2025年4月24日木曜日

Chick Corea & Herbie Hancock / An Evening with Chick Corea And Herbie Hancock

 


 最近聴いている音源には Herbie Hancock が多いですが、Chick Corea については、Electric Band系が多いかと思っていたら、Miles 作品が多いでしょうか。この両者の共通点として直ぐに思い浮かぶのは、若い時は思いっきりアコースティック・ジャズのミュージシャンであったのが、ある時思いっきりエレクトリックに傾倒し、またアコースティックに戻ってきているところです。このアルバム購入は2025年に入ってからで、特に目的としてのこう購入でなく、たまたま中古屋で見かけたから。私には興味津々ですが、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、余り好まれて聴かれることの無い二人です。しかし先に家で封を開けて聴いたところ素晴らしい。敢えて、皆様の先入観を変えるために持って行きました。が、人の先入観はなかなか変えることが出来ないもの、悪評ではないものの、無反応に近い。うーん、これは残念。しかし音楽は自分で聴いて、どう感じるかです。他人の評価に惑わされることがあるものの、自分が良いと感じることが心の栄養に大事なものです。


 Chick Corea と Herbie Hancock、共演と言えば Miles Davis / In A Silent Way (1969)Live Evil (1971) などが有名ですが、ライナーノーツには、二人の繋がりが、もっと原点にあると掲載されています。Chick のデビュー・アルバムは1962年7月にニューヨークで録音されたラテン音楽のバンド、Mongo Santamaría の「GoMonGo!」で、この頃 Herbie は Donald Byrd のバンドにいて、土曜日だけ Mongo Santamaría のバンドで演奏していたそうです。そして、当時未完成だった Herbie のオリジナル「Watermelon Man」を Mongo Santamaría が取り上げて大ヒットとなり、Herbie 初のリーダー・アルバム Takin' Off (1962) でも収録され大ヒットし、様々なミュージシャンにカバーされたり完全オマージュの別名の曲が演奏されるなんてことも起きています。共演こそしていないものの両者の Mongo Santamaría への参加、そして「Watermelon Man」へと点と点がつながってくると言う、エピソードは謎解きのようでワクワクしますが、ここでは残念ながら演奏されていません。


 このアルバム 1978年2月ライブ録音。6曲中3曲がChick、1曲がHerbie、1曲がChick  & Herbie、そしてバルトークのピアノ曲で、ライナーノーツの英語版では、このアルバムは、二重奏 (Duets) であるが、勝負・決闘 (Duels) ではないと書かれ、Duets には「二人だけの対話」の意味がある。対話ではあるが「対決」はあり、インプロビゼーションの最もピュアーかつスリリングな局面が凝縮されているとも書かれています。このライナーツのライターの 久保田 高司 氏の研究心、書きっぷりは中々マニアで読み応えありました。ステレオで注意深く聴きたい方は、右が Chick、左が Herbie です。
 それでは、全曲レビューしていきます。「Homecoming」Chick Corea の作曲です。格調高きクラシックのようであり、フュージョンのようでありながらの実はジャズ・インプロであるのが凄い。2台のピアノを名手が演奏するので、広がりがある美しい展開、打楽器のようなピアノの使い方などテクニックやピアノを知り尽くしたアイデアも堪能できます。拍手の大きさ、笑い声などからも顧客サービスたっぷりのパフォーマンスもあるようで、おそらくピアノの鍵盤前から離れてのピアノの弦の中に手を突っ込んでのパーフォーマンスをしながら、手を挟まれるギャグなんかもやっているように音から推測できます。映像で見てみたい気もしますが、見なくても想像できる録音です。「Ostinato」はバルトークの「Mikrokosmos」よりと書いてあります。他の演奏を聴いたことが無いので、この演奏の凄さはわかりませんが、1曲目で耳馴れしてくると、オーケストラでも聴いているかのような立体感のある演奏に聞こえますが3分だけの超ショートであさめています。「The Hook」は Chick と Herbie の共作となっています。こちらは最初からインプロ感のある演奏で、ウネウネとお互いの感情を探りながら変化していきます。特に印書に残るのは、ギターのピッキング単音のような響きのリフを延々としてる部分で鍵盤を叩いているだけなのだろうか?それとも、ホントにピッキングでもしているのだろうか?気になります。11分過ぎのミュート気味の音はピアノの弦の上に何かをのっけて鍵盤を叩いての音だろうか?とか、それを過ぎると二人の単音連打による打楽器的なアプローチ。かなり独創的です。「Bouquet」 Herbie が Chick を紹介しての Chick の独奏。こちらについてはガチガチの遊びとお笑い要素無し。Herbie の紹介部分があるから1曲目の Homecoming と実質的には同じぐらいですが、最長の19分22秒の演奏です。途中何かラテンの曲からの引用もあることだけは解りますが、何の曲かはわからないのが悔しいところ。「Maiden Voyage」そして Herbie の名曲の登場です。Maiden Voyage (1965) では、Freddie Hubbard のトランペットが印象的なジャズ曲でしたが、ピアノのデュオでやると透明感のある曲に変わります。イントロから始まるコードリフだけで客はヤンヤです。ファンは大興奮ですね。ピアノだけのプレイですが、ここにきて私も頭がハッと覚めます。「La Fiesta」Chick 作曲のスパニッシュかラテンと思いきやイントロからはラテンの雰囲気は微塵も無し。でも途中のソロからスパニッシュになり、おそらく Chick の演奏に合わせてスパニッシュにあるリズムの手拍子?っぽいヤツを Herbie が合いの手を入れて雰囲気が盛り上がります。
 なにしろ、名手の二人であり息もぴったり、アイデア満載のファンサービスたっぷり。ありがたいけど退屈なアルバムではありません🎶🎹 

