2022年4月5日火曜日

Funkadelic / Hardcore Jollies


 一般的な世間からしたら派手な見た目のジャケットで、音自体もやりたい放題に感じる大好きなアルバムです。アメリカではあまり受けなかったそうですが、日本人の私にはファンクサウンドにぐちゃぐちゃのロック・ギターは、かなり響いてきます。
 ファンカデリックはこの年はアルバムを量産していて2月に Mothership Connection、7月には The Clones of Dr. Funkenstein、このアルバムは10月リリースで Westbound レーベルを離れて、Warner へ移籍した第一弾となっています。
 看板ギタリストのEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)、次のギター・ヒーローとなるMichael Hampton(ハンプトン)、「おむつ」ギタリストの Gary 'Dowop' Shider(ゲイリー・シャイダー)がサウンドの要となっています。また Bernie Worrell(バーニー・ウォーレル)のうねるキーボードもこのパンチあるサウンドに広がりを持たせカラフルなスパイスを効かせてます。また、この形態にはホーン隊がいないくて、パーラメントとは違ったファンク・スタイルでハード・ロックに通じる激しいエレキギターが特徴だが根底に流れるものはロックではなくやはりファンクであるところがノリに乗っているファンカの魅力が満点のアルバムです。


 Funkadelic、P-FUNKは大好きなんですが、その実態と活動の流れが今一よくわからないので、最近は 河地依子著の P-FUNK を読みながらフムフムと聴くことも多いのですが、今回も見ていたら、3曲目の If You Got Funk, You Got Style には、正式加入前のDennis Chambers(デニス・チェンバース)が叩いているとのことですが、デニスは未だ17歳の高校生でクレジットはないらしい。(正式加入は卒業後の78年です)そう思って聴くと、確かに細かな細工のドラミングのような気がします。また、このアルバムの Cosmic Slop はライブとなっていて Mothership Connection のライブのはずですが、観客の声は入っていません。なぜかと言えばリハーサル音源だからとのこと。なるほど・・
 いつも Funkadelic、P-FUNK を聴くと変態的な音楽だなあと思いますが、このアルバムは割と素直にファンクを楽しめる一般大衆にもおすすめできるものかと思います🎵

vocal :George Clinton, Ray Davis, Fuzzy Haskins, Grady Thomas, Calvin Simon, Garry Shider, Glenn Goins, Gary “Mudbone” Cooper
keyboads : Bernie Worrell
lead guitar : Michael Hampton, Eddie Hazel
guitar : Eddie Hazel, Gary 'Dowop' Shider, Glen 'Gone Gouster' Goins
bass : Boogie Mosson, Bootsy Collins, Jimi Calhoun on "Comin' Round the Mountain"
drums : Jerome Brailey, Buddy Miles on "Comin' Round the Mountain"

producer : George Clinton

1. Comin' Round The Mountain
2. Smokey
3. If You Got Funk, You Got Style
4. Hardcore Jollies
5. Terribitus Phase Two
6. Cosmic Slop (Live)
7. You Scared The Lovin' Outta Me
8. Adolescent Funk





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2022年4月4日月曜日

James Brown / Live Sex Machine


 Made In Sweden のシールが貼ってありジャケ写の裏は真っ白で、ほぼブートレグだと思いたら Success というヨーロッパのコンピ・レーベルからの発売でした。発売は1989年ですが、いつ、どこのライブでか、バンド・メンバーは誰なのか?なのかは全くわかりません。しかし正式の契約とリリースであればもう少し情報があっても良いものと思うのでブートレグの疑いは未だ継続です。ジャケ写は、2種類存在するようです。
 Sex Machine 自体はライブ・アルバムとして正式リリースされているものはあるが、これとは曲目や演奏時間は異なるため全く違うものです。正式な盤の方は、前半の5曲はスタジオで録音されたものに観客の声をオーバーダビングし、ライブ風に仕上げたもの。6曲目以降が実際にジョージア州オーガスタにて行ったライブ音源となっています。


