をどうしたら良いものかさっぱりわからず状態でした。それでも少しづつ考えながらジャズに参加していましたが、今まで手を付けていなかったフュージョンでもジャズ研は良いことがわかり、先輩からジョンスコを薦められましたが、聴いたとたんに百年早いことがわかり、カシオペアはタイプじゃない。で探しながら出会ったのが、The Gadd Gang と Mike Stern でした。


 ラジオでロックっぽいフレーズのフュージョンだったので、とりあえずCDを購入したのがこのアルバムです。ジャズコンボも組んでいましたが、スタンダードは当時スタンダードばかりのコンボは、ジャズギターはどんな感じで弾いたら良いのかさっぱりわからない自分には、つまらなくかったので、とりあえずベースとドラムを同年代に頼み込みコンボを結成のジャズ研でGossipのコピーにトライした記憶があります。しかし、ドラムとベースはやっているうちに拍が解らなくなるようで中々てこずりました。と言うか結局は人様の前で披露できるまでに至らなかったのですが、このようなフュージョンを弾くこともなかったので私的には、ギターの指盤上でメカニカルに動く、このコピーはなかなか勉強になりました。もしかしてこの曲はスターンの練習している時とかに、このフレーズは出来たんじゃないのか?とも思えるメカニカルな動きが、こんな響きになるのかと新鮮でした。
 さてそんな、Mike Sternですが、YAMAHAのギターをずっと使っておられて、シグネイチャーモデルはPACIFICA1611MS

希望小売24万(高い?〉


私が初代テレキャスを購入した時に、色をナチュラルにしたのはマイクスターンの影響も若干ありです。今見ると全く違いますけど、スロットで大勝ちした時に購入しました🎵

guitar : Mike Stern
keyboad : Key.Jim Beard
organ : Don Grolnick (4)
bass : Jeff Andrews
drums : Peter Erskine
percussion : Don Alias
tenor sax : Bob Berg (2, 3, 4, 5, 6),Michael Brecker (1, 7)

producer : Steve Khan

1. Gossip
2. Time in Place
3. Before You Go
4. No Notice
5. After All
6. Four Shades
7. Chromazone

Michael Brecker Bandでの
Gossip
1989年 Live Under The Sky

  

2022年4月6日水曜日

Formerly Known As Prince / The Gold Experience


 数年ぶりで久しぶりに聞いていますが、まあカッコイイし凝ってますよ。大ヒットしたことも納得のアルバムですね。購入時は、レンタルCDの中古販売品というのがシールからわかります。Purple Rain とかが流行っていた当時はあの独特のボイストーンが気持ち悪かったはずなのですが、たまに聴くようになり、今聴けば懐かしさもありながらかっこいいもんだと評するまでの自分の中の経時変化は今更ながら自分でも驚くものがあります。小学生の頃は生キャベツが大嫌いだったのに、大学の時に友人たちでトンカツ食べに行ったら「あれ?食べられるじゃん」と言った変化と似てる?かな。


 2016年に歳で亡くなり随分と月日が経ちました。見た目にもかなり強烈なインパクトありますが、音も強烈なインパクトなのですが若い世代は、誰それ?なんでしょうかね。ロック好きには知っておいてもらいたいアーティストの一人です。
 このアルバムは Waner がプリンスという名前の著作権を所有することになっているとのことで、プリンスが腹を立てていた。自由に作品を創作する権利、作品から得られる利益、作品の原盤権はレコード会社ではなくアーティストが所有すべきということにで喧嘩となり契約がこじれて、Prince(プリンス)の名前を捨てていた時代のアルバムで、名前は ラヴ・シンボル と呼ばれる男性(♂)と女性(♀)の記号と、ラッパを思わせる記号をくみあわせシンボルマークに改名されたとのこと。彼は1995年当時、自らの右頬に“SLAVE”(奴隷)とペイントするなどし、所属レコード会社や音楽業界と戦いを繰り広げていたこともあり、その怒りがアルバムにも反映されたテンション高い作品となっています。CDはしばらく廃盤になっていて今は再発されているようです。
 でアルバムのインパクトはやはりK-1のテーマ曲になってた Endorphinmachine でしょうか。強烈なギターのリフのイントロと不気味なシャウト。The Most Beautiful girl in the World は、昔のソウルにありそうなベタな曲名でサウンドもプリンス風ではありますが、昔のソウルを意識してますかね。最初の奥様、Mayteに贈った曲だそうです。そして未来へ向かうような世界観のある Gold です。全部プリンス節であるのが驚きでありますがその落差が大きくこれだけで怖いぐらいの才能を感じますよね。すごいな🎵

