私にとっては、レゲエとは「Bob Marley」なんですが、気づくと最近 youTube 等で聞くレゲエはもっとエレクトリックなヒップホップ、ポップでアシッドなものが多くなっていて、レゲエ= Bob Marley は、昔のオジサンであることを感じています。どうやら1960年以降はレゲエというジャンルは、様々な形に進化、広がりを見せ始め、 Bob Marley あたりは「ルーツ・レゲエ」という表現で分別されているようです。ルーツと表現されているということは、最近の若者にとっては古典のような音楽と言うことでしょう。
ウェイラーズは、1963年に Peter Tosh、Bob Marle、Bunny Wailer の3人で結成したバンドで Bunny Wailer の名前を冠していますが、1974年に Peter Tosh、Bunny Wailer は脱退してしまい本人不在のまま、Bob Marley And The Wailers にバンド名を改めて、新たなメンバーでツアー活動を開始しています。
Bob Marley And The Wailers は、ラスタファリ運動の思想を背景として音楽・思想を語り続けています。ラスタファリ運動とは、1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動で、宗教ではなく一握りのエリートによって支配され、社会的に抑圧されたジャマイカ市民による抵抗運動です。
それでは、裏ベストのようなアルバムなので、超メジャー級の曲はありませんがレビューしてまいります。Can't Work No Longer オリジナルは People Get Ready からで、このアルバム5曲が、芸術的にも商業的にも成功したと言われる名盤 People Get Ready からのエントリーです。おそらく手法的には Doo-wop をとり入れた楽曲で、アレンジがそれっぽいですが、メロディーにカーティスっぽさが出ていて、なるほど一連の名曲はこのような曲の伏線もあるのかと納得。Girl You Don't Know Me これは初耳の時も、おそらく知っていたので若干有名な曲かと思います。I Made More Mistake これから流行っていくであろうソウルのお手本のような曲で、続くミュージシャンたちに、こういった曲は大きな影響を与えたんだろうなあ。I Made More Mistake 今風のソウルでは出せない味があるバラード調。歌詞は検索せずとも曲名から失恋ソングと容易に想像できます。We're In Love これもカーティス節が随所に入っています。明るい曲調のソウルです。ブラス・アレンジとかに耳を傾けると割とシンプル。Just Another Dance これは、People Get Ready 収録のシングルカットです。カーティス節の曲作りは少し控えた現代風のアレンジも取り入れています。トランペットがここ一発気合の短いソロが気持ち良かったです。Since I Lost The One Love これはノスタルジックなメロディーのラブ・ソング、オーケストラもバックに入ってしっとりとした楽曲で、昔のダンスホールなら、これでチークタイムです。Get Up And Move これは、このベストの中で最もメジャーな曲ですね。Whenever you've got a little problem, And misery's payin' it's dues, You can't get ahead layin' in bed, Get up and put on your shoes, baby, Get up and move, Get up and move, Get up and move 'fore sundown ・・なんか幸せなナンバー。Never Could You Be きっちりと基本カーティス節で似たり寄ったりでも飽きないです。Just One Kiss From You 厳かにソロソロと始まりワン・センテンスごとに丁寧に歌われている流行りではなく古臭いけどこれも名曲ですね。Since I Lost The One Love これもシングルカットですね。知っていたのでメジャー級かと思います。Too Slow 曲名の割にスローじゃない。スローは女性に対して急いでと催促しているようです。最後 Too Slow と呼び続けるさまが面白い、3拍子で転調したり色々とひねりが楽しめる作品です。You Always Hurt Me 16ビートのモータウン調で、1967年の録音です。一挙に10年ぐらい時代が進んだかのようなサウンドの変化がビックリ。I Can't Stay Away From You これも1967年録音でスローなソウルで、コーラス部分で古き良きを感じますが、やはりアレンジや録音が進化して現代的になっています。なるほど。You Got Me Running 最後はモータウン風から進化させて現代のソウル・ファンクにつながる刺激的な楽曲です。
