2025年3月20日木曜日

Bob Marley And The Wailers / Japan


 私にとっては、レゲエとは「Bob Marley」なんですが、気づくと最近 youTube 等で聞くレゲエはもっとエレクトリックなヒップホップ、ポップでアシッドなものが多くなっていて、レゲエ= Bob Marley は、昔のオジサンであることを感じています。どうやら1960年以降はレゲエというジャンルは、様々な形に進化、広がりを見せ始め、 Bob Marley あたりは「ルーツ・レゲエ」という表現で分別されているようです。ルーツと表現されているということは、最近の若者にとっては古典のような音楽と言うことでしょう。


 ウェイラーズは、1963年に Peter Tosh、Bob Marle、Bunny Wailer の3人で結成したバンドで Bunny Wailer の名前を冠していますが、1974年に Peter Tosh、Bunny Wailer は脱退してしまい本人不在のまま、Bob Marley And The Wailers にバンド名を改めて、新たなメンバーでツアー活動を開始しています。
 Bob Marley And The Wailers は、ラスタファリ運動の思想を背景として音楽・思想を語り続けています。ラスタファリ運動とは、1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動で、宗教ではなく一握りのエリートによって支配され、社会的に抑圧されたジャマイカ市民による抵抗運動です。
 そして1976年の銃撃事件のあとロンドンに亡命し、3年後の1979年に実現した最初で最後の日本公演ツアーの、4月10日の中野サンプラザの夜の部(Late Show)の貴重なライブ音源です。この時の公演は、渋谷、新宿、中野、大阪で行われたとのこと。録音は専用機材で録られたものでは無いため、音は良くないですが、大盛り上がりの臨場感は伝わります。Bob Marley 自身は、「あまり日本公演は、盛り上がらなかった」とコメントしたそうですが、それは地元ジャマイカのAudienceと比較してのこと。大盛り上がりの歓声は録音されていて、席から立っている人は多いと思われますが、日本では踊る場合も席のある位置というのが多いので、海外の大会場での混沌とした状態のライブと比較すれば盛り上がりに欠けると思われてもしょうがないでしょう。聞いている限りは、観客 メンバー一体となった素晴らしいライブです。
 これを書くのに調べていたら、別の盤があることを発見しました。リマスターした同一音源かと思っていたら、なんと大阪公演と書いてあります。これからも歴史的な来日公演であったと推測できますが、だったら、もっとチャンと録音したら良かったのにと思ってしまいました。来日時は権利問題とかで公式録音できなかったとも推測できますが、非常にもったいないことです🎶

vocals, rhythm guitar : Bob Marley, 
bass : Aston Barrett
drums : Carlton Barrett
lead guitar : Junior Marvin, Al Anderson
keyboads : Tyrone Downie
organ : Earl "Wya" Lindo, organ
percussion : Alvin "Seeco" Patterson
backing vocals : The I-Threes 

recorded at April 10, 1979 at Nakano Sun Plaza Hall, Tokyo, Japan.

【Disc 1】
1. Rastaman Vibration
2. Concrete Jungle
3. I Shot The Sheriff
4. No Woman No Cry
5. Lively Up Yourself
6. War / No More Trouble
7. Running Away / Crazy Baldhead
8. The Heathen

【Disc Ⅱ】
1. Jamming
2. Is This Love
3. Get Up Stand Up
4. Exodus
5. Bob Marley Interview
6. This Is Rita Marley (Bonus Disc)

【Bonus Disc】
1. Message From Rita Marley
2. Who Can Be Against Us





  

2025年3月19日水曜日

The Impressions / Further Impressions


 このアルバムは1996年の発売のコンピで、曲は全てCurtis Mayfield(カーティス・メイ・フィールド)作曲の1962年~1967年にリリースの、クラシック・ソウルの名曲ばかりで、CD用に reissue されてはいますが、聴いていると懐かしのアルバムを入れた高速のドライブインで売ってた昔のカセットみたいな、ノスタルジックな雰囲気が漂います。
 私がよく買う中古のヒット曲を集めたコンピは、海賊版、あるいはそれに近い安物が多いのでライナー・ノーツが無けりゃ、誰が選曲したかわからないものが多いのですが、このアルバムは、メジャーの MCA から発売されたものなので、しっかりと記録されているライナー・ノーツがついていて、元曲の録音された年、収録アルバム名なども記載されています。ライナーノーツには、選曲の支店なども掲載されていて、The Impressions のヒット曲、見過ごされがちな裏面、アルバムの主要曲を集めたものとされており、MCA の発売したヒット曲のコンピとしては The Anthology 1961-1977 に続く2枚目とのこと。なるほど、ということは、裏ベストみたいなもんですね。
 The Impressions は、1961年に ABC-Paramount Records, Inc(ABCパラマウント)と契約し、全盛期は ABC に在籍していた 1961 年~1968 年までと言われています。Curtis Mayfield は、1970年に独立して、グループは、その遺産を歌いながらメンバーチェンジしながら1981年までアルバムを発売している長寿のバンドでもあり、2018年の日本公演を最後に解散しています。


