2024年6月21日金曜日

Deep Purple / Come Hell or High Water


 中古CD屋の安売りワゴンで見た時に思わず懐かしいと手にしたままレジに行ってしまった Deep Purple (ディープ・パープル)です。何しろ私が最初にロック・ギターの練習をしたのは、やはり Smoke on the Water ですし、初めて買ったエレキ・ギター教則本の課題曲は、タブ譜なしの Black Night と Speed King がスコア譜で掲載されていましたので、全く歯が立ちませんでしたのも良き思い出の、まさに青春の思い出のバンドです。最も最初にギターで弾けるようになった曲は、アコギでさだまさし の「雨宿り」です。これは当時のコード譜が乗っている「明星」という雑誌のコード譜が最初でしたか、いや懐かしい。


 特にこのアルバムが欲しかった訳では無く、見つけたので購入です。懐かしかったのは「Deep Purple」であり、私が聴いていたのは、ちょうどこの頃のメンバーの 第2期 (1969年 - 1973年) でした。この後にベースが Glenn Hughes、ボーカルが David Coverdale の頃までは良かったんですが、Tommy Bolin がギターになった頃にはすっかり興味が無くなり、David Coverdale を追って、White Snake にハマって Gary Moore に  Motörhead なんかも聴きだして、気が付いたら パンクなんかも聴きだしたんですね。
 はじめてライブ・ハウスのステージ・レンタルして演奏した時は、やっぱり Smoke on the Water はレパートリーに入ってました。Michael Schenker なんかも同じステージで演奏したんですから、節操がないハード・ロック・コピー・バンドでした。
 そしてはじめて生リッチーを見たのは、既に Rainbow 時代。いや懐かしい。アルバムレビューは、これはしなくても良いかな🎵

vocals : Ian Gillan
guitar : Ritchie Blackmore
organ, keyboards : Jon Lord
bass : Roger Glover
drums : Ian Paice

1. Highway Star
2. Black Night
3. A Twist in the Tale
4. Perfect Strangers
5. Anyone's Daughter
6. Child in Time
7. Anya
8. Lazy
9. Space Truckin'
10. Woman from Tokyo
11. Speed King
12. Smoke on the Water


Lazy 



  

2024年6月16日日曜日

Donald Byrd Quintet / Byrd In Paris

 


 名トランペット奏者ではあると思うのですが、録音数が非常に多くてムラがあると思っているドナルド・バード(Donald Byrd)が、1958年11月22日、フランスはパリにあるオリンピア劇場(L'Olympia)で行ったライブ演奏のうち、5曲を収録したアルバムです。原盤は「Byrd In Paris Vol. 1 (Brunswick 87 903)」で入手困難とのこと。率直に言って、これは良い方のムラに転んだ録音で、メンバー全員の調子の良さが伺えるライブです。
 あちこちの解説を読んでいたら、「バードは自分名義のアルバムでは自分のオリジナル画中だが、これは一曲も彼のオリジナルがない。しかもFlute BluesとRay's Ideaでは吹いてない。ライブとしては一過性のセッションであるが、ダグ.ワトキンスの堅実な仕事がよく見える感じが良い」のようなことが書いてあります。でも「Byrd のリーダーっぽさが無いから聴きやすい」なんて人もいたり、ひどいなあと思いつつ、なるほどとも思いながら何回か聴き直しております。