Donald Byrd(ドナルド・バード)が率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音。数々のジャズ・ライブ録音でも有名なニューヨークのクラブ Five Spot Cafe に、1966年暮れから出演していたメンバーです。このアルバムでは6曲中 West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲が、アルト・サックスの Sonny Red の作曲した作品となっていて、リーダーの Donald Byrd と肩を並べる存在感があります。テナーの Hank Mobley の饒舌なプレイも素晴らしいですが、 Sonny Red のフリーキーなプレイ、リズムやハーモニーの展開が斬新になっている気持ち良い作品となっています。ちなみに Sonny Red の作曲者名の表記は Sylvester Kyner になっていて、Sonny Red の本名。Byrd とは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係です。
タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。Sonny Red がブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。Eldorado も正調なバップとなり、襟を正して聴く感じです。メンバーも余り乱れたり、目立つ行為は少なく流れとしては、ここでまた押さえておいて、どこかで爆発するんだろうなと思ったりしてワクワク感があります。そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほど💡そうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale Street のほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法はよくあり元曲を公言されているものも多いです。しかし、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。最後の Pentatonic は、テンポ早めのバップ。Sonny Red のレンジが狭い音使いではじめるソロは面白い。続いてリーダーのバードはきっちりとピロピロと吹いてくれます。やっぱりトランペットソロは、これが気持ちよい。Hank Mobley のソロは、大人な感じで余り外さない、、と思っていたら少しアウトしてくれました。そして Cedar Walton もリズムに乗ったソロです。見せ場は全員短めですが好演でした。
プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムです。Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません🎶🎺
trumpet : Donald Byrd
alto sax : Sonny Red
tenotr sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
bass : Walter Booker
drums : Billy Higgins
producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on January 9, 1967
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
看板ギタリストのEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)、次のギター・ヒーローとなるMichael Hampton(ハンプトン)、「おむつ」ギタリストの Gary 'Dowop' Shider(ゲイリー・シャイダー)がサウンドの要となっています。また Bernie Worrell(バーニー・ウォーレル)のうねるキーボードもこのパンチあるサウンドに広がりを持たせカラフルなスパイスを効かせてます。また、この形態にはホーン隊がいないくて、パーラメントとは違ったファンク・スタイルでハード・ロックに通じる激しいエレキギターが特徴だが根底に流れるものはロックではなくやはりファンクであるところがノリに乗っているファンカの魅力が満点のアルバムです。
Funkadelic、P-FUNKの違いについては、河地依子著の P-FUNK に詳しい解説がありますので、これをを読みながらアルバムを聴くことあります。今回も見ていたら、3曲目の If You Got Funk, You Got Style には、正式加入前の Dennis Chambers(デニス・チェンバース)が叩いているとのことですが、デニスは未だ17歳の高校生でクレジットはないとのこと。(正式加入は卒業後の78年です)そう思って聴くと、確かに細かな小技のある、ドラミングのような気がします。また、このアルバムの Cosmic Slop はライブとなっていて Mothership Connection のライブのはずですが、観客の声は入っていません。なぜかと言えばリハーサル音源だからとのこと。なるほど・・私の所有の音源は紙ジャケCDの Made in UK の輸入盤の中古です。ライナー・ノーツはついてるんですが、Funkadelic の歴史がダラダラと書かれており、この盤についての説明は、ほぼ書かれていない代物です。河地依子氏の根性の情報収集の集大成の 河地依子著の P-FUNK も併せてお勧めです。
