2023年11月11日土曜日

George Benson / Guitar Man


 2011年の作品ですか、購入時には確か「原点回帰」とかのキャッチフレーズでかなりの宣伝してたんですよね。久しぶりに聴いてもギターという楽器を知り尽くす演奏とセンスの良さが一流すぎる笑顔が相変わらずエロいオジサンですよね。何が凄いって選曲からしてジャズファンだけだはなく、一般のリスナー向けなので普通のミュージシャンがやるとチープな感じがでるんでしょうが、この人は適度にジャズでポップな味付けでどちらの人でも聴ける音にしてるとこではないでしょうか。
 改めてライナー・ノーツを見ていると 12anniversarry のギターの宣伝のような写真があります。どうやら「Ibanez アイバニーズ ジョージベンソン 12周年 シグネイチャーモデル GB-12 12th ANNIVERSARY」のようです。ファンとしては、こんな写真を見たら別にもう一台ギターは要らなくても買う人は多いでしょう。ここら辺も George Benson は商売がうまいです。ちなみにお値段中古で¥627,292 ¥648,463 でしたので、相場は60万円強と、このモデルは、かなりお高めです。


 選曲はジャズ・スタンダードやポップスのカバーです。ノラジョーンズの Don't Know Why なんかは新しめかと思ったら、ノラのデビューアルバムは2002年 Come Away With Me ですから、それほど新しいわけでもない (若手アーチストと思っていたらノラも私も歳をとっていました) 自分の歳も感じますね。そしてナイロン・ギターを使ったノスタルジックな曲は Danny Boy あたり。これも何とも言えない渋めのソロギターを決めています。
 ベンソンの歌が上手いのはご承知の通りで、このアルバムの中ではバラードの Since I Fell For You が聞き直して一番印象が良いです。そして Tenderly、 Naima、Tequila、 My One And Only Love とコテコテのスタンダードも多数収録されているんですが、ここら辺がオジサン・リスナーの心をくすぐります。別の意味でスティービーワンダーの My Cherry Amour にも適度にポップにソウルしてるとこもオジサンの心はくすぐられます。ジャズを聴いているのか、ポップスなのか、イージーリスニングなのか?と思えばいつの間にかジャズのようで、心して聞かなくても聴いてるうちに聞きほれるという何とも絶賛なアルバム、演奏とセンスの良さが一流すぎます。丁度良い具合にバランスがとれていてギラつかない音、落ち着いたジャズは相変わらず素晴らしい🎵

guitar vocals : George Benson
keyboards : Chris Walden (7)
piano keyboards : Joe Sample, David Garfield
rythm guitar : Paul Jackson, Jr. (2),  Ray Fuller(2)
bass : Freddie Washington(2), Ben Williams (3 to 5, 7 to 9, 12)
drums : Harvey Mason(3 to 5, 7 to 9, 12), Oscar Seaton, Jr.(2)
percussion : Lenny Castro (3, 5, 6, 12)
violin viola : Charlie Bisharat (2, 7)
alto flute, Clarinet : Dan Higgins(2)

executive producer : Noel Lee
producer : John Burk

1. Tenderly
2. I Want To Hold Your Hand
3. My Cherie Amour
4. Naima
5. Tequila
6. Don’t Know Why
7. The Lady In My Life
8. My One And Only Love
9. Paper Moon
10. Danny Boy
11. Since I Fell For You
12. Fingerlero

    ▶ Guitar Man




  

2023年11月10日金曜日

James Cotton Band / Live At Electric Lady


 機関車のようでタイトで骨太なリズム隊で、実に油ギッシュなライブ。1974年に Buddh から発売の 100% Cotton と同時期の未発表ライブで、Sequel から1992年にCDで発売。この100% Cotton から、ギターに Matt Murphy ドラムに Ken Johnson ベース Charles Calmese サックス Little Bo の強力メンバーで、James Cotton Band としてファンク・ブルースのサウンドを確立しています。