piano (steinway) : Chick Corea, Herbie Hancock

producer : Chick Corea, David Rubinson
recorded live at Masonic Auditorium, San Francisco; Dorothy Chandler Pavilion, Los Angeles; & Hill Auditorium, Ann Arbor; February, 1978.

1. Homecoming / Chick Corea
2. Ostinato (From Mikrokosmos For Two Pianos, Four Hands) / Bela. Bartok
3. The Hook / Chick Corea, Herbie Hancock
4. Bouquet / Chick Corea
5. Maiden Voyage / Herbie Hancock
6. La Fiesta / Chick Corea





  

2025年4月23日水曜日

The Headhunters / Straight From The Gate

 

 Herbie Hancock (ハービー・ハンコック) のメガヒット作 Head Hunters(1973) のレコーディング・メンバーが、ハンコック抜きでそのままバンドを結成したバンドが、名前もそのまま Headhunters(ヘッドハンターズ)。デビュー作は Survival of the Fittest (1975) で、1975年はこのメンバーでツアーに出ていて6~7月には日本公演も行っています。本作は、1977年録音の 2nd なのですが、なんと2枚目にして活動を終了。しかし1988年に、ハンコック主導で、Return of the Headhunters! (1988) で活動再開し、Evolution Revolution (2003)、Platinum (2011)、Live in Europe (2008) とスタジオ録音2枚、ライブ録音1枚を遺しています。
 メンバーのギタリスト Obsidian Blackbyrd (DeWayne McKnight) は、1978~2021年に、Blackbird McKnight として、Parliament-Funkadelic に参加、John Frusciante の前任として1988年に Red Hot Chili Peppers に DeWayne McKnight で参加しています。


 本作では前作から引き続いてのレコーディングメンバーは、ギターの DeWayne McKnight, ベースの Paul Jackson、ドラムの Mike Clark、管楽器の Bennie Maupin となり、結構メンツは入れ替わっています。サウンド面で特に大きく変わったのは、ボーカルの Derrick Youman が加入し、キーボードで Paul Potyen が参加している点で、アフリカ的な影響はほぼ消失し、歌物も多く収録され、録音当時の音楽シーンが変化し、ダンス志向の要素が強まっており、ディスコの影響などもこのバンドにも及んでいたようです。
 それでは、前作とはガラッと表情を変えた本作を、楽しみながら聴いて全曲レビューしていきます。「Straight From The Gate」頭からタイトル曲で、Paul Jackson のベースがタイトに鳴るヘビー・ファンクで、ボーカル・コーラスには、明らかにE.W.&F. の影響が聴いて取れます。インストメインのバンドから、ソウル・ファンクのメイン・ストリームに食い込んでいこうとする意志が伝わります。「Mayonnaise」イントロからは、ハードな E.W.&F. になるのかと思いきや、Brecker Brothers 的な、ファンク・フュージョンです。似たサウンドではあるものの、Brecker Brothers よりアクは少な目ですが良い感じ。「Ms. Yum Yum」ブルース的要素がある The Crusaders 的インスト。アンニュイにキュイーンと言う McKnight のギターが印象的です。ここにも時代の流れを感じます。「Don't Kill Your Feelings」ここでも、明らかにE.W.&F. の影響がありますが、プログレッシブなピアノ・ソロなどがミックスされています。「Descending Azzizziuh」プログレッシブなジャズ・ロックで、ミュージシャン魂を入魂が気持ち良い。「I Remember I Made You Cry」打って変わってのソウル・ナンバー。出だしは、David Sanborn の Love & Happiness 的なのが嬉しい。「Pork Soda」前曲からメドレーのようにラテン・パーカッションのテクニカルなフュージョンに突入。ゴリゴリの McKnight のギターが吠えてます。「Dreams」ボーカルもの Norman Connors 風のフィリー・ソウルもやってのけます。「Silhouette」ラストは、硬派なフュージョンで、ここでもミュージシャン集団であることの主張を感じます。
 アルバムの構成としては、様々な要素がミックスされすぎていて入門としては難解かもしれません。やはり The Headhunters を聴くなら1枚目の Survival of the Fittest (1975) を聴いたうえで、ここに進んできた方が楽しめると思います。器用すぎる才能あり過ぎる音楽集団なので、次のアルバム制作に進むのが難しかったのは何となく理解できます🎶