などと楽しく会話しながら拝聴したアルバムを再度聴きながらレビューします。Painted On Canvas作曲は、Gregory Porter ご本人の優しいメロディとソフトな歌い方のインパクトが濃い楽曲です。ソプラノ・サックス Kamau Kenyatta のオブリーガードも気持ち良いと感じていましたが、じっくり聴くと Chip Crawford の緩急の効いたピアノ、ドラムの Emanuel Harrold のアクセントのつけ方など凝った楽曲です。またジャケットは筆を持った Gregory Porter なのが、この曲を現わしてたのかと今更気づきました。そしてタイトル曲 Be Good (Lion's Song) に続きます。なんでライオンなのか?歌詞を読ん見るとライオンは自分のことで、その中ライオンは檻の中で飼われていて、ライオンさんいい子でいてねと言う歌でした。ライオンは噛むかも知れないとつぶやきますが、大人しくしていい子にしてBeGood と彼女に言われることに満足しているようです。心落ち着くしっとりとした楽曲です。ここから牙をむく曲が、どこかに入ってたら怖いですが、そんなことは無いようです。でも、それが 1960 What? につながって行くのか?とも考えましたが、日本盤限定のEPなので深読みしすぎか。On My Way To Harlem しっとり2曲続いたところで晴れやかな曲になります。ハーレムに車で向かう途中に作曲したというハーレムに楽曲で Duke Ellington、Langston Hughes、Marvin Gaye に思いを馳せながらハーレムの街並みを車で走っている疾走感もあり、ジャズ調ではありますがソウルの風味がするのも小気味よい楽曲。最後はHey there goes the A train の繰り返し。Real Good Hands のテーマのメロディーはどこかで聴いたことがあります。Gregory Porter 作曲ですが、曲調は Impressions あたりの古いソウルなので何かの曲をオマージュしているような感じがしますが、今の私ではそこまで。The Way You Want To Live 徹底的にしっとりと聴かせてきます。これも力強さと柔らかさが共存する深いボーカルが気持ち良い曲です。Chip Crawford のピアノと息がぴったりです。When Did You Learn タイトルの問いかけに直ぐに曲の最初に答えが歌詞で出てきます。love game です。素敵なラブ・ソングかと思います。序盤で書くのを飛ばし過ぎたので、少々疲れ気味かもしれません。Imitation Of Lifeここでスタンダードきました。1959年の映画「悲しみは空の彼方に」の主題歌で、人種差別と物質主義のアメリカ社会を描く映画らしいので、なるほど、そこにも根差した選曲ですか。Mother's Song こちらは Gregory Porter 作曲のソウル気味。今までの楽曲は押さえ気味のしっとりした歌い方でしたが、ここで一挙に力強くなります。ピアノも開放的で盛り上がります。Our Love再び聴かせる方向です。ここまでしっとり系が主体だと、だいたい私飽きてくるんですが、このアルバムに関しては大丈夫。Bling Bling ここ一番の早いバップです。Bling Bling の言葉の響きでアクセントをつけて、ボーカルもスキャットも飛び出しますが力強く吸った息を全部吐き出すような迫力に拍手。Yosuke Sato 氏の サックス・ソロは、日本として応援したいところだが曲の迫力に押され気味なのが残念。Work Song は、迫力満点の有名な Nat Adderley のスタンダードです。Gregory Porter は好きな曲でもあるんでしょう、全開の力の入れ方が怖いくらいです。こういう曲も歌える人はアルバムに交互にいれて緩急をつけるのが多いパターンだと思いますが、ものすごく独特でなアルバムの作り方が非凡です。最後は God Bless The Child で、Billie Holiday で有名なスタンダードを国歌斉唱のような独唱で締めくくっています。原曲とテイストが違い過ぎて原曲と何回か聞き比べてしまいました。しかし違う曲に聞こえてしまうのは変わりありません。昨日聴いていたThe Eric Byrd Trio の 21st Century Swing Live (2013) の軽いノリの God Bless The Childとは全く違うのは、もはや笑いです。これは自分で演奏してみて曲を理解しないと一致点を見つけるのが凡人には難しいうヤツです。やはりじっくり聴くと発見があって面白い。Disc2 のレビューは疲れたので、今度このレビューを更新の時にしときます。