 それでは、裏ベストのようなアルバムなので、超メジャー級の曲はありませんがレビューしてまいります。Can't Work No Longer オリジナルは People Get Ready からで、このアルバム5曲が、芸術的にも商業的にも成功したと言われる名盤 People Get Ready からのエントリーです。おそらく手法的には Doo-wop をとり入れた楽曲で、アレンジがそれっぽいですが、メロディーにカーティスっぽさが出ていて、なるほど一連の名曲はこのような曲の伏線もあるのかと納得。Girl You Don't Know Me これは初耳の時も、おそらく知っていたので若干有名な曲かと思います。I Made More Mistake これから流行っていくであろうソウルのお手本のような曲で、続くミュージシャンたちに、こういった曲は大きな影響を与えたんだろうなあ。I Made More Mistake 今風のソウルでは出せない味があるバラード調。歌詞は検索せずとも曲名から失恋ソングと容易に想像できます。We're In Love これもカーティス節が随所に入っています。明るい曲調のソウルです。ブラス・アレンジとかに耳を傾けると割とシンプル。Just Another Dance これは、People Get Ready 収録のシングルカットです。カーティス節の曲作りは少し控えた現代風のアレンジも取り入れています。トランペットがここ一発気合の短いソロが気持ち良かったです。Since I Lost The One Love これはノスタルジックなメロディーのラブ・ソング、オーケストラもバックに入ってしっとりとした楽曲で、昔のダンスホールなら、これでチークタイムです。Get Up And Move これは、このベストの中で最もメジャーな曲ですね。Whenever you've got a little problem, And misery's payin' it's dues, You can't get ahead layin' in bed, Get up and put on your shoes, baby, Get up and move, Get up and move, Get up and move 'fore sundown ・・なんか幸せなナンバー。Never Could You Be きっちりと基本カーティス節で似たり寄ったりでも飽きないです。Just One Kiss From You 厳かにソロソロと始まりワン・センテンスごとに丁寧に歌われている流行りではなく古臭いけどこれも名曲ですね。Since I Lost The One Love これもシングルカットですね。知っていたのでメジャー級かと思います。Too Slow 曲名の割にスローじゃない。スローは女性に対して急いでと催促しているようです。最後 Too Slow と呼び続けるさまが面白い、3拍子で転調したり色々とひねりが楽しめる作品です。You Always Hurt Me 16ビートのモータウン調で、1967年の録音です。一挙に10年ぐらい時代が進んだかのようなサウンドの変化がビックリ。I Can't Stay Away From You これも1967年録音でスローなソウルで、コーラス部分で古き良きを感じますが、やはりアレンジや録音が進化して現代的になっています。なるほど。You Got Me Running 最後はモータウン風から進化させて現代のソウル・ファンクにつながる刺激的な楽曲です。 
 実は漫然と通して聴いていると、懐メロだねえとノホホンと聞き流していたアルバムなので、最後3曲の進化ぶりには、今回ジックリ聴いての発見でした。アルバムの印象がグッと変わりました。好感🎶

all songs written by Curtis Mayfield
all songs arranged & conducted by Johnny Pate, except "Can't Work No Longer" 
all songs recorded in Chicago except as noted
reissue produced by Andy McKale 
executive producer: Bruce Resnikoff

1. Can't Work No Longer
recorded New York, March 22, 1962 
originally on ABC LP 505, "People Get Ready" 
2. Girl You Don't Know Me
recorded November 1, 1963 
originally on ABC LP 468
3. I Made More Mistake
recorded March 10, 1964 
originally ABC single10544/also on ABC LP 493,“Keep On Pushing”
4. We're In Love
recorded March 10, 1964
originally on ABC LP 505, 'People Get Ready"
5. Just Another Dance
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10670/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
6. I've Found That I Lost
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10670/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
7. Get Up And Move
recorded October 26, 1964 
originally ABC single 10674/also on ABC LP 505, "People Get Ready" 
8. Never Could You Be
recorded January 5, 1965 
originally ABC single 10710 
9. Just One Kiss From You
recorded June 11, 1965 
originally ABC single 10725
10. Since I Lost The One Love
recorded October 1, 1965 
originally ABC single 10761
11. Too Slow
recorded January 5, 1965
originally ABC single 10780
12. You Always Hurt Me
recorded January 19, 1967 
originally ABC single 10900
13. I Can't Stay Away From You
recorded April 5, 1967 
originally ABC single 10964 
14. You Got Me Running
Recorded January 19, 1967 
Originally ABC single 10932 





  

2025年3月18日火曜日

Donald Byrd / Blackjack

 


 Donald Byrd(ドナルド・バード)が率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音。数々のジャズ・ライブ録音でも有名なニューヨークのクラブ Five Spot Cafe に、1966年暮れから出演していたメンバーです。このアルバムでは6曲中 West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲が、アルト・サックスの Sonny Red の作曲した作品となっていて、リーダーの Donald Byrd と肩を並べる存在感があります。テナーの Hank Mobley の饒舌なプレイも素晴らしいですが、 Sonny Red のフリーキーなプレイ、リズムやハーモニーの展開が斬新になっている気持ち良い作品となっています。ちなみに Sonny Red の作曲者名の表記は Sylvester Kyner になっていて、Sonny Red の本名。Byrd とは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係です。


