2025年3月7日金曜日

Chris Connor / A Jazz Date With Chris Connor



 Chris Connor(クリス・コナー)は1927年のカンサス生まれ。安定感のある歌唱力を持ち、ハスキーボイスが特徴で、Anita O'Day、June Christy らと並び、Stan Kenton and his Orchestra が輩出した「ケントン・ガールズ」の一人。元々はクラリネットを習っていたのですが、1945年にジェファーソンシティにある大学の卒業式で歌った時、自らの歌に対する聴衆の反応が良かったことをきっかけに、本格的に歌手の道を目指し、1948年にニューヨークへ渡り、速記者をしながら楽団のコーラス、歌手で生計をたて、1953年にベツレヘム・レコードと契約し、 Sings Lullabys of Birdland (1954)  がヒット。2009年8月29日、癌によりニュージャージー州にて死去しています。私はこの他。Chris Connor At the Village Gate (1963) を持っていますので3枚目となります。
 1954~1956年で Bethlehem からデビューで4枚のアルバム。1956年以降は Atlantic を中心に、FM、ABC、Stanyan、CBS/Sony、Progressive、Applause、Eastworld、Stash、Contemporary、Enja、Alfa、Audiophile、HighNote と、かなりの多作な方です。
 完成度が高いのは Bethlehem からデビューの Sings Lullabys of Birdland (1954) と言われていますが、Atlantic 時代が頂点と言われているようで、本CDは、その Atlantic 時代の1958年リリース、もう一枚所有の。Chris Connor At the Village Gate (1963) は FM です。じっくりと後で聴き比べてみたいと思います。


 本アルバムに関係ない前置き長かったですが、レビューしていきたいと思います。出だしは Moon Ray イントロは Joe Puma のギターからの、ギター伴奏で歌いだし、今度はベースの Oscar Pettiford が、エスコートするように歌います。普通なら中盤で聴かせるような曲ですが、トップがこれはインパクト絶大で、プロデューサーが誰かはわかりませんが中々のアイデアです。Chris Connor の低音がギリギリのところっぽくて、そこが色っぽいんじゃないでしょうか。Poor Little Rich Girl 最初がしっとりであれば、次は明るいスイング。小走りするように歌い、Al Cohn のテナーソロの後での、ボーカルとの短いかけあいのところが、妙に和みます。Squeeze Me 今度はボンゴが大活躍の軽いスイングです。ライナー・ノーツの解説によれば、曲は Just Squeeze Me で Duke Ellington 作曲、Lee Gains 作詞 の間違いであると書かれていますが、ライナー・ノーツのまま曲は掲載しています。またボンゴの Chano Pozo は既に亡くなっているので従弟か、誰かとのことも掲載されていますが、それもライナー・ノーツのまま掲載です。Fancy Free ディズニーっぽい可愛い曲で、1950年のミュージカルの歌曲とのこと。フルートの Sam Most がファンシーです。最後のチーンは、ビブラホンの Eddie Costa でしょうか。小技ですね。It's A Most Unusual Day は、映画の挿入歌とのこと。正統派ですが、エンディングでボーカルのみになりボンゴとコンガだけが残ってのフェイド・アウト。たまたまの切り方だったのか、また続きがどんなことになってたのか気になります。流して聴いていた時には気づかなかった仕掛けがあります。All I Need Is You コンボの演奏ながらビッグバンドっぽいアレンジで、Chris Connorが色っぽい。当時のオヤジ達はここら辺に、いかれたに違いない。It Only Happens When I Dance With You 先ほどは色っぽかったが、今度は色っぽいながらも凛としています。これも聴き流しているだけでは気づかない違いかと思いますが、結構芸が細かいですね。素晴らしい。Lonely Town せっかくのボーカルのみの効かせるイントロが、お風呂に入っているようなリバーブは、エンジニアか、プロデューサーのミスチョイスだと思います。ああ最後もお風呂のリバーブでのエンディング。気を取り直して、Everything I've Got ここでボーカルの録音のレベルが少しあがったような気がします。スインギーで近くで歌ってもらっているような感じがして良いですな。Driftwood ピアノの Ralph Sharon とのデュオ。極上です。I'm Shooting High パーカッションのリズムにのってのノビノビした歌唱。うーん。軽い、いや軽やか。My Shining Hour 2曲続けて軽めのスイングですが、こっちの方が気持ち良いですかね。オリジナルでは、これがラストの曲で、そんな締めくくりの雰囲気が漂う曲でした。Misty ボーナストラックです。Erroll Garner の名曲で、ちょっと変わったアレンジです。演奏は明らかにメンバーが違いますがわかりません。 Senor Blues さらに Horace Silver の超スタンダードですが、これまた変化球アレンジです。Chris Connor のボーカルはどうなんだろうか。ボーナスなんでサービスで、くっついているようなもんなんで文句は言いませんが。
 最初に聴き流した時より、じっくり聴き直した方が、はるかに良かった印象です。行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」で最初に聴いた時は、マスターも聞き流した感じでしたが、音量大き目で再度近く挑戦しようと思います。
 あと最近、新たなジャズ・ボーカルを聴きたいなと思っていて、中古CD屋に行くとジャズ・女性ボーカルの棚を見ているんですけど、せっかくなら容姿端麗な方はいないかなあとジャケットから見ているんですけど中々食指が動くジャケットが見当たらんです🎶

vocals : Chris Connor
piano, arranged by : Ralph Sharon
guitar : Joe Puma (1, 4, 8, 10)
bass : Oscar Pettiford
drums : Osie Johnson
Bongos : Chano Pozo (3, 5, 11, 12)
Congas : Mongo Santamaria (曲: 3, 5, 11, 12)
tenor sax : Al Cohn (2, 3, 5, 6, 7, 9, 11, 12), Lucky Thompson (3, 5, 11, 12)
Trumpet – Joe Wilder (2, 6, 7, 9)
flute : Sam Most (1, 4, 8, 10)
vibraphone : Eddie Costa

1. Moon Ray / Arthur Quenzer, Artie Shaw, Paul Madison
2. Poor Little Rich Girl / Noël Coward
3. Squeeze Me / Clarence Williams, Thomas Waller
4. Fancy Free / Harold Arlen, Johnny Mercer
5. It's A Most Unusual Day / Harold Adamson, Jimmy McHugh
6. All I Need Is You / Benny Davis, Mitchell Parish, Peter DeRose
7. It Only Happens When I Dance With You / Irving Berlin
8. Lonely Town / Adolph Green, Betty Comden, Leonard Bernstein
9. Everything I've Got / Lorenz Hart, Richard Rodgers
10. Driftwood / Peter Udell, Tommy Goodman
11. I'm Shooting High / Jimmy McHugh, Ted Koehler
12. My Shining Hour / Harold Arlen, Johnny Mercer
13. Misty / Erroll Garner
14. Senor Blues / 






  

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