The Eric Byrd Trio を最初に聴いたのは、確か Triunity(2004) で、次がこのアルバム 21st Century Swing Live(2013)、そして The Eric Byrd Trio (2001) のだったかと思います。リーダーのピアノ Eric Byrd は、クリアでクッキリとした演奏のイメージで、他のアルバムでは、正攻法のハード・バップなコンボです。芸術的であるとか、パッションがあるとか、スリリングさがあるとかには乏しいと思いますが、サラリとしてソツがなくて聴きやすいのがこのトリオの魅力だと思います。
このアルバムの発売元は Foxhaven Records と言う耳慣れないレーベル、他のアルバムも大手のレコード会社には属さずにインディーズでアルバム制作しておられるようです。詳細な活動は丁寧に作作り込まれたHP ericbyrdtrio.com を見ていただけたくのが良いかと思います。
このアルバムに録音は The Mid Atlantic Festival in Rockville, MD 2013年2月のライブ録音で、正攻法なジャズからはから少し離れ、ジャズを通して、音楽の気持ち良さ、楽しさを感じることが出来る娯楽的ライブ録音です。アルバムの裏ジャケットの写真では天井が低くて、狭い会場のように見えますが録音されている観客の声などからは、そこそこ大きそうな感じがします。
それではアルバムに一緒に録音されている観客の楽しそうな歓声を思い出しながら、1曲づつ丁寧に聴きながらレビューします。There's No Greater Love / Isham Jonesn, Mnaty Symes 1936年 Isham Jones 作曲のジャズ・スタンダード、いかにもアメリカって感じでスイングしてます。同年に直ぐに Duke Ellington が録音、その後 Billie Holiday, Miles Davis 等々様々なアーチストにカバーされている名曲です。実際のオープニンも、この曲だったのでしょうか、観客もウホウホ言いながら喜んでいます。良いですね。God Bless the Child そして2曲目、直ぐに純ジャズから脱線が素晴らしい。ソウルな楽曲で8ビートで、Gadd Gang 的です。Billie Holiday を軽~くやってます。Message in a Bottle 皆さんご存じ Sting 作曲の The Police のナンバーです。ピアノ・トリオでやると確かにこんな感じだろうなって感じで、ほぼドラムのリズムも原曲の雰囲気を保って再現しています。が、最初から最後までトリオでの普通過ぎる演奏は、メンバーの腕は良いのですから、もったいないような気もします。ピアノ・ソロで始めるとか、もう少しアレンジあれば面白くなるのに。Maybe baby は Eric Byrd の曲で、こちらはミディアム・テンポのスインで、歌物をインストにしたような印象。ピアノ・ソロも軽やかで爽やかな演奏です。のLove Letter to Lima こちらも Eric Byrd の持ち曲で、軽めのポップな雰囲気のジャズで、アレンジは今までで一番こなれています。The Great City ジャズ・ブルースです。Curtis Lewis 作曲で Nancy Wilson が歌った曲で、ここでは Eric Byrd がボーカルをとっています。若々しくスマートな歌いっぷりで色男っぽくソツが無い仕上がりです。Lonely Avenue 雰囲気を変えてきました。ベースのみのソロからのイントロのソウル・ブルース。ピアノ・レスの Eric Byrd はボーカルに専念。1956年の Ray Charles のヒット曲でもあり、観客もみんなで合唱の盛り上がりを見せています。今度はジャズ。ブルースのスタンダード Making Whoopee ソウルっぽい演奏でワンクール流したところで歌物に変わります。スイングな曲よりも、ライブに来ている人はこちら系のファンの方も多そうです。Blessed Assurance ジャズ・トリオっぽいフリーなイントロから、メロディアスなテーマ、こちらはしっかりとトリオの演奏を聴かせる気が満々。普通に良い曲です。やはり軽いですけど。Lord I Lift Your Name on High 最後はテンポよくラテンが出てきます。このコンボは器用に何でもこなしてしまいます。演奏も良く、とても腕は好いんだけど器用貧乏なような気もします。
今まで聞いてきた3枚の中で、The Eric Byrd Trio のイメージは正統派のスイングをさらっと演奏するバンドのイメージがあり、こちらが多分異色な作品なのかとは思っており、これが、このトリオのアルバムで一番好きかも知れません。しかし3枚ともサウンドは、明るい喫茶店などでBGMで使うのに使い勝手が良さそうな演奏です。おそらく、このトリオに深入りはしないと思いますが少しづつ気分が向いた時に他のアルバムも購入して聴いていこうかなと思っています🎶
piano vocal : Eric Byrd
bass : Bhagwan Khalsa
drums : Alphonso Young, Jr.
