2025年2月13日木曜日

Boston Horns / Funkafized


 この手のファンク・バンドを買い続けてもキリがないぐらいアメリカのファンク・バンドの層は分厚いと感じます。その名の通り、ボストンを拠点に活動する重量級ファンクバンドです。このバンドは購入して気に入ったので、Givin' up Food for Drink (2008) も後に購入のハズレがまずないだろうと言うことが想定される安心・安全な演奏力の高いバンドです。
 T.O.P.よりも重量を感じるホーン・アンサンブルで、タイトなリズム隊。キャッチーで陽気なファンク・グルーブを備えています。


 ボストン・ホーンズは、ヘビー・メタル・バンド“エクストリーム“のサポートなどで活躍していたユニット、”ヘヴィ・メタル・ホーンズ”のメンバーだったギャレット・サヴルク(tp)とヘンリー・ダグラス・Jr(sax)の二人が中心となり、1999年に結成された。とのこと。結構な実力派であり、メジャー・シーンにも出演しているのに、宣材の写真などには余りお金をかけていないし、メンバーの服装も極めて一般的なカジュアルなものであり、サウンドとのギャップはかなり感じます。アルバムジャケットは凝ったデザインではありますが、、。T.O.P. も、そうですが大所帯のブラス・ファンク・バンドは維持費が大変なようです。


 それではレビューしていきます。Funkafized タイトル曲が先頭にくるタイプのアルバム。気合が最初から入ります。キャッチーなT.O.P. タイプのインスト・ファンクで、ライブとかでも頭に持ってくるタイプですね。Garret Savluk のペットがカッコ良いです。Sing a Simple song は、モロに Sly & the Family Stone のカバーで、Nephrokl がリードボーカルですかね。太い声は Kit Holliday でこの声だけ参加です。モロコピですがギターソロだけ現代風です。PFWB 今までは煽りでしたが、ここで落ち着いた大人のジャズ・ファンク。Dipper Mouth ブラス・バンド風なドラム・ソロと思ったらホーン・アンサンブルも結構それで、ニューオリンズ風ブラスバンドによくあるやつです。実に様々な一面を見せてくれてゴリゴリのテクニックだけでないところがこのバンドの魅力でもあります。Remember who you are もスライ・ナンバーのカバーで、Back On The Right Track に収録されていた曲で一時引退状態にあったスライの復帰作です。Nasty Riders ここでまたアーバン・ソウルとジャズ・ファンクが融合したようなインストに戻ります。Big Alice ジャズ・ベーシストの、チャールズ・ミンガスの1973年のアルバム「ミンガス・ムーヴス」のレコーディング・セッションで録音されながらも、当時は発表されず、1993年にCD化されたときにボーナス・トラックとして収録されたというレアなナンバーですが、ファンクチューンされています。最後は Dipper Mouth (reprise) で先の曲はブラス・バンドでしたが、これは完全にブラス・バンドで、ドラム・ベース抜きのブラスと陽気な生コーラス。
 本編はここで終了で、ボーナストラックは Ain't Nothing to it ソウライブやレタスでホーンの賛歌をしていた Sam Kininger が参加しています。続いて Blues For Ben、Dyno-Mite の2曲が収録。
 そして別の CD が付いていて1曲だけ収録されています。CDのデータには曲名は Holy Of Holies 演奏者は Jennifer Crawford とあります。曲はゆるーい南国的な調子のファンクで、熱いところはあまりないワンコード。ジャケット、ライナーノーツにも記載はないプレゼントみたいなもんでしょうか。得した・・のかな・・🎶

lead vocal : Nephrokl
keyboad : Jeremy Parker
guitar : Jeff Buckridge
bass : Dave Walker
drums : Peter Mact Lean
sax : Henley Douglas
sax : Dan Abreu
trumpet : Garret Savluk
trombone : Squantch

alto sax : Sam Kininger (9)
background vocals : Kit Holliday (2)
tuba : Joseph Wright (8)
percussion : Amado Rodriguez

