2025年3月16日日曜日

Gregory Porter / Be Good


 最初に購入の Liquid Spirit (2014) に惚れ込み、直ぐに札幌タワレコに直行した2枚目となります。このアルバムは2枚組になっています。Disk2は、デビューアルバムの Water (2010) の EP となっていて、Waterに収録されていた 1960 What? の様々なリミックスが4曲入ってます。1960 What?は、デトロイトの暴動を歌ったプロテスト・ソングで、アルバム「Water」の中でも重要なメッセージ性を持つ曲です。でも、Disk2は存在を忘れていました。最初に聴いた時に1960 What? で正直な感想、4曲もいらんなと思ったことが蘇ってきました。でも、PC と WalkMan へのデータ取り込みしてませんでしたので、取り込みながら聴きながら作業進めます。しつこいけど取り込んどきます。
 ちなみに、このアルバムは日本版で1,980円が定価でした。EP は、日本盤だけの特典のようで、通常は1枚目だけの販売で、ヨーロッパ発売のものでは1枚がレコード、もう一枚はCDと言う変化球の販売もあるようです。
 

 気に入っているので、頻繁に繰り返し聴くことの多いアルバムなので、先月も布教するべく、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に持参して、かけていたら、音楽はさほど好きではないけど、いつも飲みに来る私よりも先輩のマダムが「あら、素敵なお声ね」と直ぐに反応していただけました。このお方、音源に対して私たちの、あーでもない、こーでもない、と語る戯言に微笑むだけで見守っていてくださるお方で、音楽に関する言及は、ほぼ無いだけに、良い音楽の持つ力を感じました。そしてジャケットを見て「まさかこの方耳が」悪いの?」そうですよね、そう思います。お答えしましょう。昔、手術をした時に被っていた帽子をインパクトもあるために今も被っているそうです。まあ彼独特のファッションのようです。「でも、お鬚も生えていらっしゃるし、暑いと思うけどいつも被っているの?」さすがに彼の私生活まで知っている訳はなく「うーん、どうなんでしょうね」