1. There's No Greater Love / Isham Jones, Marty Symes
2. God Bless the Child / Arthur Herzog Jr, Billie Holiday
James Cotton のソロ・デビューは1965年でアルバム名は Chris Barber Presents Jimmy Cotton, and と書いてありますので、どうやら最初は James ではなく Jimmy だったようです。その後は、Vanguard、Verve、Capitol、Buddah、Alligator、Blind Pig、Antone's、Telarc International などからアルバムを数多く録音していますが、このアルバムは、Antone's からの2枚目です。もう一枚は Live At Antone's Nightclub(1988) です。ナイト・クラブが出演するアーチストを売り出しているインディーズ・レーベルかと思っていましたが、今回のレコーディングはスタジオだったので調べて見ると、所属アーチストも結構多いレーベルでした。
それでは、レビューしていきましょう。Straighten Up Baby は、James Cotton のオリジナルで、ギタリストは Stevie Ray Vaughan の兄、Jimmie Vaughan とテキサスを中心に活動していた Derek O'Brien の白人ギタリスト2名です。オープニングは James Cotton は歌に専念でハープ無し。ギターの Derek O'Brien は Antone's 所属のギタリストです。ピアノも Mike Kindred も白人ですが、Stevie Ray Vaughan で有名な Cold Shot のサブ・ライターです。キッチリとした演奏ですが、白っぽくないサウンドです。Everything Gonna Be Alright では、メンバーがいつものギター Matt Murphy, Luther Tucker ピアノは Live At Antone's Nightclub(1988) でも登場の Pinetop Perkins で安定のサウンドです。次の Black Nights も2曲目とメンバーは同じ、曲調も同じで日本の演歌も似たような曲が多いのと、ブルースは同じなんだなと、こういった曲の連続で感じます。Blow Wind Blow は、Muddy Waters のジャンプブルース系ではない有名なブルース・スタンダードで、James Cotton のライブ・アルバムでは、いつも収録されている十八番です。 Live At Antone's Nightclub(1988) の収録も良かったけど、Live At Electric Lady(1974) が、ズシズシきて一番好きです。ベースが Calvin Jones に変わってます。Sugar Sweet は、明るく軽いノリのブルース。ギターとピアノがメンバー交代していて、泥臭くない系になっていないので、James Cotton もボーカルは軽め。ですがハープは、かなり細かく技を入れてきて、いつもより長く演奏しています。終わりがないハープ・ソロのようで残念ながらフェイドアウト。Moanin' At Midnight は、古臭いワン・コードのブルースです。James Cotton のアルバムでは珍しいパターンで、きっと下積み時代はこんな曲が多かったんだろうかと想像できます。Baby Please 余裕の感じられる演奏で、楽曲は Percy Mayffeid の曲です。メンバーは Mall Murphy. Luther Tucker のギター、Pinetop Perkins のピアノに戻り重さと安定感があります。Baby Please 作曲者の Percy Mayfeild 1950年代が絶頂期のブルース・マン。Baby Please come back to me と嘆くのは、この歌の主人公の囚人。あまりに典型的な歌詞と典型的なブルースで、これがブルース。Hold Me In Your Arms これは James Cotton 得意のジャンプ・ブルース。Jimmie Vaughan のスライドがギュンギュンと唸るのも楽しい。硬質な Mel Brown のピアノも、この曲に合ってます。そして、ブルースマンの基本 Call It Stormy Monday は、シンプルで装飾少なくしっとりで、ハープ無しです。James Cotton が珍しくしっとり歌ってます。次は Willie Dixon の楽しいブルースです。どこかできたことあるヤツです。Three Hundred Pounds of Joy ブットい声の James Cotton が下は限界の低音で歌っているのが迫力あり、この曲も歌に専念。Northside Cadillac は、ファンにとってはボーナスの歌無しインスト・ブルース。Matt Murphy のパキパキのギターがJames Cotton をドンドン煽ります。最後は多分 James Cotton の心の師匠の Sonny Boy Williamson の 1952年のヒット曲 Mighty Long Time。しっとりと、心を込めたハープと歌で締めくくります。
Faces は最後は Rod Stewart が、単独で成功したがために分裂していったので、売れることが重要だったわけです。今回これを書くために調べていたところ、選曲に関するところで、Ooh La La の Ronnie Wood のリードボーカルを除いて Rod Stewart であるというところが、グループのもう一人のボーカリスト兼ソングライターである Ronnie Lane のボーカル曲が収録されていないことからも、このバンドの解散の原因が見て取れます。