 さて、レビューです。Back At The Chicken Shack これは、1960年録音のジャズ・オルガニスト Jimmy Smith による1960年の録音が元曲です。元祖はもっとスロー・テンポのブルースで Kenny Burrell がギターを弾き、Stanley Turrentine が サックスを吹いています。しかし、こちらの方が数倍カッコ良い出来栄えインスト作品。Off The Wall 1953年の Little Walter の作です。これも高速ブギーで最高のハープを聴かせてくれるインスト作品。 Rocket 88 は、James Cotton の十八番のナンバー。 1951年の Jackie Brenston and his Delta Cats が最初の録音。Don't Start Me Talking は Sonny Boy Williamson II の作品で、2分33秒と短くまとめられたブルース。Georgia Swing は、少し曲調を変えたブルースで Matt Murphy のソロがギラギラした音で良いですね。作者は不明のようです。One More Mile は、コットンのオリジナル。短いMCが入ってから始まります。これも十八番ナンバーですが、このアルバムのバージョンは素晴らしい。I Got My Mojo Working 1956年Preston "Red" Foster の作品ですが、Muddy Waters で有名になった曲ですね。この高速ファンク・ブルースでやると違った曲に聞こえるぐらいの出来栄え。How Long Can A Fool Go Wrong テンポはやっと落ちた普通のレベルになりました。コットン作品。シンプルな音使いですが、コットンのハープが冴えます。ブレークしてのお客さんのノリノリの反応からも興奮もののライブが伺えうらやましい限り。Blow Wind Blow これも十八番の一つですね。Little Walter 作品でズドンズドンと腹に来るベース・ラインが気持ち良い。Mean Ol' World は、スローナンバーで、T-Bone Walker の1942年作品。枯れた音の Matt Murphy のギターリフが、何でもないけど好きです。このような何でもない曲でこそバンドの力がわかります。I Don't Know 1952年 Willie Mabon の作品ですが、Blues Brothers でもヒットした名曲ですね。ブレイクだらけで、これがまた良い。Boogie Thing は Matt Murphy 作となっています。名の通りひたすらブギーで演奏しているほうも興奮するテンポでこれでもかと音の洪水。Stormy Monday Muddy作品かと思っていましたが、T-Bone Walker みたいです。様々なブルースマンに愛される名曲です。Fever は、Eddie Cooley、Otis Blackwellの作曲で、Little Willie John の1956年のデビューアルバムにしてヒット曲らしいです。オールディーズっぽい曲で最後はフェイドアウト。
 ハープもこれでもか!という感じでたたみかけ、迫力あるボーカルに思わず引き込まれ文句なく楽しい。スタジオ盤以上に熱い演奏がブルースはやはりライブだなと思わせてくれ、大満足なアルバム🎵

harmonica, vocals : James Cotton
bass : Charles Calmese
drums : Ken Johnson
guitar : Matt Murphy
tenor Saxophone : Little Bo

recorded for radio station KQ42 at Electric Lady Studios in New York in late 1975 or early 1976

1. Back At The Chicken Shack
2. Off The Wall
3. Rocket 88
4. Don't Start Me Talking
5. Georgia Swing
6. One More Mile
7. I Got My Mojo Working
8. How Long Can A Fool Go Wrong
9. Blow Wind Blow
10. Mean Ol' World
11. I Don't Know
12. Boogie Thing
13. Stormy Monday
14. Fever






  

2023年11月5日日曜日

The Jackson 5 / Greatest Hits

 

 Disk Union で、中古CDのソウル・コーナーを見ていたら、このアルバムを発見し懐かしさもあり即購入しました。アメリカで The Jacson5 が流行っていたと同時に日本でもフィンガー5 が完全に名前を意識して活躍していました。フィンガー5は1972年から1978年に活動、Jackson 5 は、1969年から1989年で本家は活動期間が長いですね。どちらも特にファンであったと言うことではりませんが、色々な場所で、とにかく良く流れていましたから色々な曲が耳に残っています。


メンバーは、下記の通り。5男は参加していないようです。
Jackie Jackson 長男 1962 - 1990・2001・2012-
Tito Jackson 次男 1962 - 1990・2001・2012 - 
Jermaine Jackson 三男 1962 - 1975・1984 - 1990・2001・2012 - 
Marlon Jackson 四男 1963 - 1987・2001・2012 - 
Michael Jackson 六男 1963 - 1984・2001
Randy Jackson 七男 1975 - 1990・2001