1. Funkafized / Garret Savluk
2. Sing a Simple song / S.Stewart
3. PFWB / Garret Savluk
4. Dipper Mouth / Herbie Mann
5. Remember who you are / S.Stewart, H.Banks
6. Nasty Riders / Garret Savluk
7. Big Alice / Don Pullen
8. Dipper Mouth (reprise) / Herbie Mann

【Bonus Tracks】
9. Ain't Nothing to it feat.Sam Kininger / H.Douglas jr.,  G.Savluk, M.Rush
10. Blues For Ben / Luca Frederickson
11. Dyno-Mite (Instlumental Version) / Garret Savluk





  

2025年2月12日水曜日

New Jersey Kings / Party To The Bus Stop


 マイルスの On The Corner をオマージュしたジャケットで、ブラス・バンドっぽいノリでもあると思いますが、マイルス風エレクトリック・ファンクジャズ作品でもなく、ブオンブオンとホーン部隊だけで編成されている訳でもなく、UKアシッド・ジャズ作品です。リーダーは James Taylor のプロジェクトによる New Jersey Kings の1992年リリースのファースト・アルバムで、The James Taylor Quartet の変名バンドとのこと。James Taylor と言っても、あのシンガーソングライターの方ではなく、こちらはイギリスのハモンド・オルガンのミュージシャンですので、そこら辺を間違えてはいけませんので紛らわしいだらけの作品で、たまにしか聴かないのに、かなりの優秀作ですので棚は移動しときます。


 それでは優秀作を再度聴きながらレビューしていきます。The Monkey Drop ワウの効いたギターとブットいベースがファンクして、オルガンサウンドが効いてます。Get Organized は、Baker Brothers でありそうなリフで、メチャクチャ好みです。フルート・ソロからオルガン・ソロ、サビのギターの、チョーキングしながらカッティングするギターなども美味しい。Solid こちらも、Baker Brothers、Soulive系です。チャクチャクと刻むワウのギター、オルガンで、今度はサックスがソロのメインです。サビの盛り上げかたもワンパターンな気がしますが様式美の範疇です。Sweet Cakes 跳ねるジャズ・ファンク・サウンドです。相変わらず一辺倒なサウンドですが、ここの曲で何となく録音がホールのようなところで録られているようなリバーブがありますが録音場所などの記載は見当たりません。 Sweet Shirley 安定のジャズファンク・サウンド。ここまで来ると、どのリフが好みか?程度の類似性が感じられます。The Latin One 曲名にもあるように、聴いているとラテン系のリズムを使っています。日本語版のライナーノーツに何か情報がないか読んでいると、原盤にもなんも書いてなくて、「ニュージャージー州のレコード会社に埋もれていた過去のバンドの発掘音源」などと冗談で書かれていたようですが「冗談である」とは書いていないようで、嘘か誠かはマニアにしか判別できない紛らわしいヤツのようです。All Wrapped Up は聴いたことあるヤツです。 Melvin Sparks のジャズファンク・チューンをカバーでノーザン・ソウル風に解釈です。Charlie's Groove おそらくライブとかでもラストに使われそうな曲です。

ライナーノーツには何も書いてありませんが、New Jersey Kings のメンバーは下記です(ドラムはどちらでしょう?)

keyboad : James Taylor
guitar : David Taylor
bass : Gary Crockett
drum : Andrew McGuinness
drum : Neil Robinson
sax, flute :  John Willmott

producer : The New Jersey Kings
illustration : Matt Deighton ←発売の AcidJazz レーベルの所属ギタリスト

 オールドジャズファンクの名盤、復刻と帯に冗談を書かれていたら私は信じてしまいます🎶

1. The Monkey Drop
2. Get Organized
3. Solid
4. Sweet Cakes
5. Sweet Shirley
6. The Latin One
7. All Wrapped Up (Melvin Sparks)
8. Charlie's Groove





  