 音楽好きの集う「おでんバー」の住人には「またByrdはハズレ引いてるのにまた持ってきた?」的な反応でしたが「これは良い」との評判には安心したアルバムを再度聴きながらレビューです。Dear Old Stockholm は、Miles Davis、Stan Getz による演奏が有名なスタンダード。秘かに Kenny Burrell がギターの Paul Chambers Quartet / Bass On Top のバージョンなんかも好きです。ここではベースの Doug Watkins の長尺ソロが中間にある12分24秒の熱演です。イントロの Byrd の音がかなり小さいのが録音としては気になるところではあります。Paul's Pal は Sonny Rollins 作曲の Paul Chambers に捧げた曲。これもミドルテンポの12分22秒の長尺の演奏です。テーマ部分で途中音が割れているところはありますが、気にしてはいけません。Bobby Jaspar のサックス・ソロは最初がフレーズが細切れで調子悪いのかと思いました後半持ち直します。リーダー Byrd のソロはリズム感があり、歯切れが良い感じでテクニックよりもファンキーなノリ中心のソロが心地よく感じます。Flute Blues は、Bobby Jaspar のブルースで、Byrd はお休み。イントロはフルートとベースのテーマのユニゾンで、怪しい感じでお手軽な感じが良い印象デュオ部分からすでに、ファンキーな香りが漂ってきます。The J.J. Johnson Quintet / Dial J.J. 5でもサックスとフルートで参加していました。拍手大きいです。Ray's Idea は、Ray Brown 作品。ここではピアノの Walter Davis Jr. が中心となったピアノ・トリオです。ここも Byrd はお休みですが最初のメンバー紹介は彼でしょうか。リーダー不在ですが非常にスリリングで荒々しいバップはとても私好みです。感極まると同じフレーズを連続させるのはハードロックのギタリストみたいです。最後の The Blues Walk は Sonny Stitt の作曲とアナウンスが前曲の最後でアナウンスありますが Clifford Brown 名義と他でも指摘有り私もその認識。メンバーの演奏はかなりノッていて、聴きごたえは充分。ビッグバンドのようなキメが、このような少人数編成のコンボでやるのも珍しいかなとも思いますし、最後のソロ回しが、またよろしい。
 録音状態はよろしくないですが、興奮できる聴きどころがあり何よりわかりやすい。ヘビロテの棚に保管しときます🎵

trumpet : Donald Byrd
bass : Doug Watkins
drums : Art Taylor
piano : Walter Davis Jr.
tenor sax, Flute : Bobby Jaspar

recorded October 22, 1958 at the Olympia in Paris.

1. Dear Old Stockholm (Ack Värmeland, du sköna)
2. Paul's Pal (Sonny Rollins)
3. Flute Blues (Bobby Jaspar)
4. Ray's Idea (Ray Brown)
5. The Blues Walk (Clifford Brown)





  

2024年6月15日土曜日

The Red Garland Trio / A Garland Of Red

 

 マイルスやコルトレーンのアルバムでよく聞いているものの、Red Garland はリーダー作は聴き始めたのは割と最近です。1923年5月13日 生まれ 1984年4月23日 で亡くなったピアニストで、ピアノを始めたのは兵役中の18歳の時、デビュー前にはプロ・ボクサーで35試合を戦っているとのことで、なかなか個性的な遍歴です。
 1946年にニューヨークに移りビリー・エクスタインのビッグ・バンドに参加し、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビス、ファッツ・ナヴァロと共演する経験を積んでいます。1955年から1958年にかけてはマイル・デイビス・クインテットに参加しますが、デイビスはステージを離れて、トリオの形でガーランドを主役にするのが定番だったらしい。
 このアルバムはリーダー作としてデビュー作の1956年の録音。スタンダード集ですが洒落たタッチで、ブルージー。人気が出始めた頃の快作。この後の12月にドラムが Art Taylor に変わり、2枚目の Groovy を録音しています。売れっ子は録音を量産します。