 さてレビューです。1曲目は、1969年のデビュー曲 I Want You Back メイン・ボーカルの Michael Jackson 11歳の時です。兄たちとのハーモニーも美しく、モータウン独特のサウンドは素晴らしい。現代でも十分通用する楽曲です。今まで気づきませんでしたがデビュー曲ですがバックにはストリングスが入っていますね。デビュー曲から豪華なサウンドでレーベルの期待の高さが最初から伺えます。次いで、ABC も、大ヒット曲です。マイケルのほ非凡な歌唱力、兄弟たちとの掛け合いも素晴らしい。楽器の演奏力の高さ、アレンジも素晴らしい。Never Can Say Goodbye は、典型的なソウルの楽曲ですが、伸びのあるマイケルの歌声と丁寧な歌いまわしで大人には出せない魅力ある作品になっています。Sugar Daddy は、モータウンですが少しロックっぽい曲ですね。踊りだしたくなるような跳ねたリズムが印象的です。I'll Be There は、少女のようなマイケルの歌声から始まるスローナンバーで切ないような歌声での楽曲が耳に残ります。Maybe Tomorrow ここらへんは、ビートルズとかも意識したような曲の出だし。このアルバムの中では曲としては弱いような感じです。 The Love You Save デビュー曲のような作りの曲で、良い曲ではありますが、少しネタ詰まり感が出ているような気もします。Who's Lovin You どっぷりソウル・ブルースですね。大人がダミ声で歌って味がでるタイプの曲ですが、正確な音程とリズム感できっちりと歌い上げることにより、このようなタイプの曲でまた違った魅力が出ています。でも背伸びしている感じがあるかな。 Mama's Pearl で、またモータウンサウンドに戻ってきます。ネタ詰まり感はあるものの、基本この路線で押していかなければファンは納得しないのでしょう。派手さはあって良いものです。Goin' Back To Indiana オールディーズですね。コンサートにはこういった曲もあった方が盛り上がります。演奏するバンドのメンバーは単純な進行で考えずに演奏できる、このタイプの曲は楽しいでしょう。そのように最後の方は盛り上がっています。I Found That Girl 締めの曲は、典型的なソウルです。リードボーカルは兄の誰かがとっています。それもワイルドで良いでしょう。
 若い頃に聴いていた音は、無条件に心地よいものです。Jackson 5 のアルバムを全て揃えようとは思いません。ベスト・アルバムを聴いて懐かしむにはちょうど良いアルバムです。映像を探していたら Ed Sullivan Show とか出てきましたがモロに口パクですね。そんな時代でもありました🎵

executive producer : Berry Gordy

1. I Want You Back
2. ABC
3. Never Can Say Goodbye
4. Sugar Daddy
5. I'll Be There
6. Maybe Tomorrow
7. The Love You Save
8. Who's Lovin You
9. Mama's Pearl
10. Goin' Back To Indiana
11. I Found That Girl





  

2023年11月4日土曜日

Grant Green / Live At The Lighthouse


 見た目インパクトあり、私にはサイケを狙った、かなり悪趣味なジャケットデザインに見えます。が、こういう奴は海外では高評価高いんですよねえ。
 Grant Green は1960年代前半はビバップ・スタイルでプレイし、1960年代末から1970年代にかけては、JBに影響を受けたファンクなプレイをするようになり、この1972年のアルバムでは、ジャズからファンク系に転向してとにかく弾きまくってます。
 ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ氏の教則本のお勧めの中に入っていたのがきっかけで初めて Grant Green を聴いたのがこのアルバム。知識としては Grant Green が晩年にファンクに転向したとは知っていたものの、その後古いアルバムも聴くようになってからは、ビバップ時代のアルバムの方もなかなか。しかしこのアルバム、何しろ有名ですから、最初にこのアルバムを聴いてGrant Green を見切ってしまって他のアルバムを聴いていない方も多いかとは思いますので、それはもったいない。古いものも是非聞いていただけたらと思います。1961年の Green Street なんかを聴けば、なるほど、ジャズの下地があって敢えてシンプルで刺激的な方向に行ったのかとそのスタイルの違いが良くわかります。