2025年2月11日火曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Soul To Soul


 1985年リリースの3作目で、ジャケ写ではストラトを持たずにセミアコ。腰にぶらさげているのは、おそらく日本のお守り。そうなると後ろの小屋はもしかして日本家屋に見えなくも無いが、テキサスの田舎の掘っ立て小屋か?と先に余計なところに目が行きます。
 さて本作は、とにかくどれもこれもパンチが効いていて、エネルギー満タンSRV作品の中でも、もっとも派手な仕上がりで気持ちが良い一枚という印象。サックスとキーボードまで加入して、サウンドを完成させていて、この時期ではギター・エフェクター・アンプなど多様に使いこなしていたようです。
 何より捨て曲が相変わらず無いのも、SRV作品のすごいとこで、ライブ映像ではあまり見られない曲もあったりするマイナー感も、このアルバムの良いとこでもあります。


 それではこのド派手なアルバムを再度聴きながらレビューします。Say What! インスト・ロックですが、テンポ緩めでワウワウを使用した粘るようなギター、キーボードソロなどもあり、バンド感が増しています。弾きまくってもいますが、フィードバックを使ったロングトーンでワウで変化させてくれるところが、また良い。Lookin' Out The Window
テキサス出身の Doyle Bramhall の作品です。本業はドラマーであり、SRVよりも5歳ほど年上でセッションもよくやっていたそうです。息子はギタリストでエリック・クラプトンの作品にも参加しています。曲はシャッフルでホーンを多重録音してバックに厚みを持たせていること、ジャズで言えば4ツを刻むようなギターも印象的です。Look At Little Sister
テンポは、ほぼ Lookin' Out The Window と同じのミドルテンポ。この曲ではピアノが強調されていてロックンロール・ピアノがこれまた効果的にブラスのバッキングとともにマッチ。Ain't Gone Give Up On Love スローなブルースロックで、キーボードがバッキングでギターはエフェクト少な目でオブリーガード。曲が進むにつれて歪みを入れてったり、チャッチャッと刻んで見たりと今聴いてみると細かいところに細工が施してあるのがわかります。Gone Home ジャズサックス奏者の Eddie Harris の楽曲で、SRVもジャズ・ブルースで演奏しています。こうした幅広い素養が他の曲にも実は活きているんでしょう。Change It 再度テキサス出身の Doyle Bramhall 作品で、いかにもテキサスが舞台で打ち合いで始まりそうハードボイルドな感じがカッコ良い。You'll Be Mine 1950年代のシカゴ・ブル―ズ黄金期の巨匠 Willie Dixon の作品で、明るく踊れる感じの跳ねる感じのハッピーな楽曲です。Empty Arms イントロはフランジャーを使っていて、アルバムの中では最も軽めのナンバーです。裏打ちがモロに意識されたバッキングが日本人ではないセンスですね。Come On (Part III)ニューオリンズの巨匠 Earl King の楽曲で、ジミヘンコードを多用したカバー。原曲はジミヘンぽくは無いファンク系ソウルですが、なるほど、これを現代アレンジすればこうなるのはそうですと納得。Life Without You スローなバラードナンバーでバンド演奏ではあるものの弾き語りのような、しみじみとさせてくれる楽曲です。ボーナストラックは Little Wing~Third Stone From The Sun ジミ・ヘンドリックスのインストカバーで、長くても楽しいです。続く Third Stone From The Sun も激しいアーミングとボリュームコントロールで、アーシーなギターがカッコ良すぎです。Slip Slidin' Slim まさにボーナスの短いインストナンバーで、スライド名手ではないけど、やっぱりカッコ良く弾けるんだと脱帽です。
 久しぶりのSRVでしたが、あと100年後も全てのギタリストのヒーローでいられる人なんだろうと思える演奏は、やっぱり楽しい🎶

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
keyboards : Reese Wynans
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton
sax : Joe Sublett

executive-producer : John Hammond
producer (produced by) : Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan/Double Trouble
recorded at Dallas Sound Labs, Dallas, Texas and Riverside Sound, Austin, Texas