 基本的にシンプルで曲自体をアドリブ部分などもすぐに口ずさめるアルバムですね。レビューしていきます。 A Foggy Day スタンダードで Gershwin 作品です。ころころと軽快にメロディーをわかりやすく解説してくれるような演奏です。Paul Chambers のソロも触発されるように早口でしゃべりかけてくるような感じで余裕も感じます。My Romance は、Lorenz Hart, Richard Rodgers のスタンダード。これも曲を演奏しながら、きっちりと解説してくれるのはガーランド。テーマが良いので飽きがこないですね。ピアノに聞きほれてたら曲の最後でベースは弓弾きであったことを確認。What Is This Thing Called Love?  は Cole Porter の作曲です。メンバー三人の呼吸があっていて良いです。アルコ弾きのベースソロは、好きでは無いものも多いですが、この曲の Paul Chambers のメロディーの作り方は冴えていると思います。またドラムの Art Taylor のソロもメリハリ良く全体的にさりげない自己主張がまた良いバランス。Makin' Whoopee  は Walter Donaldson, Gus Kahn のスタンダード。ブルージーでガーランドのピアノも今までよりかしこまっていないところが、この曲の魅力でしょうか。September in the Rain は Al Dubin, Harry Warren のスタンダード。この曲も悪くはないが Paul Chambers のアルコ弾きソロはあんまり趣味ではないかな。 Little Girl Blue は Hart, Rodgers のバラードです。ブロック・コード弾きで演奏される序盤は単音メロディのコロコロとは違って曲のイメージが、しっかり浮かび上がり、ソロとの対比が良いです。Constellation  は Charlie Parker の曲で、I Got Rhythm コード進行に基づいた曲です。おそらくライブでも最も受ける曲の一つでしょうから気合十分の高速進行です。アルバムに1曲あっても良い変化かなって感じですが、このバンドではこれぐらいでちょうど良いかなって感じです。Blue Red は Red Garland のオリジナル。ベースソロからの幕開け。そしてドラムのシンバルが加わり最後にリーダー登場です。最初の曲とピアノのタッチがだいぶ違うのも聴き比べて良い感じです。
 軽やかなシングル・トーンとブロックコードと独特のスタイルです。何よりもわかりやすピアノで曲を間接してくれるような演奏が好印象です🎵

piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : Art Taylor

Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey, August 17, 1956

1. A Foggy Day (George Gershwin, Ira Gershwin)
2. My Romance (Lorenz Hart, Richard Rodgers)
3. What Is This Thing Called Love? (Cole Porter)
4. Makin' Whoopee (Walter Donaldson, Gus Kahn)
5. September in the Rain (Al Dubin, Harry Warren)
6. Little Girl Blue (Hart, Rodgers)
7. Constellation (Charlie Parker)
8. Blue Red (Red Garland) 





  

2024年6月14日金曜日

The Beatles / Magical Mystery Tour


 私のアマチュア音楽生活もギターを始めてから40年以上。ビートルズの初来日は1966年6月、私生まれてはいましたが赤ちゃんでしたので全く記憶になく、残念ながら熱狂的なビートルズの日本の歓迎は記憶にはありません。テレビの記録映像を見ただけです。中学生になり、洋楽に興味を持ち始めた頃にはハードロック系に行ってしまったんで、ビートルズを聴くことがなく聴いていても懐かしむ気持ちが起きないのです。しかし普通に生活していても未だに聴くことも多いし、ジャズ含め様々なアーチストもカバーしていますので耳にすることは多いですし、影響を受けたと言っているアーチストはゴロゴロいるし、これは聴いていたほうが良いかな、音楽生活も広がるもんかな?音楽仲間と話しているときにこの曲知らんではカッコ悪いしな、と何枚かオジサンになってから購入しています。しかし余り心に響かないのはしょうがない。