 さて、このアルバム、オルガンの Shelton Laster が、メンバーに入ってはいますがエレクトリック・ベースもいます。この手のジャズ・ファンクはオルガンがいるとベースがクビと言うことが多いかと思いますので楽器編成も珍しい感じです。
 ということで、レビューです。最初は、ベースとドラムが練習風に流しながら、アナウンサー Hank Stewart がバンドの紹介です。終了すると Windjammer JBタイプのベースから始まります。12分という長尺の曲ですが、曲に合わせて各自のソロを気の済むまでやるというパターンですので、楽しみながら聴いていると、それほど長くは感じません。Betcha by Golly, Wow は、Stylistics のデビューアルバムに収録されているソウル・ナンバーです。あのメロディが、そのままインストになっているので馴染みやすいですね。Fancy Free は Donald Byrd のジャズ・ファンクの名曲です。比較的近い時期の発売のカバーかと思っていたら、本家は1969年、こちらは1972年ですから3年違いでした。Flood in Franklin Park は、オルガンの Shelton Laster の作曲の王道ジャズファンク。Franklin Park はボストンにある植物園もある大きな公園とのこと、そこで洪水被害があったんだろうか?これは深くは調べなくても良いかなって感じですね。Jan Jan は、デトロイトのファンク・バンドCounts のリーダーでキーボード奏者 Mose Davis の作品です。元曲は聴いたことはありませんが、おそらくJB風なんだろうなって感じます。Walk in the Night は、1972年 Jr.Walker & The All Stars のからのシングルカット。元曲であろう曲に何となく聞き覚えがあります。
 かなりアクは強めなところが良い感じです🎵

guitar : Grant Green
sax : Claude Bartee
vibes : Gary Coleman 
organ : Shelton Laster
electric bass : Wilton Felder
drums : Greg Williams
percussion : Bobbye Porter Hall
announcer : Hank Stewart

producer : George Butler

recorded live at "The Lighthouse" Hermosa Beach, California April 1972.

1. Introduction by Hank Stewart
2. Windjammer (Neal Creque) 
3. Betcha by Golly, Wow (Thom Bell, Linda Creed) 
4. Fancy Free (Donald Byrd)
5. Flood in Franklin Park (Shelton Laster) 
6. Jan Jan (Mose Davis) 
7. Walk in the Night (Johnny Bristol, Marilyn McLeod) 





  

2023年11月3日金曜日

David Sanborn / Pearls


 1995年のエレクトラ・レーベルからのリリースです。優美なストリングスを入れてサンボーンが「サックスで歌い上げる」ゴージャスでドラマチックなアルバム。サンボーンが吹くサックスという楽器が放つ音の説得力、力強さが感じられます。
 音楽CDではありますが、ジョニー・マンデルの編曲をバックに大きな映像が流れ、その真ん中にサンボーンが立ちながら、ゆったりとサックスを吹いているような音楽を聴いていて何かが見えてくるような気持になります。


 アルバム全体はカバー曲で構成されています。 Willow Weep For Me 1932年に Ann Ronell が作詞・作曲した邦題「柳よ泣いておくれ」というポピュラー・ミュージック。オーケストラをバックでポップな味わいです。今までのサンボーンは、どこに行ってしまったのか?最初に聴いた時には結構戸惑いました。しかし、サックスの鳴き方は、いつものサンボーンのようであります。Try A Little Tenderness  も1932年、Jimmy Campbell, Reg Connelly,  Harry M. Woods によってつくられた曲で後に Frank Sinatra のデビューアルバムに収録され1966年の Otis Redding のカバーで有名になった曲です。目を閉じれば、映像が見えるような音楽です。王道の安定した旋律ですが素晴らしい出来栄え。そして大スタンダード Smoke Gets In Your Eyes です。やっぱり一番グッと胸にくる演奏でサンボーンって良いなあと素直に思える出来栄えです。ひねりはあまりないので、サックスの教則本に収録しても良いぐらいの品行方正な録音かと思います。Pearls これが主題です。Sade Adu、Andrew Hale と言う人の作曲らしいです。全く知りませんが奥行きの深い曲です。For All We Know は、ボーカル入りです。歌は Oleta Adams というソウル・ジャズ・ゴスペルを歌う方です。For all we know. We may never meet again. Before you go Make this moment sweet again 二度と会えないかもしれないことを知っていると、最後の二人の夜をゆっくりと過ごす歌です。かなり歳をとった歌声でこんな曲を聴くと何か昔話を聴いているような感じですね。Come Rain Or Come Shine は、Harold Arlen 作曲、Johnny Mercer 作詞の1946年のポピュラーソング。Billie Holiday、Sarah Ella Fitzgerald、Judy Garland などの女性シンガー、Ray Charles、Bill Evans、Frank Sinatra、などなどでも聴けますし Art Blakey Moanin' なんかにも収録されています。This Masquerade は、Leon Russell による名曲です。ジョージ・ベンソンの方が聞き覚え有ります。Everything Must Change Randy Crawford これも1976年にリリース Benard Ighner が作曲した曲で様々なアーチストにカバーされている名曲。歌よりも説得力を感じます。Superstar これはLeon Russell 作、カーペンターズで有名な曲ですね。Nobody Does It Better Carly Simon が1977年に映画『007 私を愛したスパイ』の主題歌として発表した楽曲。懐かしいですね。
 とにかくテクニックがあるサックス奏者の楽曲を聴かせるのではなく、その曲の心を伝えるような強烈なサックスです。おそらくギター弾きの私よりもサックス奏者の方には「たまらない魅力あり」の一枚だと思います🎵