 アルバム全体からはハード・バップから一歩抜け出すアーシーな感じです。いつもの行きつけ音楽好きの集う「おでんバー」で初試聴しました。このアルバム試聴の時は他の常連は音楽系には、あまり興味薄い写真系の方だったので、マニアックに楽しんだのはマスターと私の二人だけでした。Donald Byrd は数々の作品を持ち込んでいますが、あまりマスターの興味を引く作品は無かったのですが、今回はマニアなマスターも楽しんでいただける内容だったようです。


タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。Sonny Red がブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。Eldorado も正調なバップとなり、襟を正して聴く感じです。メンバーも余り乱れたり、目立つ行為は少なく流れとしては、ここでまた押さえておいて、どこかで爆発するんだろうなと思ったりしてワクワク感があります。そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほど💡そうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale Street のほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法はよくあり元曲を公言されているものも多いです。しかし、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。最後の Pentatonic は、テンポ早めのバップ。Sonny Red のレンジが狭い音使いではじめるソロは面白い。続いてリーダーのバードはきっちりとピロピロと吹いてくれます。やっぱりトランペットソロは、これが気持ちよい。Hank Mobley のソロは、大人な感じで余り外さない、、と思っていたら少しアウトしてくれました。そして Cedar Walton もリズムに乗ったソロです。見せ場は全員短めですが好演でした。
 プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムです。Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません🎶🎺

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Sonny Red
tenotr sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
bass : Walter Booker
drums : Billy Higgins

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on January 9, 1967
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Blackjack / Donald Byrd
2. West Of The Pecos / Sylvester Kyner
3. Loki / Sylvester Kyner
4. Eldorado / Mitch Farber
5. Beale Street / Sylvester Kyner
6. Pentatonic / Donald Byrd





  

2025年3月17日月曜日

Funkadelic / Hardcore Jollies


 サイケなイラストで、派手な見た目のジャケット。収録されている音も、サイケでハード、ファンク・サウンドにぐちゃぐちゃのギターサウンドでやりたい放題の大好きなアルバムです。アメリカではあまり受けなかったそうですが、私には、いかれたこのサウンドは、かなり響いてきます。アルバムによっては打ち込みでデジタルになってしまったりしてますが、このアナログで廃退的なつくりは格別です。
 看板ギタリストのEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)、次のギター・ヒーローとなるMichael Hampton(ハンプトン)、「おむつ」ギタリストの Gary 'Dowop' Shider(ゲイリー・シャイダー)がサウンドの要となっています。また Bernie Worrell(バーニー・ウォーレル)のうねるキーボードもこのパンチあるサウンドに広がりを持たせカラフルなスパイスを効かせてます。また、この形態にはホーン隊がいないくて、パーラメントとは違ったファンク・スタイルでハード・ロックに通じる激しいエレキギターが特徴だが根底に流れるものはロックではなくやはりファンクであるところがノリに乗っているファンカの魅力が満点のアルバムです。


 Funkadelic、P-FUNKの違いについては、河地依子著の P-FUNK に詳しい解説がありますので、これをを読みながらアルバムを聴くことあります。今回も見ていたら、3曲目の If You Got Funk, You Got Style には、正式加入前の Dennis Chambers(デニス・チェンバース)が叩いているとのことですが、デニスは未だ17歳の高校生でクレジットはないとのこと。(正式加入は卒業後の78年です)そう思って聴くと、確かに細かな小技のある、ドラミングのような気がします。また、このアルバムの Cosmic Slop はライブとなっていて Mothership Connection のライブのはずですが、観客の声は入っていません。なぜかと言えばリハーサル音源だからとのこと。なるほど・・私の所有の音源は紙ジャケCDの Made in UK の輸入盤の中古です。ライナー・ノーツはついてるんですが、Funkadelic の歴史がダラダラと書かれており、この盤についての説明は、ほぼ書かれていない代物です。河地依子氏の根性の情報収集の集大成の 河地依子著の P-FUNK も併せてお勧めです。
 いつも Funkadelic、P-FUNK を聴くと変態的な音楽だなあと思いますが、このアルバムはロックっぽいファンクを楽しめて、Funkadelics 初心者にも、楽しめるものかと思います🎶

vocal :George Clinton, Ray Davis, Fuzzy Haskins, Grady Thomas, Calvin Simon, Garry Shider, Glenn Goins, Gary “Mudbone” Cooper
keyboads : Bernie Worrell
lead guitar : Michael Hampton, Eddie Hazel
guitar : Eddie Hazel, Gary 'Dowop' Shider, Glen 'Gone Gouster' Goins
bass : Boogie Mosson, Bootsy Collins, Jimi Calhoun on "Comin' Round the Mountain"
drums : Jerome Brailey, Buddy Miles on "Comin' Round the Mountain"

producer : George Clinton

1. Comin' Round The Mountain / George Clinton, Grace Cook
2. Smokey / George Clinton, Garry Shider
3. If You Got Funk, You Got Style / George Clinton, Bootsy Collins, Bernie Worrell
4. Hardcore Jollies / George Clinton, Bernie Worrell
5. Terribitus Phase Two / George Clinton, Grace Cook
6. Cosmic Slop (Live) / George Clinton, Bernie Worrell
7. You Scared The Lovin' Outta Me / George Clinton, Glenn Goins
8. Adolescent Funk / George Clinton, Michael Hampton, Bernie Worrell





