マンネリ気味、偏り気味の音源の幅を広げるべく、あまり聴いたことが無いミュージシャンの音源をあえて購入するパターンで購入の一枚。購入店舗は、おそらくディスク・ユニオンだったはず。このような買い方をするときは、何が入っているのか?参加メンバーは?などと気にすることなく、安くて名盤っぽい売り文句があれば購入してしまいます。ロック系はこの買い方で失敗する(2度と聴かない)ことは多いのですが、ジャズに限っては後悔することは少ないですよね。
と言うことで、私がこの Duke Pearson(デューク・ピアソン)に関しては、ほぼ知識が無いことは察していただけることかと思いますのでググって見ます。1932年生まれのピアニスト、作曲家。有名曲はよくわかりませんが、アート・ファーマー、ベニー・ゴルソン、私の好きなドナルド・バードなどと共演されているとのこと。Duke Pearson の名前は、デューク・エリントンにあやかって「Duke」とおじさんにつけられた愛称とのこと。1963年には Blue Note でスカウトを担当し1963年から1970年までセッションに参加しながらプロデューサーを務めています。1966年にブルーノートがリバティ・レコードに買収されピアソンも1971年に Blue Note を引退しクラーク大学で教鞭を採りその後ビッグバンドを結成してのこのビッグ・バンド・アルバムの録音となったようです。
なるほど私の所有の音源を調べてみると Donald Byrd / Fancy Free、Donald Byrd / Fuego、Donald Byrd & Herbie Hancock / Royal Flush、Grant Green / Idle Moments
でピアノを弾き、Herbie Hancook / Speak Like A Child ではプロデューサーでした。つまり全くしらないオジサンでは無かった訳です。
さてこのアルバムもうおわかりの通り、晩年のビッグ・バンド作品で1968年の録音です。メンバーは有名どころではトランペットで Randy Brecker、サックスは Frank Foster、バリトン・サックス Pepper Adams 先の Herbie Hancook / Speak Like A Child でドラムを叩いていた Mickey Roker なんかが参加しています。
ただ聴いているときよりも面白くなってきました。それではレビューですが、まずは Disapproachment これは Frank Foster のオリジナル。ザ・ビッグ・バンドって感じの派手でカッコ良い曲なんですが、ソロ回しでサックスがノリノリでソロが終わってトロンボーンの出番となります。少したどたどしいかなと思いつつ聴いていると、3分9秒ぐらいから素人でもわかるレベルで音を外し始め?となりました。放送事故っぽいレベルのような気がします。で気を取り直して I'm Tired Cryin' Over You ブルース・ピアニストのバディ・ジョンソンのブルースでボーカルもので一休みって感じですが一休みが2曲目は早いなあと思います。Tones For Joan's Bones はチック・コリアのオリジナル曲でチックコリアの初リーダーアルバムのタイトル曲とのこと。オリジナルを聴いて比較したいですね。Amanda はピアソンのオリジナルでボッサです。ピアノ、ベース、ドラムのトリオで始まり、トロンボーン・ソロ 1分16秒4あたりが、また音程があやしい。4人いますが犯人は誰なのか気になります。Dad Digs Mom もピアソン・オリジナルのバラードです。パパはママを探し当てる(ママもパパを探し当てる)みたいな意味でしょうか。抜き足差し足でにじみよっていくような曲です。Minor League は景気の良いビッグ・バンド・アレンジでドラムが楽しそうにバカバカやってます。トロンボーン大丈夫だろうな?と思いながら聴いているとこの曲ではソロは回ってこなくて終了です。ホッとした。Here's That Rainy Day は Jonny Burke の作曲でチーク・タイムにかかるやつですね。甘いヤツです。テナー・サックスがエロい感じです。Make It Good もピアソンのオリジナルで豪快なパターンで Pepper Adams のバリサキが暴走族みたいで素晴らしい。最後は名曲 The Days Of Wine And Roses です。甘美な旋律の美しい曲ですが確か曲名とは裏腹に悲しい曲だったんですかね。間違いなく安定した演奏です。これはトロンボーンが率先してのソロ。出だし怪しいところは少しありましたが、うまくクリアです。ホッとしました。
最初はふーんって感じだったんですが結局は聴きこんでしまったアルバムでした。面白かったかな。
piano : Duke Pearson
bass : Bob Cranshaw
drums : Mickey Roker
alto sax : Al Gibbons, Jerry Dodion
tenor sax : Frank Foster, Lew Tabakin
baritone sax : Pepper Adams
trumpet : Burt Collins, Jim Bossy, Joe Shepley, Marvin Stamm, Randy Brecker
trombone : Benny Powell, Garnett Brown, Jimmy Cleveland, Kenny Rupp
vocals : Andy Bey (2)
recorded by : Rudy Van Gelder
producer, arranged by : Duke Pearson
recorded on December 3, 1968.
1. Disapproachment
2. I'm Tired Cryin' Over You
3. Tones For Joan's Bones
4. Amanda
5. Dad Digs Mom (And Mom Digs Dad)
6. Minor League
7. Here's That Rainy Day
8. Make It Good
9. The Days Of Wine And Roses
▶ Amanda