lead vocals : Derrick Youman
piano, electric piano, clavinet, synthesizer (arp odyssey, arp string ensemble), organ, backing Vocals : Paul Potyen
electric guitar, acoustic guitar, sitar (electric sitar), backing vocals : Obsidian Blackbyrd (DeWayne McKnight)
bass, backing vocals : Paul Jackson
drums : Michael Clark
percussion : Bill Summers
bass clarinet, flute, soprano sax, tenor sax, vocals : Bennie Maupin

producer : David Rubinson & Friends, Inc., The Headhunters
written-by : The Headhunters
lyrics (1) by : Joel "Twinkles" Smith, Maurice Holloway, Wallace Mitchell
recorded At The Automatt, Automated Recording Studios in San Francisco May and June, 1977

1. Straight From The Gate
2. Mayonnaise
3. Ms. Yum Yum
4. Don't Kill Your Feelings
5. Descending Azzizziuh (The Beginning Of A Dream)
6. I Remember I Made You Cry
7. Pork Soda
8. Dreams
9. Silhouette





  

2025年4月22日火曜日

Lee Morgan / Candy


 1958年録音の作品でワンホーン・カルテットでの録音はこれだけ。なんといっても芸術的にどうだとか、あのソロが良いとかいうのとは別の次元の、実にイキな演奏はやっぱり良い。これは他のも聞かなければいかんと思い、この作品を皮切りにその後色々な作品を聴いてきました。Candy 1957、Leeway 1960The Sidewinder 1964Sonic Boom 1967
 とにかくトランペットの発音が品行方正でメロディも含めてダンディな響きで、この録音時はまだ19歳だったということにもかなりの驚きです。ティーンにして、このダンディズムにはおそれいります。全体の構成は軽く軽快であり聞きやすくて平坦でありながらクオリティが平均的に高いので、落ち着いた気分で本を片手に珈琲を飲みながらといったシチュエーションが似合うアルバムではないでしょうか。


 それでは、作品全体をレビューしていきましょう。Candy 甘いメロディーで明るいラブソングです。色々な人に演奏されている曲ですが、1956年の Nat King Cole が、有名なところです。ボーカルものと比較にはならないですが、Lee Morgan のこのバージョンは、後にも愛される名演と言える出来だと思います。2分49秒のトランペット・ソロの出だし4分17秒の違和感も、誰もマネできない天才的なアイデアと感心します。Since I Fell For You 先輩たち Sonny Clark トリオの素晴らしい後押しで、この胴の入った演奏ができるのか、先輩たちに負けてられるかとの演奏なのか、端正な音使いでのトランペット・ソロです。目立ち過ぎずに、これまた、いぶし銀のピアノが実に心地よいです。 C.T.A. は、テナー奏者 Jimmy Heath の作曲した曲です。こういった早いバップは聴いてい楽しい。All The Way は、1957年の映画 The Joker Is Wild (最近のホラーのヤツではありません)の主題歌で、ここら辺は当時の流行りを意識の曲ですが、A&M の誰かの作品群のように商業的で軽くはなく、抒情的に丁寧に作られています。ありです。Who Do You Love I Hope これも映画アニーよ銃をとれの主題歌ですが、実に明るいトランペットのソロが映える良い曲。Personality は、1940年代のポピュラー・ソングで、丁寧なトランペットがテーマ部分でバンドを牽引し、ソロからガラッと表情を変えて雄弁になる対比も素晴らしい。決して若造の吹くトランペットでは無いものが感じられます。All At Once You Love Her リイシュー盤につくボーナストラックです。スリリングな名演が付け加えられています。
 多作な人なのでこの後も多くの作品を残していますが、この頃のLee Morganの状況を見ていたら、前年の18歳でDizzy Gillespie のビッグバンドに参加していました。しかし直ぐに解散、またコルトレーンのBlue Train への参加、Art Blakey のメッセンジャーズへの参加し Moanin ' のレコーディングなどがあります。1957年’58年はミュージシャンの起点となる大事な年であったようです。じっくりと聞きながら「ああジャズっていいな」ってストレートに誰もが感じられるおススメです🎶

trumpet : Lee Morgan
piano : Sonny Clark
bass : Doug Watkins
drums : Art Taylor

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on November 18, 1957 (#2, 6 & 7) and February 2, 1958 (#1, 3 to 5)
tracks 1-6 originally issued in 1958 as Blue Note BLP 1590.
#7 is a bonus track (not part of original LP) originally issued in 1987 on the first CD issue of this album

1. Candy / Alex Kramer, Joan Whitney, Mack David
2. Since I Fell For You / Buddy Johnson
3. C.T.A. / Jimmy Heath
4. All The Way / Sammy Cahn & Jimmy Van Heusen
5. Who Do You Love I Hope / Irving Berlin
6. Personality / Jimmy Van Heusen And Johnny Burke
7. All At Once You Love Her / Rodgers & Hammerstein

Candy

C.T.A.



