2023年1月13日金曜日

Soulive / Break Out


 2005年に BlueNote を離れ、Concord Records に移籍してリリースしたアルバムで、今までのインスト・ファンク路線を変更したので今までのファンが戸惑った作品ですね。作りては古いスタイルを踏襲し続ける人もいれば、新しい音を追求するための路線を変更する人もいる。ファンと言う購入者は、購入前に既に今までの昔の作り方が気に入っているためにそれを期待する人が圧倒的に多いので大幅な路線変更ではこういったことが起きるんでしょうね。作り手としては気に入らなかったら買わなきゃ良いだけの話で勝手に残念がられても迷惑な話かもしれません。そのような面倒なことが起きるのを防ぐために、この私の音楽レビュー・ブログを参考にしていただければと思います。但し基本音源と言うものは基本作り手が一生懸命作った作品ですのでネガティブな発言は避けるような言葉選びをしているのでそこは察していただければと思います。


 さて封建派からは酷評されることも多いこのアルバム、今までののジャズ・フォーマットから離れて Soul/R&B 色が強め、多数のボーカリストを起用しています。でもバンドの基本フォーマットはオルガン、ギター、ドラムのスタイルにブラスを追加した音作りで、ジミヘンの Crosstown Traffic なんかも持ってきているのは昔のギター小僧なら嬉しい曲も入っています。ちなみにこのアルバムはアメリカと日本発売の中身は曲順や曲目が微妙に違うようですが私は日本版だけ所有しとります。曲によっては長さも違うのでおそらくアレンジとかも変えてきているんでしょう。
 それでは嘆き悲しむよりも、このアルバムの良さを探りましょう。出だしの Reverb は今までの Soulive の路線は引き継いでいて違和感なく安心して聴けます。久しぶりにこのバンドを聴くと改めてオルガンの足で踏むペダルのベースって弦楽器よりもパンチが効いてて気持ち良いですね。ギターのリフもソロも良いではないですか。次いで Got Soul ではボーカル  Ivan Neville のソウルものになっています。曲はソウル何ですが演奏はアレンジはデジタルな感じの処理でイントロから「おや?」と思った人もここら辺から多いのかな。Cachaca は、フラメンコ風のアコースティック・ギターのイントロにリズム・ボックスっぽいドラミング。曲はスペイン風の旋律が取り入れられていますがここらへんの手法は他のアルバムでもあったような気がします。Back Again はいつもの Soulive ではありませんが低音でズシズシと刻みながら一流のボーカルを配した中々の売れ筋の作りです。Break Out ではいつものパターンに戻ってきてホッとします。シンプルながらメロディーの良さが光るインスト・ジャズ・ファンクです。She's はボーカルに Reggie Watts を起用したポップなセンスが光ります。プリンス入ってるかなあ。Vapor は少しいつもの Soulive よりポップ寄りのジャズ・ファンク。これは良い! Crosstown Traffic は言わずもがなジミヘンです。ダサ目のギターがカッコ良いですなあ。What Can You Do はバラードで Robert Randolph のpedal steel を起用でペダルのベースのカッコよさが際立ちます。Headphones はライブ風な音作りのジャズ・ファンクでいつもの奴です。ガシャガシャしてるけど落ち着く・・Left Behind は戻ってきました Soulive って感じでボーカルものではありますがガシガシとしたリズムが堪らんです。Glad Ta Know Ya も Cochemea Gastelum のサックス入りでコテコテのギター・ソロがたまりません。楽曲良さというより単純なカッコ良いリフの勝利。Crosstown Reprise はがっちり Robert Randolph のペダルが暴れます。最高です。Take It Easy は Ivan Neville をボーカルに廃しての楽曲ですがしっかり "Soulive!"
 結局よく聞いてみたら様々なタイプの楽曲が入っていますが本質は "Soulive”でしたね。異色ではあるけど期待が外れたと騒ぐほどの変質はないんではないかい? 
 しかしですね続きあります。このレーベルは1枚で2007年にスタックス・レコード移籍で「No Place Like Soul」1枚で終了。2009年以降はロイヤル・ファミリー移籍で「Up Here」発表以降落ち着いているようです。

electric guitar, acoustic guitar : Eric Krasno
organ , keyboards , clavinet, piano : Neal Evans
drums : Alan Evans

percussion : Daniel Sadownick
tenor sax, alto sax : Ryan Zoidis
trombone : Lasim Richards (5) , Robin Eubanks
trumpet : Rashawn Ross
backing vocals : Jordan Battiste (8)

producer : Alan Evans, Eric Krasno, Soulive

recorded : New York, NY
released : September 13, 2005.

1. Reverb
2. Got Soul / Feat  Ivan Neville
3. Cachaca
4. Back Again / Feat  Chaka Khan
5. Break Out
6. She's / Feat Reggie Watts
7. Vapor
8. Crosstown Traffic / Feat : Robert Randolph
9. What Can You Do / Feat Reggie Watts
10. Headphones
11. Left Behind / Feat Reggie Watts
12. Glad Ta Know Ya / Feat : Cochemea Gastelum
13. Crosstown Reprise / Feat : Robert Randolph
14. Take It Easy / Feat Ivan Neville




▶ Vapor



  

0 件のコメント:

コメントを投稿