 残念なブートレグとは思われますが、このライブの演奏はすこぶるキレは良くカンペキであります。しかし音はラインで録ったような音ではなく遠くに聞こえるので、少し性能の良いレコーダーを置いて録音したような音質です。観客の声援が近くに聞こえるようなことは無いので客席で録音した確率は低いものと思われます。James Brown は好きなのですが、それほど研究している訳では無いので演奏を聴いてこれは誰が参加しているのかは区別はつきません。ですがバックのメンバーが違うとスカスカだったりもします。これはスカスカではないタイトで切れの良いサウンドの奴です。Georgia On My Mind のサックス・ソロが終わったところで、メイシオ・パーカーと言っているのが聞こえましたが、それ以外にメンバーを推測できるところは、今のところ聞き取れていません(もう一回ちゃんと聴くかな)
 いつも思うんですが、ライブでずっとこんなにタイトに正確にリズムを刻み続けるのはバンドのメンバーはご苦労なことです。単純ではありますが決めは至る所にあるし、恐らくミスするとオヤジは怖そうだし、クビになりそうな気はしますし、結構な重労働だよなあと思ってしまいます🎵

1. Sex Machine
2. Cold Sweat
3. Prisoner Of Love
4. Georgia On My Mind
5. Get On The Good Foot
6. I Got The Feelin'
7. (Give It Up Or) Turn It Loose
8. Hot Pants
9. Try Me
10. It's Too Funky In Here
11. It's A Man's Man's Man's World
12. Please, Please, Please
13. I Can't Stand Myself (When You Touch Me)
14. Jam





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2022年4月3日日曜日

Eric Clapton / Best Selection VC-3038


 ベスト盤よりアルバムを買いたいと思いつつ、ついつい昔から手を出してしまいます。特に Eric Clapton(エリック・クラプトン)なんかは、なんやかんやでベスト購入以降もアルバムを結局買っているのに必要性には自分も疑問?です。と思いつつクラプトンのアルバムは、聴きたい曲が1~2曲というのも多いのでこのベストはありかもしれない。
 

 Derek & The Dominos の Layla他、Cream時代の売れ筋4曲とソロになってからの
代表曲がずらりと全17曲だけど、どれも印象に残っているだけに改めてギターだけでなくボーカル、作曲の能力の高さ、カバー曲のリメイクのセンスには驚くばかりであります。
 私ギター弾きではありますが、若い頃クラプトンは聴くけどコピーはしてきませんでした。しかし札幌勤務時代に、いつも飲みに行っていたバーのマスターが同い年でギター弾きであることがわかり、そのマスターが Cream のコピーバンドを周りの飲み仲間と組んで間もない頃だったので、そのバンドに参加させていただいたことを思い出します。楽器は皆やっていたもののバンド活動は、ほぼ未経験者の、ボーカル、ドラム60代、ギター50代、ベース40代のバンドでした。最初はグチャグチャでしたが、何とか形になってきてから、札幌のライブハウスでのセッションに参加したり、マスターと私は生ギターでアンプラグドのコピーをして、常連さんとの年末忘年会は二人のミニ・ライブを開いたり楽しかった思い出ですね。クラプトンの良さは初心者でも皆が真似したくなってしまうロック初心者への親しみやすさでもあります。幅広い年齢層に世界中でこれほど愛されているギタリストも中々いないですよね。🎵

1. Layla  : Derek & The Dominos
2. Crossroads : Cream
3. White Room : Cream
4. Badge : Cream
5. Sunshine Of Your Love : Cream
6. Strange Brew : Eric Clapton
7. Motherless Children : Eric Clapton
8. Let It Grow : Eric Clapton
9. I Shot The Sheriff : Eric Clapton
10. Knockin' On Heaven's Door : Eric Clapton
11. Swing Low Sweet Chariot : Eric Clapton
12. Please Be With Me : Eric Clapton
13. Peaches And Diesel : Eric Clapton
14. Lay Down Sally : Eric Clapton
15. Wonderful Tonight : Eric Clapton
16. Sign Language : Eric Clapton
17. Cocaine : Eric Clapton





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2022年4月2日土曜日

The Isley Brothers / Givin' It Back


 全曲カバー曲でまとめられたアルバムで、前作 Get Into Something がこけたので、作風の方針変更でフォーキーなカヴァーアルバムにしたと過去書いていましたがこれは、うがった見方のようです。ピーター・バラカン氏によれば、このアルバムはソウル/ファンクのグループとしてのアイズレー・ブラザーズが、ロック畑に「お返しする」という趣旨のものだそうです。確かにGivin' It Back と言う曲名は無いですね。ジャケ写も The Brothers Isley では、新興宗教のような赤い服でしたがアコギを抱えてフォークグループ風になっています。