alto sax : David Sanborn
keyboards : Don Grolnick (1, 4 to 9),  Kenny Barron (2,3) , Oleta Adams (10)
acoustic bass : Christian McBride (1 to 8)
electric bass : Marcus Miller (10)
fretless bass : Mark Egan (9)
drums : Steve Gadd
percussion : Don Alias
orchestrated By : Johnny Mandel (9)
vocals : Oleta Adams (10)

producer : Johnny Mandel, Tommy LiPuma

1. Willow Weep For Me
2. Try A Little Tenderness
3. Smoke Gets In Your Eyes
4. Pearls
5. For All We Know
6. Come Rain Or Come Shine
7. This Masquerade
8. Everything Must Change
9. Superstar
10. Nobody Does It Better


▶ Pearls



  

2023年10月29日日曜日

Miles Davis / The New Miles Davis Quintet

 

 このアルバムは Prestige での 1955年11月16日の録音で、コルトレーンのいる第1期の黄金期の「初めて持ったオリジナル・コンボのデビュー盤」ということになっていますが、10月27日に Columbia のスタジオで  'Round About Midnight の一部を録音しています。       
 マイルス自身は本作をそれほど重要な作品とは考えておらず、このとおりジャケットはかなり、どうでもよい感じの小川の写真に文字でタイトルが書いてあるだけでタイトルも単純に Miles だけ。Prestige の方が小さい会社であるため金はかけずにマイルスの作品を販売する方策だったようで、マイルスには多額の前払い金(ヤクの資金)を渡していたので Columbia がアルバムをリリースをしてからでも、盤を販売することはOKの契約をしていたとのこと。 'Round About Midnight が大手の Columbia で有名になり、宣伝をかけずしてこのアルバムのセールスを伸ばすことが出来たようです。ということでその後に出たアルバムのジャケットは色々なバージョンがあるようですので、中身を見ずにジャケ買いをする私としては気を付けなければいけないヤツですね。

 

 他の人の批評も気になるところで、'Round About Midnight  と比べてアンサンブルが悪いとか、全体的な厚みが無いとか、ただのセッションにしか聞こえないとか、辛めの批評が多いようです。しかし聴いてみないとわからないし、数年後に聴くと、また印象が変わることが多いのも、この手のアルバムに良くあること。
 さて、レビューしてみましょう。 Just Squeeze Me は、丁寧にテーマを吹くミュート・トランペットから始まります。非常にリラックスしたセッションであることは間違いないかと思います。若干 Red Garland のピアノが奥に引っ込んでいるような録音ではあります。コルトレーンは、ブホッとした音でのソロですが吹きすぎず落ち着いたソロは悪くはないんではしょうか。There Is No Greater Love は、良い曲ではあるけど気合は入ってないかもしれませんが、これを落ち着いたセッションと聴けば良い録音かもしれません。マイルスは良い感じのトランペットで仕事を全うしてます。How Am I to Know? は、アップテンポできました。Paul Chambers のベースが、かなり良い仕事をしているのでつられて、マイルス、コルトレーン、ガーランドのソロも聴いていて楽しいですね。S'posin' も快調なアップテンポの曲ですが、続けて聴くと若干単調になってしますような気もしますがリーダーが癌bっています。The Theme は、このアルバムで唯一のマイルスの自作曲となります。コルトレーンは、終盤でのソロとなります、他の曲も含め段々と単調なソロではあるような気もします。Stablemates これで最後の曲となります。モコモコして地味な曲が最後になっております。悪くはないんだけど曲が羅列してあるだけに聞こえないことも無い。
 このコンボの演奏をライブハウスで見れれば、それはかなり楽しいことは間違いなさそうなんだけど、そう思って聞くからかもしれませんが、アルバムとしては、ライブの演目を全部録音して並べただけの曲の羅列っぽい感じは否めないかも🎵
 