再度聴きながら、このバンドのサウンドを楽しんでいきましょう。Pool Hall Richard は、 Rod Stewart, Ronnie Wood の共作で、イントロのギターリフもカッコよく、チャックベリーが進化したようなカラッとしたロックンロールで、Rod Stewart の煽る様なバカ騒ぎ系ボーカルが痛快です。オリジナル・アルバムに入っていない新曲。今気づきましたが最後に、ガラス瓶が割れる音が入ってますね。曲の内容からすると、ビリヤードで喧嘩して Richard をぶん殴ったのか? Cindy Incidentally 1曲目が煽る系の曲だったのに対し、少し落ち着いたロックンロールになっています。Ronnie Wood のギターのバッキングは、色々なアイデアが入っているのが素晴らしい。短いですね。2分37秒。Ooh La La フォーク調でありますが、ロックンロールだけが売りではない Faces の音楽性がわかる名曲です。 Sweet Lady Mary これも聞き覚えがある曲でバラード。オルガンのロングトーン、スライドギターの繊細な音にのせた Rod Stewart のしゃがれ声がしんみりさせてくれます。1970年の曲ですから、未だバンドの皆さんが一丸となって頑張っていた時期です。Flying は、The Who っぽいですね。これは余り耳覚えは有りません。1972年にロックオペラのTommy への参加で Pinball Wizard を歌ったとのことでそこら辺の影響ですね。Pineapple and the Monkey 忘れてました。インストロックです。テクニックに走ることなくゆったりとした演奏で、ほのぼのタイプです。You Can Make Me Dance Sing or Anything これは、Faces の匂いがたっぷりする軽いロックで、日本人の 山内 テツ が参加の曲。これだけが、オリジナル・アルバムに収録されていない新録音のようです。1975年なのでバックにオケが入ったりと、趣は今までと随分と違い私の趣味ではないかな。Had Me a Real Good Time ブギーなロックンロールのリフが楽しい楽曲です。田舎っぽい雰囲気と、サビの Rod Stewart の振り絞る様なロングトーンが良いです。言わずもがなの名曲 Stay With Me は、ギターのリフとかも、モタモタしていない都会な感じがします。昔この曲がラジオから流れてくると、すっげえなと思って聴いてました。Miss Judy's Farm なんで、これを選択したのかと思います。ボーカルとギターのリフが合っていない。Silicone Grown ブギタイプのロックン・ロールは安定感があります。ブルースでは、ほぼ同じ進行で、歌詞とサビが微妙に違う曲も多く存在しますが、ロックだとさすがにもう少し変えた方がいいんじゃないかと思うのも、若干。Around the Plynth スライドでキュンキュンやるのですが、ブルース感よりも Led Zeppelin っぽいヨーロッパ系民族音楽感があります。こんなのもやってたのかと改めて思ってしまいます。
guitar, harmonica, backing vocals, lead vocals (3), bass (1) : Ronnie Wood
bass, guitar, percussion, backing vocals (except 1, 7) : Ronnie Lane
bass (7) : Tetsu Yamauchi
drums, percussion : Kenney Jones
horns (8) : Harry Beckett and Bobby Keyes
artwork (cover art) : Ronnie Wood
Track 1, "Poolhall Richard", was recorded very shortly after Ronnie Lane's departure from the band and before his replacement Tetsu Yamauchi was hired. It is actually Wood who plays the bass guitar on the recording.
Tracks 5, 6 and 12 from First Step (1970), and produced by the Faces.
Track 4 from Long Player (1971), and produced by the Faces.
Tracks 9 and 10 from A Nod Is as Good as a Wink... to a Blind Horse (1971), and produced by the Faces with Glyn Johns.
Tracks 2, 3 and 11 from Ooh La La (1973), and produced by Glyn Johns.
Track 1 from the 1973 single, and produced by the Faces.
Track 7 from the 1975 single, and produced by the Faces.
Track 8 from the 1970 single, and produced by the Faces.
1. Pool Hall Richard / Rod Stewart, Ronnie Wood
2. Cindy Incidentally / Ian McLagan, Stewart, Wood
3. Ooh La La / Ronnie Lane, Ronnie Wood
4. Sweet Lady Mary / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
5. Flying / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
6. Pineapple and the Monkey / Ronnie Wood
7. You Can Make Me Dance Sing or Anything / Kenney Jones, McLagan, Stewart, Wood, Tetsu Yamauchi
8. Had Me a Real Good Time / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood