今年2021年6月26日に亡くなったジャズ・サックスの土岐英史氏。私は生では演奏を聴いたことは無かったんですが、日野皓正クインテット、松岡直也とウィシングのメンバーとしてモントルー・ジャズ・フェスに出演、山下達郎のバッキングメンバー、山岸潤史、続木徹とともに活動していたチキン・シャックメンバーであったりと素晴らしい音楽作品を残された方でありました。土岐英史 公式HP のライブスケジュールでは、2021年1/15(金)は調子が悪いので休みますと書いてありその後の3月までのスケジュールが書いてあります。癌で亡くなったので調子が悪かったんでしょうか、時がそこで止まっているようです。
ソロ・アルバムは持っていなかったので、亡くなった後に行きつけの「おでんバー」でYouTube の土岐さんの作品を聴いていて、出くわしたのが Little Boys Eyes 。ツインギターにサックスのみというシンプルな構成ながら斬新なアルバムで、その後タワレコに行って直ぐに購入しCDで聴くともっと良かったのでこの Guitar Man の購入に至りました。
The Guitar Man なのだからギタリストを取り上げたアルバムで間違いありません。このアルバムで土岐英史が組んだのは、関西のジャズギタリスト1936年生まれの御年84歳にして現役バリバリのギタリスト・竹田一彦です。ジム・ホール、ケニー・バレルと歳は同じで進駐軍のラジオ放送でスイング・ジャズを聴きながら腕を磨いたそうです。コピーは若い頃しかしなかったそうですが、このアルバムを聴くとバレルの影響はかなり感じます。
このアルバムの録音の前日には京都の「RAG」でウォーミングアップを兼ねたライブを行ったそうです。それが功を奏してかアルバムでは終始リラックスした演奏で一体感のある演奏にコピーに合った「レジェンドたちがつくり出す至福の時間」は、その通りと唸ってしまいました。
ライナー・ノーツでのオルガンの宮川淳のインタビューもなるほどです。
「このメンバーはミディアム・テンポの曲をシンプルに演ることの喜びを知っている。”似たようなような曲ばっかりでつまんねえな”と感じるメンバーが一人でもいたら成立しない。ジャズ・ミュージシャンとしての”体力”が試される。集中力、持久力、そして引き出し・・・だって、ひとりだけ途中で息切れするわけにいかないでしょ」
含蓄のある言葉ですね
alto sax : 土岐英史 Hidefumi Toki
guitar : 竹田一彦 Kazuhiko Takeda
organ : 宮川純 Jun Miyakawa
drums : 奥平真吾 Shingo Okudaira
1. The Guitar Man
2. Two Flowers
3. Everything Happens to Me
4. Breaking Dawn
5. Gee Baby, Ain't I Good to You
6. My One and Only Love
7. On the Trail
8. Blues in C
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