 この頃は年に一枚のペースでアルバム作成していたので、商業的に売れることを意識していたのか、カーティス・メイ・フィールドあたりも意識しているような歌い方なんて、またうがった見方でのレビューをしてしまいました。改めて聴きながら時代背景を考えれば、当時ベトナム戦争で暗澹としたアメリカ社会を批判するような、メッセージ性の強い曲が選曲されていることからも、ルーツに感謝しながら当時のアメリカに対して物申すといった意味も強いような気がします。白人アーチストの曲が多いのも敢えて白人・黒人の垣根を超える意図もあったのかもしれません。
 Ohio/Machine Gun は、ジミヘンを意識したアーニーのギターとロナルドの力の入ったボーカルが印象的。Fire And Rain はアーシーなソウルでありながら、途中からフォーキーになる意外性の展開が凄い。ボブ・ディラン Lay Lady Lay は力を抜いてカントリー・ソウル。Spill The Wine ではラテンを取り入れながらも、しっかりアイズレー・サウンドに昇華しているラテン・ソウル。そしてこのアルバムでは一番アイズレーらしいファンクナンバー Nothing To Do But Today になって、このアルバムのコンセプトっぽくないのだが何か安心感があります。そして大好きなビル・ウィザーズの Cold Bologna は、歌い方アレンジはマンマですね。このパターンのギターも歌いまわしも大好きと思って聞いていて参加アーチスト書いてたら本人参加でした(もう一回聴こう)ラストは2曲目のスティーヴン・スティルスのカバー Love The One You're With で、アレサ、ミーターズもカバーしている名曲で締めくくりです。異色作ではありますが良かったっす。聴き直して満足🎵

お買い得5枚組ですが
時代を追って一気にアーティストの変化が
聞き比べられるので面白い

lead and backing vocals : Ronald Isley 
backing vocals : O'Kelly Isley Jr. and Rudolph Isley
lead guitar (1-5, 7), rhythm guitar, drums : Ernie Isley
bass guitar : Marvin Isley
piano : Chris Jasper
lead guitar (1-5, 7), rhythm guitar : Chester Woodard
lead guitar (6) : Bill Withers
organ : Milton Westley
flute : John Mosley
drums, percussion : George Moreland
congas (1-6) : Gary Jones
congas (7) : Buck Clarke

1. Ohio / Machine Gun (Neil Young / Jimi Hendrix)
2. Fire And Rain (James Taylor)
3. Lay Lady Lay (Bob Dylan)
4. Spill The Wine (Eric Burdon & War)
5. Nothing To Do But Today (Stephen Stills)
6. Cold Bologna (Bill Withers)
7. Love The One You're With (Stephen Stills)






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2022年4月1日金曜日

The Red Garland Trio / Groovy

 

 Red Garland はリーダー作は持っていないものの、マイルスのアルバムやコルトレーンのアルバムでよく聞いているピアニストです。1923年5月13日 生まれ 1984年4月23日 で亡くなったピアニストで、デビュー前にはプロボクサーで35試合を戦っています。ピアノを始めたのは兵役中の18歳の時とのことで、なかなか個性的なデビュー前の遍歴です。
 1946年にニューヨークに移りビリー・エクスタインのビッグ・バンドに参加し、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビス、ファッツ・ナヴァロと共演する経験を積んでいます。1955年から1958年にかけてはマイル・デイビス・クインテットに参加し多くの作品を残しています。この頃のギグではデイビスはステージを離れて、トリオの形でガーランドを主役にするのが定番だったらしい。