1. P Control
2. NPG Operator
3. Endorphinmachine
4. Shhh
5. We March
6. NPG Operator
7. The Most Beautiful Girl In The World
8. Dolphin
9. NPG Operator
10. Now
11. NPG Operator
12. 319
13. NPG Operator
14. Shy
15. Billy Jack Bitch
16. I Hate U
17. NPG Operator
18. Gold


▶ Gold


muu music webzine

  

2022年4月5日火曜日

Funkadelic / Hardcore Jollies


 一般的な世間からしたら派手な見た目のジャケットで、音自体もやりたい放題に感じる大好きなアルバムです。アメリカではあまり受けなかったそうですが、日本人の私にはファンクサウンドにぐちゃぐちゃのロック・ギターは、かなり響いてきます。
 ファンカデリックはこの年はアルバムを量産していて2月に Mothership Connection、7月には The Clones of Dr. Funkenstein、このアルバムは10月リリースで Westbound レーベルを離れて、Warner へ移籍した第一弾となっています。
 看板ギタリストのEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)、次のギター・ヒーローとなるMichael Hampton(ハンプトン)、「おむつ」ギタリストの Gary 'Dowop' Shider(ゲイリー・シャイダー)がサウンドの要となっています。また Bernie Worrell(バーニー・ウォーレル)のうねるキーボードもこのパンチあるサウンドに広がりを持たせカラフルなスパイスを効かせてます。また、この形態にはホーン隊がいないくて、パーラメントとは違ったファンク・スタイルでハード・ロックに通じる激しいエレキギターが特徴だが根底に流れるものはロックではなくやはりファンクであるところがノリに乗っているファンカの魅力が満点のアルバムです。


 Funkadelic、P-FUNKは大好きなんですが、その実態と活動の流れが今一よくわからないので、最近は 河地依子著の P-FUNK を読みながらフムフムと聴くことも多いのですが、今回も見ていたら、3曲目の If You Got Funk, You Got Style には、正式加入前のDennis Chambers(デニス・チェンバース)が叩いているとのことですが、デニスは未だ17歳の高校生でクレジットはないらしい。(正式加入は卒業後の78年です)そう思って聴くと、確かに細かな細工のドラミングのような気がします。また、このアルバムの Cosmic Slop はライブとなっていて Mothership Connection のライブのはずですが、観客の声は入っていません。なぜかと言えばリハーサル音源だからとのこと。なるほど・・
 いつも Funkadelic、P-FUNK を聴くと変態的な音楽だなあと思いますが、このアルバムは割と素直にファンクを楽しめる一般大衆にもおすすめできるものかと思います🎵

vocal :George Clinton, Ray Davis, Fuzzy Haskins, Grady Thomas, Calvin Simon, Garry Shider, Glenn Goins, Gary “Mudbone” Cooper
keyboads : Bernie Worrell
lead guitar : Michael Hampton, Eddie Hazel
guitar : Eddie Hazel, Gary 'Dowop' Shider, Glen 'Gone Gouster' Goins
bass : Boogie Mosson, Bootsy Collins, Jimi Calhoun on "Comin' Round the Mountain"
drums : Jerome Brailey, Buddy Miles on "Comin' Round the Mountain"

producer : George Clinton

1. Comin' Round The Mountain
2. Smokey
3. If You Got Funk, You Got Style
4. Hardcore Jollies
5. Terribitus Phase Two
6. Cosmic Slop (Live)
7. You Scared The Lovin' Outta Me
8. Adolescent Funk





muu music webzine

  