Tracks 1 to 10
rec: 1985

1. Say What! / S.R. Vaughan
2. Lookin' Out The Window / D. Bramhall
3. Look At Little Sister / H. Ballard
4. Ain't Gone 'n' Give Up On Love / S.R. Vaughan
5. Gone Home / E. Harris
6. Change It / D. Bramhall
7. You'll Be Mine / W. Dixon
8. Empty Arms /S.R. Vaughan
9. Come On (Part III) / E. King
10. Life Without You / S.R. Vaughan
【Bonus Tracks】
11. SRV Speaks
12. Little Wing/Third Stone From The Sun
13. Slip Slidin' Slim





  

2025年2月10日月曜日

Chick Corea Elektric Band II / Paint The World


 私の大学時代のバイブル的なチックコリアのアルバムは、「Ⅱ」が付く前の Chick Corea Elektric Band「Light Years」 でした。コマーシャルで革新的と感じた音は、今思えば軽すぎて人間味の少ないデジタルな音だったので、少々心に残りにくい音であったのですが、このアルバムについては、ルージーな感じの複雑なフュージョンに変わり、もう少し親しみやすい感じで、好みと言えば好みに変化してきたのですが、いかんせんテクニックに走るばかりで印象に残りづらいとも感じてしまいます。と進化を遂げたものの、セールス的にもイマイチだったようで、このバンドは活動期間1年で、アルバムは、これたった1枚を残して解散となっています。


 それでは全曲レビューです。Paint The World イントロがドラムが4拍子なのに対し、ピアノがフリーなフレーズで変拍子のような感覚になりますが、途中からかみ合ってくるのでいつの間にか普通の曲になる不思議なトリック、そしてベース、ギターが加わるとフュージョンのサウンドになります。編曲はかなり凝っています。Blue Miles どこかで聞いたことがあると思ったら、Grp All-Star Big Band / All Blues でも聴いていました。Grp All-Star Big Band では、Michael Brecker がソリストでフューチャーされていましたが、こちらは Eric Marienthal でした。好みとしては甲乙つけがたし。Tone Poem ああ チック・コリア だなと思う曲になっています。Mike Miller のガット・ギターのような音色とフワフワと散りばめられる音符が素敵な曲ではあります。CTA 細かなピアノの無機質なパッセージが印象的、とてもスリリングで単体としては好いんですが印象には少ないのが残念。Silhouette スペース感のあるSEから始まります。曲名は和製英語でもよく使われ馴染み深い言葉「シルエット」で1分43秒で、次の曲への序章のような効果で使われ、Space へと続きます。この曲は印象に深い曲で好きな曲です。The Ant & The Elephant 何かの物語の題名のような曲でギターの Mike Miller を上手く起用してサックスの Eric Marienthal との絡みが良いです。Tumba Island これもテーマがチック・コリア 節な曲です。エレクトリック感の無いバンドでの演奏で聴いてみたいですがアコースティック・ピアノでは無理があるかな。Ritual エレクトリック・バンドの良さが出ています。複雑な変拍子は5拍子ですかね。Ished スリリングな感じでインプロとキメが複雑にからんでいるのでしょうか。無機質な音の羅列にも感じますが、実はとても熱いインプロでじっくりと聴くと良いです。Spanish Sketch 静かに絵画を見ているようなイントロからスパニッシュ・スケールを使ったスペイン風のテーマとアドリブで雰囲気がコロコロと変わり演奏している方は大変そうな大曲です。Reprise アルバムをまとめる最後は曲と言うよりは映画の最後のようなスペイシーな小曲です。どこかで聞いたことがあるようなフレーズも出てきながら不思議な世界が何かの穴に少しづつ吸いこまれていくようなラストは面白い。
 久しぶりに聴いてみると結構良いアルバムで印象が変わりましたが、ヘビロテの棚には残念ながら行きそうにはありません🎶

piano, keyboards, programmed by (Synth), mixed by, producer : Chick Corea
technician (equipment) : Eric Seijo
technician (piano & rhodes) : Brian Alexander
bass : Jimmy Earl
drums : Gary Novak
guitar : Mike Miller
sax : Eric Marienthal

executive-producer : Dave Grusin, Larry Rosen
producer [production director Grp : Sonny Mediana
co-producer, executive producer, artwork by (cover concept) : Ron Moss

recorded by (recording manager) : Danny Byrnes
recorded by, mixed by : Bernie Kirsh
recorded at Mad Hatter Studios Los Angeles