  

2025年3月16日日曜日

Gregory Porter / Be Good


 最初に購入の Liquid Spirit (2014) に惚れ込み、直ぐに札幌タワレコに直行した2枚目となります。このアルバムは2枚組になっています。Disk2は、デビューアルバムの Water (2010) の EP となっていて、Waterに収録されていた 1960 What? の様々なリミックスが4曲入ってます。1960 What?は、デトロイトの暴動を歌ったプロテスト・ソングで、アルバム「Water」の中でも重要なメッセージ性を持つ曲です。でも、Disk2は存在を忘れていました。最初に聴いた時に1960 What? で正直な感想、4曲もいらんなと思ったことが蘇ってきました。でも、PC と WalkMan へのデータ取り込みしてませんでしたので、取り込みながら聴きながら作業進めます。しつこいけど取り込んどきます。
 ちなみに、このアルバムは日本版で1,980円が定価でした。EP は、日本盤だけの特典のようで、通常は1枚目だけの販売で、ヨーロッパ発売のものでは1枚がレコード、もう一枚はCDと言う変化球の販売もあるようです。
 

 気に入っているので、頻繁に繰り返し聴くことの多いアルバムなので、先月も布教するべく、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に持参して、かけていたら、音楽はさほど好きではないけど、いつも飲みに来る私よりも先輩のマダムが「あら、素敵なお声ね」と直ぐに反応していただけました。このお方、音源に対して私たちの、あーでもない、こーでもない、と語る戯言に微笑むだけで見守っていてくださるお方で、音楽に関する言及は、ほぼ無いだけに、良い音楽の持つ力を感じました。そしてジャケットを見て「まさかこの方耳が」悪いの?」そうですよね、そう思います。お答えしましょう。昔、手術をした時に被っていた帽子をインパクトもあるために今も被っているそうです。まあ彼独特のファッションのようです。「でも、お鬚も生えていらっしゃるし、暑いと思うけどいつも被っているの?」さすがに彼の私生活まで知っている訳はなく「うーん、どうなんでしょうね」


 などと楽しく会話しながら拝聴したアルバムを再度聴きながらレビューします。Painted On Canvas 作曲は、Gregory Porter ご本人の優しいメロディとソフトな歌い方のインパクトが濃い楽曲です。ソプラノ・サックス Kamau Kenyatta のオブリーガードも気持ち良いと感じていましたが、じっくり聴くと Chip Crawford の緩急の効いたピアノ、ドラムの Emanuel Harrold のアクセントのつけ方など凝った楽曲です。またジャケットは筆を持った Gregory Porter なのが、この曲を現わしてたのかと今更気づきました。そしてタイトル曲 Be Good (Lion's Song) に続きます。なんでライオンなのか?歌詞を読ん見るとライオンは自分のことで、その中ライオンは檻の中で飼われていて、ライオンさんいい子でいてねと言う歌でした。ライオンは噛むかも知れないとつぶやきますが、大人しくしていい子にしてBeGood と彼女に言われることに満足しているようです。心落ち着くしっとりとした楽曲です。ここから牙をむく曲が、どこかに入ってたら怖いですが、そんなことは無いようです。でも、それが 1960 What? につながって行くのか?とも考えましたが、日本盤限定のEPなので深読みしすぎか。On My Way To Harlem しっとり2曲続いたところで晴れやかな曲になります。ハーレムに車で向かう途中に作曲したというハーレムに楽曲で Duke Ellington、Langston Hughes、Marvin Gaye に思いを馳せながらハーレムの街並みを車で走っている疾走感もあり、ジャズ調ではありますがソウルの風味がするのも小気味よい楽曲。最後はHey there goes the A train の繰り返し。Real Good Hands のテーマのメロディーはどこかで聴いたことがあります。Gregory Porter 作曲ですが、曲調は Impressions あたりの古いソウルなので何かの曲をオマージュしているような感じがしますが、今の私ではそこまで。The Way You Want To Live 徹底的にしっとりと聴かせてきます。これも力強さと柔らかさが共存する深いボーカルが気持ち良い曲です。Chip Crawford のピアノと息がぴったりです。When Did You Learn タイトルの問いかけに直ぐに曲の最初に答えが歌詞で出てきます。love game です。素敵なラブ・ソングかと思います。序盤で書くのを飛ばし過ぎたので、少々疲れ気味かもしれません。Imitation Of Life ここでスタンダードきました。1959年の映画「悲しみは空の彼方に」の主題歌で、人種差別と物質主義のアメリカ社会を描く映画らしいので、なるほど、そこにも根差した選曲ですか。Mother's Song こちらは Gregory Porter 作曲のソウル気味。今までの楽曲は押さえ気味のしっとりした歌い方でしたが、ここで一挙に力強くなります。ピアノも開放的で盛り上がります。Our Love 再び聴かせる方向です。ここまでしっとり系が主体だと、だいたい私飽きてくるんですが、このアルバムに関しては大丈夫。Bling Bling ここ一番の早いバップです。Bling Bling の言葉の響きでアクセントをつけて、ボーカルもスキャットも飛び出しますが力強く吸った息を全部吐き出すような迫力に拍手。Yosuke Sato 氏の サックス・ソロは、日本として応援したいところだが曲の迫力に押され気味なのが残念。Work Song は、迫力満点の有名な Nat Adderley のスタンダードです。Gregory Porter は好きな曲でもあるんでしょう、全開の力の入れ方が怖いくらいです。こういう曲も歌える人はアルバムに交互にいれて緩急をつけるのが多いパターンだと思いますが、ものすごく独特でなアルバムの作り方が非凡です。最後は God Bless The Child で、Billie Holiday で有名なスタンダードを国歌斉唱のような独唱で締めくくっています。原曲とテイストが違い過ぎて原曲と何回か聞き比べてしまいました。しかし違う曲に聞こえてしまうのは変わりありません。昨日聴いていたThe Eric Byrd Trio の 21st Century Swing Live (2013) の軽いノリの God Bless The Childとは全く違うのは、もはや笑いです。これは自分で演奏してみて曲を理解しないと一致点を見つけるのが凡人には難しいうヤツです。やはりじっくり聴くと発見があって面白い。Disc2 のレビューは疲れたので、今度このレビューを更新の時にしときます。
 改めてグレゴリーポーターの中域の張りのある声、力強さ、柔らかさ、説得力を堪能し、作り込みが違う良いアルバムだと思います。お気に入りの棚に戻しておきます🎶