 このアルバム有名ですが、イギリスで作ったテレビ映画用サウンドトラック。ポール発案で制作されたこの映画自体のコンセプトは様々な「普通の」人々(ジョン・レノンの叔父、チャーリーを含む)が観光バスに乗り込んで旅行し、予測できない「マジカル」な冒険をするというものであります。脚本とプロの映画監督無しという状況で撮影は行われ、結果無秩序な映画なってしまい映画自体はあまり評判が良くなくて、イギリスでは最初 BBC One にて1967年のクリスマス休日をまたいで2回放送されたのですがその放送でに非難が集まるという惨敗だったそうです。その結果アメリカではABCで放送するという予定がキャンセルされ、公には1976年まで見ることが出来なかったアンダーグラウンド映画扱いでビートルズがコケた初めての瞬間だったようです。
 ただ、そこはビートルズ。アルバムのレコードセールスは好調でサウンドトラックに加えて Strawberry Fields Forever、All You Need Is Love などの私でも十分に知っている強力なシングルとなり、アルバムも全米チャートは8週連続第1位の好成績だったようです。いくら駄作でもこれだけのヒット曲を使っている映画ですから、普通はたまにTVでOAがあっても良さそうなもんですが、見たことがないと言うことは、よほどの駄作だったんでしょう(かえって見てみたいもんです)
 知っている曲が多いだけに私でも楽しめるアルバムではあります。久しぶりに聞いた中で個人的には Your Mother Should Know の作風、I Am the Walrus なんかが好きかなあと思ったりして、今更恥ずかしい感じがします🎵

1. Magical Mystery Tour
2. Fool on the Hill
3. Flying
4. Blue Jay Way
5. Your Mother Should Know
6. I Am the Walrus
7. Hello Goodbye
8. Strawberry Fields Forever 
9. Penny Lane
10. Baby You're a Rich Man
11. All You Need Is Love








  

2024年6月9日日曜日

Brecker Brothers / Out Of The Loop

 

 1994年GRP移籍の2作目で通算8作目。このアルバムを発表後に活動を休止し Brecker Brothers としては最後のスタジオ・アルバム作品となります。Michael Brecker は、これ以降は2001年に Jack Wilkins のReunion と言う作品に参加し、2005年にマイケルは骨髄異形成症候群(前白血病状態)を患っていることを明らかにし、ライブ等の活動を一時停止し、2007年にマイケルが骨髄異形性症候群から進行した白血病によって死去しています。
 アルバムとしては、ファンク・サウンドがマーカスっぽいと思いましたが、クレジットは無し。ヒップ・ホップやプログラミング等の当時のトレンドを取り入れつつ生のバンド・サウンドにもこだわりを見せたサウンドづくりや、当時の流行りなのかテーマのメロのハモリ方とベースのかぶせ方がマーカスの得意パターンと酷似していると感じます。

 

 まず最初の Slang はランディのミュート・トランペットがとてもクールで、マイケルのソロが対比的に変態フレーズ少な目の王道のソロで、ファンク的なアプローチにつなげていくとが素晴らしい。サンプリングやヒップホップ要素を取り入れた Scrunch、When It Was
あたりは、アシッド・ジャズ系の曲でアーチストに影響を多大に与える名作子のリフがマンマ使われているのを聴いたことがあります(どの楽曲か思い出せませんし、楽曲検索では出てこないのが悔しいですが) Secret Heart は王道にフュージョン路線。African Skies は曲名通りの、アフリカン・リズムをダイレクトに取り入れたメセニーっぽい曲で、実際、後年マイケルはメセニーとやっているようです。暴れん坊な曲が多いアルバムですが、締めは、And Then She Wept で美しくメローに終わります。
 ということで、様々な曲がちりばめられているブレッカー・ブラザーズらしい作品ですが、全体的にはトリッキーさを抑えて、ポップに仕上げてきている印象です。バップも良いですがこのようなフュージョン作品もたまらないものがあります🎵



 そして時代を感じるのが上記ウインド・シンセ EWI の宣伝がライナーノーツに含まれていること。ブレッカーファンは楽器奏者が多いからなのでしょうが値段まで記載してあるのが本気を感じます。1994年で本体60,000円、モジュール68,000円。現在価格を見てみると本体は同じようなもの。今はモジュールは不要なんですかね。検索ででてきませんでした。

