Donald Byrd(ドナルド・バード)はトランぺッターのジャズをもっと聞いてみたいと思って結構最近になって聴き始めた人で、私の周囲にもそれほど詳しい人はいないのです。したがって年代はバラバラに聴いてみています。1955年初リーダーアルバムを発表し1955年末にはジャズメッセンジャーズにケニー・ドーハムの後がまとして入隊。ブルーノートを中心にハードバップの作品を数多く残し、1960年代はゴスペルを取り入れ1970年はファンク・ロックを取り入れるというトランぺッターにありがちな最終ファンク路線の人なので、時代ごとにアルバムごとに音楽性はかなり変化するため、ある意味買ってから聞くまではどんなものが出てくるかわからない人です。そこが面白いと最近思うんですが正体つかめないので私の周りには残念ながら愛好家は見当たりません。
これはタワレコの新品で「全盛期の凄まじい熱量や勢いをそのままパッケージ。ジャズ・ファンのみならず全ての音楽ファン必聴のライブ盤」の帯につられての買いです。これは家で寝かせずに購入して直行で「おでんバー」で聴きました。マスターも「ジャズ・ファンクかい?好きだね、あんたも相変わらず」的な顔をしています。しばらく経ってから「これは誰?」で「誰でしょう?」とジャケットを見せてもわかりません。ドナルド・バードであることを告げると「えっ」の顔でした。ここら辺がマニアの集いの楽しいところで気分が良い。
ということで、これを読む人にはもうわかってしまいましたが、ドナルド・バードが1973年にモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演した際に録音されていたライヴ音源で中身はジャズ・ファンクでございます。
1973年は傑作アルバム Black Byrd を発表しており、ライブの冒頭は Black Byrd から始まる構成となっております。コーラス・ボーカル入りのファンクで、だるそうに歌うのがカッコイイ曲です。スタジオ盤よりアップテンポになっているので、ジャズ・ファンクよりもファンクよりに聞こえます。You’ve got It Bad Girl は Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)が作曲で Quincy Jones の同じ1973年に販売したアルバムの曲を早くも取り入れているようです。The East はバードのオリジナルですが作曲というよりセッション用のバッキングだけ用意したような曲でファンク度が高くて良いです。そして Introductions はメンバー紹介です。Introductionsだから最初にメンバー紹介をしているんでしょうか。アルバムでは真ん中に持ってきたんですね。Kwame はアフリカンな音使いのシンセ・サウンドがイントロになり7拍子でひたすら同じフレーズが繰り返されるカオスな曲でファンクに振り切れているのが凄い。Poco-Mania では、激しいギターのカッティングから始まるファンクでJBを意識している感じですが演奏に関しては先輩のJB’sに軍配は上がります。私にとってはこれは当たりで素晴らしいアルバムですが万人受けはしないかな。
★ブルーノートの社長ドン・ウォズは、今回の商品化について「2013年にバードが亡くなった直後、私たちはイギリスの著名な音楽アイコン、ジャイルズ・ピーターソンから、1973年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの伝説的な演奏について問い合わせのメールを受け取った。なんと、そのテープはブルーノートの保管庫にしまわれていたのだ。16トラック、2インチのアナログ・マスター・テープは、ドナルド・バードの70年代の音楽がより生々しく、よりハードなものであることを明らかにしてくれた。このジャズ界の不滅のレジェンドへの特別なトリビュートとして、またブルーノートの社員と同じように、彼が残した音楽を大切にしている多くの愛好家への贈り物として、我々は誇りをもって、1973年7月5日のモントルーでのライヴ音源である本作をお届けする」とコメントしている。
trumpet, flugelhorn, vocals : Donald Byrd
electric piano : Kevin Toney
synthesizers : Larry Mizell
electric guitar : Barney Perry
electric bass : Henry Franklin
drums, vocals : Keith Killgo
congas, percussion : Ray Armando
trumpet, vocals : Fonce Mizell
tenor saxophone, flute : Allan Barnes
tenor & soprano saxophone : Nathan Davis
produced for release by Rachel Jones
recorded live by Chris Penycote at Montreux Jazz Festival Montreux, Switzerland,July 5,1973
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