インパクトのあるジャケットなのでタワレコに行くたびに気になってしまって購入してしまいました。微妙に安いような気がする1,500円のジャズ百貨店シリーズでした。帯の文句は「ヒット・メイカー、マイゼル・ブラザーズが手掛けた女性フルート奏者の傑作。豊饒なトーンで自在に歌う彼女の魅力が最大限に味わえる」
ナルホドなんですがマイゼル・ブラザーズがよくわかりませんのでググりますとAlphonso "Fonce" Mizell、Larry Mizell の兄弟で音楽制作チームで私の好きな Donald Byrd の Black Byrd 以降の作品群、The Miracles、The Jackson 5、Michael Jackson、、A Taste Of Honey などの制作にかかわっているらしい。ちなみに Black Byrd では、Larry Mizell(vocals)、Fonce Mizell(trumpet, vocals)での参加でした。最近よくある知らなかったけど実は聴いていた現象で世間は狭いものだと改めて思います。
私の所有音源での Bobbi Humphrey を一応調べてみると Beginner's Guide To Jazz Funk なるジャズ・ファンクの初心者用オムニバスに1曲だけ入ってました。
さてマイゼル兄弟はこのアルバムでどのような役割を果たしているのかと言えば、ボーカル、アレンジ、プロデュースをブラザースで担当しております。主役の Bobbi Humphrey については1950年テキサス州生まれのジャズ・フルート奏者で、このアルバムではフルートとボーカルをとっています。このアルバムのジャケ写はボーイッシュでスリムな印象ですが晩年の写真をみると迫力の豊満ボディでした。
アルバムの紹介です。Chicago, Damn シンセによる風のような効果音で始まり、ダークなベース、ボーカルが入ってくると深いリバーブがかかっています。この時代特有のジャズファンクの音処理で「キター」って印象です。ボーカルはマイゼル兄弟のコーラスのみ。フルート・ソロは超絶技巧と言う感じではなくソツなくこなしています。Harlem River Drive はベースラインから始まり、車のエンジン音が小さく聞こえます。曲名からしてもハーレムを流れる川岸を爽快にドライブするイメージの曲なのでしょう。ダークな1曲目と違い爽快な感じのするメロー・ソウル的な曲調です。こちらもボーカルはマイゼル兄弟のコーラスのみ。フルートは1曲目より長めで主張してきています。最後はパトカーのサイレンです。ぶっ飛ばし過ぎて捕まるという終わり方ですね。ほう。Just a Love Child では、メイン・ボーカルを Bobbi がとります。少女のような歌声に!となりますが曲の頭の方だけしか長く歌わず曲の最後で少しだけでてくるのが不完全燃焼。もっとこのボーカルを押し出した方がこの曲は絶対良いと思います。でもフルート・ソロが今までの曲の中で一番良いですね。Blacks and Blues タイトル曲は売れ筋路線のフリーソウル・サウンドでシンプルな曲で聴きやすい。マイゼル兄弟のボーカルも聴きやすく、曲に寄り添うようにオブリ的にフルートを吹き続けるのもフルートならではの爽やかさがあって良いです。Jasper Country Man は完成されたアレンジのジャズ・ファンク。Baby's Gone ラストは怪しげな出だしですが、ソウルフルなバラードへ変化していきます。ゆったりとしたグルーブがヒーリング・ミュージックのように心地よい。Bobbi のボーカルは1曲だけだったのがもったいない。
アルバムを通して聴きこむと、結構しっかりと作りこんだジャズ・ファンクでした。B級路線は1曲目の Chicago, Damn のみだったので、ジャズファンクはダサいぐらいがカッコ良いと思う私としては、優等生的なこのアルバムはとても良かったのですが面白みは少ないかなと思います。つまりは世間からしてみたら傑作と言われる部類ですね(面倒な言い方になりましたがニュアンスわかりますでしょうか?)
メンバーのおさらいしたら David T. Walker がギターで参加ですね。どのギターだろう?ささやき系ギターでわかりにくいのかも。再度そこに注意して聴いてみます。
flute, vocals (solo3) : Bobbi Humphrey
piano, electric piano (fender rhodes) : Jerry Peters
synthesizer (arp) : Fred Perren
guitar : David T. Walker, John Rowin
electric bass (fender) : Chuck Rainey, Ron Brown
drums : Harvey Mason
percussion : Stephanie Spruill
congas : King Errison
clavinet, trumpet : Fonce Mizell
vocals, arranged by (vocals) : Fonce Mizell, Fred Perren, Larry Mizell
arranged by, conductor, composed by : Larry Mizell
producer : Chuck Davis, Larry Mizell
recorded June 6, 7 & 8, 1973.
1. Chicago, Damn
2. Harlem River Drive
3. Just A Love Child
4. Blacks And Blues
5. Jasper Country Man
6. Baby's Gone
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