1. Paint The World / Chick Corea, Gary Novak
2. Blue Miles / Chick Corea
3. Tone Poem / Chick Corea
4. CTA / Jimmy Heath
5. Silhouette / Chick Corea
6. Space / Chick Corea
7. The Ant & The Elephant / Chick Corea
8. Tumba Island / Chick Corea
9. Ritual / Chick Corea
10. Ished  / Chick Corea, Jimmy Earl
11. Spanish Sketch  / Chick Corea
12. Reprise  / Chick Corea



▶ Ritual


  

2025年2月9日日曜日

Nels Cline & Julian Lage ‎/ Room


 即興とアバンギャルドな世界感がヤバいです。Wilcoのギタリストとして知られる Nels Cline(ネルス・クライン)と現代若手ギタリストと当時言われていた Julian Lage(ジュリアン・レイジ)のギター・デュオ作品です。私的には、この手のジャンルは、余り持ち合わせていないので、タワレコとかで試聴してから興味本位で購入かと思われます。


 30歳離れたデュオですが、世代を超え、左チャンネル Julian Lage、右チャンネル Nels Cline とのこと。オーバー・ダブなしの格闘技のような音の応酬は、内面的な激しさが感じられます。テーマもありますが、通常のインプロビゼーションとは異なるところへ飛んでいくため、興味のない人は何をしているのか全く理解できないものとなります。
 私も何を意図しての、このインプロなのかは全く理解できませんが、フリージャズでも鍛えられてきた、耳に今では全く違和感はありません。ただ、エネルギー丸出しのフリージャズでは無く、音の持つ響きを楽しむ?静観しながら、その秘めたエネルギーを聞き入る作品かと思います。


 ギターと言う楽器は、アルペジオであったり、単音のノートであったり、ストロークでかき鳴らすなどのプレイが出来る楽器ですが、これを2本のギターで行う即興プレイはなかなか無いと思われます。このようなインプロに関わらず、ユニゾンのラインを息もぴったりであることにも驚きです。
 フリー・ジャズ、現代音楽、実験音楽、即興音楽、の境界線は、どこにあるのかマダマダわからないリスナーとしては若輩者ですが、この手の面白見は、最近感じ取ることが出来るようになってきました。このようなアルバムは、今日はいつもの音楽好きの集う「おでんバー」で爆音でかけたいと思います🎶

electric guitar, acoustic guitar : Julian Lage, Nels Cline

producer : Nels Cline & Julian Lage
released November 25, 2014
recorded December 1–3, 2013

1. Abstract 12 / Julian Lage
2. Racy
3. The Scent Of Light
4. Whispers From Eve
5. Blues, Too
6. Odd End
7. Amenette
8. Freesia / The Bond
9. Waxman / Cline, Lage
10. Calde / Lage

絶対に、永遠にまね出来ません。



  

2025年2月8日土曜日

Jeff Beck Eric Clapton / Giants Of Guitar


 これは最悪の録音状態でジェフベックとクラプトンのソロ音源のオムニバスです。発売元のレーベルは  CITADEL, MADE IN ISRAELとあり発売年は不明です。歴史のあるお二人ですから、このような音源は数知れずあるんでしょう。ライナー・ノーツなどは無しのペラペラのジャケットで情報的には、かなり不足しています。


 クラプトンはブルースセッションのライブ録音で、音は割れるしレベルがボコボコ変わるなど特に録音状態はかなり悪い。Burning Girl Releases, Release Date, Aug 04, 2014, 12 live tracks