2022年4月4日月曜日

James Brown / Live Sex Machine


 Made In Sweden のシールが貼ってありジャケ写の裏は真っ白で、ほぼブートレグだと思いたら Success というヨーロッパのコンピ・レーベルからの発売でした。発売は1989年ですが、いつ、どこのライブでか、バンド・メンバーは誰なのか?なのかは全くわかりません。しかし正式の契約とリリースであればもう少し情報があっても良いものと思うのでブートレグの疑いは未だ継続です。ジャケ写は、2種類存在するようです。
 Sex Machine 自体はライブ・アルバムとして正式リリースされているものはあるが、これとは曲目や演奏時間は異なるため全く違うものです。正式な盤の方は、前半の5曲はスタジオで録音されたものに観客の声をオーバーダビングし、ライブ風に仕上げたもの。6曲目以降が実際にジョージア州オーガスタにて行ったライブ音源となっています。


 残念なブートレグとは思われますが、このライブの演奏はすこぶるキレは良くカンペキであります。しかし音はラインで録ったような音ではなく遠くに聞こえるので、少し性能の良いレコーダーを置いて録音したような音質です。観客の声援が近くに聞こえるようなことは無いので客席で録音した確率は低いものと思われます。James Brown は好きなのですが、それほど研究している訳では無いので演奏を聴いてこれは誰が参加しているのかは区別はつきません。ですがバックのメンバーが違うとスカスカだったりもします。これはスカスカではないタイトで切れの良いサウンドの奴です。Georgia On My Mind のサックス・ソロが終わったところで、メイシオ・パーカーと言っているのが聞こえましたが、それ以外にメンバーを推測できるところは、今のところ聞き取れていません(もう一回ちゃんと聴くかな)
 いつも思うんですが、ライブでずっとこんなにタイトに正確にリズムを刻み続けるのはバンドのメンバーはご苦労なことです。単純ではありますが決めは至る所にあるし、恐らくミスするとオヤジは怖そうだし、クビになりそうな気はしますし、結構な重労働だよなあと思ってしまいます🎵

1. Sex Machine
2. Cold Sweat
3. Prisoner Of Love
4. Georgia On My Mind
5. Get On The Good Foot
6. I Got The Feelin'
7. (Give It Up Or) Turn It Loose
8. Hot Pants
9. Try Me
10. It's Too Funky In Here
11. It's A Man's Man's Man's World
12. Please, Please, Please
13. I Can't Stand Myself (When You Touch Me)
14. Jam





muu music webzine

  

2022年4月3日日曜日

Eric Clapton / Best Selection VC-3038


 ベスト盤よりアルバムを買いたいと思いつつ、ついつい昔から手を出してしまいます。特に Eric Clapton(エリック・クラプトン)なんかは、なんやかんやでベスト購入以降もアルバムを結局買っているのに必要性には自分も疑問?です。と思いつつクラプトンのアルバムは、聴きたい曲が1~2曲というのも多いのでこのベストはありかもしれない。
 

