2024年2月25日日曜日

Thelonious Monk / The Classic Quartet

 

 1963年5月23日、東京放送テレビ(TBS)のスタジオGでのスタジオライブ音源です。マスタリング界の巨匠バーニーグラインドマンによりオーディオ修復、リマスタリングが完璧に行われたと書いてあります。しかしながら音質は完璧ではありませんでした。
 いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に本アルバムを持っていったところ見慣れないジャケットにマスターも興味深々。今のところモンクは今一という人はこのバーにはいません。モンク好きではありますが、全ての音源を聴いている訳では無く、この音源は聴いたことが無いそうなので期待度大でした。しかしながら、聴き進んでも何かパッとするものがありません。他に客はいない中、つまみを作ってくれていたマスターも、途中で「何かつまんんないね」と一言。テレビのスタジオライブの音源なので録音状態は良いものと思っていましたが、モノラルでの録音でもあり残念ながら音質が良くない。このライブは演奏のクオリティの前に音源として何かが欠けているような気がします。音に覇気がなく何か惰性で演奏しているような、ただの録音のような気がしてしまいます。
 録音が悪いのか、そのような時代だったのか?1963年は Columbia に移籍して Monk's DreamCriss Cross などを発表し5月21日のサンケイホールのライブ Monk in Tokyo などが録音されています。Monk in Tokyo は、この録音の2日前だけに聴いてみたいものであります。


 それではレビューしてみましょう。Epistrophy 収録はお馴染みのナンバーばかり。1941年のモンクとケニークラークの共作。ミントンズのプレイハウス時代から各セットの最後を飾る曲。正調な感じで録音されていてモンクの崩し方、チャーリーラウズも迷うことなくソロを吹いている。Ba-Lou Bolivar Ba-Lues-Are B♭のブルースで Briliant Corners が初録音、私の所有コレクションでは  Live At The It Club にも収録されています。淡々としたブルースの演奏であります。冒頭曲から淡々とした演奏で特に盛り上がるところも無い。Frankie Dunlop のドラムソロあたりで、そんなことを思い始める。モノラル録音なのも単調な感じを増幅させているかもしれません。Evidence は The Nonet!Piano Solo On VogueMisteriosoLive At The It Club の数多くの作品に登場します。この作品では、ひたすら機械的にコードを規則的に不規則に弾き続けるのが印象的。ただ何かの義務感のように演奏しているかのようです。Just A Gigolo は20年代に作曲されたスタンダードで珍しいように思ったが、Monk's DreamThe Thelonious Monk Trio に収録されている常連曲。Blue Monk は、モンクが数多くの作品で演奏しているブルースです。
 録音状態だけで、これほど聴き手の印象に影響を与えるものかと、何か何かモヤモヤする作品です🎵

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charlie Rouse
bass : Butch Warren
drums : Frankie Dunlop

producer : Takeo Yokota

recorded at T.B.S. TV, G. Studio on May 23, 1963.

1. Epistrophy
2. Ba-Lou Bolivar Ba-Lues-Are
3. Evidence
4. Just A Gigolo
5. Blue Monk





  

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