2021年12月22日水曜日

The Beatles / Yellow Submarine


 俺はストーンズ派さ!と、今まであまりビートルズは聴いてこなかったのですが、色々な人にカバーされていたり音楽雑誌でロック史が語られている時にはやはり必須の存在であり、勉強のために、意地を張るのはやめて何枚か購入しております。
 そのうちの一枚でビートルズ11作目、イギリスで1969年1月17日に発売されたアニメ映画の「イエロー・サブマリン」のサウンドトラック・アルバムとなっています。


 したがって映画に使われるオーケストラの演奏なんかも入っていて、ビートルズが演奏しているのは6曲目までまた、以降はオーケストラの演奏する George Martin (ジョージ・マーティン) 作曲のインスト・ナンバーとなっています。しかし映画のために制作された楽曲はごく僅かで、「Yellow Submarine」は1966年、「All You Need Is Love」は1967年にシングルとして既にリリースされていたり、アルバムのレコーディング・セッション時のアウトテイクだったこともあり、唯一全英・全米ともに1位にならなかった作品でもあるらしい。また当時 ジョージ・マーティンはビートルズの楽曲のアレンジをしたりオーケストラのスコアを書いたり、曲そのものに大きく関わっていたとのことです。
 イェロー・サブマリンは恥ずかしながら金沢明子の音頭のほうが先に知っていました。


guitar : John Lennon
bass : Paul McCartney
guitar : George Harrison
drums : Ringo Starr

composed by, orchestrated by : George Martin (7 to 13)

producer : George Martin

1. Yellow Submarine
2. Only A Northern Song
3. All Together Now
4. Hey Bulldog
5. It’s All Too Much
6. All You Need Is Love
7. Papperland
8. Sea Of Time
9. Sea Of Holes
10. Sea Of Monsters
11. March Of Meanies
12. Papperland Laid Waste
13. Yellow Submarine In Pepperland






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2021年12月21日火曜日

Funkadelic / Free Your Mind And Your Ass Will Follow


 1970年の Funkadelic (ファンカデリック) 名義のセカンド・アルバム。Funkadelic と Parliament の名義の違いはユニットで使い分けているのかと思っていたら、レコード契約の名義の問題が最初にあったようで、The Paliaments で1958年から1969年まで活動。そのバックバンドの Funkadelic は1970年から活動開始、同時に The と s を削除してのPaliament での活動が始まっているようです。ビリー、エディー、ティキ、タル、バーニーで一般的に「オリジナル・ファンカデリック」と呼ばれている黄金の創成期メンバーで、この録音はその録音となっています。

 

 とにかくエディ・ヘイゼルのギターが主役でサイケでロック色が強くてぶっ飛んでいます。オープニングから、10分以上のアルバム・タイトル曲で始まります。
 ただタイトルが何やらやばそうなので訳を探してみたら、MIND YOUさんと言う方のブログでうまいこと訳してるのがありましたんで紹介します

「My Beautiful Song Of Universe 瞑想で宇宙へ」
Free your mind and your ass will follow
The kingdom of heaven is within
己の精神を解放しろ、そしたら自ずと後から付いてくるもんさ
天の王国が内包されているのだ

うまく訳されているのですが、your ass will follow はジャケ写の裏面に写っています。
でも発売禁止になるほどではなく可愛いヤツですけどね

 その他、ジミヘン風ロック、Zeppelin が入ったサイケファンクとブルース等々、相変わらずのぶっ飛んだ変態サウンドで大好きです。とにかく刺激の欲しい人には、ファンカデリックを聴いて耳から精神を開放してもらいたい。

vocals : Calvin Simon, Fuzzy Haskins, George Clinton, Grady Thomas, Ray Davis
keyboards : Bernie Worrell
lead guitar : Eddie Hazel
rhythm guitar : Tawl Ross
bass : Billy Nelson
drums : Tiki Fulwood

executive producer – Armen Boladian
producer : George Clinton

1. Free Your Mind And Your Ass Will Follow
2. Friday Night, August 14th
3. Funky Dollar Bill
4. I Wanna Know If It's Good To You
5. Some More
6. Eulogy And Light



