2024年2月16日金曜日

Yuji Hamaguchi / Going Home


 札幌時代にソロ・ブルース・ギターにのめり込むきっかけとなった濱口祐自。このアルバムはタワレコで初ネット購入したものです。当時、一緒に頼んでいた Blind Blak(ブラインド・ブレイク)が入荷する気配がなく中々届かず、しびれを切らし単独配送に変更して届いたと記録してます。ネット購入より探して買う方が確実で早いパターンもありますが、販売店舗は、閉店、規模縮小されていますので、CD購入の少数派としては寂しい現象です。
 さてこのアルバム、濱口祐自氏のセカンド・アルバムで久保田麻琴が録音/ミックス/プロデュース、細野晴臣、伊藤大地も参加しています。前回のアルバム 濱口祐自 フロム・カツウラ よりライブ感があって、より私の好きな録音です。繊細なフィンガーピッキングと、ここぞという時の粋なフレージングは強烈です。
 当時アコースティック・ギターマガジンでスコアが掲載されていた Mississippi Blues も、録音されていて運命も感じます。私の演奏動画はこちら ➡ Mississippi Blues (muu)
 

 それでは、レビューしていきましょう。Happy Birthday,Mr. Cameraman 氏のフォーク・ブルースっぽい1分10秒のオリジナルです。このアルバムの収録時の撮影カメラマンへのお祝いなのでしょうか。スピードのあるフィンガー・ピッキングが良いですね。Welcome Pickin’~Caravan 氏の定番であるキャラバンは、youtubeに様々なバージョンが公開されています。それと練習パターンをつなげた構成になっているようです。Spring Power これも氏による楽曲で、田舎の春の風景を描いているようなメロディー。Wakinotani 曲名は那智勝浦の地名ですので、この地で弾き続けてきたブルースに地名を付けたものと思われます。この曲も様々なテンポやアレンジのバージョンが youtube に公開されていますのでアルバムで聴く前にチェックしていました。Lucky Train~Freight Train~My Grandfather’s Clock フォークブルースの古典をイントロにして大きな古時計につなげています。おそらくライブではこんな楽しいアレンジがいっぱいなのでしょう。Amaging Grace Slide トラディショナル・ソングのアメグレです。きっと何千回も弾いてきているんでしょうね。いわずもがなの説得感のある演奏。Hangover Shuffle シャッフルのブルースです。ノリ良く弾いているのでボトルネックがバキバキと効果音になっています。The Entertainer フィンガーピッキングで教則本に掲載され、ギタリストの皆さんが通る名曲です。これも名曲です。Thank You,Mississippi は、John Hurt の曲ですね。お手本になります。このような曲を弾かせたら氏は天下一品の世界に通用するギタリストでしょう。Shibinawa Blues この曲名も地名だろうかと検索したけど出てきませんでした。典型的なブルースですが日本的なメロディーラインです。内田勘太郎の即興ブルースもこんな曲調がありますね。Tokyo Summit もはや曲名は何でも良いのでしょう。東京サミットの時にやっていたブルースですね。わかりやすくて、定番のブルース・パターンならではの魅力です。Short Time Minor これも2分9秒の小曲です。マイナーのブルースの練習曲なのですかね。氏の教則ビデオにもカッコ良いと思ったパターンをドンドン複雑に発展させる練習法が掲載されていました。Great Dream From Heaven バハマのギタリスト、ジョセフ・スペンス Joseph Spence の曲でライが・クーダーでも有名な曲です。Gymnopedies No.1 エリック・サティですね。これもライブで良く演奏されているみたいです。氏はブルースマンでありますが、ギターの響きを引き出すギタリストなので様々な引き出しがあります。同一アルバムにあると雑多な感じもしますが、これもまた魅力。Mississippi Blues 大好きな古典ブルースで、低音減とアルペジオの組み合わせが少しばかり変則的なのが面白いブルースです。氏は様々なパターンに変えて弾いているのがまた非凡です。Arigato,Tokie Robinson 誰なんだろうTokie Robinson?曲は「遠きなんとかに日は落ちて~」の下校の時にかかっていた曲ですね4.しあわせ 氏が歌っています。朝が来て昼が来て、潮が引きといった歌詞で、ほのぼのと歌われています。あちらのブルースの歌詞はこんな感じのたわいもない歌詞が多いですよね。自然体です。
 57歳からメジャーになった和のブルース・マン。いや音楽も生き方も、カッコ良い方です。好きなギターを片手に生きている。味のあるこのアルバム愛聴してます🎵

guitar, vocals : 濱口祐自
drums : 伊藤大地 (2,4,5,7,11)
bass : 細野晴臣 (4,7)
bass : 久保田麻琴 (11)

recorded by Makoto kubota and Yoshiaki Kondo at GOK sound

1. Happy Birthday,Mr. Cameraman(Hamaguchi)
2. Welcome Pickin’~Caravan(Hamaguchi~Ellington/Tizol)
3. Spring Power(Hamaguchi)
4. Wakinotani(Hamaguchi)
5. Lucky Train~Freight Train~My Grandfather’s Clock(Hamaguchi~Cotten~Work)
6. Amaging Grace Slide(Trad.)
7. Hangover Shuffle(Hamaguchi)
8. The Entertainer(Joplin)
9. Thank You,Mississippi John Hurt(Hamaguchi)
10. Shibinawa Blues(Hamaguchi)
11. Tokyo Summit(Hamaguchi)
12. Short Time Minor(Hamaguchi)
13. Great Dream From Heaven(Spence)
14. Gymnopedies No.1(Satie)
15. Mississippi Blues(Brown)
16.  Arigato,Tokie Robinson(Hamaguchi)
17. しあわせ(Hamaguchi)

▶ Caravan





  

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