soprano tenor sax, EWI : Michael Brecker
trumpet : Randy Brecker 
programmed by (keyboards and rhythm) : Maz Kessler (3, 6), Robbie Kilgore (3, 6)
guitar : Dean Brown, Larry Saltzman ( 2), Robbie Kilgore (6)
bass, acoustic bass : James Genus (1, 3, 4, 7 to 9)
bass, acoustic bass (Piccolo Bass), vocals : Armand Sabal-Lecco
drum programming, programmed By (bass & keyboard programming): Andy Snitzer (2), Chris Botti (2)
drums : Rodney Holmes (4, 5), Steve Jordan (1, 7 to 9)
percussion : Steve Thornton (1, 2, 5, 7 to 9)
backing vocals : Mark Ledford (4)

executive producer : Dave Grusin, Larry Rosen

1. Slang
2. Evocations
3. Scrunch
4. Secret Heart
5. African Skies
6. When It Was
7. Harpoon
8. The Nightwalker
9. And Then She Wept

▶ Slang




  

2024年6月8日土曜日

Steve Lacy / The Straight horn of Steve Lacy

 

 Solid Jazz Giants という復刻版の名盤シリーズで見かけて、試聴せずに購入の一枚です。ソプラノ・サックス片手のジャケも気になりどんなもんかの試し買いでした。後で知りますが、Steve Lacy はソプラノ・サックス奏者で、フリージャズで有名な方。Monk の愛好家でもあり、Cecil Taylor と出会ってからフリー派となったらしい。このアルバムでもアルバム6曲中、Monkを3曲、Cecil Taylorを2曲、Parkerを1曲 となっています。がフリーの片鱗ぐらいの音使いなのでフリーに変化する過程の貴重な録音と言うことでしょうか。フリー好きの「おでんバー」のマスターはフリーの時代のこの人の演奏を知っていたのですが普通の演奏を聴くことはなかったらしく、一緒に聴きながら普通のジャズに感慨深いとのことでした。
 しかしながら再度、そう思って聴くと饒舌で吹き出すと止まらないソロや、吹きながらドンドン展開していくインプロにその片鱗は見えるような気がします。ジャズはアドリブにこそ面白さがあるということが世に言われておりますが、まさにこのアルバムは上手く楽曲を構成させる技術ではなく、感じることを音にして出していくジャズの面白さがこのアルバムでは伝わってきます。バリトンとソプラノ・サックスの組み合わせでピアノレスのカルテット編成は斬新で、低音と高音の対決なのか?と思いきや、バリトンもソプラノもテナー寄りの音域に近づけた演奏になってます。フリーになりそうではありますが音程と秩序は保たれています。


  私の中でグッと興味ある人になった Steve Lacy、ピアノレスのこの編成でこの盛り上げ方をした共演者にも注目すしてみましょう。バリトンの Charles Davis は Sun Ra とも一時共演する人物で斬新な感覚と才能で、Taylorの曲 Air でのアドリブは明らかにレイシーを触発していますね。そしてベーシスト John Ore は、このアルバムで3曲とりあげられているMonkのカルテットに参加していたベーシストで、共演者がどんなところに飛んで行っても堅実なリズムキープを続けます。自分は決して熱くはならず共演者に火をつけてしまうベーシストで、堅実な演奏です。がこちらも後に Sun Ra に参加していますね。ピッタリと寄り添 いながら弾くベース徹しているように思えます。ドラムの Roy Haynes はコルトレーン Impressions 、モンクとコルトレーンの共演ライブ Live at the Five Spot Discovery! なんかに参加していて、やはり後にフリージャズにも突入する人です。
 モダン・ジャズから前衛的ジャズへ切り込んでいく境界線のアルバムは非常に興味深い🎵

soprano sax : Steve Lacy
baritone sax : Charles Davis
bass : John Ore
drums : Roy Haynes

recorded at Nola Penthouse Sound Studios, New York on November 19, 1960.