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2021年12月20日月曜日

Little Walter & Otis Rush / Blues Masters


 Little Walter (リトル・ウォルター) と Otis Rush (オーティス・ラッシュ) のオムニバスでともに4曲づつ収録されています。発売はアメリカのほぼブルース専門のレーベルTomato Records。この会社の設立は1977年でもう存在していません。調べていたら日本にトマトレコードという会社がありましたが、おそらく関係ない会社です。


 二人ともハード系のシカゴ・ブルースの重鎮であることから、おそらくトマト・レコードがブルース好きのためにセレクトしただけのセールス的なオムニバスで、特に深い意味を持たせた訳では無いようです。手に入れたのはあまりに昔で、よく覚えていませんが私もおそらく20代の若い時にブルースの勉強だと思って購入しただけだと思います。

 「Little Walter」 1930年5月1日 ~ 1968年2月15日 ルイジアナ州生まれのブルース・ハーモニカ奏者。12歳からニューオーリンズ、ヘレナで活動後1946年からシカゴに住むようになり1947年レコードデビュー。アルコール依存症で1968年にシカゴのクラブ出演の時のケガが原因で死去。
 「Otis Rush」 1935年4月29日 ~ 2018年9月29日 ミシシッピ州フィラデルフィアで生まれ育ったブルース・ギタリスト。8歳からギターを弾き始め。1956年にデビュー。左利きながら、右利き用に弦を張ったギターを逆向きに持って弾くユニークなスタイルで、2004年に脳梗塞で倒れ、以来リハビリを行っていたが、2018年9月に死去で、妻は日本人。

1. You're So Fine / Little Walter
2. May Be The Last Time / Otis Rush
3. It's So Hard For Me To Believe You Baby / Otis Rush
4. All About My Girl / Otis Rush
5. Walter's Blues / Little Walter
6. I Got You / Otis Rush
7. Goin' Down Slow / Little Walter
8. Watermelon Man / Little Walter







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Curtis Fuller / Crankin'

 

 Curtis Fuller (カーティス・フラー) は1961年のArt Blakey And The Jazz Messengersへの参加で三菅黄金期を形成した一人であり、ライオネル・ハンプトン楽団、カウントベイシーオーケストラなどのスター・プレイヤーでありJJジョンソンの直系ともいえるバカテクのトロンボーン奏者です。
 本作は、ハード・バップ、フュージョンやファンク系が混在し、クロス・オーバー関連のリズム隊が集結するワクワクするメンバーの録音で、迫力と気迫に満ちたアルバムで、これはまた面白い。発売はジャズ・ファンク系のレア・グルーブで人気の Mainstream Records で、以前に絶賛のレビューをした Alice Clark もこのレーベルで録音されたものが株式会社ウルトラ・ヴァイブによって発売されていたもので、これも同様のシリーズです。


 タイトル曲の Crankin' で高速バップから始まり、フラーのトロンボーンもトランペット並みの速さでのブロー。ここではギターの Bill Washer のクリーントーンに盛り上がりでクランチなギターに切り替えてサイケな曲調に変わり時代を感じます。そして Maze では、3菅のテーマで始まり、Bill Washer のグシャグシャなバッキングがアクセントとなり、短い Ray Moros のテナーソロにインパクトあり。Black Bath は3管のテーマでモーダルなジャズでスイング。Ballade はエレピが美しいバラードだが、菅のアンサンブルが少し不安定なところが惜しいかな。The Spirit では、Stanley Clarke のエレクトリック・ベースがファンクする気持ちの良い曲でブラス部隊も気持ちよさそうにソロに興じているようで、従来のジャズ・ファンにどうだ?と言っているようで、締めがこの曲であることで何か不思議な力を感じます。
 ディスコ・グラフィを見ていたらこの後に Smokin' というアルバムも同レーベルで録音しているので、これも聴いてみたいものです。それにしても、Crankin'、Smokin' というアルバムのネーミングはマイルスの影響なのでしょうか。それでは3枚目は?と言えば発売されていないようです。ライナーノーツによると Mainstream Records の契約は通常3枚なので、一枚はお蔵入りになったか売り上げが悪かったので2枚で打ち切りになったかとのことですから、3枚目の発売を考えてのネーミングとすればお蔵入りの録音が眠っていてもおかしくは無さそうなもんですね。