  

2025年4月21日月曜日

Jaco Pastrius / Word Of Mouth Band 1983 Japan Tour featuring Kazumi Watanabe


 2012年リリースの発掘音源です。渡辺香津美がマイクスターンの推薦よって参加したワード・オブ・マウス・ビッグバンドの日本ツアーのミキサー卓から録ったカセットテープ音源なので音質もばっちり、リリース後に聞いた時には、これはすごい音源だとビックリしました。

 ジャコは1982年にウエザー・リポートを脱退し、ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドで、Invitations を録音しています。そして同年に東芝のオーディオ製品のブランド名を冠したオーレックス・ジャズ・フェスティバルで来日しています。その翌年の1983年にスモール・コンボとして再び日本でツアーを行ったのが本アルバム。1982年のツアー時には、かなりの奇行ぶりで、その後のイタリア・ツアーでは長すぎるディストーション・ソロとステージ放棄で2万人観客からのブーイング事件、ホテルのバルコニーの手すりから落下して骨折事件などお騒がせな時期だったはずですが、ここではフィジカルな演奏を見せており、素晴らしい録音内容です。特におかしなエピソードも見かけないので、安定期だったようですが、その頃二人でドラッグと酒にはまっていたマイク・スターンが来日できなかったことを思うと、そうでもないような気がします。ライナーノーツで渡辺香津美は、この後ツアーへの参加を要請されたけど断った、参加すればよかったと思っていたとの記述もありました。しかし、この頃のジャコは迷惑なエピソードのオンパレードで、それはリップサービスで実は渡辺香津美氏も危険を感じていたのでは?とも思ってしまいます。ライナーノーツに書いてあるツアーでのメンバーのエピソードを見ていると楽しそうな現場だったようです。


 全曲レビューしときます。 Disc1 から、Soul Intro, The Chicken ジャコと言えばこれです。The Chicken は、我々アマチュア・バンドでもセッションでは皆が楽しめる曲でお世話になってますし、ジャコが付け足した Soul Intro とのセットがやはり定番です。ジャコのベースもオルガンのようにブーストがかかり、演奏内容も良い状態です。Clean Up Woman 昔 Wayne Cochran のバンドに在籍していたジャコの思い出の曲ですね。Dermar Brown のボーカルも、かなりのハイレベル。ソウルに根差して鍛えられたベースのリズムを改めて認識ですが、2分3秒の超ショートでのフェイドアウト。Bass Solo は、MXRデジタル・ディレイを使用した、いつもの一人ソロですが、このベースソロは、よく聞くジミヘンなどは入れずに創造的です。時にやり過ぎてしまって不評を買うことも多かったソロですが、こいつは素晴らしい。Black Market これは Wether Report 時代の名曲で香津美氏のギターが、思いっきりヘビーに暴れているのが嬉しい。Black Market 1976。そして John & Mary は、ジャコの子供の名前をタイトルにした民族音楽的な楽曲、Word Of Mouth 1981 ですが後半は、原曲は後半がワールド・ミュージック風だったが、本アルバムではソウル風のアレンジ。Dania 正式アルバムには収録されていない Jaco Pastorius / Live In New York City Volume One に収録のジャコのスキャットが聴けます。その他FM東京のオンエアをCD化したブートレグっぽい正式リリース盤 Jaco Pastorius Band / Tokyo 83 なんかもありますが、聴き比べても、この盤の演奏は録音状態も含めて良いですね。
 続いて Disc2 です。Reggae Tune, Who Knows ジャコの作曲?発案?のレゲエセッションに、ジミヘンの Who Knows のドッキング。18分26秒の長尺で最後はプチっと終わり。好きな人には良いですが少々やり過ぎ感はある。Teen Town, Changes ジャコのセッションなどでも定番の Teen Town はディストーションのギターとも相性が良く、他でもハイラムが気持ちよくギュンギュン弾いているのもありますが、ここでは香津美氏がホント暴れっぷりが素晴らしい。私はハイラム・ファンであり悔しいですが、Jaco Pastorius / Live In New York City Volume One 、 Vol Two より、こちらの方が聴きごたえあるかな。Havona は、Wether Report / Heavy Weather 収録のジャコ作曲の名曲です。このコンボより少し大きい人数の編成でのスピード感のある演奏と非常にマッチしています。ジャコの指さばきも、速さ正確さパッションとも絶好調です。さらに Beavor Patrol は、正式アルバムには収録されていないナンバーで、この録音は Jaco Pastorius Band / Tokyo 83 と同じものと思われます。Fannie Mae, Why I Sing The Blues これもジャコの定番曲のメドレー。安定感は抜群です。


 ジャコのアルバムは、必ずしもコンディションの良くないジャコを悲しくなりながら聞いてしますこともありますが、このアルバムはホント聴けて良かったです。病気療養中の渡辺香津美さま、改めて有難うございます!

