2022年4月1日金曜日

The Red Garland Trio / Groovy

 

 Red Garland はリーダー作は持っていないものの、マイルスのアルバムやコルトレーンのアルバムでよく聞いているピアニストです。1923年5月13日 生まれ 1984年4月23日 で亡くなったピアニストで、デビュー前にはプロボクサーで35試合を戦っています。ピアノを始めたのは兵役中の18歳の時とのことで、なかなか個性的なデビュー前の遍歴です。
 1946年にニューヨークに移りビリー・エクスタインのビッグ・バンドに参加し、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビス、ファッツ・ナヴァロと共演する経験を積んでいます。1955年から1958年にかけてはマイル・デイビス・クインテットに参加し多くの作品を残しています。この頃のギグではデイビスはステージを離れて、トリオの形でガーランドを主役にするのが定番だったらしい。


 マイルスのアルバムを聴いている時には、正直ピアノに耳を集中させることはなく、改めてソロアルバムと言うことで聴いてみると、極めて分かりやすく簡潔でスイング感があるピアニストと感じました。こういった演奏はまさにタイトルのようにグルービーと感じます。アルバムリリースは1958年35歳の時で、粒立ちの良いトーンで奏でられるピアノは心地よく装飾過多ではないピアノは気持ちが良い。マイルス作品を改めて聴き直してみたくなってきました。
 アルバムはエリントンのミディアムテンポのブルース C-Jam Blues から始まるが、きっちりとスイングしジャズ・ブルースの良さがテーマの部分からも聴き分けられる。発音がしっかりとしていてエッジが聴いていてしっかりとスイングのリズムに乗って難しいことはしていないのだが、これがカッコイイ。バラードの Gone Again はしっとりとブロック・コードを効果的に用いての演奏で、なるほどこれがそれかと納得のバラード。続く Will You Still Be Mine? ではアップテンポのリズムに合わせた玉のように転がるシングルトーンのピアノソロがまた良聴きごたえあり、途中に挟むジャ~ンという開放が来たーって感じで、ベースのポール・チェンバースの音も、また低音が良く響きながらスインギーです。ドラムとピアノはグイグイと走り気味ながらベースがきっちりスイングしながら皆を落ち着かせているように聴こえます。Willow Weep for Me では、またバラードに戻ります。ピアノはバラードながらドンドン活力づいています。長めのベース・ソロに加え遊びのようなトーンや音使いも後半聴けてクールを装っているチェンバースも段々と乗ってきているようです。What Can I Say は、可愛らしいテーマと小気味よく刻まれるフレーズが楽しい楽曲です。ピアノで、これが弾けるようになりたいです。そしてブルースの Hey Now で終了しますがテーマのブレイクのところがよくあるパターンではありますが大好きです。繰り返しのトリル的なフレーズも練習します。ホント、リズムって大事ですね。ミドルテンポのブルースはこの人の良さが良く出てくるようでマダマダ聴いていたい感じです。最初に「おでんバー」で聴いた時はおしゃべりしててよく聴いてなかったけど、リズム隊との絡みもモタモタするところが若干あるのも含めてコンビネーションも素晴らしく、聴きこむとこれも良き一枚ですな🎵

piano : Red Garland 
bass : Paul Chambers
drum : Art Taylor 

recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 14, 1956

1. C Jam Blues 
2. Gone Again 
3. Will You Still Be Mine? 
4. Willow Weep For Me 
5. What Can I Say (After I Say I'm Sorry)? 
6. Hey Now 





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