 などと楽しく会話しながら拝聴したアルバムを再度聴きながらレビューします。Painted On Canvas 作曲は、Gregory Porter ご本人の優しいメロディとソフトな歌い方のインパクトが濃い楽曲です。ソプラノ・サックス Kamau Kenyatta のオブリーガードも気持ち良いと感じていましたが、じっくり聴くと Chip Crawford の緩急の効いたピアノ、ドラムの Emanuel Harrold のアクセントのつけ方など凝った楽曲です。またジャケットは筆を持った Gregory Porter なのが、この曲を現わしてたのかと今更気づきました。そしてタイトル曲 Be Good (Lion's Song) に続きます。なんでライオンなのか?歌詞を読ん見るとライオンは自分のことで、その中ライオンは檻の中で飼われていて、ライオンさんいい子でいてねと言う歌でした。ライオンは噛むかも知れないとつぶやきますが、大人しくしていい子にしてBeGood と彼女に言われることに満足しているようです。心落ち着くしっとりとした楽曲です。ここから牙をむく曲が、どこかに入ってたら怖いですが、そんなことは無いようです。でも、それが 1960 What? につながって行くのか?とも考えましたが、日本盤限定のEPなので深読みしすぎか。On My Way To Harlem しっとり2曲続いたところで晴れやかな曲になります。ハーレムに車で向かう途中に作曲したというハーレムに楽曲で Duke Ellington、Langston Hughes、Marvin Gaye に思いを馳せながらハーレムの街並みを車で走っている疾走感もあり、ジャズ調ではありますがソウルの風味がするのも小気味よい楽曲。最後はHey there goes the A train の繰り返し。Real Good Hands のテーマのメロディーはどこかで聴いたことがあります。Gregory Porter 作曲ですが、曲調は Impressions あたりの古いソウルなので何かの曲をオマージュしているような感じがしますが、今の私ではそこまで。The Way You Want To Live 徹底的にしっとりと聴かせてきます。これも力強さと柔らかさが共存する深いボーカルが気持ち良い曲です。Chip Crawford のピアノと息がぴったりです。When Did You Learn タイトルの問いかけに直ぐに曲の最初に答えが歌詞で出てきます。love game です。素敵なラブ・ソングかと思います。序盤で書くのを飛ばし過ぎたので、少々疲れ気味かもしれません。Imitation Of Life ここでスタンダードきました。1959年の映画「悲しみは空の彼方に」の主題歌で、人種差別と物質主義のアメリカ社会を描く映画らしいので、なるほど、そこにも根差した選曲ですか。Mother's Song こちらは Gregory Porter 作曲のソウル気味。今までの楽曲は押さえ気味のしっとりした歌い方でしたが、ここで一挙に力強くなります。ピアノも開放的で盛り上がります。Our Love 再び聴かせる方向です。ここまでしっとり系が主体だと、だいたい私飽きてくるんですが、このアルバムに関しては大丈夫。Bling Bling ここ一番の早いバップです。Bling Bling の言葉の響きでアクセントをつけて、ボーカルもスキャットも飛び出しますが力強く吸った息を全部吐き出すような迫力に拍手。Yosuke Sato 氏の サックス・ソロは、日本として応援したいところだが曲の迫力に押され気味なのが残念。Work Song は、迫力満点の有名な Nat Adderley のスタンダードです。Gregory Porter は好きな曲でもあるんでしょう、全開の力の入れ方が怖いくらいです。こういう曲も歌える人はアルバムに交互にいれて緩急をつけるのが多いパターンだと思いますが、ものすごく独特でなアルバムの作り方が非凡です。最後は God Bless The Child で、Billie Holiday で有名なスタンダードを国歌斉唱のような独唱で締めくくっています。原曲とテイストが違い過ぎて原曲と何回か聞き比べてしまいました。しかし違う曲に聞こえてしまうのは変わりありません。昨日聴いていたThe Eric Byrd Trio の 21st Century Swing Live (2013) の軽いノリの God Bless The Childとは全く違うのは、もはや笑いです。これは自分で演奏してみて曲を理解しないと一致点を見つけるのが凡人には難しいうヤツです。やはりじっくり聴くと発見があって面白い。Disc2 のレビューは疲れたので、今度このレビューを更新の時にしときます。
 改めてグレゴリーポーターの中域の張りのある声、力強さ、柔らかさ、説得力を堪能し、作り込みが違う良いアルバムだと思います。お気に入りの棚に戻しておきます🎶

【Disc1】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James
drums : Emanuel Harrold 
soprano sax : Kamau Kenyatta (1)
trumpet, flugelhorn : Keyon Harrold (2,3,4,8,11)
alto sax : Yosuke Sato (2,3,6,8,9,10,11)
tenor sax :  Pennicott (3,4,8,10,11)

producer : Brian Bacchus

1. Painted on Canvas / Gregory Porter
2. Be Good (Lion’s Song) / Gregory Porter
3. On My Way to Harlem / Gregory Porter
4. Real Good Hands / Gregory Porter
5. The Way You Want to Live / Gregory Porter
6. When Did You Learn / Gregory Porter
7. Imitation of Life / Paul Francis Webster, Sammy Fain
8. Mother’s Song / Gregory Porter
9. Our Love / Gregory Porter
10. Bling Bling / Gregory Porter
11. Work Song / Nat Adderley, Oscar Brown Jr.
12. God Bless the Child / Arthur Herzog, Jr., Billie Holiday

【Disc2】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James (1,2,3,4,5)
drums : Emanuel Harrold (1,2,4,5)
drums : Chuck Mcpherson (3)
trumpet : Melvin Vines (1,2,4,5)
trumpet : Curtis Taylor (2,4,5)
alto sax : Yosuke Sato (1,2,4,5)
alto sax : James Spalding (4)
trumpet : kafele Bandele (3,4,5)
trombone : Robert Stringer (1,2,4,5)

1. Pretty / Gregory Porter
2. Magic Cup / Gregory Porter
3. Skylark / Hoagy Carmichael, Johnny Mercer
4. Black Nile / Wayne Shorter
5. 1960 What? / Gregory Porter
6. 1960 What? (Opolopo Remix) / Gregory Porter
7. 1960 What? (Wicked Jazz Sound Edit) / Gregory Porter
8. 1960 What? (Peas Mix) / Gregory Porter





  

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