【Disc1】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James
drums : Emanuel Harrold 
soprano sax : Kamau Kenyatta (1)
trumpet, flugelhorn : Keyon Harrold (2,3,4,8,11)
alto sax : Yosuke Sato (2,3,6,8,9,10,11)
tenor sax :  Pennicott (3,4,8,10,11)

producer : Brian Bacchus

1. Painted on Canvas / Gregory Porter
2. Be Good (Lion’s Song) / Gregory Porter
3. On My Way to Harlem / Gregory Porter
4. Real Good Hands / Gregory Porter
5. The Way You Want to Live / Gregory Porter
6. When Did You Learn / Gregory Porter
7. Imitation of Life / Paul Francis Webster, Sammy Fain
8. Mother’s Song / Gregory Porter
9. Our Love / Gregory Porter
10. Bling Bling / Gregory Porter
11. Work Song / Nat Adderley, Oscar Brown Jr.
12. God Bless the Child / Arthur Herzog, Jr., Billie Holiday

【Disc2】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James (1,2,3,4,5)
drums : Emanuel Harrold (1,2,4,5)
drums : Chuck Mcpherson (3)
trumpet : Melvin Vines (1,2,4,5)
trumpet : Curtis Taylor (2,4,5)
alto sax : Yosuke Sato (1,2,4,5)
alto sax : James Spalding (4)
trumpet : kafele Bandele (3,4,5)
trombone : Robert Stringer (1,2,4,5)

1. Pretty / Gregory Porter
2. Magic Cup / Gregory Porter
3. Skylark / Hoagy Carmichael, Johnny Mercer
4. Black Nile / Wayne Shorter
5. 1960 What? / Gregory Porter
6. 1960 What? (Opolopo Remix) / Gregory Porter
7. 1960 What? (Wicked Jazz Sound Edit) / Gregory Porter
8. 1960 What? (Peas Mix) / Gregory Porter





  

2025年3月15日土曜日

The Eric Byrd Trio / 21st Century Swing Live

 
 The Eric Byrd Trio を最初に聴いたのは、確か Triunity(2004) で、次がこのアルバム 21st Century Swing Live(2013)、そして The Eric Byrd Trio (2001) のだったかと思います。リーダーのピアノ Eric Byrd は、クリアでクッキリとした演奏のイメージで、他のアルバムでは、正攻法のハード・バップなコンボです。芸術的であるとか、パッションがあるとか、スリリングさがあるとかには乏しいと思いますが、サラリとしてソツがなくて聴きやすいのがこのトリオの魅力だと思います。
 このアルバムの発売元は Foxhaven Records と言う耳慣れないレーベル、他のアルバムも大手のレコード会社には属さずにインディーズでアルバム制作しておられるようです。詳細な活動は丁寧に作作り込まれたHP ericbyrdtrio.com を見ていただけたくのが良いかと思います。


 このアルバムに録音は The Mid Atlantic Festival in Rockville, MD 2013年2月のライブ録音で、正攻法なジャズからはから少し離れ、ジャズを通して、音楽の気持ち良さ、楽しさを感じることが出来る娯楽的ライブ録音です。アルバムの裏ジャケットの写真では天井が低くて、狭い会場のように見えますが録音されている観客の声などからは、そこそこ大きそうな感じがします。
 

