1958年録音の作品でワンホーン・カルテットでの録音はこれだけしかないですが、なんといっても芸術的にどうだとか、あのソロが良いとかいうのとは別の次元の、実にイキな演奏は聞いてみてほしい。と改めて聞き直して気づいてしまいました。これは他のも聞かなければいかんです。
とにかくトランペットの発音が品行方正でメロディも含めてダンディな響きで、この録音時はまだ19歳だったということにもかなりの驚きです。ティーンにして、このダンディズムにはおそれいります。全体の構成は軽く軽快であり聞きやすくて平坦でありながらクオリティが平均的に高いので、落ち着いた気分で本を片手に珈琲を飲みながらといったシチュエーションが似合うアルバムではないでしょうか。
多作な人なのでこの後も多くの作品を残していますが、この頃のLee Morganの状況を見ていたら、前年の18歳でDizzy Gillespie のビッグバンドに参加していましたが直ぐに解散、またコルトレーンのBlue Train への参加、Art Blakey のメッセンジャーズへの参加し Moanin ' のレコーディングなど1957年’58年はミュージシャンの起点となる大事な年であったようです。じっくりと聞きながら「ああジャズっていいな」ってストレートに誰もが感じられるおススメです。
trumpet : Lee Morgan
piano : Sonny Clark
bass : Doug Watkins
drums : Art Taylor
1. Candy
2. Since I Fell For You
3. C.T.A.
4. All The Way
5. Who Do You Love I Hope
6. Personality
7. All At Once You Love Her