 Derek & The Dominos の Layla他、Cream時代の売れ筋4曲とソロになってからの
代表曲がずらりと全17曲だけど、どれも印象に残っているだけに改めてギターだけでなくボーカル、作曲の能力の高さ、カバー曲のリメイクのセンスには驚くばかりであります。
 私ギター弾きではありますが、若い頃クラプトンは聴くけどコピーはしてきませんでした。しかし札幌勤務時代に、いつも飲みに行っていたバーのマスターが同い年でギター弾きであることがわかり、そのマスターが Cream のコピーバンドを周りの飲み仲間と組んで間もない頃だったので、そのバンドに参加させていただいたことを思い出します。楽器は皆やっていたもののバンド活動は、ほぼ未経験者の、ボーカル、ドラム60代、ギター50代、ベース40代のバンドでした。最初はグチャグチャでしたが、何とか形になってきてから、札幌のライブハウスでのセッションに参加したり、マスターと私は生ギターでアンプラグドのコピーをして、常連さんとの年末忘年会は二人のミニ・ライブを開いたり楽しかった思い出ですね。クラプトンの良さは初心者でも皆が真似したくなってしまうロック初心者への親しみやすさでもあります。幅広い年齢層に世界中でこれほど愛されているギタリストも中々いないですよね。🎵

1. Layla  : Derek & The Dominos
2. Crossroads : Cream
3. White Room : Cream
4. Badge : Cream
5. Sunshine Of Your Love : Cream
6. Strange Brew : Eric Clapton
7. Motherless Children : Eric Clapton
8. Let It Grow : Eric Clapton
9. I Shot The Sheriff : Eric Clapton
10. Knockin' On Heaven's Door : Eric Clapton
11. Swing Low Sweet Chariot : Eric Clapton
12. Please Be With Me : Eric Clapton
13. Peaches And Diesel : Eric Clapton
14. Lay Down Sally : Eric Clapton
15. Wonderful Tonight : Eric Clapton
16. Sign Language : Eric Clapton
17. Cocaine : Eric Clapton





muu music webzine

  

2022年4月1日金曜日

The Red Garland Trio / Groovy

 

 Red Garland はリーダー作は持っていないものの、マイルスのアルバムやコルトレーンのアルバムでよく聞いているピアニストです。1923年5月13日 生まれ 1984年4月23日 で亡くなったピアニストで、デビュー前にはプロボクサーで35試合を戦っています。ピアノを始めたのは兵役中の18歳の時とのことで、なかなか個性的なデビュー前の遍歴です。
 1946年にニューヨークに移りビリー・エクスタインのビッグ・バンドに参加し、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビス、ファッツ・ナヴァロと共演する経験を積んでいます。1955年から1958年にかけてはマイル・デイビス・クインテットに参加し多くの作品を残しています。この頃のギグではデイビスはステージを離れて、トリオの形でガーランドを主役にするのが定番だったらしい。


 マイルスのアルバムを聴いている時には、正直ピアノに耳を集中させることはなく、改めてソロアルバムと言うことで聴いてみると、極めて分かりやすく簡潔でスイング感があるピアニストと感じました。こういった演奏はまさにタイトルのようにグルービーと感じます。アルバムリリースは1958年35歳の時で、粒立ちの良いトーンで奏でられるピアノは心地よく装飾過多ではないピアノは気持ちが良い。マイルス作品を改めて聴き直してみたくなってきました。
 アルバムはエリントンのミディアムテンポのブルース C-Jam Blues から始まるが、きっちりとスイングしジャズ・ブルースの良さがテーマの部分からも聴き分けられる。発音がしっかりとしていてエッジが聴いていてしっかりとスイングのリズムに乗って難しいことはしていないのだが、これがカッコイイ。バラードの Gone Again はしっとりとブロック・コードを効果的に用いての演奏で、なるほどこれがそれかと納得のバラード。続く Will You Still Be Mine? ではアップテンポのリズムに合わせた玉のように転がるシングルトーンのピアノソロがまた良聴きごたえあり、途中に挟むジャ~ンという開放が来たーって感じで、ベースのポール・チェンバースの音も、また低音が良く響きながらスインギーです。ドラムとピアノはグイグイと走り気味ながらベースがきっちりスイングしながら皆を落ち着かせているように聴こえます。Willow Weep for Me では、またバラードに戻ります。ピアノはバラードながらドンドン活力づいています。長めのベース・ソロに加え遊びのようなトーンや音使いも後半聴けてクールを装っているチェンバースも段々と乗ってきているようです。What Can I Say は、可愛らしいテーマと小気味よく刻まれるフレーズが楽しい楽曲です。ピアノで、これが弾けるようになりたいです。そしてブルースの Hey Now で終了しますがテーマのブレイクのところがよくあるパターンではありますが大好きです。繰り返しのトリル的なフレーズも練習します。ホント、リズムって大事ですね。ミドルテンポのブルースはこの人の良さが良く出てくるようでマダマダ聴いていたい感じです。最初に「おでんバー」で聴いた時はおしゃべりしててよく聴いてなかったけど、リズム隊との絡みもモタモタするところが若干あるのも含めてコンビネーションも素晴らしく、聴きこむとこれも良き一枚ですな🎵