Jaco Pastorius“WORD OF MOUTH”Band 1983 ジャパン・ツアー・スケジュール
5月10日 大阪フェスティバル・ホール
5月11日 福岡サンパレス
5月13日 名古屋市公会堂
5月14日 宮城県民会館
5月15日 神奈川県民ホール
5月17日 新潟市県民ホール
5月19日 札幌厚生年金ホール
5月21日 新宿厚生年金ホール
5月22日 新宿厚生年金ホール(2ステージ)

bass : Jaco Pastorius
trumpet : Ron Tooley
sax : Alex Foster
keyboads, vocals : Dermar Brown
percussions : Don Alias
steel drums : Othello Molineaux
drums : Kenwood Denard 
guitar: Kazumi Watanabe

【Disc 1】
1. Soul Intro, The Chicken / Jaco Pastorius, A.J.Ellis
2. Clean Up Woman / Clarence Reid / Willie Clark
3. Bass Solo / Jaco Pastorius
4. Black Market / Joe Zawinul
5. John & Mary / Jaco Pastorius
6. Dania / Jaco Pastorius

【Disc 2】
1. Reggae Tune, Who Knows / Jaco Pastorius, Jimi Hendrix
2. Teen Town, Changes / Jaco Pastorius, Buddy Miles
3. Havona / Jaco Pastorius
4. Beavor Patrol / Jaco Pastorius
5. Fannie Mae, Why I Sing The Blues / Buster Brown, B.B.King


▶ Havona

▶ Dania


  

2025年4月20日日曜日

Donald Byrd / Free Form

 

 1961年録音のドナルド・バードのメンバーがかなり贅沢なリーダー作です。ピアノがHerbie Hancock、サックスは Wayne Shorter、ベースは、Butch Warren(ブッチ・ウォレン)で、私所有の音源では、このアルバム関連ではハンコックの初ソロアルバムにHerbie Hancock / Takin' Off(1962)、ハンコックとの別の共作 Donald Byrd & Herbie Hancock / Royal Flush(1961)、に参加、他、Thelonious Monk / The Classic Quartet(1963)Thelonious Monk / It's Monk's Time(1964)なんかもあります。ドラムの Billy Higgins は、様々なシーンで見かけますが、Herbie Hancock / Takin' Off(1962)、 Donald Byrd & Herbie Hancock / Royal Flush(1961) には、やはり参加のこの時期の鉄板メンツです。
 アルバムの全体的な印象としては、ジャズ・ロックを開発したと言われる Lee Morgan の The Sidewinder(1963)を先取りしているような感じです。8ビートを入れただけでジャズ・ロックってのも少し違和感がありますが、その仕掛人として、Sidewinder にリズムの要として Billy Higgins が参加していたのにも、流れがあることを勝手に聴きながら考察してます。


 このアルバムは2025年に Disk Union で中古購入のもので、しばらく家で寝かせてから、いつもの行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に持って行きましたが、Donald Byrd には結構渋いマスターも上々の反応を見せてくれたのが、ちょっと嬉しい感じです。マスターは、Herbie Hancock にも渋い反応が時々あります。
 ということで、全曲レビューしときます。Pentecostal Feeling タイトルの Pentecostal は、ライナーノーツに子供の頃に通っていた教会のイメージの作品とのことで、地名かと思っていたら、アメリカのプロテスタント教会の一派であるとのこと。非常に明るいイメージでの曲でバードは楽しい子供時代をここで過ごしていたことが伺えます。ハンコックのピアノも、ジャズよりもレイチャールズ的なニュアンスを意識しているしゴスペル的なものも感じます。2曲目の Night Flower はハンコックからの楽曲提供のジャズ・バラード。聴いていると自然なコードワークに聞こえますが、演奏者は次にどんなコードがくるのか予想できないパターンらしいです。そう言われると一音づつに付けられたコードがクルクルと変化しているような気もします。Nai Nai 明るい曲が来ます。リーダーのソロも高音域で軽やかにコロコロする奴で実に快調です、次いでショーターのソロもゆったり目からドンドンと音を詰め込んでいきハンコックへの受け渡し部分は少し中途半端かと思いますが、上々のソロ、正調な響きが楽しい。French Spice 作品としては、シカゴの女性コーラス・グループの為にバードが書いた作品で、イントロはソロりとテーマからリズムが躍るタイプの曲になり、創作ダンスにコーラス・グループは使っていたらしい。Free Form アルバムのテーマ曲で音楽的な創作テーマが盛り込まれていて、このアルバムでの中で異色の音楽性の作品です。テーマがはっきりした楽曲ではないと思っていましたが、解説によると1回目、2回目のテーマは同じ音程で進行しているが、開始は別の音からスタートしているとのこと、なるほどそれでインプロ作品に聞こえるわけです。音は12音を使った音階と思いきや2回のテーマをつなげると12音になるらしい。Billy Higginsn のドラムにもリズムは指定せず、メロディーにもリズムはつけなかったとも書いてあります。何が書いてあるかの判別が楽器をやっていない方にはさっぱりわからないですね。つまりはテーマの部分だけ2回で12音使うことがルールでリズムを指定しない、つまりトランペットとサックスで同じ音程をお互いの音を聴きながら次の音が予測はできるので、完全にインプロではない。ソロはさすがに12音の制限はしていないと思われますので最初だけ、ちょっとルールは付けた、ほぼインプロなのですかね。いずれにしろ、最後のテーマ曲は、緊張感がありエネルギーは感じます。
 聴けばスルメのアルバムのうちに入るかと思いますが、最後の曲が、やはりこの曲のメインテーマ、そこに持って行くまでにリハーサルのように普通の楽曲を演奏しているわけです。もしかしたら最後の曲以外は全部おまけのような存在かもしれない、等と色々な想像ができます。考えると奥が深いような気もしますが、実は何も考えない散漫な曲の羅列の可能性もあるかと思うと、やはり面白いです。つまり1曲を聴くのではなくすべてを順番に聴いて最後に???と考えると不思議な感覚が味わえる。うんスルメかな🎶