 ジェフベックはスタジオ録音から選んであるので未だマシですが、音はペコペコです。 Faces and Places, Vol. 11, 10 tracks
 元音源自体が、おそらくBootlegのようなものを、趣味のように勝手に集めてアルバム化しただけなんでしょうがマニア受けはしそうです。
 クラプトンもベックも若い時からゴリゴリとドブルースを展開しています。ジェフはさすがにテクニカルですが、クラプトンはアマチュアっぽい演奏で、こんなギター弾いてたんだとアマチュア・ギタリストが勇気づけられるフーンの一枚です🎶

【Eric Clapton】
1. Big Boss Man
2. The First Time I Met The Blues
3. Louise
4. Five Long Years
5. They Call It Stormy Monday
6. Early In The Morning

【Jeff Beck】
7. Jeff's Blues
8. Shapes Of Things
9. I Ain't Got You
10. What Do You Want
11. Mister You're A Better Man Than I
12. New York City Blues
13. Someone To Love


Louise



  

2025年2月7日金曜日

Big Bill Broonzy ‎/ The Anthology

The Anthology (CD, Compilation, Remastered) アルバムカバー

 あの有名な Key to the Highway は Big Bill Broonzy(ビッグ・ビル・ブルーンジー)の曲でした。ミシシッピ州生まれで、本人は1893年と主張していますが、1898年、1903年生まれ説などもあります。この時代は黒人男性が働くのには、実際の年齢に上乗せすることは普通であったことであるため、年齢を高めに申告していたのは事実のようです。生地についてもアーカンソー州レイク・ディックとする説もあるとのことで出身地も舐められないために偽ることも多かったものと想像されます。

 ブルースマンについて、色々見てたら意外だったのが、戦前ブルースの有名人たちの年齢で、下記に、生まれた年を列記すると
チャーリー・パットン          1891年
ビッグ・ビル・ブルーンジー 1893年
サン・ハウス        1902年
スキップ・ジェイムス    1902年
ハウリン・ウルフ      1910年
ロバート・ジョンソン    1911年
エルモア・ジェイムス    1918年
 Robert Johnson(ロバート・ジョンソン)の方が元祖だと思ってたら全くの後輩で、そんな元祖なのに動画なんかも、しっかり残っているのは驚きです。ロバート・ジョンソンなんか音源だけですからね。でも音源を聴いていると Big Bill Broonzy の方がずっと都会的で難解な ロバート・ジョンソンの方が難解な節回しとリズムですから、それはそうだとも理解できます。
 歌の独特の節回しがブルースを感じるとともに演歌っぽいとも感じます。また彼は生涯で300曲以上を作曲したと言われていますが、本アルバムの曲名を見ていると酒、女 がテーマの曲は少ないように感じます。「シカゴブルース界の吟遊詩人」「シカゴブルースの風」とも呼ばれ、若干カントリーの源流の匂いも感じます
 昔のラジオを聴いているようでノスタルジックな気分になれますが、2枚組50曲は疲れるかもしれません🎶

【DISC1】
1. Where the Blues Began
2. Key to the Highway
3. John Henry
4. Big Bill Blues
5. Martha Blues
6. Saturday Evening Blues
7. Glory of Love
8. Backwater Blues
9. Little City Woman
10. You Changed
11. How You Want It Done
12. By Myself
13. Jacqueline - (featuring Washboard Sam)
14. Hollerin' Blues
15. Willie Mae Blues
16. C.C. Rider
17. South Bound Train
18. Mopper's Blues
19. Lonesome
20. Mississippi River Blues
21. Mindin' My Own Business - (featuring Washboard Sam)
22. Never Never
23. Bill Bailey
24. Get Back
25. Careless Love

【DISC2】
1. Whiskey and the Good Time Blues
2. Midnight Special
3. I Know She Will
4. Five Feet Seven
5. Stump Blues
6. Preachin' the Blues
7. Water Coast Blues
8. Lonesome Road Blues - (featuring Washboard Sam)
9. Hey Hey
10. Crawdad
11. Walkin' the Lonesome Road
12. I'm Gonna Move to the Outskirts
13. Shine On, Shine On
14. San Antonio Blues
15. I Don't Want No Woman
16. Diggin' My Potatoes - (featuring Washboard Sam)
17. Tell Me Who
18. Tomorrow
19. Sweet Honey Bee
20. Wee Wee Hours
21. Romance Without Finance - (featuring Washboard Sam)
22. Old Man Blues
23. Make My Get Away
24. I Feel Like Crying
25. Sad Letter Blues