 それではアルバムに一緒に録音されている観客の楽しそうな歓声を思い出しながら、1曲づつ丁寧に聴きながらレビューします。There's No Greater Love / Isham Jonesn, Mnaty Symes 1936年 Isham Jones 作曲のジャズ・スタンダード、いかにもアメリカって感じでスイングしてます。同年に直ぐに Duke Ellington が録音、その後 Billie Holiday, Miles Davis 等々様々なアーチストにカバーされている名曲です。実際のオープニンも、この曲だったのでしょうか、観客もウホウホ言いながら喜んでいます。良いですね。God Bless the Child そして2曲目、直ぐに純ジャズから脱線が素晴らしい。ソウルな楽曲で8ビートで、Gadd Gang 的です。Billie Holiday を軽~くやってます。Message in a Bottle 皆さんご存じ Sting 作曲の The Police のナンバーです。ピアノ・トリオでやると確かにこんな感じだろうなって感じで、ほぼドラムのリズムも原曲の雰囲気を保って再現しています。が、最初から最後までトリオでの普通過ぎる演奏は、メンバーの腕は良いのですから、もったいないような気もします。ピアノ・ソロで始めるとか、もう少しアレンジあれば面白くなるのに。Maybe baby は Eric Byrd の曲で、こちらはミディアム・テンポのスインで、歌物をインストにしたような印象。ピアノ・ソロも軽やかで爽やかな演奏です。のLove Letter to Lima こちらも Eric Byrd の持ち曲で、軽めのポップな雰囲気のジャズで、アレンジは今までで一番こなれています。The Great City ジャズ・ブルースです。Curtis Lewis 作曲で Nancy Wilson が歌った曲で、ここでは Eric Byrd がボーカルをとっています。若々しくスマートな歌いっぷりで色男っぽくソツが無い仕上がりです。Lonely Avenue 雰囲気を変えてきました。ベースのみのソロからのイントロのソウル・ブルース。ピアノ・レスの Eric Byrd はボーカルに専念。1956年の Ray Charles のヒット曲でもあり、観客もみんなで合唱の盛り上がりを見せています。今度はジャズ。ブルースのスタンダード Making Whoopee ソウルっぽい演奏でワンクール流したところで歌物に変わります。スイングな曲よりも、ライブに来ている人はこちら系のファンの方も多そうです。Blessed Assurance ジャズ・トリオっぽいフリーなイントロから、メロディアスなテーマ、こちらはしっかりとトリオの演奏を聴かせる気が満々。普通に良い曲です。やはり軽いですけど。Lord I Lift Your Name on High 最後はテンポよくラテンが出てきます。このコンボは器用に何でもこなしてしまいます。演奏も良く、とても腕は好いんだけど器用貧乏なような気もします。 
 今まで聞いてきた3枚の中で、The Eric Byrd Trio のイメージは正統派のスイングをさらっと演奏するバンドのイメージがあり、こちらが多分異色な作品なのかとは思っており、これが、このトリオのアルバムで一番好きかも知れません。しかし3枚ともサウンドは、明るい喫茶店などでBGMで使うのに使い勝手が良さそうな演奏です。おそらく、このトリオに深入りはしないと思いますが少しづつ気分が向いた時に他のアルバムも購入して聴いていこうかなと思っています🎶

piano vocal : Eric Byrd
bass : Bhagwan Khalsa
drums : Alphonso Young, Jr.

1. There's No Greater Love / Isham Jones, Marty Symes
2. God Bless the Child / Arthur Herzog Jr, Billie Holiday
3. Message in a Bottle / Sting
4. Maybe baby / Eric Byrd
5. Love Letter to Lima / Eric Byrd 
6. The Great City / Curtis Lewis 
7. Lonely Avenue / Doc Pomus
8. Making Whoopee / Waller Donaldson, Gus Kahn 
9. Blessed Assurance / Fanny I Crosby
10. Lord I Lift Your Name on High / Rich Founds 






  

2025年3月14日金曜日

James Cotton / Mighty Long Time


 ジャケット写真だけで、持っているかどうかの判断をしていると、新しく仕入れたつもりでもジャケ写違いを購入してしまっていることが度々あります。当然その話をするからには、このアルバムも、そのうちの一つです。どっちの写真が好きかと言えば、下の方が好みです。マニアの方にはジャケットの違いも含めて好きなアーチストのアルバムは、全て揃えたい方が世の中にはいらっしゃるようですが、私は安くて音源を収集できる方が良いので2枚あると、しまったと後悔しています。

Mighty Long Time (Vinyl, LP, Album) アルバムカバー

 James Cotton のソロ・デビューは1965年でアルバム名は Chris Barber Presents Jimmy Cotton, and と書いてありますので、どうやら最初は James ではなく Jimmy だったようです。その後は、Vanguard、Verve、Capitol、Buddah、Alligator、Blind Pig、Antone's、Telarc International などからアルバムを数多く録音していますが、このアルバムは、Antone's からの2枚目です。もう一枚は Live At Antone's Nightclub(1988) です。ナイト・クラブが出演するアーチストを売り出しているインディーズ・レーベルかと思っていましたが、今回のレコーディングはスタジオだったので調べて見ると、所属アーチストも結構多いレーベルでした。


