2023年10月27日金曜日

The Wes Mongomery Trio / A Dynamic New Sound


 1959年にニューヨークで録音されたオルガンとのトリオ録音。トリオ音源としては初の録音となります。オルガンは Melvin Rhyne(メルビン・リーン)でドラムが Paul Parker(ポール・マーカー)で、録音状態は良くい状態ながらライブ感もある仕上がり。ジャケットのイラストも印象的です。プロデューサーは、この楽器構成はプロデューサーは、Bill Evans の仕掛け人として有名な Orrin Keepnews で、これも彼の仕掛けなのでしょうか。売れるミュージシャンを嗅ぎ分ける凄い人ですね。ちなみに Melvin Rhyne のオルガン演奏は結構地味で Jimmy Smith のようなド派手タイプでは無いのでギター・アルバムとして、ウェスのギターを堪能できる仕上がりも心憎い。


 この音源自体はCDでありリメイク版であるので別テイクが2曲追加されています。Satin Doll は採用テイクをスタッフが間違えたらしく、このリメイク版では6曲目に別テイク、7曲目にオリジナル、Missile Bluesはモンゴメリーがソロ演奏の後に失敗を犯してしまったとのことで、別テイクが先になっていますが、オリジナルの3分54秒ぐらいのところのことでしょうか?ミスなのかどうかは注意して聴かないとわかりませんが・・
 オープニングは、モンクの Round Midnight プリッとした音色のギターのイントロです。私の所持する音源で Echoes Of Indiana Avenue のバージョンも気にいっています。こちらも同じくオルガンの Melvin Rhyne とのデュオ。録音は 1957-58 となっていますから、この録音の前身となっているようです。Yesterdays も静かに始まります。オルガンのペダル・ベースとドラムのブラッシングだけのシンプルなバッキングだと、ギターの弦は鉄だと言うことがわかるカラカラの音が目立ちます。The End Of A Love Affair では、オルガンとドラムが一転して頑張ってスイング。1950年にEdward C. Redding が Mabel Mercer という女性クラブ歌手のために作詞・作曲した曲ですが、ラブソングっぽくないですね。Whisper Not は、Benny Golson が1956年にガレスピ楽団にいたときに作曲した名曲。これもオルガンが頑張っていてスモール・コンボのまとまりの良さが現れています。Ecaroh は、ホレスシルバーの作曲の明るく楽しげなテーマの曲で、ウェスもノリの良い演奏でどこまでも弾き続けるような感じが最後はフェイドはもったいない。そしてデューク・エリントンの Satin Doll (Take 5)、Satin Doll が、珍しい2曲続き。理由は前述のミス。それ以外にも曲全体は (Take 5) の方がモコモコしている感じはあり、ギターソロの組み立ては正規の方が面白いような気もするので本当に間違いだったのか、なんて思ってしまいます。次いでウェス作曲のブルース Missile Blues (Take 5)、Missile Blues も、間違いとのことですが、再発盤の方が2曲聴けてお得だというところで良いでしょう。それにしても(Take 5)があるんだったらマスター音源は少なくとも、あと3つの違うバージョンがあるはずですから、それも聴いてみたいもんです。そして Too Late Now は Burton Lane 作曲のバラードで古臭くも良い曲ではあります。聴いているとつまらないかなって思ったところでウェスのソロになって、ゆったりとしたシングル・ノートのソロも悪くないなあと思いながら後半は聴けます。Jingles でラストですが、ウェス作曲の大好きな曲です。個人的には Russell Malone / Black Butterfly の高速バージョンが一番好きなんですが元祖ここにありです。
 この録音は、飛行機嫌いで知られるウェスがニューヨークまで飛行機でやって来たのか、ケニーバレルがギターとアンプを貸したのかといったことも話題になったらしい。結果的には飛行機できたことは判明したが、バレルのギターの借用は不明🎵

guitar : Wes Montgomery
organ : Melvin Rhyne
drums : Paul Parker

producer : Orrin Keepnews

1, 5, 6, 7, 8 recorded at Reeves Sound Studios, NYC, October 5, 1959
2, 3, 4, 9, 10, 11 recorded at Reeves Sound Studios, NYC, October 6, 1959

1. 'Round Midnight
2. Yesterdays
3. The End Of A Love Affair
4. Whisper Not
5. Ecaroh
6. Satin Doll (Take 5)
7 Satin Doll
8. Missile Blues (Take 5)
9. Missile Blues
10. Too Late Now
11. Jingles



▶ Jingles


  

0 件のコメント:

コメントを投稿