チェコのアシッド&ポップ・ジャズバンド。2001 年にチェコで結成、Easy(2005)、Secret Message(2008)をリリースし3rdとなるのがこのアルバムで、往年のアシッド・ジャズ・サウンドを彷彿とさせてくれます。スティービー・ワンダー(SW)の影響を受けたことが丸わかりなボーカルが、ここまで上手ければ、節回しとか少しアレンジすればオリジナルな本物になれるレベルなのに若干残念。と思ってしまいますが、Liveでは、それほど似ていない。(動画みてください)
また、このアルバムメンバーの気合いの半端ない入り方を感じ、ハイクオリティな演奏力、完成度の高い楽曲ですが、何かが足りないような気もするのは、やはり上手すぎるボーカルが原因なのだろうか。
それでは、褒めながらも、ちと厳しいことも書いてしまったアルバムのレビューです。最後の As を除いて全曲 ボーカルの Martin Svátek 及び Mad Finger の自作曲となっています。Still インコグ的な完成度の高い楽曲で文句なくカッコ良い。アルバムの掴みとしての役割は充分果たしています。ギターソロに入ったと思ったらきれいに終わるところも斬新。Another Chapter タイトル曲で、ボーカルのSW っぽさが顕著に出ているところばかりが気になってしまいます。グルーブよく売れ線と言えば売れ線ですかね。Are You Ready しっとりめの聴かせる曲です。ベースラインの力強さが曲をタイトに締めています。I´m Wondering ボーカルと言うより曲のアレンジ自体が笑えるくらい SW が入ってます。演奏は申し分ない。Try エレピのイントロがまたSW、そしてボーカルが入ってくるとまたまた。 Stop It ボーカルから入ってくるイントロとザグッ、ザグッと歪んだギターがアクセントを入れるところが面白い。曲自体はヒップホップ要素を入れながら、ゴスペル的なコーラスを入れるなど、アルバムの中では曲の完成度は低い感じはするけど、こういった実験的なところがオジサンは好感です。Bittersweet オールドな感じでアコースティックな響きの曲です。実力派ロックバンドがバラードをやるとこんな感じって感じがします。You Remind Me また SW です。少し変えると凄くオリジナルで良い曲に変わるかと思います。This Goes Out 落ち着いた感じで聴いていると、少しづつ心に響いてくる曲です。The Last Song アコースティックギターから始まる爽快感のある楽曲でテイストを変えてきました。ストリングスも入ってますね。聴いたことも無い曲なんだけど懐かしさがあります。と思って聞いていると、ストリングスの入ったブレイクが日本の歌謡曲っぽいのか。Summerjam Party ラテンっぽいノリもありインコグっぽいですが、単純にこのノリは大好きです。I´m Movin´ On は、マービンゲイなのかと思っていたら違いますね。関係ないようです。サウンドはブラコンですが、昔のブラコンのようなドラマチックな感じには仕上げていません。昔のソウル寄りかな。As は、本家 SW の曲です。心置きなく SW をやってください。って感じで楽しそうですね。これは日本版のボーナストラックのようです。
聴き直すと、もっと評価が変わってくるかと思いましたが、そのまま SW を感じるということばかりが印象に残ってしまうのが残念なんですが、このサウンドは大好きなんだよなあと言う複雑な心境になってしまうアルバムです🎵
lead vocals : Martin Svátek
keyboards : David Walter
guitar : Viktor Jerman
bass : Radim Genčev
drums : Ondřej Pomajsl
sax : Matouš Kobylka, Radek Kašpar (13)
produced by Radim Genčev and Madfinger (2009-2011)
recorded at Studio Svárov, MHS Jan Tulenko, Studio Dema, RG Home studio
1. Still
2. Another Chapter
3. Are You Ready
4. I´m Wondering
5. Try
6. Stop It
7. Bittersweet
8. You Remind Me
9. This Goes Out
10. The Last Song
11. Summerjam Party
12. I´m Movin´ On
13. As
▶ Still