 マイルスのアルバムを聴いている時には、正直ピアノに耳を集中させることはなく、改めてソロアルバムと言うことで聴いてみると、極めて分かりやすく簡潔でスイング感があるピアニストと感じました。こういった演奏はまさにタイトルのようにグルービーと感じます。アルバムリリースは1958年35歳の時で、粒立ちの良いトーンで奏でられるピアノは心地よく装飾過多ではないピアノは気持ちが良い。マイルス作品を改めて聴き直してみたくなってきました。
 アルバムはエリントンのミディアムテンポのブルース C-Jam Blues から始まるが、きっちりとスイングしジャズ・ブルースの良さがテーマの部分からも聴き分けられる。発音がしっかりとしていてエッジが聴いていてしっかりとスイングのリズムに乗って難しいことはしていないのだが、これがカッコイイ。バラードの Gone Again はしっとりとブロック・コードを効果的に用いての演奏で、なるほどこれがそれかと納得のバラード。続く Will You Still Be Mine? ではアップテンポのリズムに合わせた玉のように転がるシングルトーンのピアノソロがまた良聴きごたえあり、途中に挟むジャ~ンという開放が来たーって感じで、ベースのポール・チェンバースの音も、また低音が良く響きながらスインギーです。ドラムとピアノはグイグイと走り気味ながらベースがきっちりスイングしながら皆を落ち着かせているように聴こえます。Willow Weep for Me では、またバラードに戻ります。ピアノはバラードながらドンドン活力づいています。長めのベース・ソロに加え遊びのようなトーンや音使いも後半聴けてクールを装っているチェンバースも段々と乗ってきているようです。What Can I Say は、可愛らしいテーマと小気味よく刻まれるフレーズが楽しい楽曲です。ピアノで、これが弾けるようになりたいです。そしてブルースの Hey Now で終了しますがテーマのブレイクのところがよくあるパターンではありますが大好きです。繰り返しのトリル的なフレーズも練習します。ホント、リズムって大事ですね。ミドルテンポのブルースはこの人の良さが良く出てくるようでマダマダ聴いていたい感じです。最初に「おでんバー」で聴いた時はおしゃべりしててよく聴いてなかったけど、リズム隊との絡みもモタモタするところが若干あるのも含めてコンビネーションも素晴らしく、聴きこむとこれも良き一枚ですな🎵

piano : Red Garland 
bass : Paul Chambers
drum : Art Taylor 

recorded at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ, December 14, 1956

1. C Jam Blues 
2. Gone Again 
3. Will You Still Be Mine? 
4. Willow Weep For Me 
5. What Can I Say (After I Say I'm Sorry)? 
6. Hey Now 





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2022年3月31日木曜日

Ahmad Jamal Trio At The Pershing / But Not For Me

 

 ピアニストも勉強聴いていこうと、最近コレクションの幅を広げているので今まで私が聴いてこなかった Ahmad Jamal(アーマッド・ジャマル)に手を伸ばしてみました。さて予習から始めるとこの方は1930年7月2日生まれで現在91歳でご存命です。ペンシルヴァニア州生まれで3歳からピアノを触りはじめ7歳で正式な練習を始めたそうで、14歳からプロとして活動を始めたとのことで、この時 アート・テイタム(Art Tatum)から「次代の大物」と呼ばれたのですが、初録音は1951年なので21歳の時にレコーディング・デビューとなったので下積み時代は長かったようです。


 その後、1957年に、グループは「ハウス・トリオ」として1958年1月16日シカゴのパーシング・ホテルで演奏しその録音がリリースされたのが本作 But Not For Me で108週間(2年間)ベストセラーのチャート10位以内にとどまったというビッグヒットアルバム。
 この稼ぎでシカゴに「アルハンブラ」と呼ばれるレストランとクラブを開き、クラブは1959年から1961年まで続き、この時のトリオは1962年にトリオは解散。ジャマルはニューヨークに引っ越し、32歳で音楽から3年間はなれました。
 モノラル録音ですが、演奏の背後で話し声やらカートを引いたときに車輪がきしんだような音などまで録音されライブ感あふれる録音です。
 またジャマルの音楽は、マイルス・デイビスに影響をあたえ「間(スペース)のコンセプト、タッチの軽さ、控えめな表現···」に感銘を受けたと自伝に書いていて、「間」と言われるとなんとなくわかるような気がします。
 最初にこのアルバムを聴いたのは、いつもの行きつけの「おでんバー」で、私を含め聴いていた人たちの反応は正直薄かった。なんでか?と言えば「間」なのだろうか?刺激がされる熱さが感じられずスマート過ぎるように感じ帯に書いてあった1958年録音の全米ヒットチャート最高3位を見て、このアルバムがそんなに流行るのか?そういう時代だったんだなあと皆が感じていたようです。今はこのレビューを書きながら数回繰り返し聴いたので何となくその良さがわかってきたような気がしますが、一聴ではその昔の評論家が「カクテル・ピアノ」を評したのはわからんでもないです🎵 

piano : Ahmad Jamal
bass : Israel Crosby
drums : Vernell Fournier

producer : Dave Usher

recorded Live at The Pershing Lounge, January 16, 1958.