trumpet : Donald Byrd
piano : Herbie Hancock
bass : Butch Warren
drums : Billy Higgins
tenor sax : Wayne Shorter

producer : Alfred Lion
recorded by Rudy Van Gelder
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
recorded on December 11, 1961.
photography by (cover photo), deesign : Reid Miles

1. Pentecostal Feeling / Donald Byrd
2. Night Flower / Herbie Hancock
3. Nai Nai / Donald Byrd
4. French Spice / Donald Byrd
5. Free Form / Donald Byrd





  

2025年4月19日土曜日

Wes Montgomery / Down Here On The Ground

 

 A&M Records でのウェスの作品です。プロデューサーが、白人リスナーへのセールス的な音楽のビジョンの才能を持っていたと言われる Creed Taylor(クリード・テイラー)です。ウェスの Creed Taylor プロデュース作品としては、私の所有音源では A Day In The Life(1967)Road Song (1968)、そしてこの作品 Down Here on the Ground(1968)の3部作の、イージー・リスニング路線で、オーケストラも入れた大人数の編成の作品が連なります。ウェスは全く譜面が読めない人だったので、このような録音の場合は、ウェスにコンボで好きに演奏させてから、その録音にビッグ・バンドをオーバーダブするという方法がとられたとのことを見たことがありますので、おそらくこの録音も、そのような手法で作られたものと思われます。私的には、音源では A Day In The Life(1967)Road Song (1968) の、こうしたの商業的な作り方とコンセプトの音は、あまり好きでは無かったのですが、2枚も持っていたのでもう一枚も聴いてみなければと思っての意識を持った購入です。
 

 他の A&M Records 2作のほうが有名ではありますが、この作品は少しテイストが違い、イージー・リスニング路線ではあるもののとはテイストが違います。ストリングスは入っているものの人数は少なく、ピアノ Herbie Hancock、ベース  Ron Carter、ドラム drums  Grady Tate のコンビネーションが浮き出てくるようになっており、オーケストラで過度の装飾をしたような2作より地味ではあるものの、私の好みでした。