trumpet : Miles Davis
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : "Philly" Joe Jones
tenor sax : John Coltrane

recorded November 16, 1955

1. Just Squeeze Me
2. There Is No Greater Love
3. How Am I to Know?
4. S'posin'
5. The Theme
6. Stablemates





  

2023年10月28日土曜日

James Brown / Hot Pants


 以前のレビューでこんなこと書いてました。
「いつも思うんですがバンドのメンバーは大変なんでしょう。二日酔いならブレイク・ポイント逃しそうです。ずうっとテンションは同じで緊張しっぱなしで親玉は怖そうなおじさん。失敗したら、どつかれそうです(いやクビか?)」
 これはブーツィーが、1971年にヤクのやりすぎでクビになった後の1971年8月にレコード会社をポリドールに移して最初に販売したアルバムですから、やはり親玉は怖そうなオジサンだった訳です。そんな怖そうなオジサンも1988年に、薬物吸引中に妻とケンカ、銃乱射後に警察とカーチェイスなど、かなりの危ないヤク中らしいですが、このアルバムは仕事をきっちり、長尺でのファンクを5曲+ボーナスの潔いJBファンクと。改めて聴いていると、このセリフを言うような歌回しとループが、ヒップホップへ変化していったんだろうかとも思います(どうなんだろう?)


 さて、レビューです。Blues & Pants は、クールで黒さ満点の9分40秒の長尺。高速ではなく、落ち着いたテンポで、ダラダラしていますが、Fred Thomas の忍耐を強いられているような超シンプルベースを聴いていると、しっかり統制されているのだなと感じます。次いで、Can't Stand It は、またゴツゴツとしていてギターの Hearlon (Cheese) Martin, Robert Coleman の強制労働ぶりですが、しっかりファンクしています。2パートに分かれる Escape-Ism ですが、基本はワン・コードのリフパターンが一緒。最初はボーカル中心で2部目は、オルガン、トランペットのソロに自由が与えられています。そして掛け合いなどがあり、ノリ的には更にヒップホップ感が増しています。ボーナストラックの Escape-Ism (Complete Take) は、更に19分の長尺。基本一緒ですが音圧が低めかな。そして Hot Pants は、パターンは同じワンコードのファンク一発ですがタイトル曲だけあって何かがカッコ良いのと、途中から変わるリフ・パターンで何か新鮮に感じます。何かを突き詰めるとカッコ良くなるという典型ですね。
 同じリフを続けて、これほどまで飽きさせないのはJBならでは。でもクセが強いなあ。やっぱり🎵

vocals : Bobby Byrd, James Brown
organ : James Brown
guitar : Hearlon (Cheese) Martin, Robert Coleman
bass : Fred Thomas
drums : John (Jabo) Starks
congas : Johnny Griggs (3, 4, 6)

alto sax : Jimmy Parker
tenor sax : St. Clair Pinckney
trombone : Fred Wesley
trumpet : Jerone (Jasaan) Sanford, Russell Crimes (1, 2, 5)
organ trombone : Bobby Byrd

1. Blues & Pants
2. Can't Stand It
3. Escape-Ism (Part 1)
4. Escape-Ism (Part 2)
5. Hot Pants (She Got To Use What She Got To Get What She Wants)
【Bonus】
6. plus Escape-Ism (Complete Take)





  