1. But Not For Me
2. Surrey With The Fringe On Top
3. Moonlight In Vermont
4. Music, Music, Music
5. No Greater Love
6. Poinciana
7. Woody 'N You
8. What's New





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2022年3月30日水曜日

Elvin Jones & Richard Davis / Heavy Sounds

 

 タワレコで見かけた「JAZZ THE BEST」シリーズでヘヴィ・サウンズの文字に惹かれて購入した一枚です。Elvin Jones といえば、John Coltrane の Africa / Brass、Tommy Flanagan / Overseas、Thad Jones / Motor City Scene なんかに参加していたドラマーですのでヘヴィというからには、まあ激しくアフリカンなリズムが強調されたアルバムかな?と予想していました。
 初試聴は、いつものいきつけ「おでんバー」です。おそがけで行ったのでマスター以外にも常連の音楽好きのKさんもいらっしゃいます。土曜日なので私服でお邪魔したので、「今日は持ってきたよねえ、何持ってきた?」と私のパターンは浸透してきています。でこれを出して見せるとマスターもKさんも声を揃えて、これは持ってるとのこと。マスターはジャケ写しか覚えていなくて、Kさん曰く、やばいヤツだった記憶があるとのことでドキドキします。


 しかし実際に聴いてみると期待していたほどのヘヴィさは無く、Kさんも購入当時に受けた印象とはだいぶ違うとのことでした。改めて聴き手も歳とともに変化していることと、脳内での保管状態について酒を飲みながらしばし歓談でした。この話題は定期的に酒のつまみになるのは、みんなが歳をとった証拠ですね。実に不思議なもんです。
 ドラマーの Elvin Jones にばかり気を取られていましたが、本作はベース Richard Davis とのリズム・コンビによる1967年の双頭リーダー作で、ドラムとベースの絶妙なコンビネーションこそ聴きどころ。そう考えると現代の様々な音楽を聴いてきた私にとっては。このアルバムは激しい意味のヘヴィではなく魅惑の低音のヘヴィなんですね。


 さて中身ですが、頭の Raunchy Rita についてはアシッドのはしりのような感じで混沌気味の曲となっています。Shiny Stockings は、最初に聴いた時にはわかりませんでしたが、何回か聴くうちにあのテーマのメロディが浮かぶような浮かばないようなモヤモヤした感じで、聴いているうちに Richard Davis の低音が心地よくなり、1曲目で、少し飽きてしまった Frank Foster のサックスも中々高度な音の選び方なのかな?と聞き入ってしまいました。ふむ。 M. E.については、Billy Greene のスムースなピアノが低音コンビとの対比が出て良い感じです。Summertime については、ベースとドラムのデュオなのですが、地味でありながらアルバムの中での存在感は抜群でした。そして目立つのがこれ、Elvin's Guitar Blues です。決してうまいギターではありませんが、エルビンの弾くブルースです。音楽はうまい下手ではなく魂ですね。サックスソロは無しであっさり終わっても良かったかもしれないな。と色物を2曲続けたところで Here's That Rainy Day でしっかりと締めくくりです。
 アルバムのジャケットでは、二人の喫煙ジャケットですが、Richard Davis は1977年から禁煙してるそうです。私は電子タバコにしてから紙の時より本数が増え禁煙はできそうにありません。

drums : Elvin Jones
piano : Billy Greene (1, 3, 5, 6)
Bass : Richard Davis
tenor sax : Frank Foster (1 to 3, 5, 6)

producer : Bob Thiele

1. Raunchy Rita
2. Shiny Stockings
3. M. E.
4. Summertime
5. Elvin's Guitar Blues
6. Here's That Rainy Day




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