 と言うことで、これは Antone's の2枚目、最後の1991年のアルバムで、録音状態は良くスタジオ一発録りの感じがします。ジャケットはライブっぽいですが・・
 それでは、レビューしていきましょう。Straighten Up Baby は、James Cotton のオリジナルで、ギタリストは Stevie Ray Vaughan の兄、Jimmie Vaughan とテキサスを中心に活動していた Derek O'Brien の白人ギタリスト2名です。オープニングは James Cotton は歌に専念でハープ無し。ギターの Derek O'Brien は Antone's 所属のギタリストです。ピアノも Mike Kindred も白人ですが、Stevie Ray Vaughan で有名な Cold Shot のサブ・ライターです。キッチリとした演奏ですが、白っぽくないサウンドです。Everything Gonna Be Alright では、メンバーがいつものギター Matt Murphy, Luther Tucker ピアノは Live At Antone's Nightclub(1988) でも登場の Pinetop Perkins で安定のサウンドです。次の Black Nights も2曲目とメンバーは同じ、曲調も同じで日本の演歌も似たような曲が多いのと、ブルースは同じなんだなと、こういった曲の連続で感じます。Blow Wind Blow は、Muddy Waters のジャンプブルース系ではない有名なブルース・スタンダードで、James Cotton のライブ・アルバムでは、いつも収録されている十八番です。 Live At Antone's Nightclub(1988) の収録も良かったけど、Live At Electric Lady(1974) が、ズシズシきて一番好きです。ベースが Calvin Jones に変わってます。Sugar Sweet は、明るく軽いノリのブルース。ギターとピアノがメンバー交代していて、泥臭くない系になっていないので、James Cotton もボーカルは軽め。ですがハープは、かなり細かく技を入れてきて、いつもより長く演奏しています。終わりがないハープ・ソロのようで残念ながらフェイドアウト。Moanin' At Midnight は、古臭いワン・コードのブルースです。James Cotton のアルバムでは珍しいパターンで、きっと下積み時代はこんな曲が多かったんだろうかと想像できます。Baby Please 余裕の感じられる演奏で、楽曲は Percy Mayffeid の曲です。メンバーは Mall Murphy. Luther Tucker のギター、Pinetop Perkins のピアノに戻り重さと安定感があります。Baby Please 作曲者の Percy Mayfeild 1950年代が絶頂期のブルース・マン。Baby Please come back to me と嘆くのは、この歌の主人公の囚人。あまりに典型的な歌詞と典型的なブルースで、これがブルース。Hold Me In Your Arms これは James Cotton 得意のジャンプ・ブルース。Jimmie Vaughan のスライドがギュンギュンと唸るのも楽しい。硬質な Mel Brown のピアノも、この曲に合ってます。そして、ブルースマンの基本 Call It Stormy Monday は、シンプルで装飾少なくしっとりで、ハープ無しです。James Cotton が珍しくしっとり歌ってます。次は Willie Dixon の楽しいブルースです。どこかできたことあるヤツです。Three Hundred Pounds of Joy ブットい声の James Cotton が下は限界の低音で歌っているのが迫力あり、この曲も歌に専念。Northside Cadillac は、ファンにとってはボーナスの歌無しインスト・ブルース。Matt Murphy のパキパキのギターがJames Cotton をドンドン煽ります。最後は多分 James Cotton の心の師匠の Sonny Boy Williamson の 1952年のヒット曲 Mighty Long Time。しっとりと、心を込めたハープと歌で締めくくります。
 基本的に、James Cotton はライブ・アルバムが好きなんですが、これは結構つくりんこんでいる感があって聴きごたえありました🎶

producer Clillord Antone
recorded at Ailyn Studio. Studio D and lone star Sound 

1. Straighten Up Baby / James Cotton
vocals : James Cotton
piano : Mike Kindred
guitars : Jimmie Vaughan, Derek O'Brien
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains-Drums
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
2. Everything Gonna Be Alright / Wallet Jacobs
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
3. Black Nights / F. Washington 
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
4. Blow Wind Blow / McKinley Morganfield
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith 
5. Sugar Sweet / Mol London 
vocals, harmonica : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jone
drums: Willie Smith 
piano : Mika Kindred
6. Moanin' At Midnight / Chester Burnett
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Donny Freeman
guitar : Hubert Sumlln
bass : Larry Eisenberg
7. Baby Please / Percy Mayfeild
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy. Luther Tucker
piano : Pinetop Perkins
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
8. Hold Me In Your Arms / James Conon
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Mel Brown
guitars : Jimmie Vaughan
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains
9 Call It Stormy Monday / T.Bone Walker 
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Wayne Bennett
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
10. Three Hundred Pounds of Joy / Willie Dixon
vocals : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jones
drums: Willie Smith
piano : Reese Wynans
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
11. Northside Cadillac / James Cotton
harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy
bass : Calvin Jones-Bass
drums : Willie Smith
12. Mighty Long Time / Sonny Boy Williamson 
same as "Moanin' At Midnight". 





  

2025年3月13日木曜日

Faces / Snakes and Ladders


 シングル・カットの曲や様々なアルバムからピックアップした曲で構成されている1976年の解散後にリリースの公式ベスト・アルバム。1975年12月27日に正式に解散宣言ですから、最後のひと稼ぎでしょう。お金の匂いがプンプンします。
 Faces は最後は Rod Stewart が、単独で成功したがために分裂していったので、売れることが重要だったわけです。今回これを書くために調べていたところ、選曲に関するところで、Ooh La La の Ronnie Wood のリードボーカルを除いて Rod Stewart であるというところが、グループのもう一人のボーカリスト兼ソングライターである Ronnie Lane のボーカル曲が収録されていないことからも、このバンドの解散の原因が見て取れます。
 