2023年10月27日金曜日

The Wes Mongomery Trio / A Dynamic New Sound


 1959年にニューヨークで録音されたオルガンとのトリオ録音。トリオ音源としては初の録音となります。オルガンは Melvin Rhyne(メルビン・リーン)でドラムが Paul Parker(ポール・マーカー)で、録音状態は良くい状態ながらライブ感もある仕上がり。ジャケットのイラストも印象的です。プロデューサーは、この楽器構成はプロデューサーは、Bill Evans の仕掛け人として有名な Orrin Keepnews で、これも彼の仕掛けなのでしょうか。売れるミュージシャンを嗅ぎ分ける凄い人ですね。ちなみに Melvin Rhyne のオルガン演奏は結構地味で Jimmy Smith のようなド派手タイプでは無いのでギター・アルバムとして、ウェスのギターを堪能できる仕上がりも心憎い。


 この音源自体はCDでありリメイク版であるので別テイクが2曲追加されています。Satin Doll は採用テイクをスタッフが間違えたらしく、このリメイク版では6曲目に別テイク、7曲目にオリジナル、Missile Bluesはモンゴメリーがソロ演奏の後に失敗を犯してしまったとのことで、別テイクが先になっていますが、オリジナルの3分54秒ぐらいのところのことでしょうか?ミスなのかどうかは注意して聴かないとわかりませんが・・
 オープニングは、モンクの Round Midnight プリッとした音色のギターのイントロです。私の所持する音源で Echoes Of Indiana Avenue のバージョンも気にいっています。こちらも同じくオルガンの Melvin Rhyne とのデュオ。録音は 1957-58 となっていますから、この録音の前身となっているようです。Yesterdays も静かに始まります。オルガンのペダル・ベースとドラムのブラッシングだけのシンプルなバッキングだと、ギターの弦は鉄だと言うことがわかるカラカラの音が目立ちます。The End Of A Love Affair では、オルガンとドラムが一転して頑張ってスイング。1950年にEdward C. Redding が Mabel Mercer という女性クラブ歌手のために作詞・作曲した曲ですが、ラブソングっぽくないですね。Whisper Not は、Benny Golson が1956年にガレスピ楽団にいたときに作曲した名曲。これもオルガンが頑張っていてスモール・コンボのまとまりの良さが現れています。Ecaroh は、ホレスシルバーの作曲の明るく楽しげなテーマの曲で、ウェスもノリの良い演奏でどこまでも弾き続けるような感じが最後はフェイドはもったいない。そしてデューク・エリントンの Satin Doll (Take 5)、Satin Doll が、珍しい2曲続き。理由は前述のミス。それ以外にも曲全体は (Take 5) の方がモコモコしている感じはあり、ギターソロの組み立ては正規の方が面白いような気もするので本当に間違いだったのか、なんて思ってしまいます。次いでウェス作曲のブルース Missile Blues (Take 5)、Missile Blues も、間違いとのことですが、再発盤の方が2曲聴けてお得だというところで良いでしょう。それにしても(Take 5)があるんだったらマスター音源は少なくとも、あと3つの違うバージョンがあるはずですから、それも聴いてみたいもんです。そして Too Late Now は Burton Lane 作曲のバラードで古臭くも良い曲ではあります。聴いているとつまらないかなって思ったところでウェスのソロになって、ゆったりとしたシングル・ノートのソロも悪くないなあと思いながら後半は聴けます。Jingles でラストですが、ウェス作曲の大好きな曲です。個人的には Russell Malone / Black Butterfly の高速バージョンが一番好きなんですが元祖ここにありです。
 この録音は、飛行機嫌いで知られるウェスがニューヨークまで飛行機でやって来たのか、ケニーバレルがギターとアンプを貸したのかといったことも話題になったらしい。結果的には飛行機できたことは判明したが、バレルのギターの借用は不明🎵

guitar : Wes Montgomery
organ : Melvin Rhyne
drums : Paul Parker

producer : Orrin Keepnews

1, 5, 6, 7, 8 recorded at Reeves Sound Studios, NYC, October 5, 1959
2, 3, 4, 9, 10, 11 recorded at Reeves Sound Studios, NYC, October 6, 1959

1. 'Round Midnight
2. Yesterdays
3. The End Of A Love Affair
4. Whisper Not
5. Ecaroh
6. Satin Doll (Take 5)
7 Satin Doll
8. Missile Blues (Take 5)
9. Missile Blues
10. Too Late Now
11. Jingles



▶ Jingles