 結論を先に書いてしまいましたが、全曲レビューします。Wind Song 元曲は The Tijuana Brass の曲となっていますが、原曲が見つかりませんでした。もう少し調べて見ると For Carlos が改名されて、Wind Song になったものがあり、それがこのアルバムらしいです。やっと原曲にたどり着き聴いてみると本アルバムと、ほぼ同じような8ビートのアレンジ。しかし、ここ不可解なことが見受けられます。Paul Francis Webster は作詞家でありますが、本アルバムにも原曲にも歌詞は見当たりませんし、原曲の作詞作曲者にも Paul Francis Webster の名前はありません。単なる誤植なのか、もしやこの曲にボーカルをつけようとして作詞を依頼していた?1曲目からかなり脱線しましたので次。 Georgia On My Mind 聴きなれた曲でもあり元曲が良いせいか、結構この演奏は好きな感じです。Ray Charles が作曲者かと思っていましたが、Hoagy Carmichael, Stuart Gorrell が作詞作曲です。ストリングスも、あまり気にならい程度の軽めが良いです。 The Other Man's Grass Is Always Greener テーマ部分は全部オクターブ奏法で、ギターソロになると単音も入れながら、この作品の中では最もジャズ的。Down Here On The Ground 映画「暴力教室」のテーマ曲で4ビートのスローナンバー。これも、テーマはオクターブ奏法で、ソロ部分もオクターブで弾ききっています。プロデューサーの用意した曲を単に演奏しているだけのような感じで、アルバムのタイトル曲ですがこのアルバムで一番出来が良いからタイトルにしたんでは無く、メジャーな曲だからタイトルにしんではないかなと思います。Up And At It はAABA形式のゆったりとしたブルースでウェスのオリジナル。セッション向きの作りでひたすらウェスが頑張ってるだけの感じです。Goin' On To Detroit これもウェスの作品です。ウェス自身はインディアナポリス出身でデトロイトとの関係はと言えばこのアルバム制作の同年1968年にデトロイト市立大学が創立され、その記念なのか、ピープル・イン・ジャズというTV番組でインタヴュー交えての演奏でがあるため、その印象で作曲したものと思われます。I Say A Little Prayer For You 映画「幸せはパリで」の挿入歌で Dionne Warwick のヒット曲です、これもヒット曲の安直な焼き直しでオクターブ奏法のオンパレードですが出来はかなり良いです。テーマ曲にするんだったら、こっちの方が良かったんじゃないか。 When I Look In Your Eyes 映画「ドリトル先生の不思議な旅」の主題歌です。ストリングスをバックに展開?しないうちに終わります。Know It All (Quem Diz Que Sabe) バリエーションとしてでしょうか、ボサノバです。オクターブはあまり使わずのシングル・ノートでのソロプレイが、オクターブに聴き飽きた耳に新鮮です。が軽いなあ。Theme From The Fox これも映画音楽で「女狐」のテーマでサウンド・トラックのようなアレンジで、Creed Taylor の満足感はあるんでしょう。
  A&M Records 三作の中では、一番売れていないようですが、その中で私はこれが一番好かったです。イージーリスニングで所業的に成功したと称賛され、当時の音楽ファンは日常生活の中で流行りの音楽を違ったアレンジで聴ける分には良かったんでしょう。しかし、その後の世界でウェスの演奏を有難く聴きたい私にとっては安直だなあ、ウェスの録音の中では、どうしてもこの三作は聴く頻度は落ちるかな🎶

Stuart Gorrell American banker.
Born in Knox, Indiana, September 17, 1901 and died in August 10, 1963 who wrote the lyrics for 'Georgia On My Mind', his most well known song.
Gorrell became a banker and never wrote another lyric in his life.

guitar : Wes Montgomery
piano : Herbie Hancock
bass :  Ron Carter
drums : Grady Tate
percussion : Bobby Rosengarden, Ray Barretto
vibraphone : Mike Mainieri
violin : Gene Orloff, Raoul Poliakin
viola : Emanuel Vardi
cello : George Ricci
flute, oboe : George Marge, Hubert Laws, Romeo Penque

arranged by, conductor : Don Sebesky (1 to 3, 5 to 7, 9), Eumir Deodato (4, 8)
producer : Creed Taylor
recorded December 20, 1967 – January 26, 1968,  Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Wind Song / Herb Alpert, John Pisano, Nick Ceroli, Paul Francis Webster
2. Georgia On My Mind / Hoagy Carmichael, Stuart Gorrell
3. The Other Man's Grass Is Always Greener / Jackie Trent, Tony Hatch
4. Down Here On The Ground / Gale Garnett, Lalo Schifrin
5. Up And At It / Wes Montgomery
6. Goin' On To Detroit / Wes Montgomery
7. I Say A Little Prayer For You / Bacharach And David
8. When I Look In Your Eyes / Leslie Briccusse
9. Know It All (Quem Diz Que Sabe) / João Donato, Paulo Sérgio Valle
10. Theme From The Fox / Lalo Schifrin



  

2025年4月18日金曜日

Aretha Franklin / Amazing Grace The Complete Recordings

 

 1972年にバプテスト教会「New Temple Missionary Baptist Church」で収録されたライブの2枚組CDです。もともとは2枚組LPとしてリリースされ、ビルボードのトップ10にランクインし、史上最も売れたゴスペル・レコードとなった作品です。このCDは再発盤で当然デジタルリマスターされていて、コンプリートだけにLPには無かったすべての曲が収録されています。LP盤ではオーバーダビングされていたボーカルや、収録曲を別の日にレコーディングして差し替えていたものも、全てオリジナルにしているとのことで、オリジナルを持っているファンは再度購入せざるを得ないような仕掛けとなっているようです。(オリジナルはLPという収録時間の物理的制約や、アルバムのパフォーマンスやバランスを考えたセールス的な仕掛けの意図があってのオーバーダブや曲の差し替えなののでしょうから、オリジナルが悪という訳ではありません)なお、ゴスペル・アルバムとしては1987年に「One Lord, One Faith, One Baptism」もリリースされています。


