1967年のデビューアルバム。白人ブルース・バンドで戦前のジャック・ブルースの創始者の一人とされるTommy Johnson(トミー・ジョンソン)の Canned Heat Blues からバンド名がつけられたとのこと。Canned Heat は、食品を温めて冷まさないための燃料のことで1914年の製品名「Sterno Canned Heat」で、ブリキなどの缶に入って売られていたのだが、Canned Heat Blues 自体はアルコール依存の人がこのエタノールを含む Canned Heat を飲むようになってしまった人の歌とのこと。この時代のブルースのテーマは酒、女、貧困が主流だったので珍しくもないんですが直接タイトルは珍しいですかね。
何故このアルバムを購入したのかと言うと、中学生ぐらいの時に兄が持っていた音楽系同人誌を興味津々で読んでいて、ヒッピー文化とともにこの Canned Heat というバンドが紹介されていました。サラリーマン札幌時代に中古CD屋で見つけて、これが Canned Heat かと直ぐに購入を決意を記憶しています。よく覚えてたもんです。
結成は1965年デビューは1967年とのことなので、実力があるメンバーが集まってのバンド結成が予想されます。このデビューアルバムの原盤は Canned Heat というバンド名がアルバムにつけられていたものと中身は同じですが、ジャケ写はこれとは違うようです。また本作はカバー中心ですが2作目以降はオリジナルになっているようです。しかし私の Canned Heat の所有音源はこれしかありません。
さて曲の紹介です。Rollin'and Tumblin' デルタブルースのクラシックで Hambone Willie Newbern が最初に録音、Robert Johnson、Muddy Waters がヒットさせています。スライド・ギターでアンプに直突っ込み、歪み無しのシンプル設計です。Bullfrog Blues オリジナルは William Harris で1928年らしいです。テンポ早めでベースがブンブンという感じでカッコ良い。ウシガエルのブルースなんですね。Goin'down Slow はオリジナル St. Louis Jimmy Oden で1948年作。スローブルースでハーモニカがソロのメインでこれも良い。 Dust My Broom は Robert Johnson 1936年で、ブルースバンドの教科書には必ずのっている名リフが印象的な曲です。初心者も直ぐにマネができるので誰もが通る道で王道の演奏 Evilis Goin'on は Howlin' Wolf がオリジナルの1954年。エルビス?と思ったら Evilis ですね。Catfish Blues は Robert Petway で1954年ですか。Muddy Waters が有名ですかね。Help Me は Sonny Boy Williamson II の1963年。同じような曲調のブルースだけど特徴のある曲です。Big Road Blues は Tommy Johnson の1928年。スピード感とドラムのドカドカ加減が気分を変えてくれます。The Story Of My Life は Junie B. Jones でリリース年不明。ブギですね。おそらく自分の人生を嘆くブルースなのでしょうか。The Road Song は Wilson Hawk これもリリース年は不明。Rich Woman は Mississippi John Hurt でリリース年は不明。古臭くて雰囲気のある曲ですね。ブルース・ギター小僧はこんな曲でギターを練習します。
なんかブルースの教科書みたいなアルバムでした。実は購入当初はワクワクしたものの、
つまらないと思っていたのですが今聴くとそれなりに楽しめる内容です。聴き手の私の変化ですね。でも少し聴き疲れするかもしれません。
vocals : Bob Hite
rhythm and slide guitar, vocals, harmonica : Alan Wilson
lead guitar : Henry Vestine
bass : Larry Taylor
drums : Frank Cook
producer : Cal Carter
1. Rollin'and Tumblin'
2. Bullfrog Blues
3. Goin'down Slow
4. Dust My Broom
5. Evilis Goin'on
6. Catfish Blues
7. Help Me
8. Big Road Blues
9. Story Of My Life
10. The Road Song
11. Rich Woman
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