多くのジャンルをミュージシャンがニューヨークを目指した1950年代。盛んにジャズが演奏された都市で派閥を分類するとしたらシカゴ、デトロイト、フィラデルフィアでしょうか。デトロイトのジャズ・クラブの Blue Bird Inn では、ポール・チェンバース、ケニー・バレル、サド・ジョーンズ、トミー・フラナガンが入れ替わりでセッションをしていたそうです。そこでデトロイト出身ミュージシャンを中心とするセッションのアルバム名。デトロイトと言えば自動車の街のイメージ、そんな街にゆかりのミュージシャン。と思って改めて略歴を眺めていたら完全にそうであるとは言えないようで、デトロイト仲間でアルバムを作るか録音したが、全員は賄えなかったようですね。
デトロイト生まれ : Kenny Burrell (ケニー・バレル)、Tommy Flanagan (トミー・フラナガン)、デトロイト育ち : Paul Chambers (ポール・チェンバース)、Pepper Adams(ペッパー・アダムス):おそらく関係ない人 : Kenny Clarke(ケニー・クラーク)
でジャケットを見ていたら四人しかいない?おそらくデトロイト関係ないリストのドラムのケニー・クラークがいないってのはしょうがないけど、アルバム録音は一緒にやってるんだから問題あるんじゃねえのか?などと余計なお世話なことを思いながら濃い目の珈琲を飲みながらこのアルバムを聴き直しております日本版はケニーバレル名義ですが、海外のアルバムは、Kenny Burrell, Tommy Flanagan, Pepper Adams, Paul Chambers, Kenny Clarke : Jazzmen: Detroit 実はこのアルバムリーダーはいないようであります。
さてレビューですが、都会的なブルース・フィーリングのジャズをやりながらもポップさも感じます。録音は 1956年4月30日(4.~6.)、5月9日録音(1.~3.)です。この録音当時は20歳代後半ぐらいの「若者たち」を中心としたセッションであるにも関わらず落ち着いたリラックス度が高くやっている本人たちが楽しそうな演奏内容でやっぱりケニーバレルのギターは響くなあと感じます。
Afternoon In Paris は1949年にピアニスト John Lewis によって書かれたスタンダードで、やはりトミフラ・メインの展開ですがリラックスした演奏で肩ひじ張らずにゆったりと聴ける演奏。You Turned The Tables On Me ではケニーバレルが主導権を握ります。ペッパー・アダムスのバリサキがアダルトな雰囲気で格調高く続くバレルのソロも滑らか、ピアノソロはそつなく平常心、モコモコしたチェンバースのベース・ソロはもまとまっています。Apothegh は、ペッパー・アダムス作。バリサキとギターでユニゾンしながらの展開し、ソロ部分の各人の絡みあうところとか譲り合うところが聴いててわかる気ごころ知れた仲の良さそうな人たちならではの演奏。Your Host はバレル作の曲でアダルトって感じの渋い演奏ですね。お酒が似合います。Cottontail はエリントンのカバーですが、テーマの後に直ぐに始まってしまうギターとサックスの掛け合いでしょうか。とても仲が良さそうにしゃべっているような掛け合いがとっても素敵で、この曲はワクワクします。Tom's Thumb もバレル作の曲です。Tomってトミフラのことでしょうか?親指の使い方に特徴でもあるのかな?などと思いながら小気味よい演奏はリラックス。
guitar : Kenny Burrell
piano : Tommy Flanagan
acoustic bass : Paul Chambers
drums : Kenny Clarke
bariton sax : Pepper Adams
producer : Ozzie Cadena
recording on April 30, 1956 (4 to 6), May 9, 1956 (1 to 3).
1. Afternoon In Paris
2. You Turned The Tables On Me
3. Apothegh
4. Your Host
5. Cottontail
6. Tom's Thumb