 ソウル・ボーカルで女王の名を得たアレサですが、もともとは父のC. L. Frankliは説教者として公民権運動の活動としても有名な教会の牧師で、母 Barbara Vernice Siggers Franklin はゴスペル歌手。また教会でゴスペルを歌って育ち、デビューもゴスペル系だったわけですから原点回帰しながらゴスペル音楽の持つ素晴らしさを伝えるこのアルバムも全く不思議ではないわけで、このアルバムの収録前の1970年 Spirit In The Dark でもゴスペル曲を取り入れ始めて、このレコーディングとなったのも自然な流れですね。


 さてこのアルバム、音楽的にはゴスペルなのですが大衆音楽のソウルのシンガーとして活躍したアレサの今までの経験がミックスされていることもあり、ゴスペル・クワイアの楽しさに改めて耳を奪われ、優秀なライブアルバムにつきものの聴いている人たちの熱量も録音され確かに名盤です。オープニングは誰もが耳にしたことがある「On Our Way」でゴスペルコンサートの始まりであることを認識し、美しい「Wholy Holy」、16分間の「Amazing Grace」「Mary、Do n't You Weep」参加者はきっと涙してるんでしょう。ゴスペルの持つ熱量を受け取りたいなら「What A Friend We Have In Jesus」「Old Landmark」「God Will Take Care Of You」・・・ やはり最初から通して聴いて、静かに聴きながら心で聞き入り、一転どんどんと心を開放しなさいと攻めてこられる、人間の感情を音楽で見事なまでに揺さぶる素晴らしいアルバムでした。


 同時にドキュメンタリー映画として撮影されていて46年未公開だったものが、2021年の5月から公開されています。この公演と対をなす作品だったが技術的な問題により公開に至らなかったとされていますが、いったん2015年に海外の映画祭で上映されていたが、アレサ本にょる公開差し止めの訴えで2021年まで公開できなかったものとのこと。2018年8月でアレサが亡くなり、その後での公開は一体何があったのか気になるところ。


 日本ではゴスペルってゴスペル・クワイアを取り入れたソウル的なジャンルの音楽で理解されているイメージで、私の友人では、宗教とは関係なくゴスペル音楽団に参加している友人もいます。日本人は、仏教でお寺に属していても、墓参りと葬式の儀式に必要なものぐらいの認識かと思いますので、日本人が宗教とは関係なく音楽としてゴスペルに参加して楽しむのは不思議ではないと思いますが、他の国でもそうなんでしょうか。気になります🎶

lead vocals : Aretha Franklin
piano : Aretha Franklin (1-5,2-5,2-10), Rev. James Cleveland
celesta : Aretha Franklin (1-7,2-4)
organ : Ken Lupper
guitar : Cornell Dupree
bass : Chuck Rainey
drums : Bernard Purdie
congas : Pancho Morales

producer : Arif Mardin, Jerry Wexler
recorded at New Temple Missionary Baptist Church

【 Thursday Night Show (1/13/1972) 】
1-1 Ken Lupper / Organ Introduction (On Our Way)
1-2 Rev. James Cleveland / Opening Remarks
1-3 Southern California Community Choir / On Our Way
1-4 Rev. James Cleveland / Aretha's Introduction
1-5 Aretha Franklin / Wholy Holy
1-6 Aretha Franklin / You'll Never Walk Alone
1-7 Aretha Franklin / What A Friend We Have In Jesus
1-8 Aretha Franklin With Rev. James Cleveland / Precious Memories
1-9 Aretha Franklin / How I Got Over
1-10a Aretha Franklin / Precious Lord, Take My Hand
1-10b Aretha Franklin / You've Got A Friend
1-11 Aretha Franklin / Climbing Higher Mountains
1-12 Aretha Franklin / Amazing Grace
1-13 Aretha Franklin / My Sweet Lord (Instrumental)
1-14 Aretha Franklin / Give Yourself To Jesus

【 Friday Night Show (1/14/1972) 】
2-1 Ken Lupper & Rev. James Cleveland / Organ Introduction (On Our Way) / Opening Remarks
2-2 Southern California Community Choir / On Our Way
2-3 Rev. James Cleveland / Aretha's Introduction
2-4 Aretha Franklin / What A Friend We Have In Jesus
2-5 Aretha Franklin / Wholy Holy
2-6 Aretha Franklin / Climbing Higher Mountains
2-7 Aretha Franklin / God Will Take Care Of You
2-8 Aretha Franklin / Old Landmark
2-9 Aretha Franklin / Mary, Don't You Weep
2-10 Aretha Franklin / Never Grow Old
2-11 Reverend C.L. Franklin / Remarks By Reverend C.L. Franklin
2-12 Aretha Franklin With Rev. James Cleveland / Precious Memories
2-13 Aretha Franklin / My Sweet Lord (Instrumental)