trombone : Curtis Fuller
tenor sax : Ray Moros
trumpet : Bill Hardman
electric guitar : Bill Washer
electric piano : George Cables
bass, electric bass : Stanley Clarke
drums, percussion : Lenny White

producer : Bob Shad

1. Crankin'
2. Maze
3. Black Bath
4. Ballade
5. The Spirit





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2021年12月19日日曜日

Stan Getz & João Gilberto Feat. Antônio Carlos Jobim / Getz / Gilberto

 

 誰もが耳にしたことのあると思われる「イパネマの娘」で、おそらくこのオリジナルもかなりの人が耳にしているはず。もちろん私も知ってはいたのですがアルバムは持っていなかったので、中古屋で見つけての購入です。
 1964年に発表したアルバムで、終始ささやくようなボサノバで刺激的な音楽ばかり聴いていると抑揚がないように感じるかもしれないと感じてしまいながらも、聴き終わると満足していました。この世界感でアルバムを作って聴く人を満足させるのは恐るべしボサノバの名盤です。このようなアルバムが世界的にヒットする1964年って不思議な時代とも感じますが、余計なメディアが無かった分、純粋に音楽を聴いて楽しめる時代だったんですね。
 このアルバムの名義はStan Getz (スタン・ゲッツ) とJoão Gilberto (ジョアン・ジルベルト) ですが、スタン・ゲッツはベニーグッドマンの楽団などで活躍してから1962年にボサ・ノバを取り入れたアルバムを制作し翌年にこのアルバムを制作しています。


 ジョアン・ジルベルトは、ブラジルの歌手でありギタリストでボサノバを創成したと言われる巨匠。1959年にAstrud Gilberto (アストラッド・ジルベルト) と結婚。アストラッド歌う「The Girl From Ipanema (イパネマの娘)」がこのアルバムではポルトガル語で歌っていますが、シングルでは英語で発売されボサノヴァの有名曲となっています。しかしアストラッドとはほどなく離婚してしっているようです。この曲の作曲はピアノで参加の Antonio Carlos Jobim です。ちなみに映画「黒いオルフェ」の音楽を書いたブラジルの作曲家であることは今回のこのレビューで調べていてわかりました。

 

 それにしてもこのアルバム、下手な人が演れば退屈になってしまうような曲調ですがこのクールなボサのサウンドにウィスパーボイス、ゲッツのサックスが見事にはまり、ボサ・ノバを全世界に広めた功績のある素晴らしいアルバム。それほど好んでボサ・ノバはを聴くことは無いのですがこのアルバムは、たまに清涼剤として聴いてみたいと思います。いや名盤!

tenor sax : Stan Getz
guitar, vocals : João Gilberto
bass : Tommy Williams
piano : Antonio Carlos Jobim
drums : Milton Banana

producer : Creed Taylor

recorded March 18 & 19, 1963 in New York City.

1. The Girl From Ipanema / vocals : Astrud Gilberto
2. Doralice
3. P'ra Machuchar Meu Coração
4. Desafinado
5. Corcovado / vocals : Astrud Gilberto
6. Só Danço Samba
7. O Grande Amor
8. Vivo Sonhando





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2021年12月18日土曜日

The John Coltrane Quartet / Africa / Brass

 

 このころのコルトレーンですが、1960年春にはマイルス・バンドを脱退。本作にも参加の McCoy Tyner (マッコイ・タイナー)、Elvin Jones (エルビン・ジョーンズ) とバンドを結成してツアーを開始。10月には、このレギュラー・バンドで My Favorite Things、John Coltrane Plays the BluesColtrane's Sound などをレコーディングしています。そして3月にはマイルスの Someday My Prince Will Come にゲスト参加し、同年5月、7月にAtlantic から Impulse! へ移籍の第一弾のこのアルバムの録音となるわけです。