 と、大人の事情も見えてしまいましたが、Faces のサウンドは、とても好きな部類ですがアルバムを買いそろえることはしていないため、こういった中古屋で購入したベストで、様々な楽曲を楽しめるのは有難いことです。
 再度聴きながら、このバンドのサウンドを楽しんでいきましょう。Pool Hall Richard は、 Rod Stewart, Ronnie Wood の共作で、イントロのギターリフもカッコよく、チャックベリーが進化したようなカラッとしたロックンロールで、Rod Stewart の煽る様なバカ騒ぎ系ボーカルが痛快です。オリジナル・アルバムに入っていない新曲。今気づきましたが最後に、ガラス瓶が割れる音が入ってますね。曲の内容からすると、ビリヤードで喧嘩して Richard をぶん殴ったのか? Cindy Incidentally 1曲目が煽る系の曲だったのに対し、少し落ち着いたロックンロールになっています。Ronnie Wood のギターのバッキングは、色々なアイデアが入っているのが素晴らしい。短いですね。2分37秒。Ooh La La フォーク調でありますが、ロックンロールだけが売りではない Faces の音楽性がわかる名曲です。 Sweet Lady Mary これも聞き覚えがある曲でバラード。オルガンのロングトーン、スライドギターの繊細な音にのせた Rod Stewart のしゃがれ声がしんみりさせてくれます。1970年の曲ですから、未だバンドの皆さんが一丸となって頑張っていた時期です。Flying は、The Who っぽいですね。これは余り耳覚えは有りません。1972年にロックオペラのTommy への参加で Pinball Wizard を歌ったとのことでそこら辺の影響ですね。Pineapple and the Monkey 忘れてました。インストロックです。テクニックに走ることなくゆったりとした演奏で、ほのぼのタイプです。You Can Make Me Dance Sing or Anything これは、Faces の匂いがたっぷりする軽いロックで、日本人の 山内 テツ が参加の曲。これだけが、オリジナル・アルバムに収録されていない新録音のようです。1975年なのでバックにオケが入ったりと、趣は今までと随分と違い私の趣味ではないかな。Had Me a Real Good Time ブギーなロックンロールのリフが楽しい楽曲です。田舎っぽい雰囲気と、サビの Rod Stewart の振り絞る様なロングトーンが良いです。言わずもがなの名曲 Stay With Me は、ギターのリフとかも、モタモタしていない都会な感じがします。昔この曲がラジオから流れてくると、すっげえなと思って聴いてました。Miss Judy's Farm なんで、これを選択したのかと思います。ボーカルとギターのリフが合っていない。Silicone Grown ブギタイプのロックン・ロールは安定感があります。ブルースでは、ほぼ同じ進行で、歌詞とサビが微妙に違う曲も多く存在しますが、ロックだとさすがにもう少し変えた方がいいんじゃないかと思うのも、若干。Around the Plynth スライドでキュンキュンやるのですが、ブルース感よりも Led Zeppelin っぽいヨーロッパ系民族音楽感があります。こんなのもやってたのかと改めて思ってしまいます。
 書き始める前に金の匂いがするベストだとか書いてしまいましたが、様々なタイプの楽曲が入っていて、自分が思っていたイメージの安っぽい流行り曲の集合体とは違うことを改めて聴いて認識。またオリジナル・アルバムに収録されていない2曲もファンにとってはありがたいベストであはあります。でもよく考えると「他を全て揃えている方には、もう一枚買っとかなきゃコンプリート出来ないっすよ」というセールス感もやはりあるか🎶

vocals : Rod Stewart
piano, organ : Ian McLagan
guitar, harmonica, backing vocals, lead vocals (3), bass (1) : Ronnie Wood
bass, guitar, percussion, backing vocals (except 1, 7) : Ronnie Lane
bass (7) : Tetsu Yamauchi
drums, percussion : Kenney Jones
horns (8) : Harry Beckett and Bobby Keyes

artwork (cover art) : Ronnie Wood

Track 1, "Poolhall Richard", was recorded very shortly after Ronnie Lane's departure from the band and before his replacement Tetsu Yamauchi was hired. It is actually Wood who plays the bass guitar on the recording.
Tracks 5, 6 and 12 from First Step (1970), and produced by the Faces.
Track 4 from Long Player (1971), and produced by the Faces.
Tracks 9 and 10 from A Nod Is as Good as a Wink... to a Blind Horse (1971), and produced by the Faces with Glyn Johns.
Tracks 2, 3 and 11 from Ooh La La (1973), and produced by Glyn Johns.
Track 1 from the 1973 single, and produced by the Faces.
Track 7 from the 1975 single, and produced by the Faces.
Track 8 from the 1970 single, and produced by the Faces.


1. Pool Hall Richard / Rod Stewart, Ronnie Wood
2. Cindy Incidentally / Ian McLagan, Stewart, Wood
3. Ooh La La / Ronnie Lane, Ronnie Wood
4. Sweet Lady Mary / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
5. Flying / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
6. Pineapple and the Monkey / Ronnie Wood
7. You Can Make Me Dance Sing or Anything / Kenney Jones, McLagan, Stewart, Wood, Tetsu Yamauchi
8. Had Me a Real Good Time / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
9. Stay With Me / Rod Stewart, Ronnie Wood
10. Miss Judy's Farm / Rod Stewart, Ronnie Wood
11. Silicone Grown / Rod Stewart, Ronnie Wood
12. Around the Plynth / Rod Stewart, Ronnie Wood