  

2025年2月6日木曜日

incognito / Souvenir for Japan


 Souvenir(すーべにーる)ってのは、「お土産」って意味だそうです。なんで、こんな名前のアルバムになったかって、日本限定発売だからだそうです。
 と言っても、完全に日本の為に曲を書き下ろした訳では無く、新曲も収録されているものの旧来の曲のリミックス・バージョンが散りばめられています。私は、このバンドの Pieces Of A Dream の数々のリミックスに過去投資をしてきましたが、またブルーイの金儲け戦略にハマってしまう訳です。今のデジタルな録音では各パートがキッチリと録音されて独立して残っているのですから、これに様々なエフェクトかけたり切り貼りは可能な訳で、リズムパートだけ別につくって合成すれば、腕の良いエンジニアに任せれば、無限大に様々なバージョンが創れるわけですから、うまみのある産業構造になっていますね。
 ジャケットで買う私のようなタイプは良いカモで、こうやって、曲を頭の中に刷り込まれてファンになっちまう訳です。恐るべき音楽ビジネスの洗脳ですが、聞いていて気持ち良いんで、はめられているのも良いかなとは思ってます。
 全世界に incognito 中毒者を発生させている親玉は Jean-Paul 'Bluey' Maunick


 2013年 Bluey は初ソロ Leap of Face を発売し日本で公演もあり、グループとして世界各地をライヴの1 年行った〆が日本なので、日本のファンへの「ギフト」=日本独自企画盤となったとのこと。また、同年急逝した Donald Byrd(ドナルド・バード)のトリビュート公演も行い、Bluey でもあり、バードの 1980年代前半作の Love Has Come Around をインコグニートとしてもニュー・レコーディングしています。これは、ますます騙されてもしょうがないでしょう。

 蛇足ですが、incognito とは「身分を隠す」という意味だそうで、色々とググってたら「Incognitoモード」って単語にぶち当たりました。これはプライベートブラウジングとも呼ばれ閲覧履歴やCookieを保存せずにネットサーフィンをすることができる機能のことのようです。

アイコンがこちら

なんとなく、Bluey を感じますね。お後がよろしいようで・・・🎶

1. Love Has Come Around / William Duckett
vocals : Valerie Etienne
keyboards : Matt Cooper
lead guitar : Jim Mullen
guitar, producer : Bluey
bass : Francis Hylton
drums : Francesco Mendolia
percussion : João Caetano
sax : Jamie Anderson
trumpet : Sid Gauld
trumpet, arranged by : Dominic Glover

2. Lowdown (Ski Oakenfull Remix) / W. Scaggs, D. Paich, 
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

3. 1975 (Ski Oakenfull Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Joy Rose
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

4. Put A Little Lovin' In Your Heart (Bluey Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

5. Life Ain't Nothing But A Good Thing (Bluey's Jazz Funk Raw Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer, remix : Jean-Paul Maunick

6. Ain't It Time (Club Surreal Mix) / A. Manning, P.J. Wyatt
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

7. The Less You Know (Bluey's Extended Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

8 Take A Chance On Me (Single Edit) / Jean-Paul Maunick, Richard Bull, Richard Bull
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

9. Smile / Ed Motta, Rob Gallagher
electric piano (Rhodes), clavinet (Honer D6), percussion, vocals : Ed Motta
guitar : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
bass : Robinho Tavares
drums : Sergio Melo
alto sax : Ze Canuto
tenor sax : Marcelo Martins
trombone : Aldivas Ayres
trumpet, flugelhorn : Jesse Sadoc

10. All The Way w/ Wouter Hamel (Bluey's & Ski Incognito Remix) / James Van Heusen, Sammy Cahn
Remix, Producer, Arranged By – Bluey (3), Ski Oakenfull