piano : Red Garland 
bass : Paul Chambers
drum : Art Taylor 

recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 14, 1956

1. C Jam Blues 
2. Gone Again 
3. Will You Still Be Mine? 
4. Willow Weep For Me 
5. What Can I Say (After I Say I'm Sorry)? 
6. Hey Now 





muu music webzine

  

2022年3月31日木曜日

Ahmad Jamal Trio At The Pershing / But Not For Me

 

 ピアニストも勉強聴いていこうと、最近コレクションの幅を広げているので今まで私が聴いてこなかった Ahmad Jamal(アーマッド・ジャマル)に手を伸ばしてみました。さて予習から始めるとこの方は1930年7月2日生まれで現在91歳でご存命です。ペンシルヴァニア州生まれで3歳からピアノを触りはじめ7歳で正式な練習を始めたそうで、14歳からプロとして活動を始めたとのことで、この時 アート・テイタム(Art Tatum)から「次代の大物」と呼ばれたのですが、初録音は1951年なので21歳の時にレコーディング・デビューとなったので下積み時代は長かったようです。


 その後、1957年に、グループは「ハウス・トリオ」として1958年1月16日シカゴのパーシング・ホテルで演奏しその録音がリリースされたのが本作 But Not For Me で108週間(2年間)ベストセラーのチャート10位以内にとどまったというビッグヒットアルバム。
 この稼ぎでシカゴに「アルハンブラ」と呼ばれるレストランとクラブを開き、クラブは1959年から1961年まで続き、この時のトリオは1962年にトリオは解散。ジャマルはニューヨークに引っ越し、32歳で音楽から3年間はなれました。
 モノラル録音ですが、演奏の背後で話し声やらカートを引いたときに車輪がきしんだような音などまで録音されライブ感あふれる録音です。
 またジャマルの音楽は、マイルス・デイビスに影響をあたえ「間(スペース)のコンセプト、タッチの軽さ、控えめな表現···」に感銘を受けたと自伝に書いていて、「間」と言われるとなんとなくわかるような気がします。
 最初にこのアルバムを聴いたのは、いつもの行きつけの「おでんバー」で、私を含め聴いていた人たちの反応は正直薄かった。なんでか?と言えば「間」なのだろうか?刺激がされる熱さが感じられずスマート過ぎるように感じ帯に書いてあった1958年録音の全米ヒットチャート最高3位を見て、このアルバムがそんなに流行るのか?そういう時代だったんだなあと皆が感じていたようです。今はこのレビューを書きながら数回繰り返し聴いたので何となくその良さがわかってきたような気がしますが、一聴ではその昔の評論家が「カクテル・ピアノ」を評したのはわからんでもないです🎵 

piano : Ahmad Jamal
bass : Israel Crosby
drums : Vernell Fournier

producer : Dave Usher

recorded Live at The Pershing Lounge, January 16, 1958.

1. But Not For Me
2. Surrey With The Fringe On Top
3. Moonlight In Vermont
4. Music, Music, Music
5. No Greater Love
6. Poinciana
7. Woody 'N You
8. What's New





muu music webzine