1. Louise / written by Cecil Taylor
2. Introspection / written by Thelonious Monk
3. Donna Lee / written by Charlie Parker
4. Played Twice / written by Thelonious Monk
5. Air / written by Cecil Taylor
6. Criss Cross / written by Thelonious Monk

Louise




  

2024年6月7日金曜日

The Brand New Heavies / Heavy Rhyme Experience vol 1


 以前はDJ・ラッパーがどうも苦手で、正直、最初は苦手なアルバムでしたが今ではお気に入りになっています。ラップを好んで聴くようになったわけではありませんが、ジャズ・フュージョン系にラップを取り入れたもの等が普通にありますし、どうやら耳慣れしてきたようです。耳馴れとは面白いものでフリー・ジャズなんかも同じように、以前は聴かなかったのですが、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」でかかっているのを聴いているうちに普通に聴けるようになってきました。環境と経時変化で好みの音楽が変わってきているのに気づくと自分でも時々ビックリします。
 このアルバムも最初は違和感があった一枚ですが、いつの間にか普通に聴くようになっていた一枚です。そして今回気づいたのがアルバム名ずっと Rhythme と思っていたのが、実は Rhyme であったこと。rhythm(リズム)は最後にeが付かないので気づけよと自分でも思いますが 韻(イン)でした。つまりラップの韻のことを指していたんですね。なるほど。
 いつもお馴染みの華やかなグルーブではない。HIP HOPであるけど、ファンクに音を寄せた生の演奏。打ち込みではないバックトラックが素晴らしい。


 それではレビューです。Bonafied Funk ファンクにのせたラップは Main Source (Large Professor、Sir Scratch、K-Cut) で、Andrew Levy のベースはいつもより単純ではあるけど、やはりツボを押さえています。ベースラインが印象的でありますがギターの単音リフもツボです。It's Gettin' Hectic は、ユニットGang Starr をフューチャー。このユニットは Guru、DJ Premier のお二人。これも単純なファンク・リフにのせたラップで、ラップをのせやすいように楽曲的に細かい仕掛けは無し。Who Makes the Loot? は、このアルバムで一番耳に残るベースラインで印象的で、BNH的なサウンドかも知れません。ラッパーは Grand Pubaで緩い感じで余裕があります。Wake Me When I'm Dead 更に曲的には凝った演奏となります。Masta Ace がフィーチャーで雄叫び系ラップ。Jump N' Move レゲエ系MCの Jamalski で、早口言葉のようなラップは楽しい。タイトルがジャマイカンに訛っているのも面白い。Death Threat はBNHの音が後ろにあるファンクサンドに Kool G Rap がフィーチャー。Simon Bartholomew のワウが聞いたギターがとても相性がよろしいようでこの曲も捨てがたい。State of Yo は、Black Sheep がフィーチャー。ややジャジーな感じのするリフに Hip-Hop で相性はかなりよろしいようで。力の抜けた感じが好感。Do Whatta I Gotta Do 凄くラップ感がありますが、曲に動きがあります。Ed O.G がフィーチャー。演奏にもスリリングさが加わっています。Whatgabouthat 南夫と読むのか、レゲエMCの Tiger がフィーチャー。言葉に勢いがあります。こんな言葉で普通にまくしたてられたら迫力で怖いと思います。Soul Flower ラップではありますが、非常にダンサブルでこれも良い。ラストは The Pharcyde がフィーチャー。やはり最後は渾身の一撃って感じですね。
 私自身相変わらずラップに興味は無いのですが、このアルバムはBNHらしさとラップの共存が素晴らしく別格の一枚🎵

bass : Andrew Levy
drums : Jan Kincaid
guitar : Simon Bartholomew
percussion : Paul Daley
sax : Mike Smith
trumpet : Martin Shaw

producer : The Brand New Heavies

1. Bonafied Funk  featuring : Main Source
2. It's Gettin Hectic  featuring : Gang Starr
3. Who Makes The Loot?  featuring : Grand Puba
4. Wake Me When I'm Dead  featuring : Masta Ace
5. Jump N' Move  featuring : Jamalski
6. Death Threat  featuring : Kool G Rap
7. State Of Yo  featuring : Black Sheep
8. Do Whatta Gotta Do  featuring : Ed O.G
9. Whatgabouthat  featuring : Tiger
10. Soul Flower  featuring : The Pharcyde






