2023年10月29日日曜日

Miles Davis / The New Miles Davis Quintet

 

 このアルバムは Prestige での 1955年11月16日の録音で、コルトレーンのいる第1期の黄金期の「初めて持ったオリジナル・コンボのデビュー盤」ということになっていますが、10月27日に Columbia のスタジオで  'Round About Midnight の一部を録音しています。       
 マイルス自身は本作をそれほど重要な作品とは考えておらず、このとおりジャケットはかなり、どうでもよい感じの小川の写真に文字でタイトルが書いてあるだけでタイトルも単純に Miles だけ。Prestige の方が小さい会社であるため金はかけずにマイルスの作品を販売する方策だったようで、マイルスには多額の前払い金(ヤクの資金)を渡していたので Columbia がアルバムをリリースをしてからでも、盤を販売することはOKの契約をしていたとのこと。 'Round About Midnight が大手の Columbia で有名になり、宣伝をかけずしてこのアルバムのセールスを伸ばすことが出来たようです。ということでその後に出たアルバムのジャケットは色々なバージョンがあるようですので、中身を見ずにジャケ買いをする私としては気を付けなければいけないヤツですね。

 

 他の人の批評も気になるところで、'Round About Midnight  と比べてアンサンブルが悪いとか、全体的な厚みが無いとか、ただのセッションにしか聞こえないとか、辛めの批評が多いようです。しかし聴いてみないとわからないし、数年後に聴くと、また印象が変わることが多いのも、この手のアルバムに良くあること。
 さて、レビューしてみましょう。 Just Squeeze Me は、丁寧にテーマを吹くミュート・トランペットから始まります。非常にリラックスしたセッションであることは間違いないかと思います。若干 Red Garland のピアノが奥に引っ込んでいるような録音ではあります。コルトレーンは、ブホッとした音でのソロですが吹きすぎず落ち着いたソロは悪くはないんではしょうか。There Is No Greater Love は、良い曲ではあるけど気合は入ってないかもしれませんが、これを落ち着いたセッションと聴けば良い録音かもしれません。マイルスは良い感じのトランペットで仕事を全うしてます。How Am I to Know? は、アップテンポできました。Paul Chambers のベースが、かなり良い仕事をしているのでつられて、マイルス、コルトレーン、ガーランドのソロも聴いていて楽しいですね。S'posin' も快調なアップテンポの曲ですが、続けて聴くと若干単調になってしますような気もしますがリーダーが癌bっています。The Theme は、このアルバムで唯一のマイルスの自作曲となります。コルトレーンは、終盤でのソロとなります、他の曲も含め段々と単調なソロではあるような気もします。Stablemates これで最後の曲となります。モコモコして地味な曲が最後になっております。悪くはないんだけど曲が羅列してあるだけに聞こえないことも無い。
 このコンボの演奏をライブハウスで見れれば、それはかなり楽しいことは間違いなさそうなんだけど、そう思って聞くからかもしれませんが、アルバムとしては、ライブの演目を全部録音して並べただけの曲の羅列っぽい感じは否めないかも🎵
 
trumpet : Miles Davis
piano : Red Garland
bass : Paul Chambers
drums : "Philly" Joe Jones
tenor sax : John Coltrane

recorded November 16, 1955

1. Just Squeeze Me
2. There Is No Greater Love
3. How Am I to Know?
4. S'posin'
5. The Theme
6. Stablemates





  

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