 このアルバムは当時、精神的に傾倒していたルーツ・アフリカをテーマに採り上げています。タイトルの Africa は16分の大作で激しいブロー。対比して美しいソプラノ・サックスの音色なのに混沌とした怪しい盛り上がりを見せる Green Sleevs、そして普通に聞こえるブルーステーマから始まり、ブラスの掛け合いやビッグバンド的な盛り上がりなどで違った側面を見せてくれる Blues Minor と3曲のみ録音の大作です。
 他サイトの批評で、Impulse! の代表作には、入っていませんでしたが力の入った演奏と楽曲の構成で、これまでに無かったものに挑戦する意欲とエネルギーが十分に感じられる力作であると思います。流して聴くよりはじっくり聴きたいものですね。

tenor sax : John Coltrane
piano : McCoy Tyner
bass : Jimmy Garrison
drums : Elvin Jones

1. Africa
2. Greensleeves
3. Blues Minor

▶ Africa




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2021年12月17日金曜日

土岐英史 / The Guitar Man

 

 今年2021年6月26日に亡くなったジャズ・サックスの土岐英史氏。私は生では演奏を聴いたことは無かったんですが、日野皓正クインテット、松岡直也とウィシングのメンバーとしてモントルー・ジャズ・フェスに出演、山下達郎のバッキングメンバー、山岸潤史、続木徹とともに活動していたチキン・シャックメンバーであったりと素晴らしい音楽作品を残された方でありました。土岐英史 公式HP  のライブスケジュールでは、2021年1/15(金)は調子が悪いので休みますと書いてありその後の3月までのスケジュールが書いてあります。癌で亡くなったので調子が悪かったんでしょうか、時がそこで止まっているようです。
 ソロ・アルバムは持っていなかったので、亡くなった後に行きつけの「おでんバー」でYouTube の土岐さんの作品を聴いていて、出くわしたのが Little Boys Eyes 。ツインギターにサックスのみというシンプルな構成ながら斬新なアルバムで、その後タワレコに行って直ぐに購入しCDで聴くともっと良かったのでこの Guitar Man の購入に至りました。


 The Guitar Man なのだからギタリストを取り上げたアルバムで間違いありません。このアルバムで土岐英史が組んだのは、関西のジャズギタリスト1936年生まれの御年84歳にして現役バリバリのギタリスト・竹田一彦です。ジム・ホール、ケニー・バレルと歳は同じで進駐軍のラジオ放送でスイング・ジャズを聴きながら腕を磨いたそうです。コピーは若い頃しかしなかったそうですが、このアルバムを聴くとバレルの影響はかなり感じます。
 このアルバムの録音の前日には京都の「RAG」でウォーミングアップを兼ねたライブを行ったそうです。それが功を奏してかアルバムでは終始リラックスした演奏で一体感のある演奏にコピーに合った「レジェンドたちがつくり出す至福の時間」は、その通りと唸ってしまいました。
 ライナー・ノーツでのオルガンの宮川淳のインタビューもなるほどです。
「このメンバーはミディアム・テンポの曲をシンプルに演ることの喜びを知っている。”似たようなような曲ばっかりでつまんねえな”と感じるメンバーが一人でもいたら成立しない。ジャズ・ミュージシャンとしての”体力”が試される。集中力、持久力、そして引き出し・・・だって、ひとりだけ途中で息切れするわけにいかないでしょ」
 含蓄のある言葉ですね

alto sax : 土岐英史 Hidefumi Toki 
guitar : 竹田一彦 Kazuhiko Takeda
organ : 宮川純 Jun Miyakawa
drums : 奥平真吾 Shingo Okudaira

1. The Guitar Man
2. Two Flowers
3. Everything Happens to Me
4. Breaking Dawn
5. Gee Baby, Ain't I Good to You
6. My One and Only Love
7. On the Trail
8. Blues in C





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