  

2024年6月2日日曜日

Boscoe


 1970年代のシカゴのアフロ・ファンクで発売は Kingdom Of Chad Records。かなりアンダー・グラウンドなサウンドで、Sun Ra、Art Ensemble Of Chicago などのスピリッツを内包しているとの評もあります。ドロドロのサウンドはアーシーでコズミックさも感じます。レコードなんかは amazon で $4,500 ですから2024年5月現在のレートで、なんと 688,500円 と高額取引であります。もちろん私はリイシューのCDの購入でしたらからリーズナブル。入手が中古か新品かは覚えていません。リイシュー版も発売はレアものの再発/発掘を手がけるシカゴのレーベルの「NUMERO」が立ち上げた紙ジャケ専門レーベル「アスタリクス」とのこと。アスタリクスの表記は恐らく「4*」(ライナーノーツの裏側にありました)愛聴盤ではありますが、今回調べて見て初めて知りました。


 メンバーは6人でベースの Ron Harris は、Ramsey Lewis の Salongo に参加していましたが、他のメンバーの活動は結構マイナーな感じです。


 それではレビューです。Introduction は、スタートからスピリチュアルな幕開け。最初に聴いた時には退屈な感じがした気がしますが何十回も聴いていると、このドラマチックで大袈裟な構成とオドロオドロしいボーカルが大好きになってきます。またエンディングのベースが怪しさを醸し出すところも最高です。Writin' On The Wall も、イントロに続き怪しさ満載の朗読ボーカルとトランス状態になっているかのような叫び。管楽器はトランペットとトロンボーンですが誰が吹いているのかフルートがホラーっぽい。行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の常連の一人には、このエネルギー最高ですねの誉め言葉頂きました。He Keeps You あたりからは、普通にファンクの演奏ですがボーカルが野太い声で、更にどこかがアフリカンな響き。ここらへんでベースの Ron Harris の変態なベースラインとバカ馬なテクニックと正確なリズム感が気になってきます。We Ain't Free では、グルービーなリズムになってきて普通にファンクもするのかと妙に感心していると、いきなりのベースとドラムとパーカッションのアフリカンの長い間奏とフリーのようなソロに脳がやられてから最後はテクニック剝き出しのソロ合戦とサイケな展開にノックアウトです。If I Had My Way は は Sly とかが好きな人には受け入れやすい楽曲になります。ギターのカッティングとホーン部隊の上手さにも注目です。I'm What You Need では、メロー・ソウルの始まりにコマーシャルな部分を感じながら、ボーカルの野太いバリトン・ボイスが怪しさを加えながらファルセットのボーカルがポップさを加えコーラスがチャンと上手い所が怖いです。Money Won't Save You ここまで聴いてくると、この曲が一番普通に聞こえるので何かつまらなく思えてくるようになれば、相当このアルバムを聴きこんでいる証拠でしょう。私には、もはや普通過ぎて刺激が足りません。Now And Den きっとNow and Then なんですかね。普通ではありますがカオスを含んだスピリチュアルなソウル風ファンクです。
 購入当初ジャケットがレゲエカラーなのでそっち系かと思いきや、そちら要素は全くなく、スピリチュアル一歩手前のファンク。古きよきサウンドで全体的にリバーブかかりすぎでサイケな雰囲気カオスな香りが漂い、マニアにはヨダレものの一枚かと思います🎵

guitar : James Rice
bass : Ron Harris
drums : Steve Cobb
sax : Darry Johnson
trumpet : Harold Warner
trombone : Reg Holden

Producer – Joseph Ehrenberg

Recorded at Paragon Studios, Chicago, Illinois.
Originally released in 1973.

1. Introduction
2. Writin' On The Wall
3. He Keeps You
4. We Ain't Free
5. If I Had My Way
6. I'm What You Need
7. Money Won't Save You
8. Now And Den