2021年5月19日水曜日

本日のCD Lee Morgan ♪ The Sidewinder

 

 1958年作の「Candy」を聴いていて、丁寧なトランペットに発音とダンディな響きに感動して他のアルバム持ってませんか?と聞いたら速攻でこの「The Sidewinder」を薦められました。その時はほろ酔いでYoutubeで聞いてたんで後日買いに行こうと思って心に留めて置いたら、なんと未聴盤の山の中から既に購入済であるCDを発見しました。いつもの「しまった!重ね買いだ」は避けられたので良かったです。
 何回か繰り返し聞いてから「そういえば、サイドワインダーって聞いたことがあるけどなんだっけ? 」「ガラガラヘビ」「卑劣なヤツ」の二つの意味がありました。タイトル曲の曲調が挑戦的だから「ガラガラヘビ」だろうなと思ってたんですが、割と直ぐに解答が見つかりました。「"The tune kind of put in mind of the sidewinder - you know, the 'bad guy' on the television " There's a snake called the sidewinder, but I was thinking of the bad guy 」のテレビで見た〈bad guy〉のことだよとの記述あり「卑劣なヤツ」。やっぱり誰もが気になるとこなんですねえ。日本語版のライナー・ノーツには書いてなかったんですが、英語版のほうには書いてありました。読んだ方が勉強になるんですけど字が小さくて読みづらいので読まないことも多い英語版ライナーノーツに改めてなるほど。
 さてこのSidewinderは変わったリズムの上に明るいメロディが乗っているように聞こえるが風変りなメロディ、つまり8ビートを取り入れた演奏で、24小節構成のテーマの17~18小節目にメジャーコードからマイナー・コードへのコード転換が盛り込まれる曲で革新的なジャズ・ブルースと言われています。セールス的にはアルバム・チャートで最高25位、シングル・チャートで最高81位です。ジャズでのチャート入りは相当の大ヒットでした。
 ここからこの手のブルースはジャズ・ロックと呼ばれるようになったとのことですが、現代人は多種多様なジャズが聞けるため「ただのジャズじゃないの?」とあまりピンとこないですね。
 このアルバムは日本版でのボーナスとして「Totem Pole」の alternate take が収められています。オリジナル採用のほうが派手目で後者のほうが正統派ジャズっぽいものとなっています。オリジナルには少し荒削りのほうを採用したのはアルバム全体の方向性を考えてのことだったんだようですが、あえて変化があるほうを採用して対比するのもありだったのではないか?などと楽しみながらこれも聴いております。
 「Candy」以降にどのように変わっていくのかを聞きたかったLee Morgan。イメージとしては、「Candy」では真面目な好青年だったトランぺッターが、6年経った「The Sidewinder」で、チョイ悪オヤジになったような感じで、だいぶ雰囲気が異なるワイルドさを増した演奏となっています。ここに至るまでのアルバムが5、6枚ありますので、途中の過程を揃えて聴くことを楽しみに、中古盤探しにいかねば。

trumpet : Lee Morgan
tenor sax : Joe Henderson
piano : Barry Harris
bass : Bob Cranshaw
drums : Billy Higgins

1. The Sidewinder
2. Totem Pole
3. Totem Pole (alternate take)
4. Gary's Notebook
5. Boy, What A Night
6. Hocus-Pocus





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